5月と月始めが繁忙期なので、そろそろある程度落ち着くんじゃないかなーっと。
話は変わりまして、俺TUEEEE小説を書きたいと思ったことはありませんか? でも、俺TUEEEEをすると、大半は「努力せずに最初から強い」「普通の人間なら人を殺すのに嫌悪感を抱くはずだ」「普通ならそれ無理じゃね?」と批判を受けることがあると思います。
そんなお困りの作者様に朗報です。
主人公の苗字を『島津』にしましょう。それですべて解決します。「首を取ることしか頭にない、戦馬鹿のキチガイ野郎」というデバフが付与されますが、これで俺TUEEEEの主人公批判の大半が来なくなります。島津ですから。
今回はレイシフト会議。
次回は例の皇帝が登場します。
約一か月ぶりとなるレイシフト。
集まったのは所長やロマン、ダヴィンチちゃん。そしてサーヴァントの面々。いつものキチガイ共。しかし、マスターとして現地に赴く俺に、ロマンが放った一言は最悪とも呼べる事実だった。
「──は? ごめん最近難聴系主人公目指していてさ。もう一度言ってくんない?」
「君達が今度レイシフトするのは中世ヨーロッパ。場所はローマ。けれども、
難聴系&鈍感系で乗り越えてみようとしたが、現実は非情で残酷であった。冬木市といいオルレアンといい、なんか普通なら詰んでいる状況多くないか?
二つの特異点が攻略できたのだって、お世辞にも自分達が優秀だったからだとは言えない。双方とも単に運が良かっただけで、一つ対応を間違えれば奴さんの思惑通りになっていただろう。今回は万全を以て特異点に臨もうとしていた手前、この知らせは俺のモチベーションを最低限まで下げる。
そのあとも五回くらいはロマンと同じ問答を繰り返してみたのだが、最終的にカルデア団長に止められることとなった。
「そろそろ現実逃避は止めなさい」
「あ、柿ピー」
「柿ピぃぃぃぃいぃぃいぃぃいぃいっぃぃぃいぃぃぃぃいいいいいい」
「所長こそ現実見ろや」
魔改造して、縮地している沖田さんレベルに速い動きをするようになったルンバに、柿ピーのファミリーパックを積んで爆走させる。
所長はいつものように奇声を発しながらそれを追い回す。カルデアではいつもの光景だ。
俺は「あんなに逞しくなって……」と涙するロマンに詳細を求める。
まさか何の根拠もなしにローマが滅んだとは言わんだろう。
「本来ならば転移先は首都ローマになる予定だった。ちゃんと座標軸を固定し、安全に、そして確実にマイケル君と花子ちゃんをレイシフトさせる……はずだった。けど、僕達が観測した首都ローマは既に敵性サーヴァントに占領されていたんだ」
「ドクター、一つ質問をしてもよろしいでしょうか。カルデアは特異点を観測した時点で敵性サーヴァントの位置まで把握できるようになったのですか?」
「あんまりオレ達をなめンなよマシュマロ。人類だって十数年前までガラケーだったのに、今ではスマートフォンなンざ握ってンだぜ? カルデアの観測システムも進化すンだよ」
盾の少女の質問に答えたのはカルデアの臨時不良職員だった。自分の自信作にケチをつけられた技術者のようにふて腐れたアホは、そもそも外に出たことすらない少女に吐き捨てる。
これが出会って数日の関係なら、か弱い少女を罵るクソ野郎にしか見えない。しかし、長年付き合いのある俺達には分かる。これは「カルデアのシステムは自分が強化したから安心して攻略してくれ」と翻訳するのが正解だ。何でコイツこんな難儀な性格してんだか。
男のツンデレに何の需要がある?
それが許されるのはCV釘宮だけである(偏見)。
「実際には観測した時点で敵性サーヴァントの集団と、史実側のローマ帝国軍が衝突している最中でした。情報を集めている間に、残念ながらローマ軍は壊滅。ローマ側についていたと推測される味方サーヴァントも最後まで粘っていたのですが……」
「こちらが準備完了する前に首都が占領されちまった、って訳か。そりゃもう仕方ないってもんだ。下手に不安定な状態で放り出されても、こっちがマジで困る」
ダニエルが珍しく申し訳なさそうにしているところを鑑みるに、スタッフの方々も力を尽くしたのだろう。誰を責めることもできないし、今回は
「しっかし、こりゃ困ったなぁ。ロマンの滅んでいる発言は言い過ぎだとしても、既に首都が陥落しているとなると、巻き返しは絶望的ってもんだ。そもそも俺達がレイシフトする予定のローマ帝国の皇帝って誰?」
「ローマ帝国の第五代皇帝ネロ・クラウディウスだね」
「ネロ……あぁ、あの暴君と呼ばれたローマ皇帝ですか」
ネロ……ネロ……誰だっけ?
