ということで久々にやります特別編
今回、宇田川あこ=大魔王との事なので、魔王なあれをベースにやろうと思います・・・(もうひとつの小説知ってる人ならわかるはず)
ということで本編どうぞ!
─────この本によれば、普通(?)の女子高生宇田川あこ。
彼女には大魔姫にしてRoseliaのドラマー、超大魔姫あこになる未来が待っていた。
そして本日は宇田川あこ生誕の日。
湊友希那を筆頭とするRoseliaは、秘密裏にその計画を準備していた────────
それは、何気ない日曜日の朝。
最近の練習は主に昼からが多いので、午前中はかなりゆっくりしている。
そして最近日曜日の朝に楽しみにしているものがある。
・・・そう、『朝のヒーロータイム』である。
小さい頃から特撮は好きだ。
男の子なら誰だって1度は憧れるだろう。
そして、朝のヒーロータイムにもふたつの作品がある。
『戦隊モノ』と『ライダーモノ』だ。
『戦隊モノ』は名前の通りヒーロー達がひとつのチームを組んで、悪に立ち向かう王道のストーリー。
『ライダーモノ』は何らかのきっかけで力を手にした主人公が主に1人で戦うストーリーだ。
その中で僕は『ライダーモノ』を好んでみている。
最近の特撮は子供向けでもあるが、大人や僕みたいな青年でも楽しめる内容となっており、その人間ドラマに心をうたれることもある。
そして今日は、その『ライダーモノ』の新しい作品の第1話の放映日なのだ。
あらすじとしては、普通の男子高校生が将来、最低最悪の魔王になってしまうので、それを止めに来た未来人と、主人公を魔王に導こうとする男性の力によって手に入れた魔王の力で『最前最高の魔王』を目指すことを決めた主人公のストーリー・・・らしい。
正直初見ではわからなさそうなあらすじだが、見ればわかるというものだろう。
そしてようやく、放送が始まった。
楽しむ気持ちを抑えながら、僕はテレビに目を向けていた。
時は少し流れてお昼。
午後からの練習も性が出てきた。
たしか、FWFの一次地区予選の申し込みも近づいてきた頃だったはず。
みんなそれに向けて力を入れるのもわかる。
しかし、まだ梅雨も明けてないこの季節、エアコンを効かせているとはいえ、湿気ばかりはどうにもならなかった。
全員の額に汗が見える。
そろそろとめた方がいい。
「それじゃあここいらで休憩入れよう。暑くなってきてるから熱中症も気にしないと。」
「そうね、休憩入れましょう。」
「ふぃー・・・暑っつい!」
「とにかく水分を取りましょう。」
休憩に入り、全員に水と塩飴を渡す。
最後にあこに渡すと水を一口飲んでから話しかけてきた。
「奏多さん、奏多さん!」
「ん、どうしたあこ?」
「奏多さんって、特撮とか見るんですか?」
「結構見てるよ。男子だしいつまで経っても気になるもんだからねー」
「なら今日のみました?ジオウ!」
「おー、見た見た。結構面白かったよね。顔にライダーはやり過ぎかなって思ったけど、かなりかっこよかったね。」
「あこは、『魔王』って響きが良かったです!あーあ、あこもあの主人公みたいに導かれたいなー!『祝え!彼女こそは超大魔姫あこなるぞ!』って!」
「あはは・・・」
あこの中二発言に少し苦笑する。
すると、スマホに着信が入った。
確認すると友希那からだった。
『今日練習の後、少し話がある』
のそれだけだった。
あこが気になって聞いてきた。
「どうしたんです?」
「うん、友希那から練習後呼び出し。たぶん気になったことでもあったんだよ。」
「そうなんです?あこ、練習後予定あるから見に行けないんですよね・・・」
「そっか・・・とりあえず休憩終わるし、戻ろうか。」
「はい!よーし、このあとも頑張るぞ!」
あこが張り切って自分の位置に戻る。
友希那が呼び出した理由はたぶん気になった点じゃない。
その理由は薄々気づいてた。
「先、失礼しまーす」
