無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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ついにポピパ12人目の星4でポピパ全員が星4になった隠神カムイです。

ドリフェスにてうさぎのパジャマのおたえを引き、イベント後に調子に乗って単発を引いたらHome streetのりみりんを引きました。
・・・そんなにキラキラドキドキして欲しいのか貴様らァ!
今度特別に番外編作ってやるからゆるしてくれやぁ!(´;ω;`)

さて、そんなことはさておきお伝えしていたように、アルバイトを始めましたのでしばらくは無灰もFRO共々不定期更新となります。
その点に関してはご理解の方よろしくお願いします。

さて!本編どうぞです!


94話 ワタシノオモイ

「私?・・・私は・・・私は・・・」

 

奏多くんの質問に対して私は俯いた。

 

奏多くんが私に問いたいことは分かる。

 

これは人に頼るべき問題ではなく、自分自身がどう思うかの問題だ。

 

でも、その問に対するしっかりとした答えが見つからない。

 

「えっと・・・その・・・私は・・・」

 

奏多くんは私が答えるのを静かに待ってくれていた。

 

その時だった。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

突然二階の方から悲鳴が聞こえた。

 

この声はキリちゃんの声だ。

 

「悲鳴!?」

 

「い、行ってみよう・・・!」

 

私と奏多くんは急いで二階のキリちゃんの部屋に向かった。

 

すると部屋の扉の前でうずくまっているキリちゃんを見つけた。

 

「キリちゃん!どうしたの?」

 

「お、お兄様ぁ・・・お姉様ぁ・・・」

 

「と、とりあえず落ち着いて・・・何があったの?」

 

キリちゃんは涙目で奏多くんにしがみついてなんとか落ち着くと、震えた声で話し出した。

 

「やつが・・・やつが出たんですぅ・・・!」

 

「えっと・・・キリちゃんの言う『やつ』って?」

 

「決まってます!黒光りして・・・高速で動き回る・・・人類の敵、ゴキブリが出たんですぅ!!!」

 

その一言で場の空気が一気に張り詰めた。

 

私は虫は苦手なほうだ。

 

というかゴキブリを見て悲鳴をあげない女の子の方が少ないかもしれない。

 

とりあえずどうにかしないといけない。

 

おそらくこの中で一番頼りになるであろう奏多くんを見る。

 

すると奏多くんはキリちゃん以上に顔を青ざめ、涙目となってわなわな震えていた。

 

「そ、奏多・・・くん・・・?」

 

「む、無理・・・ホントに・・・虫だけは・・・無理・・・!」

 

「そ、そうでした・・・お兄様、昔から大の虫嫌いでした・・・」

 

そんなの初耳である。

 

ということはこの中でゴキブリに対応できる人がいないわけである。

 

時間は夜の八時半、人を呼ぶにも迷惑のかかる時間だ。

 

しかしこればかりは致し方ない。

 

「奏多くん、誰か呼ぼう・・・!そうじゃないと・・・誰もゴキブリ駆除できない・・・!」

 

「その名前呼ばないでくださいっ!!!無理なんですっ!!!」

 

奏多くんはいっそうパニックになって蹲る。

 

私に対して敬語になっちゃっているのは本当にパニックになっている証拠だ。

 

私はどうにかしようと1度下に降りて、奏多くんのスマホを取った。

 

パスワードのロックは聞いているのでスマホを開けてこの中で一番頼りになる人を選択し、電話をかけた。

 

『もしもし奏多?珍しいなこんな時間に。』

 

「か、陰村さん?私・・・白金です・・・」

 

電話をかけたのは奏多くんの親友の陰村さん。

 

この前の冬、大掃除の時に教室の窓のところで冬眠していた大量のてんとう虫を素手で捕まえて別のところに移動させてたと白鷺さんが言っていたので多分虫は大丈夫だろうと思い電話したのだ。

 

『あれ、燐子?なんで燐子が奏多のスマホから?』

 

「実は今私奏多くんの家にいるんですけど・・・家にゴキブリが出て奏多くんパニックになってしまって・・・なので今からゴキブリを駆除して貰えませんか?」

 

『わ、わかった!すぐ行く!』

 

そう言うと電話が切られた。

 

おそらくすぐに来てくれるだろう。

 

