ということでやります番外編
タイトルが長いし関係なさそう?
そりゃタイトルのイメージが銀魂なんだから仕方ないよ()
時系列的には6章後となります
今にしたら内容が第2部になっちゃうからね、ご了承ください
久々の『ですます』奏多くんだー!
あこちゃんはどうなるのって?
君のようなカンのいいガキは嫌いだよ(鋼錬感)
ということで本編どうぞ!
8月25日
我らがRoseliaのベース担当、今井リサの誕生日である。
今日はその前日なのだが初めての誕生日祝いなのでなにをすれば良いのかわからないが、とりあえず今日の練習後に相談すれば良いか。
僕は荷物をまとめ、いつものCIRCLEへ向かった。
CIRCLEでいつも通り練習を済まし、ミーティングの時間になる。
この時間はいつも僕が今日の練習の感じや改善点などを伝えている。
「それで、今回メインで練習していた陽だまりロードナイトですが、前回と比べてミスは少なくなっているものの、やはり所々の音のズレが少し気になるところですね。個人個人ではあこは前と比べて駆け足にならずにテンポを合わせれているので、その調子だと思います。」
「やったー!奏多さんに褒められたー!」
「あこ、少し静かに。確かにテンポを合わせれるようになっては来ているけどその分ミスが増えつつある。悪い所を直せても、その分増えてしまっては意味が無いわ。」
「ううっ・・・」
あこが友希那にきつい一言をあびせられてしゅんとしょげる。
友希那の言う通りテンポを合わせれるようになってきたが、そっちに集中してしまうせいかミスが目立ってしまっている。
「まぁまぁ、上手くはなっているのですからそこは認めてあげてください。紗夜と燐子は今の感じで十分だと思います。」
「はい・・・ありがとう・・・ございます。」
「いえ、今以上の演奏を出来るようにならなければ、目標なんて夢のまた夢です。」
燐子はともかく、紗夜が首を横に振った。
人一倍努力家のせいか、目標がかなり高いせいで自分のことを過小評価してしまうところが見られる。
そこをどうにかして欲しいとは前から思っているのだが・・・
「紗夜も友希那も先のことを見すぎだよ〜。とりあえず今は『前より進んだところ』と『前より悪くなっちゃった』ところを探す時間でしょ?それにしかめっ面ばかりしてたら綺麗な顔が台無しになっちゃうよ〜?」
「ちょっ・・・リサ・・・!」
「確かにその通りだけど・・・しかめっ面ばかりしてません!」
その言葉に友希那と紗夜が赤面し、しどろもどろに反論する。
彼女がいてくれるから、こうしてRoseliaの歯車は円滑に回っていける。
少し前のバイトの件から2人はリサに対して頭が上がりにくくなっている。
すると友希那が思い出したかのように話し出した。
「そういえば明日リサの誕生日だったわね。」
「友希那・・・!覚えていてくれたんだ!」
「幼なじみでしょ?当然よ。」
友希那が少し自慢げにそういった。
というかこんなに堂々という感じからしてサプライズとかはなさそうなのか。
やってみたかったので少し残念。
「そっかー!リサ姉明日だったね!」
「なにか・・・プレゼントを準備したいですね・・・」
「そうですね・・・今井さん、何がいいですか?」
「そんな気遣うことないって!みんなとこうしてバンド出来ているだけでもアタシは充分嬉しいんだから!」
「そうにはいかないわ。感謝の気持ちはしっかり受けとってもらわないと。なんでもいいわ、リサが今して欲しいことを言って。」
リサが顎に手を当ててうーんと考える。
すると、なにか思いついたのか目が光った。
「なんでもいいの?」
「できる範囲なら。」
「それじゃあ・・・明日1日、アタシにソータを貸して?」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・?
