てな訳で体は剣で出来ていそうなタイトルですが、紗夜誕生日特別編やります。
紗夜日菜でやろうかとも考えましたが、基本的に誕生日特別編はRoseliaメンバーしかやってきてないので紗夜のみとなりました。
うちのバンドリに星4の紗夜さん2人いるんすけど・・・どっちもピュアタイプなんだよなぁ・・・
嬉しいからいいけどさ!
ということで紗夜自慢もここまでにして本編どうぞ!
―――心は
血潮はうすしおで心はポテト。
幾度の
たった一度の失敗もなく、
たった一度のハズレもなし。
食者はテーブルに独り、
なら我が生涯に意味以外は不要ず、
その身体は無限のポテトで出来ていたぁ!
「あこちゃん、そのセリフ何?」
「これ?紗夜さんにこんな感じのセリフ言って欲しいな〜って!」
「あこ、絶対怒られるやつだよそれ・・・」
しかもそのセリフ、どこかで聞いたことあるぞ・・・
一体どこの
「3人とも、口じゃなくて手を動かしてね〜友希那そろそろ紗夜を連れてくるって言ってたから。」
「は〜い!」
ということで準備を再開する。
ここは我が家、しかし今は紗夜の誕生日をお祝いする特設会場として使用するつもりだ。
親父が亡くなって1ヶ月ほどが経ち、正式にこの家を相続したので今この家は自宅兼Roseliaの集会場としても使用している。
割り当てとしては友希那が紗夜をいつも通り集会として呼び出し、あこ、燐子、リサが飾り付け、僕が料理を担当している。
料理といっても時間はお昼を過ぎたあたりなのでガッツリしたものは作らない。
作るのは紗夜の大好物(と言っていいのかわからないが)のフライドポテトである。
フライドポテトといっても色々な種類があり、皆がよく知っているあの細長いカットのシューストリングの他にも三日月型で皮付きのナチュラルカットやギザギザしたクリンクルカットなど、様々な種類が存在する。
なので、今回はさっき前例として挙げたこの三種類を作るつもりである。
フライドポテト自体はあの海の時にさんざん作ってきたので揚げる温度や油から上げるタイミングなどを腕が覚えてしまっている。
なのでたまに作っては持って行って練習前にみんなで食べたりするのだがこれがすぐに無くなってしまう。
すぐに無くなる原因はお察しの通り紗夜なのだがほんとに食べる速度が速い。
そしてペロッと食べきると何食わぬ顔で「美味しかったです、次はもう少し塩を濃くしても大丈夫だと思います。」と、感想とアドバイスをくれる。
たまに持っていった時の紗夜の顔が物凄く輝いていたので紗夜にとって楽しみなのだろうと判断し、今回の誕生日パーティーに大盤振る舞いとしてこれをやることにした。
「ソータ〜こっちの準備終わったよ〜!」
「わかった〜こっちもそろそろ完成する〜」
リサがそういうので部屋を見るとしっかり飾り付けが完成している。
紗夜が来る前に完成できたようだ。
ピンポーン
インターホンが鳴る。
どうやらご到着のようだ。
「あこ、悪いけど出てくれない?こっちは今手が離せない。」
「わかりましたー!はーい!」
あこが走ってドアの方に向かう。
その間にリサと燐子がクラッカーを構えて扉の前で待機する。
「遅かったですね〜友希那さんと紗夜さん!」
「私と紗夜は少し練習してから来たのよ。」
「久々に二人でやったのも楽しかったですよ。」
「ささっ!紗夜さんが先に入ってください!」
「ち、ちょっと宇田川さん・・・押さないでください!」
「まーまー!気にしないでください!」
ガチャっと扉が開く。
その瞬間2人はクラッカーを鳴らした。
「「「「「紗夜、誕生日おめでとう!」」」」」
全員でお祝いの言葉を送る。
紗夜は驚いたような顔をしていた。
「紗夜?気に食わなかったかしら?」
「い、いえ・・・その・・・ありがとうございます。」
少し戸惑ってはいたもののすぐに調子を取り戻し、微笑む。
「それにこの匂い・・・シューストリング、ナチュラルカット、クリンクルカットですね。」
「え、なんでわかったの!?」
「ポテトの揚げた時の微かな匂いの差で気づきました。それぞれ大きさが違う分そこから発せられる匂いも変わってきますので。」
紗夜の使えない才能公開の瞬間である。
お正月のモカのように利きパンとかなら使えるかもしれないが・・・
「と、とにかく完成したからみんなで食べよっか!」
ポテトをさらに移して付け合せのソース一式とともにテーブルに持っていく。
「よし!それじゃあ紗夜さんにあのセリフを・・・」
あのセリフ言わせる気満々だったのか。
すると燐子があこに紙を手渡した。