私はもう一度二階にいる奏多くんとキリちゃんの所に戻った。

 

上に戻ると奏多くんは少し落ち着いたのかキリちゃんに支えられながらも立っていた。

 

「奏多くん・・・」

 

「・・・ごめんね、さっきは見苦しい姿見せちゃって・・・」

 

「お兄様、無理はしないでください・・・」

 

「ありがとうキリちゃん。それとごめんね、頼りないお兄ちゃんで・・・」

 

「いえ、お兄様が虫を嫌っているのを知っていながらも叫んで呼んでしまったキリにも責任はありますし・・・」

 

奏多くんが壁とキリちゃんを支えにこちらに歩いてくる。

 

いくら虫が苦手な人でもここまではならない。

 

何かあったのだろう。

 

いや、今はそんなことどうでもいいか。

 

「えっと・・・さっき陰村くん・・・呼んだから・・・すぐに来るって・・・」

 

「わかった、ありがとう。炎なら何とかしてくれる。とりあえずアレが部屋から出ちゃまずいから・・・キリちゃん、1階のキッチンの横の棚の奥にゴキブリ用駆除剤スプレーあるから取ってきてくれないかな?」

 

「わかりました、すぐに取ってきます!」

 

キリちゃんが下へタッタッタッと降りていく。

 

2人きりになった所で私は奏多くんに尋ねた。

 

「奏多くん、昔に何かあったの?その・・・奏多くんの虫に対する反応がとても大きかったから気になって・・・」

 

「あーえっと・・・昔、親父と母と暮らしていた時にね・・・夏に山に行ったんだけど虫のたくさんいた穴に誤って落っこちちゃってね・・・その時から虫が苦手になっちゃって、今でもそのトラウマが虫を見る度頭をよぎっちゃってああしてパニックになるんだよ・・・」

 

想像するだけでゾッとする話だ。

 

確かにそんなことがあれば誰だってトラウマになるだろう。

 

「お兄様お待たせしました!取ってきましたー!」

 

「うん、ありがとう。それじゃあドアの隙間にふきかけとい・・・」

 

最後まで言い切る前にインターホンが鳴った。

 

恐らく陰村さんだろう。

 

「それじゃあ迎えに行ってくるよ。」

 

彼はそう言って降りていった。

 

そしてその五分後に陰村さんがあっという間にゴキブリを駆除してしまったことは、あまり触れないでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか奏多、虫苦手だったなんてな。」

 

「昔色々あってね・・・」

 

「とりあえず俺は帰るわ。またなんかあったらいつでも呼べよ〜」

 

陰村さんはそう言って帰っていった。

 

キリちゃんは「ゴキブリは1匹見かけたら50匹は近くにいると聞きました・・・なので、お兄様のお部屋で寝かせて貰えませんか?」ということでキリちゃんは奏多くんの部屋でレインと一緒に寝ている。

 

なお、奏多くんは一階のソファで寝るらしい。

 

正直私のベットは一緒に使ってもらっても構わないのだが、一緒に寝ようなんて言う勇気は全くない。

 

仮に一緒に寝て、氷川さんにその光景を見られたら、なんと言われるかわかったものでは無い。

 

そんなことを考えているうちに陰村さんを見送っていた奏多くんが帰ってきた。

 

「おつかれ、大変だったね・・・」

 

「うん・・・やっぱり昔のトラウマって、そう簡単になくなるものでは無いからさ・・・」

 

「昔のトラウマ・・・か・・・」

 

確かに人は1度トラウマを経験してしまうとそう簡単に無くならない。

 

私もずっと心にトラウマを持っているから・・・

 

「燐子?」

 

「あっ・・・ごめん、ちょっと考え事して・・・」

 

「ううん、気にしないで。それと燐子、さっきの話なんだけどさ。」

 

「生徒会の・・・話・・・?」

 

「うん、燐子は生徒会長やりたいの?」

 

そう言われて言葉が詰まる。

 

でも、相談してもらうには自分の胸の内を明かさなければならない。

 

私は詰まり詰まりになりながらも自分の考えを伝えた。

 

「えっと・・・私は人前に出るの苦手だけど・・・苦手だからこそ克服しなきゃって・・・でも・・・私にそんな資格あるのかって・・・人に迷惑かけちゃうんじゃないかって・・・」

 

