隠神カムイ氏ついに星四燐子ゲットしました!
しかもずっと欲しかった『わたしとピアノ』の燐子!!!
金の力ってすごい!!!(星四交換チケガチャ)
そして副産物でピュアRoseliaが揃う奇跡、ホント運命っすわ・・・
そしてその後購入した5th Day2 Ewigkitのライブで人生でこれほど泣いたのいつ以来だと思うぐらい泣きました。
あのライブほんっと神・・・
ということで本編どぞ!
鰐部さんの言葉の意味がわからないまま、数日が過ぎていた。
その間、テスト勉強、ライブに備えての練習をこなしながら過ごしてきたが、ずっとその言葉が引っかかっていた。
『互いを意識しすぎるあまり、その相手に迷惑をかける』
それの何がいけないのか正直わからないのが本音だ。
互いを意識し合うことは人と関わる中で必要不可欠である。
自分より相手のことを気遣って行動することで衝突を避け、いざこざを避けることが出来ると思っている。
自分の気持ちをぶつける大切さも知っているがやはりいつもそうしていたせいか、自分の事を二の次に考えがちなのである。
このまま行くと話が変わってしまうのでそれは置いといて。
そんな心境のままテストが終わってほかの学校より少し早めの終業式である。
3年生の方々は実は二月末に卒業しているのだが、生徒会の方々は跡継ぎや終業式のスピーチ制作などで来ていたのだ。
段に登ってそれぞれの学年の代表がスピーチしていく中(1学年代表に上がった香澄さんが演説の後ライブ宣伝に移ってしまったハプニングはあったが)、ようやく生徒会によるスピーチである。
壇上には『前』生徒会長の鰐部さんが上がっていた。
「皆さん、お久しぶりです。『前』生徒会長の鰐部です。生徒会の方で1部の3年生はちょくちょく学校に来ていたので私が来るのを知っていた生徒もいると思います。でもこれで私達もお別れとなります。まずは皆さん、いままでありがとうございました。」
ぺこりと頭を下げる。
そこに大きな拍手が上がった。
ちょくちょく泣いてる生徒も見かけたので、鰐部さんがどれだけすごいカリスマ性を持っていたのかがわかる。
こうして見るとすごい人である。
「ありがとうございます。さて、皆さんは来月から1つ学年が上がって2年生の皆さんは学校を引っ張っていく3年生に、1年生の皆さんはこれから入ってくる後輩の手本となる2年生になります。今は少ない男子の方々にも、これからもっともっとたくさんの男子生徒も入ると思います。だから皆さん、良い先輩であれるよう頑張ってください。」
さて、ここから新生徒会長の発表である。
燐子は舞台裏の方でスタンバイしていると式前に紗夜に聞いたが、めちゃくちゃ心配である。
ライブの時はキーボードに集中してるため大丈夫だが、ここはライブの場ではなく壇上である。
「大丈夫かな・・・」
こっちまで緊張してきた。
変な汗がやばい。
そしてついに鰐部さんが新生徒会長の発表を始めた。
「さて、これから皆さんを引っ張っていく新しい生徒会長の発表です。さぁ、上がってきて。」
鰐部さんが舞台袖に向かって手を招く。
そして舞台袖から燐子が姿を現した。
ここから見ても分かるぐらい震えているが、何とか壇上までたどり着くと鰐部さんからマイクを受け取った。
「え、えっと・・・その・・・新しく・・・生徒会長になりました・・・白金・・・燐子・・・です・・・」
話すにつれて言葉が小さくなっていく。
燐子の表情は青ざめて、とてもきつそうに見える。
今すぐ補助に行きたいが、頑張ってこらえて燐子を見守る。
すると鰐部さんが燐子の肩を叩いて軽く微笑んだ。
燐子は深呼吸するとスピーチを続けた。
「その・・・前会長みたいにはできないと思います・・・でも・・・自分を変えるために、そしてみんなとこの花咲川を良くしていくために精一杯頑張りますので・・・よろしくお願いします・・・!」
そこまで言って燐子が頭を下げる。
少しの静寂の後、大きな拍手が起こった。
そこには「頑張ってください!」や「一緒に頑張ろ!」などの掛け声があった。
燐子の表情を見るとほっとして安心してるようだった。
進行役の紗夜が「これで生徒会からの報告、そして終業式を終わります。一同、礼!」と言ってからそれぞれの教室に戻った。
教室に戻ると燐子がクラスのみんなに囲まれていた。
「白金さん生徒会長やるんだ〜!」
「スピーチよかったよ!」
「ちょっと意外だけど頑張って!応援してるから!」
「燐子ちゃん、何かあったら相談してね!私、力になるから!」
