すんませんしたっ!!!
バリバリ予定入ってて書く時間がちょくちょく削れてました・・・
あ、部活引退したのでしばらくはゆっくりかけるかと・・・
それにジオウ映画公開日に見に行きましたが面白かった・・・
これはまたもうひとつの方でしっかり感想言います。
てなわけで本編どぞ
バイクを進め、燐子の家に到着する。
「荷物取ってくるから・・・ちょっとまってて・・・」
燐子はそう言って自分の家の中に入っていった。
今更だが燐子には燐子の生活があり、突然泊まりに来て欲しいと言ったのでご両親にも今日僕の家に泊まりに行くことを話していない。
突然「今日彼氏の家に泊まりに行く」とか言ったら普通絶対に反対される。
燐子はどうご両親に言うのだろう。
そうこう考えていると燐子が出てきた。
カバンをバイクのシートの中に入れ、僕は燐子にそのことを尋ねた。
「ねぇ、燐子。ご両親にはどう話したの?」
「お父さんとお母さんは・・・まだ仕事でいなかったから・・・『友達の家に泊まりに行きます』とだけ書き置きして・・・黙ってきちゃった・・・」
「なっ!?」
燐子が「えへへ・・・」と可愛らしく笑って誤魔化す。
それあとからやばくない!?
くそっ・・・燐子が可愛すぎてなんも言えない・・・!
「と、とりあえず・・・行こっか?」
「わ、わかった・・・」
燐子がヘルメットを被ってバイクに乗ったことを確認すると僕は自宅へとバイクを進めた。
自宅に到着してリビングに入るとキリちゃんがもうソファで寝転がってスマホをいじりながらくつろいでいた。
「あ、お兄様。おかえりなさいですー。」
「も、もうくつろいでるんだ・・・さすがキリちゃん・・・」
「お兄様の匂いがして落ち着くんです!」
キリちゃんの我の強さには呆れを通り越して感心するほどだ。
するとキリちゃんは後ろにいた燐子に気がついた。
「あら、そちらはさっきあこちゃんと一緒にいた・・・」
「し、白金燐子です・・・その・・・」
「今日だけ泊まってもらうことになったんだ。これからキリちゃんとの生活が安全なのかを確認してもらうために。」
「そうなんです?キリはなんもしませんけど?」
「わかってるんだけどうちの風紀委員様がね・・・」
「あはは・・・」
燐子もつられて苦笑いする。
僕やキリちゃんがわかっていても見ないと伝わらないものは伝わらないのだ。
「まぁキリは気にしないので!」
「まぁ、キリちゃんならそう言うと思ったよ・・・」
「そうだ、気になったんですけどお二人はお付き合いされているんです?」
「「!!??」」
キリちゃんの突然の発言に顔がめちゃくちゃ熱くなる。
燐子も顔が真っ赤だ。
「いや〜お兄様昔と違って表情が豊かになりましたし、さっきから燐子さんと一緒にいてるとにこにこしてますし!キリの勘は当たるのです!」
「そ、その・・・えっと・・・」
「はい・・・クリスマスから・・・」
隠すことでもないのだが改めて確認するとすごくドキドキする。
自分がこんなにも燐子にぞっこんで、ずっと幸せオーラを出していたのをわかるとめちゃくちゃ恥ずかしい。
「やっぱりですか!なら、燐子さんは・・・お姉様!燐子お姉様です!」
「いやいやお姉様って・・・ねぇ燐子。・・・燐子?」
燐子を見ると下を向いて軽く震えている。
様子が明らかおかしい。
「ちょっと燐子!?どうしたの!?」
「・・・・・・ま・・・」
「・・・燐子?」
「お姉様・・・わたしが・・・?」
「いや、気にしなくて大丈夫だよ!とつぜんお姉様とか言われて驚いたのはわかるけど・・・」
「私に・・・妹が出来たっ・・・!」
燐子が大声とともに顔を上げる。
顔は赤く、息を荒らげている。
どう見ても普通じゃない!