「あこちゃん・・・今日ならこっちの方が・・・いいんじゃないかな?」
「こ、これは・・・さっすがりんりん!あこよりかっこいいセリフ思いつくね!」
「そ、そんなことないよ・・・とりあえず言ってあげて・・・」
「わかった!」
するとあこは部屋の本棚から適当に本を1冊とると適当なページを開けてカンペの紙を本で隠すように持った。
「それでは・・・こほん、祝え!他のギタリストを凌駕し、時空を超え私たちの音楽を知ろ示すRoseliaのギター、その名も氷川紗夜!まさに生誕祭の瞬間である!」
そ、それもどこかで聞いたことがある・・・
どこの
「まだ宇田川さんの言うことがわからない所もあるけど・・・祝ってくれているのはわかるわ。みなさん、ありがとうございます。」
「とにかく冷めないうちに食べちゃお!」
リサがそういう。
確かに冷めたポテトは美味しさが薄れる。
「それじゃあいただきまーす!」
いただきますを合図に全員がポテトに手を伸ばした。
・・・そして食べ始めてポテトが全て無くなるまで5分もかからなかったという新記録もたたき出したのであった。
ということで思ってたよりすぐなくなってしまったのでプレゼントの時間である。
「散々迷ったんだけど今の紗夜にはこれかなって思ってこれにしたんだ!」
リサが代表でそれを渡す。
プレゼントの中身はクッキーだった。
「クッキー・・・ですか?」
「なんと、友希那も一緒に作ってくれたんだよ!」
「・・・口に合えばいいのだけれども。」
友希那が軽く赤面する。
クッキーはみんなで作ったのだが、それを作る時も少しばかり危うかった。
まさか友希那料理を1度もしたことがなかったとは・・・
「・・・ありがとうございます、大切にいただきますね。」
おそらくその事を知っている紗夜は嬉しそうにそう言った。
「それと九条さんに白金さん、この前はありがとうございます。」
「あれ?二人とも紗夜と何かしたの?」
リサが不思議そうに質問してくる。
「あぁ、それは・・・」
「氷川さんは・・・妹さんのためのプレゼントを・・・買いに行っていたんです・・・その時たまたまショッピングモールで・・・」
この前燐子とショッピングモールでライブ衣装用の生地を買いに行っていた所、たまたま紗夜と会っていたのだ。
その時紗夜は同じ誕生日である日菜さんのためのプレゼントを探していたようで買い物ついでに一緒に探したのだ。
「見つけられて・・・よかったです・・・」
「うん、紗夜らしいプレゼントだったね。」
「はい、私と・・・日菜を示しているものなので。」
すると電話の音が鳴った。
着信音からして紗夜の携帯のものだろう。
「すみません・・・って、日菜?」
どうやら日菜さんからのようだ。
「もしもし、日菜?」
『あ、おねーちゃん!さっきパスパレのみんなからプラネタリウムのチケットもらったんだけどよかったら今すぐ見に行かない?』
「で、でも今は・・・」
紗夜がこちらをチラリと見てくる。
おそらく何かに誘われたのだろう。
「紗夜、日菜さんになにか誘われたんだろ?行ってきなよ。」
「で、でも・・・」
「日菜は多分誕生日には紗夜と一緒にいたいんだと思うな〜」
リサが追撃をかける。
紗夜は最近この手の言葉に弱い。
「わ、わかりました・・・もしもし日菜?わかったわ、自宅に集合ね。」
『ホントに!やったぁ!それじゃあ今すぐ集合ね!』
「あ、ちょっと、日菜?」
どうやら通話は切られたようだ。
日菜さんらしい。
「すみません、それではいってきます。」
そう言うと紗夜はこの家をあとにした。
「さ、そういうことで後片付けしますか〜」
「ねぇりんりん、紗夜さんはひなちんのために何を買ったの?」
「あ、それアタシも気になる!」
あこの質問にリサが乗ってくる。
燐子は少し間を置いてから話した。
「氷川さんが買ったのは・・・双子座のブローチです・・・」
「紗夜はそれを一生懸命探してたんだ。」
双子座、才能の差がコンプレックスだった昔の紗夜なら絶対に選ばなかったもの。
しかしあの一件があってからしっかりと向き合えているようだ。
「紗夜・・・しっかり向き合えているようね。」
「うん・・・そうだね。」
誕生日、それは生誕を祝う日の他に今までの自分の成長を振り返る日でもあると僕は考えている。
この日が氷川姉妹にとってかけがえのない日になりますように、僕はそう願っている。
ということで久々の特別編でしたー
ちなみに今の様子ではNeo-Aspectかなり長くなりそうです・・・
ということで次回もお楽しみに!