「鰐部さんもよかったけど燐子さんは燐子さんなりの生徒会長やればいいから!」
などなど、多方向からの質問攻めで戸惑い気味になっていた。
止めに行きたいが、この空気だとめちゃくちゃ行きにくい。
しかし、担任が教室に入ってきたので何とかその集まり解散され各自席に着いた。
「はーい、このクラスも今日で最後となります。なんだかんだ楽しい一年でした。白金が生徒会長になったのはおめでたい事だ。彼女は気が弱いところがあるからみんなで手助けしてやってくれ。以上、解散!」
担任が簡素ながらもしっかりと挨拶をしてこのクラスは解散となった。
色々とこき使われてきた記憶しかないが、案外楽しかったクラスであった。
しかし、さっきからこう胸のわだかまりというのだろうか、モヤモヤしたものがずっとここにある。
この前も感じたこの感覚・・・一体何なのだろうか・・・
そんな訳ではあるが、練習はしっかりやらなきゃいけない。
セトリとしては初期段階だと『LOUDER』『BLACK SHOUT』『Neo-Aspect』『BRAVE JEWEL』の4曲の予定だった。
しかし、あこの「あこ、新曲やりたいです!!」の一言でさらにもう一曲増えることになったのだ。
これだけハイテンポな曲ばかりだとこちらもお客さんも疲れてしまうので最初はバラードやその辺の曲にしようかと考えていた。
けど、『ハイテンポならハイテンポらしく、緩急をつけずに一気に駆け抜けるほうがいいわ』と友希那に言われたため、アップテンポ系の曲を作ることが確定した。
曲は完成したものの、肝心の歌詞と曲名がまだ決まりきってないので未だ仮の歌詞と演奏練習のみではある。
一通り演奏が終わって、僕の評価を言う前に友希那が口を開いた。
「燐子、今日の演奏、あなたらしくない音が出ていたけど大丈夫?」
「えっ・・・あっ・・・その・・・」
「それは私も感じました。みなさんはどう思いますか?」
「あ、あこも・・・いつもと違うなぁ〜っては思ってましたけど・・・」
みんなそう言ってるが、今回ばかりは僕もそう思った。
いつも燐子が奏でるような優しくて心を温めるような音じゃなかった。
例えるのは難しいけど・・・なんかこう・・・迷ってるような無理してるような?そんな感じの音・・・
「ま、まぁまぁ・・・ほら?新しい曲の練習だし、燐子もまだ掴めてないだけだって!アタシも何ヶ所か上手く弾けなかったとこあるしさー」
「たとえ新曲でも、燐子はいつも曲の雰囲気を掴めてたと思うけど?」
友希那がいつもながら厳しい言葉を語りかける。
正直リサみたいに燐子のサポートに回りたいが、それだと今は逆効果になりかねない。
「えっと・・・そ、その、曲の理解が・・・足りなかったのかもしれません・・・」
「・・・・・・」
友希那は少し黙り込むと態度を崩さずに燐子に話した。
「原因がわかっているなら、私から言うことは無いわ。次までに曲の理解を深めておいて。」
「は、はい・・・」
燐子がガクッと俯く。
やはりいつもの調子じゃない。
気がつけば幸か不幸かそろそろ練習を終わらせて片付ける時間である。
今日の練習はここまでにしておいた方がいいか。
「と、とりあえず時間も時間だし片付けようか。燐子はまだ残って練習するの?」
「う、うん・・・コンテストまで、あまり時間ないし・・・」
「それじゃあキーボード以外の機材なおそうか。」
とりあえずみんなでスタジオの状態を練習前に戻す。
それに今後のCIRCLEの利用予約も今日はしないといけないので、燐子と一緒に残ろうと思った。
燐子の音を聞いて、アドバイスぐらいはできるだろう。
僕は片付けながらそう考えていた。
みんながスタジオから出て、ここには僕と燐子が残った。
「あれ・・・奏多くん帰らないの?」
「今日は今後のCIRCLEの利用予約もしなきゃいけないからね〜。それに燐子の音最近調子良くないよね、多分アドバイスぐらいなら出来ると思うよ?」
「う、うん・・・ありがとう・・・」
僕はスタジオにある椅子に座って燐子の演奏を聴いていた。
この曲のことをその手の音楽関連に詳しいシゲさんに聞いたところ、この曲は曲としてはかなり難易度が高い方で高校生が演奏するには少し難しすぎるのではないかという程の難易度である。
それほどの難易度の曲を昔演奏したことがあるという程だから燐子の腕前は相当凄い方なのだ。
しかし、燐子はさっきから同じところでつまづき、それを繰り返して直そうとしている。