「はいっ!これからキリを妹のように可愛がってくださいませ!お姉様っ!」
キリちゃんが燐子に抱きつく。
元々人懐っこい性格でこういうこと普通にやらかすのだが、一人っ子の燐子には今のセリフは効果抜群のようで・・・
「うん、よろしくね・・・キリちゃん・・・!」
反対に抱き締め返す有様である。
こんな燐子見たことない・・・
とりあえず話を進めるためにはこの謎の空気をどうにかするべきか・・・
「ハイハイ!そこまでにしましょうか!」
2人には悪いが無理やり引き剥がさせてもらう。
すると僕はキリちゃんの服装が変わっていることに気づいた。
色合いや基本の形は今日の夕方出会った頃の服装にそっくりなのだが所々微妙に違っている。
「あれ、キリちゃん着替えた?」
「あ、はい。大阪からの長旅でしたし疲れていたのでお先にお風呂に入らせてもらいました!」
「そうなんだ。あ!脱いだ服とかそのままにしてないよね!」
「もちろんですよ!ちゃんと服は洗濯機の中に、下着はネットに入れて同じく洗濯機に入れさせていただきました!私だってもう高校生なんです!」
キリちゃんが常識だけはしっかりしてて助かった・・・
それに昔とは違い、ちゃんとレディの嗜みを身につけていたことに感動する。
「そっか・・・奏多くんそういうの苦手だったもんね・・・」
「あはは・・・あ、キリちゃん。」
「なんでございますか?」
「その・・・燐子がお風呂入る時も洗濯物頼むよ。僕じゃ・・・その・・・やりにくいからさ。」
「わかりました!お姉様の世話はこの不肖キリが務めさせていただきますっ!」
キリちゃんが目を輝かせてピシッと敬礼する。
それを見て燐子は少し慌てた様子で話した。
「え、えっと・・・それくらいなら自分で出来るから・・・そんなに尽くそうとしなくても・・・」
「いえ!お姉様は立派なお客様ですっ!お客様に働かせるわけには行きませんし、これも立派な妹であるキリの務めですっ!」
「うん、燐子は今日はこちらからしたらお客さんなんだ。だから今日くらいこっちで面倒みさせて欲しいな。」
燐子にそう言うと燐子は少し考えたあとニコッと笑った。
「それじゃあ・・・お言葉に・・・甘えようかな・・・」
「はいです!キリに任せるですよお姉様っ!」
そう言うとキリちゃんが燐子の背中を押して風呂場に連れて行く。
燐子は困りながらも笑顔でキリちゃんに身を任せていた。
「・・・あんな笑顔の燐子・・・初めて見たな・・・」
今考えてみると燐子は結構強引な子に引かれる性質があるのかもしれない。
あこやキリちゃんだけではなく、最近では上原さんや薫さんと話しているところをよく見る。
燐子は人と話すのは苦手だ。
でも、最近それを克服しようと頑張って見える。
けど・・・他の人とよく話すようになってきた・・・か・・・
その事を考えると何故か胸の中がモヤモヤする。
この感覚・・・一体なんだろうか・・・
燐子がお風呂から上がり、みんなで夕飯を食べるとキリちゃんは「今日は少し疲れが出てますのでお先に寝させていただきます。おやすみなさいお兄様、お姉様!」と言って先に客間(これからキリちゃんの部屋になる部屋)へ戻って行った。
リビングには僕と燐子が残され、僕は燐子の隣に腰を下ろした。
「・・・キリちゃんのこと、どう思ってる?」
「うーん・・・初めてお姉様って言われた時に・・・なんだろう・・・電気のようなものが走って・・・そしたらキリちゃんが本当の妹みたいに可愛く見えて・・・」
「あはは、キリちゃんそういう所あるから。」
「うん・・・でも、私って結構強引な子に惹かれやすいんだと思う・・・あこちゃんも・・・初めて出会った時私の手を引いてくれたし・・・」
「確かに、あこってグイグイ引っ張るからなぁ〜」
「でも、あこちゃんがいてくれたから・・・今の私があって・・・Roseliaの私がいる・・・だからあこちゃんには・・・とても感謝してるんだ・・・もちろん、私の音を好きでいてくれて・・・私が変わるきっかけをくれた奏多くんにも。」
「そんなことないよ。僕自身は何もしてない。こっちの方が感謝することは多いんだから。」
「ふふっ・・・そう言うと思った。奏多くんらしい・・・」
そんな他愛のない会話をしていると、僕はあることを思い出した。
そう言えば燐子は何か話したいことがあると言っていた。
「そう言えば燐子、何か話したいことがあると言っていたっけ?」
「あっ・・・うん、そうなんだけど・・・」
すると燐子は軽く下を向いた。
けど、すぐに顔を上げて話し出した。
「奏多くんは・・・鰐部さん知ってるよね・・・」
「あ、うん。結構手伝いとかさせられるしねー」
燐子の言う鰐部さんとは
今までの生徒会長で、しっかり者だが何かあるとちょくちょく手伝いとして僕を駆り出した御方だ。
「Glitter*Green」というバンドでキーボードを務めており、Roseliaが参加するライブでちょくちょく共演したためその辺でも交流はある。
同じキーボードとして燐子と鰐部さんが話すのも見る。
しかしなぜ今鰐部さん?
「で、鰐部さんがどうしたの?」
「うん、奏多くんは知らないと思うけど・・・花咲川の生徒会長って、前年度の生徒会長が次の生徒会長にふさわしいと思う人を指名するんだ・・・」
「え?そうなの!?初めて知った・・・」
1年生の時にいた高校は初めに立候補した人の中から投票で生徒会役員を決め、その中で相談して生徒会長や書記などの係を決めていた。
付近の高校もそんな感じだったのでてっきり花咲川もそうだと思っていた。
「・・・ねぇ燐子、その相談をしてきたってことは・・・もしかして・・・」
「えっと・・・鰐部さん・・・私を次の生徒会長に指名して・・・生徒会長やらないかって・・・」
「あの人マジで言ってます!?」
さっきも言ったが燐子と鰐部さんはちょくちょく交流がある。
そしてあの人は燐子が人混みを嫌うのを知っているはずだ。
・・・でも、僕があの人に抗議しても意味は無いだろう。
だから僕は落ち着いてから燐子に尋ねた。
「確かにあの人すこし押し付けるくせはあるけど・・・これだけは聞かせて。燐子はどうしたいの?」
「私?・・・私は・・・私は・・・」
……To be continued
次回『ワタシノオモイ』