「はい?」
「だーかーら!明日1日アタシに付き合ってもらうよ?」
「えっと・・・その・・・」
「奏多、リサのこと頼んだわよ?」
「えっ、ちょっと」
「決まりね!明日の12時にショッピングモールで!」
「えっと・・・はい。」
ということでリサへの誕生日プレゼントが『1日九条奏多を貸し出す』ことに決まりました。
次の日
今日はアタシの誕生日。
昨日みんなにプレゼントは何がいいと聞かれ、少し考えた末に『ソータを1日借りる』ことにした。
先に行っておくが、ソータへの恋愛感情は全くない。
どっちかと言うと弟みたいな感覚だ。
なぜこんなことをしたのか?
それはこの行動に対するみんなの反応を見たかったからだ。
男女がペアで行動するのだ、あの中にソータに対する恋愛感情があろうとなかろうと気になるはずだ。
あえてみんなの前で時間と場所を伝えることであのメンバーのうち、恐らくあこ以外は尾行するはず。
あこはそんなことをするタイプじゃないので除くけど他の3人は付けてきそうなのである。
紗夜とか結構慌てていたし、友希那もかなり驚いていたので十中八九尾行するはず。
ソータには悪いけどその状況を楽しむために一緒に来てもらうつもりなのだ。
そして待ち合わせの10分前にショッピングモールに着くと、そこにはもうソータがいた。
「ソータもう着いてたんだ。」
「ほんの数分前です。リサ、誕生日おめでとうございます。」
「うん、ありがとう!」
「ところで今日は何をするのです?」
「服とか見て回りたいから、ソータには荷物持ちを頼もうかと思って!昨日給料日だったし、お母さんから予算は貰っているから!」
「そんな力持ちじゃないですけど・・・わかりました。」
「それじゃあいこ・・・」
ふとソータの後ろを見る。
するとそこにはどこかで見たことある3人組が電柱のところで隠れながらこちらをうかがっていた。
帽子、サングラス、マスクで顔を隠しているつもりなのだろうが、髪色や雰囲気からしてすぐに友希那、紗夜、燐子だとわかった。
燐子がついてきたのは意外だが、みんな全く身体をかくせていないのについつい吹きそうになる。
「リサ?どうしたんです、ニヤケついて・・・」
「う、ううん、なんでもない!と、とにかく行こっ!」
「・・・?はい。」
ソータの背中を押してショッピングモールの中に入る。
さて、これからアタシはショッピングと尾行観察のふたつを楽しませてもらおっか!
尾行side
「今井さん・・・なぜ昨日はあんなことを言い出したのでしょうか。男女がペアでショッピングモールなんてところ、キケンな匂いしかしませんね・・・」
「全くその通りよ紗夜。いくらリサの誕生日とはいえ、その・・・ど!度が過ぎる行為があるかもしれない!ここはRoseliaとして、しっかり監視しておくべきだわ。」
「そういえば白金さんも来るとは思いませんでした。」
「い、いえ・・・その・・・やはり気になってしまって・・・」
「2人とも、もう少し隠れて。このままじゃ、尾行がバレるわ。」
「そうですね。あ、2人が動き出しました!私達も行きましょう!」
(今井さんのあの様子・・・もうバレているんじゃないかな・・・?)
さて、ショッピングがメインで今日は来ているのだが、まずはなにかを食べようとのことでフードコートに来ている。
この後体力を使いそうなのと、手軽に食べられるのでボリュームのある某Mのハンバーガーショップにすることにした。
ソータに座席を取ってもらっていたので、アタシはソータのいた席に座った。
「リサはなにを頼んだんです?」
「フィレオフィッシュとポテトの新作!なんか今日から発売の4種のチーズフォンデュ風味のソースだって。」
するとソータの後ろの方でガタン!と音がした。
そっちの方向を見ると紗夜が立ち上がって燐子と友希那が抑えようとしていた。
「新作ですって!すぐに買いに行かないと・・・!」
「氷川さん落ち着いてください・・・!バレちゃいます・・・!」
「ポテトならまた後で買えるでしょ!後でみんなで食べればいいから今は落ち着いて!」
必死に声のトーンを落としているのだろうが結構聞こえてしまっている。
「あはは・・・」
「リサ?どうしたんです?」
「あれ?気づいてない?」
「何がです?」
(まさかソータ気づいてないの!?)