しかし、焦っているのか何度も同じミスを繰り返すばかりかほかの所までミスが出始めている。
一度止めたほうがいいかもしれない。
「燐子、一度止めて。音がブレブレになってきてる。」
「ううん、大丈夫・・・次しっかりやるから・・・」
「でもさっきから同じところでつまづいてる。そんな状態でやっても絶対進歩しないよ。ここは1度落ち着いてからゆっくりやり直そう。」
「でもコンクールまで時間が無いし・・・ミスが多いならそこを詰めて練習しないと・・・」
「燐子、冷静になって!なんか今日の燐子いつもと違う!」
「大丈夫だから・・・気にしないで、私頑張るから・・・」
「そんな無理に頑張っても絶対いい音なんてでないよ!昔演奏した時どうだったかわかんないけど今のままじゃ昔の音に絶対負けるよ!お願いだからいつもの燐子に戻って!」
すると突然燐子の体がビクンと揺れた。
さらに突然雰囲気が変わった。
そして静かに、低い声で僕に語り掛けた。
「・・・ねぇ、『いつもの私』って・・・なんなの・・・?」
「燐子・・・?」
「奏多くんから見える『いつもの私』ってなんなの?私は・・・私は・・・あなたが思ってるほど強くもなんともない!!過去に囚われたままずっと理想論を述べてるだけの弱い人間でしかないの!誰だって・・・あなたみたいに乗り越えられる訳じゃない!!」
燐子が大きな声でそう叫んだ。
その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
そして彼女の気持ちを、僕は受け止めきれず、何も言えずにいた。
そして燐子ははっと我に返ると下を向いて小さな声で話した。
「ごめんなさい・・・今日は1人にさせて・・・」
「・・・うん、力になれなくて・・・ごめん・・・」
僕は荷物を持って、スタジオを後にした。
心のわだかまり、さらに燐子を怒らせてしまったことへの後悔の念。
そのふたつだけで今の僕の心はズタズタになっていた。
気がつけば私は奏多くんに怒鳴りつけていた。
我に返ればそこにはとても困惑して、青ざめていた奏多くんの姿があった。
奏多くんは悪くない。
悪いのは自分の弱さなのに・・・
そんな気持ちでも今は自分のすべきことに集中しなければならない。
指を鍵盤に当てて、もう一度あの曲を弾く。
鍵盤の上に指を走らす。
しかし、いつも同じところで『あの頃』の記憶が頭をよぎり、指が止まってしまう。
「やっぱり・・・ダメ・・・今なら・・・向き合える気がしたんだけどな・・・」
ココ最近ずっとこの調子である。
弾きたくても『あの頃』の記憶が頭をよぎり、手が止まる。
今日も含めてこれまでもこの曲を一度も最後まで弾くことが出来ていない。
正直、ピアノを弾くのが全く楽しくない。
どうすればいいのかもわからない。
私を助けようとしてくれた人も私が追い出してしまったし・・・
「はぁ・・・」
軽くため息をつく。
彼の言う通り、この調子だと何も出来ずに終わってしまいそうだ。
「・・・今日は・・・帰ろう・・・」
キーボードを片付けて荷物をまとめる。
カバンを持って外に出ると、そこには見慣れた銀髪の人がいた。
「友希那・・・さん・・・?」
「燐子、今から帰るの?」
「ええっと・・・その・・・何故友希那さんはまだここに?」
「今回の新曲、もっと煮詰めようと思って。曲の音だけ完成しても、歌詞が完璧に仕上がらなかったら意味ないから、歌いながら考えていたの。」
「そう・・・なんですか・・・」
話が止まってしまう。
まるで、Roseliaに入る前の自分みたいに話す言葉が見つからずに黙り込んでしまう。
そんな私を見て友希那さんは自分から話しかけた。
「今回のコンクールの曲、そんなに難しい曲なの?課題曲の話をした時、戸惑っているように見えたけど。」
「・・・・・・曲は難しいけど・・・弾けない曲じゃないんです・・・ただ、弾いてると・・・小さい頃を思い出してしまって・・・どうしても、途中で指が動かなくなってしまって・・・」
「燐子・・・」
友希那さんは少し黙り込むと、近くにあったフロントのソファに腰掛けた。
「燐子の昔の話、聞かせて貰えないかしら。」
「は、はい?」
「気になったのよ、あなたの過去聞いたこと無かったから。それに、誰かに話した方が気が楽になるかもしれないわ。」
私は少し考えた後、友希那さんに自分の過去を話す決意をした。
私は友希那さんの隣に腰かけ、自分の過去を語り出した。
燐子バースデーまでのこり1週間・・・その間に2話ぐらい上げなきゃ・・・!