ハイテクチルドレン!   作:いだかん

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あらすじより、ちょい詳しい(そして真面目な)プロローグみたいな、設定確認のためのページ。


プロローグの皮を被った前史世界観説明みたいなもの。

 準高温核融合炉式ダイソンスフィア、超高効率原子還元システム、モノポリウムリアクター、異相次元界潜航法、重力推進式時空間ポテンシャル連結機関、元素遺伝子工学による宇宙適応人種の創造──偉大なる叡知の数々により、人類はその生存・活動圏を大幅に拡大し、銀河系中枢域にまで、その栄華に満ちた足取りを遺そうとしていた。

 

 ──24世紀の初頭、『それ』は銀河系はケンタウルス腕領域内でも辺境とされる惑星で発見された。『それ』は当時、偶然にも同宙域で試験運用されていた甲殻類型生体デバイスに酷似していた為、観測員の誰一人として疑問も浮かべることなく、『それ』を生体デバイスの突然変異型として処理するため、観測船に外付けされていた低出力パルスレーザーによる焼却処分を行った事が、全ての始まりであった。

 

 人類史に遺される初の接触記録(ファーストコンタクト)は、悲劇的な未確認生命体による襲撃事件から交戦(エンゲージ)へと発展したものとして記録された。今ではその名前をごく僅かの関係者か、あるいは戦史研究家という稀有な人種が記憶するに留まる、ごく小規模の戦い。後に世紀を跨ぐ、人種種の生存を掛けた戦争の始まりにして、この認知度なのは、それだけ後世で喪われたものが大きすぎたからだった。

 

 ケンタウルス腕領域は、ものの数年で『それ』、否、『それら』によって蹂躙された。元々、新天地を求めた宇宙適応人種によって編成された開拓一団。狂暴な未確認生命体との接触を危惧し、それなりの戦力を有していた彼らでも、広大の一言に尽きる宇宙(そら)が変色するほどの大群を迎え討てる訳がなかった。奇跡的に回収されたブラックボックスから解析された内容──そこに映った『それ』を、人々は〈レギオン〉と呼んだ。古くはローマ軍団として示された、旧世代のある聖書に記された名前。まさに『大群』で迫り、食い付き、蹂躙する様は、まさに悪魔そのものであった。

 

 ケンタウルス腕の悲劇は、文字通り重力推進式時空間ポテンシャル連結機関によって、光の速さを越えて世界へ伝播されることになる。悪魔(レギオン)より命からがら逃れた、憐れな開拓者の姿は、後の戦乱に翻弄される人類の敗走を暗示していた。まともな対抗策もドクトリンも確立されぬまま、人類はオリオン腕まで追い詰められることになる。ここに来て漸く、人類は自覚させられることになる。我々は銀河系の君主などではなく、生命の摂理──弱肉強食の運命に等しく支配される、脆弱な存在に過ぎないのだと。そして、太陽系には来ないなどと、楽観視できる状態ではないのだと。遅すぎる認識と結束、そして反撃に打って出ることになる。

 

 レギオン大戦──事実上の大規模防衛作戦。その度に人類は手痛い被害を被り、開拓領域を奪われることになる。しかしながら、ここに来て人類の本性、否、生存本能と呼ぶべき執念が芽生え始める。それは人類種を地球上の覇者へと駆り立て、一時は銀河系中枢域にまで栄華を伸ばしたもの──『知性』が、次第に悪魔(レギオン)との絶望的な戦力差を埋め始めた。

 最初は全ての知性の集約であった。数の暴力と形容すべき怪物共に一矢報いるべく、太陽系と外宇宙に別れた技術を融合させ、より強力な兵器を産み出していった──しかし、絶望的な消耗戦を打破するには至らなかった。

 次いで、悪魔(レギオン)そのものの解析、研究が行われた。レギオンは悪魔であると共に、人類が未だにたどり着けない領域に存在する技術の結晶でもあった。それはまさに、悪魔の囁きそのもの。しかしながら、アイデンティティー・クライシスに代表される葛藤の類は、数多ある主義・主張の一つに過ぎなかった。絶滅(皆殺し)という現実的な未来の前に、解析は更新されていき、悪魔を持って悪夢を滅ぼす技術が、次々と産声を上げていく。

 そして、悪魔の技術(レギオン・テクノロジー)と人類の技術の融合が試みられる。悪魔の技術(レギオン・テクノロジー)による悪魔(レギオン)の打破ではなく、融合の道を選んだのは、ひとえに意地があったからだ──我々はこの悪夢を越えてみせる。これは、その第一歩であるのだと。

 幾多もの犠牲と研究の末、それらは遂に完成される──コード『ラグナロク・シリーズ』。旧北欧神話に伝わる世界の終末の日を意味する、人類の叡知と悪夢の融合(ハイブリッド・テクノロジー)によって誕生した、最強の機体。そして不死の存在となった専任パイロット(レヴナント)──人類は決断する。銀河系中枢域に存在が確認された超存在〈セントラルマザーレギオン〉への直接攻撃。つまりは完全殲滅を。これまで防戦一方であった人類が選び得る最後の切り札(ラストダンス)

 

 第5次レギオン大戦──太陽系近傍に位置する、各レギオン・プラントへの同時襲撃による陽動作戦の裏側で、悪魔(レギオン)の破滅を願われた怪物達が銀河系中枢域へと解き放たれる。たかが13の怪物らによる、生還はおろか作戦成功確率を導き出すこと自体、ほぼ不可能な電撃侵攻・殲滅作戦──壮絶な攻防の末、生き残った2機が、奇跡を起こした。

 陽動作戦領域に展開する、全てのレギオンの活動停止ないし、撤退行動。それが意味することは、ただ一つ。その意味を理解するや、まず初めに防衛軍が、次いで人類が次々と歓喜の声を上げた。1世紀近くに渡って待ち望んだもの──平和と安息の日々を、遂に勝ち取った瞬間であった。

 

 ──その時間も、末永く続くことは無かった。

 

 悪魔の技術(レギオン・テクノロジー)保有の是非に始まった論争は、太陽系を圧迫していた人類の人種問題にまで飛び火。悪夢の再来に備え、技術的邁進と戦力再編・増強を継続すべきと唱えた太陽系統治連合と、喪われた開拓宙域を取り戻すべく、積極的な外宇宙進出にこそ戦力が必要と唱える外宇宙同盟という、かつての対立構図を再燃させた。そして皮肉なことにその戦争対立には、人類の叡知と悪魔の技術(ハイブリッド・テクノロジー)が用いられていた。

 

 その最中、両者とは隔絶された機関が設立される。両陣営の良識派と、ラグナロク・シリーズを始めとする統合先進技術開発研究を専門とする開発チームによって組織された特務機関。再来が予測される悪魔(レギオン)に対し、より強力な兵器を開発しながら、その高度な運用に耐えうるパイロット育成を両立。超法規的な立場により、両陣営の抑止力としても機能し、内輪揉めによる破滅を回避させる試みが、その対立構図に新たな禍根を生み出していた。

 

 ──悪夢はまだ、そこにいるのに。それでも人類はまだ、争うことを止められずにいた。




……えらい既視感を覚える内容ですが、だいたいこんな前史世界観となっています。なんかどこぞの横シューティングゲームばりの重い世界観ですが、作品のノリとしてはマジェスティックな王子なアニメみたいになれば良いなと考えています。
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