「・・・燐子、自分には生徒会長になる資格なんてないって思っちゃってる?」

 

「・・・ええっと・・・その・・・」

 

奏多くんにそう言われて何も言えなくなった。

 

本当のことを言うとそう思っているという方が正しい。

 

でも、『はい、そうです』と口には出しづらい。

 

すると奏多くんは優しく話し出した。

 

「燐子はさっき僕が虫に怯えて何も出来なかった時に、自分で考えて動いて助けを呼んでくれた。Roseliaがバラバラになりそうだった時もそう、自分で考えてRoseliaのこと取り戻そうと動いてくれていた。燐子はたぶん『人のためなら頑張れる』んだと思う。それって充分生徒会長の資格あると思うな。鰐部さんもその事わかって燐子に生徒会長やらないかって聞いたんだと思うよ?」

 

「人の・・・ために・・・」

 

「うん、だからあとは燐子がやりたいようにやればいい。僕はそう思うかな。」

 

私のやりたいこと。

 

やりたいことに当てはまるかはわからないけど、私は今の私を変えたい。

 

Roseliaに入って変わりつつある私をもっと変えていきたい。

 

だったら・・・

 

と、考えていると突然右肩に重さがかかった。

 

びっくりして右を見ると奏多くんが肩に寄りかかって寝ちゃっていた。

 

・・・ここ最近の奏多くんは昔と比べて色んな意味で丸く、大胆になった。

 

彼は強くなった。

 

でも、今日みたいに何かの衝撃でその強さは簡単に崩れそうになってしまう。

 

まるでダイヤモンドのような・・・強くはあるが、大きな衝撃でガラスのように砕け散ってしまう人。

 

彼はその脆さを自分でどうにかしようとする癖がまだ残っている。

 

だからそのカバーを私が・・・私たちがしなければならない。

 

「私も強くならなきゃ・・・」

 

私は生徒会長を引き受ける。

 

そしてもうひとつ・・・昔の・・・あることへのケジメをつける。

 

多分それが今の私が成長するために必要なこと。

 

「取りに帰らないと・・・昔の・・・()()()()()()()()()()()・・・」

 

そこまで考えたあと、急激な眠りが私を襲った。

 

右肩には彼がよりかかっている、動こうにも動きにくい。

 

「・・・いいや、大好きな奏多くんが横にいるなら・・・それで・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ・・・」

 

意識を覚醒させ、重い瞼を開く。

 

目の前の時計を見ると午前7時半、いつもより少し遅めの起床だ。

 

燐子とキリちゃんにベットを渡したため、1人ソファで寝ることになったが、案外悪いものでもなかった。

 

・・・なんか両腕に違和感がある。

 

目を擦ろうと腕を動かそうにもがっちり握られたように動かない。

 

正体を知るために頭を動かして左右を見る。

 

そこには燐子とキリちゃんが両腕を抱き枕のように抱きしめながら眠っていた。

 

・・・・・・・・・はい!?

 

(なんで2人がここで寝てるの!?というかこの状況なんなの?というか2人にがっちり掴まれて動けないし、なんか柔らかいの当たってるし!!!)

 

こんな感じに頭はパニック状態である。

 

すると鍵が開けられた音がして、誰かが入ってきた。

 

「おはようございます九条さん。失礼します。」

 

声の主・・・間違いない、紗夜だ。

 

そしてこの状況・・・どうにも出来ない。

 

そしてここはリビング、みんなが集まる場所。

 

予測があっていれば・・・

 

「寝ているかもしれませんし、リビングで待っていた方が良さそうですね。白金さんはああ言ってましたが、やはり気になりますし・・・」

 

紗夜は予測通りリビングに入ってきた。

 

さらに不幸なことに廊下からリビングにはいる扉の真正面にソファが、僕らがいるのである。

 

「あれ、九条さん。起きていた・・・ん・・・」

 

突然紗夜の声が途切れ、代わりにとてつもない威圧感が背中を襲った。

 

「・・・九条さん、詳しく説明して貰えますか?」

 

「あはは・・・僕が知りたい。」

 

このことに僕は苦笑いするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……To be continued




そろそろ設定資料集更新しなきゃなー
今回の虫嫌いみたいに追加設定多すぎだからな・・・

それに第2部からはRASも追加しなきゃいけないワケだ・・・

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