そう言ってあこは先に帰って行った。
残った僕達は円卓状の机を取り囲むように座った。
「・・・さて、みんなに集まってもらったのは他でもないわ。・・・あこの誕生日よ。」
「宇田川さんへのプレゼント・・・白金さん、準備できてますか?」
「はい・・・こちらに・・・」
そう言って燐子はカバンから箱を取りだした。
中にはカッコイイアクセサリーが入っていた。
「燐子に頼んで正解ね。けど・・・」
「うん、あこは私たちが祝ったら普通に喜びそうだけど、どうせならもっと嬉しそうな顔みたいよね〜」
そう、
あこにはNeo-Aspectの時やNFOの時にかなりお世話になっているので、全員で感謝の気持ちをドーン!とぶつけたいのだ。
「あこが気に入りそうな演出があればいいのだけども・・・」
「宇田川さんみたいにあれをやるのは私たちには向いてないですし、ぶっちゃけやりたくないです。」
「私も・・・あこちゃんから時々頼まれますが・・・自分で言うのはちょっと・・・」
まぁ、抵抗あるだろう。
あれはあこがカッコイイと思ってやっているのだが、正直他の人からしたら少し恥ずかしく感じてしまうのだ。
「ソータ〜なんかいい案ない?」
「えっ?うーん・・・」
そんな突然言われても困る。
とりあえず考えてみると、僕はさっきの会話を思い出した。
・・・あれやったら、あこ喜ぶんじゃない?
「・・・ひとつだけ、あるけど・・・聞く?」
「とりあえずどんなものか聞きましょう。話はそれからです。」
「うん、えっと・・・」
・・・結論から言えば、その案は可決され、今日に至る。
さらに言えばその案で一番重要な『導き手』役はこの計画の発案者である僕におしつ・・・任された。
さて、いつも通り練習をして本番である。
「みんなお疲れー、僕はこの後予定あるから先に失礼します。ミーティングは鍵渡してあるから自由に使ってー。」
あこの誕生日が、たまたま僕の家でミーティングをやる予定だった日なので、それに合わせて作戦をねってきたのだ。
僕は用事を偽り、事前準備。
他のみんなであこを僕の家まで連れてきて、いっせいに祝うという作戦だ。
さて、僕はこの作戦で重大な役だ。
燐子にも衣装を渡されているし完遂させなければ・・・
燐子side
今日はあこちゃんの誕生日。
なので、みんなでお祝いすることになった。
奏多くんが考えてきた作戦は最初少し戸惑ったけど、たしかにあこちゃんそういうの好きだし、私たちは盛り上げるだけでいいので、その作戦が決行された。
少し意外だったのは、その作戦に氷川さんがなぜか乗り気で、「やるのであれば、衣装もあった方がいいですね。」との事で初めて奏多くん用に衣装を仕立てあげた。
個人的には奏多くんの服を仕立てることが出来たのでもう十分満足なのだが、今日のメインは私じゃない。
「・・・で、そこで初めてジオウが敵のアナザーライダー倒して〜あれ、りんりん?聞いてる?」
「あ・・・ごめん、あこちゃん・・・」
「どうしたのりんりん、ぼーっとして、考え事?」
「う、うん・・・そんなところかな・・・」
「あ、そろそろ奏多さんの家着くし、そこでみんなに相談してみたら?」
「うん・・・そうしようかな・・・」
そんなことを考えていたらいつの間にか奏多くんの家についていた。
さて・・・ここからが本番である。
友希那さんが扉を開けた。
あえてあこちゃんを最後にし、中に入っていく。
真っ暗な部屋の中、私たちはクラッカーを構えた。
「あれ、なんで電気つけないんです?つけますよー。」
あこちゃんが電気をつけた瞬間、私たちはクラッカーを鳴らした。
「「「「「あこ(あこちゃん、宇田川さん)、誕生日おめでとう!」」」」」
「うわっ!びっくりした〜!でも嬉しい!ありがとうございますっ!」
あこちゃんが驚きながらもよろこんでくれた。
しかし、ここで終わりじゃない。
「これだけじゃないよ〜頼んだよ、ソータ!」