何か名君だったけど、壮年期に暴君になった皇帝って習った記憶があるのだが、それ以上にそのローマ皇帝の知識を持っていない。仕方ない、後で天下のWikipedia様のお力をお借りするか。
……ちょっと待って。
俺は今から狂ってるオッサン助けるために無謀なことをするん?
「うっわ、くっそヤル気でねー。何が楽しくてローマ人のオッサンの国を救うために、積んでる特異点に赴かねーといけねーんだか」
「アンタねぇ……」
「沖田さん的には戦国無双できればそれでいいです」
モチベーションが底辺どころか腹滑り状態な俺に、腕を組みながら俺達の小会議を傍観していたレティシアは呆れ、視線をゲーム画面から離さずに沖田総司は自分の意見を主張する。
ん? 聖女様がいないって? 今古戦場中だから来ないよ?
「あぁ、くっそめんどくせぇけど……ロマン、俺達がレイシフトする場所の地図くれ。地図」
「ちょっと待ってね……えっと……あ、これだ。敵本拠地のど真ん中だよ」
「控えめに言って頭おかしいんとちゃう?」
確かに
場所は城の近くの森の中。周囲は敵性サーヴァントと配下の人間が布陣しており、敵を示す赤い点がイクラ丼みたいに密集している。
これは所長に希望を見せすぎたかな?と俺は肩をすくめる。なんもしてないのに所長のせいにする。
聖杯砲で吹っ飛ばした後の奇襲作戦。被害をこれ以上増やさない上に、最短で特異点を攻略するために準備したが、これが所長に「人理修復簡単じゃね?」と思わせてしまったのだろう。こんなことなら時間をかけて挑むべきだった。
そもそも今回の特異点なんか絶望的ってレベルじゃねぇぞ?
寡兵が多兵に勝つなんざ、用兵の基本を逸脱し──?
「……あ」
「なんか物凄く嫌な予感がするんだけど」
察しの良い竜の魔女が嫌な顔がしてるけど、俺は地図を睨みながら顎に手を当てる。
物凄く頭の悪い作戦を思いついたが、もし成功したら起死回生の一手となるだろう。成功する確率はかなり低い。
「こうなった以上、たいへん不本意だが第二の特異点もパパッと解決しよう。今回はレティシアの出番は少なるかもしれんが、代わりに沖田さんに大活躍してもらうからな? マシュも要だ」
「え、人斬ってもいいんですか!?」
「あぁ、おかわりもあるぞ」
できれば聖女様にもご同行願いたかったんだがな、とは口が裂けても言わない。聖女様を引き合いに出すと、決まって魔女様が不機嫌になるからだ。
加えて、沖田さんにも我慢してもらわなきゃならないことがあるから、その分新選組こと弱小人斬りサークルの面々には存分に腕を振るってもらう。
それに、今回の作戦の要は花子だ。
一ヶ月ぐらい練習してきたアレを、お披露目する機会がこんなに早いとは思わなかったが、むしろこんな機会がめったにないのだから、出し惜しみする理由はない。
「……浮かない顔をしているが、君らしくないな。大丈夫かい? おっぱい揉む?」
「ダヴィンチちゃんや、この状況で浮かない顔しないほうが無理ってもんじゃない? いや、俺も何だかんだ考えて動いているつもりだったけど、根本的にはキチガイだったんだなぁってさ」
「そんな自明の理を今さら?」
「おい天才表出ろ。あとおっぱいお願いします」
この後レティシアにスカイアッパーをかまされたが、それ以外は特に問題がなかったので、三個目の特異点を修復する旅が始まったのだった。
♦♦♦
「本当にいつものように、あんな無理難題を抱えてレイシフトしちゃったなぁ。やっぱマイケル君は凄いね。……僕とは全然違う」
「そんな心象に浸ってる君に朗報だ」
「うん? レオナルド、どうしたんだい?」
「回収した聖杯が一つ行方不明だ」
「……はい?」
【コイツ等の元々所持してる所有スキル】
マイケル……『軍略C(味方全体の宝具威力をアップ)』
ジョン……『人間観察C(味方全体のクリティカル威力アップ)』
ボブ……『他者回復B(味方単体に毎ターンNP獲得状態を付与)』
ダニエル……『他者進化B(味方単体のスター集中度をアップ&スターを獲得)』
花子……『功名餓鬼EX(自身の攻撃性性能200%UP、自身の防御性能200%UP、各カードの性能200%UP、宝具性能5倍、無敵貫通付与、防御無視付与、弱体無効付与)(礼装とは別枠)』