「奏多さん今いないんじゃ・・・」
すると扉が勢いよく開き、深緑の服に黒いマフラーを巻いて髪をワックスで上にあげた奏多くん(それに肩にレインがおまけで乗っていた)が現れた。
「静まれ!魔王の凱旋であるぞ!」
「にゃー!」
「そ、奏多さん!それにその衣装・・・もしかして!」
あこちゃんがいつも以上に目を輝かせる。
カッコイイものを初めて見た時に見せるような目だ。
「ふふっ・・・祝うにはこれじゃないとね、それじゃあ・・・コホン・・・ハッピーバースデー、祝え!全ドラマーの頂点をめざし、時空を超え過去と未来にその音を響かせるRoseliaのドラマー。その名も宇田川あこ、その生誕を皆で祝うが良い!!!」
「みゃん!」
レインもノリノリで奏多くんに、息を合わせるように鳴き声を合わせる。
約1名、レインの方に気を取られているが、私たちは奏多くんの迫真の演技に思わず拍手が出た。
「まだだよ、我が魔王、これを・・・」
すると奏多くんが膝をつき、クッションの上に乗せられたプレゼントを差し出す。
「カッコイイアクセ・・・!これは?」
「みんなで選んだんだ。使い方はご存知のはず・・・」
「わーい!本当にありがとうございますっ!あこ、1度でいいからこんな感じに祝って欲しかったからめちゃくちゃ嬉しいです!」
あこちゃんがとても喜んでいる。
どうやら作戦は成功だったようだ。
「うん、喜んでもらえて・・・良かった・・・ケーキは・・・冷蔵庫にあるから・・・みんなで・・・たべ・・・」
すると突然奏多くんがふらついて近くにあったソファに座り込んだ。
「そ、奏多さん!?」
「奏多くん!」
「ちょっとソータ、大丈夫!?」
突然倒れて驚いて近づくと、奏多くんは眠っていた。
「だからあれほど無茶はしないでくださいと言ったのに・・・」
「ほんとよ・・・」
氷川さんと友希那さんが倒れた理由を知っていたかのような口ぶりで呆れていた。
「紗夜、もしかして奏多が眠ちゃった理由を知っているの?」
「ええ・・・九条さん、宇田川さんのためにあの役をずっと練習していて、その上徹夜でケーキを作っていたんですよ。」
「なんでそんなこと・・・知っているんですか?」
「何故か私と紗夜に聞いてきたのよ。『なんでか知らないけど2人には演劇について詳しそうだから評価してくれ』って。別に私たち演劇の才能なんてないのに・・・」
・・・一体、どこのレビューでスタァライトなんでしょうか・・・
レインが寝ている奏多くんに合わせるように奏多くんの膝でまるまって寝ている。
どうやらあちらはほっといた方がいいかもしれない。
「とりあえず、奏多はそのままにしてあげましょう。」
「えっと、冷蔵庫だっけ?せっかくソータが作ってくれたんだし、みんなでありがたく食べよ!」
「うん・・・みんな、本当にありがとうございます!あこ、一生忘れません!」
1人の犠牲は出てしまったが、あこちゃんが喜んでくれて何よりだ。
私は改めてあこちゃんにこの言葉を伝えた。
「あこちゃん・・・誕生日、おめでとう・・・!」
おまけ、ボツ案
「我が魔王よ、使い方はご存知のはず・・・」
実はこっそり買っていたドライバーをあこに差し出す。
あこは全てを察したようにベルトを巻くと、ドライバーの隣に置いてあったアイテムを構えた。
『ジオウ!』
「ふっふっふ〜・・・これが、深淵の魔王の・・・変身!ドーン!」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去としろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウ!今、新たな魔王誕生の瞬間である!」
「見たか、これがあこの変身よ・・・!なんか闇の力が・・・こう・・・ドーンって感じがする!」
魔王ネタで合わせたかったけど、さすがにネタ要素が強すぎたので涙を拭ってボツに