ソータがめちゃくちゃキョトンとした顔をする。
この様子だと本気で気づいていないようだ。
「・・・いや、なんでもない!とにかく食べよ!」
「・・・?はい・・・いただきます。」
あれだけバレバレな尾行に気づかないとは、いつかの日にひまりが見せてくれたラブコメ漫画の主人公のようである。
(・・・まぁ、これはこれで面白いしいっか!)
続いて来たのはファッションのコーナー。
そろそろ秋にはいる頃なので、新しい秋物を見ておきたいのである。
「おっ、このアウターいいね!ノースリーブのトップスと合わせたら綺麗に決まりそう!あ、でもあっちのロングコートも外せないなー!あ!あの服あこに似合いそう!ね、ソータ!!」
「えっと・・・ファッションのことは全くなので・・・」
「ええ〜男子でも、ファッションに多少は詳しくなけりゃ女の子に嫌われちゃうよ〜?」
「そ、そんな事言われても・・・」
そんな会話をしていると、アタシはあることに気づいた。
ソータってこれまでずっと接してきたけどずっとパーカーしか着てなくない?
とりあえず本人に聞いてみた。
「ソータってさ、パーカー以外いや、フード着いてない服ってあるの?」
「えっと・・・あるにはありますが、制服や喪服、仕事着ぐらいしかないですね・・・それ以外ほとんどパーカーやフード付きですね。」
「同じ服ばかりで飽きないの?」
「パーカーは最強なので。」
そんな自慢げに話されても・・・というかんじである。
ここはいっちょ一肌脱ぐか!
「よし、じゃあアタシがソータの服見立ててあげる!」
「えっ!?そ、そんな訳にはいかないです!今日はリサがメインなんですよ?」
「そのアタシがやりたいって言ってるからいいじゃん!1度ソータの服を見立ててみたかったし!」
「うーん・・・じゃあお願いします。」
すると次はアタシの背後で物音がした。
後ろを見るとこちらに来ようとしている燐子を2人が精一杯抑えていた。
「九条さんの服・・・私も見立てたい・・・!今井さんに独り占めさせたくない・・・!」
「し、白金さん落ち着いてください!いつもと様子が変わりすぎです!」
「こんな燐子・・・初めて見たわ・・・」
1番暴走しなさそうな燐子が暴走している。
意外な一面を見れた瞬間である。
「リサ?後ろに何かあるんですか?」
「う、ううん!なんでもない!それじゃあお店行こうか!」
「は、はい!・・・ってここレディースですけど!?」
「ソータなら似合うからへーきだって!」
さて、ソータの着せ替えタイムの始まりである。
ソータの可愛らしい写真を何枚も撮った後、彼のちゃんとした服とアタシの服を購入した。
疲れたので1度1回の大きい広場で休むことにした。
「いやー!楽しかったぁ!」
「リサ・・・酷いですよ・・・」
「いやぁ、思ってたより似合っていたのと定員さんも乗り気になっちゃってねー!どんどん新しい服が来ちゃって!」
「とにかく疲れました・・・」
「あははっ!ごめんごめん!」
腰を下ろしてひと休みしていると、アタシは壁に貼ってある張り紙に気づいた。
「ペットショップで・・・猫フェアだって!」
「猫フェアですか?友希那が喜びそうですね。」
「そ、そうだね・・・」
私はそっと後ろを見る。
そこにはペットショップへ直ぐに向かおうとしている友希那とそれを足止めしようとしている紗夜と燐子がいた。
「猫フェア・・・行かなきゃ・・・行かなきゃ・・・」
「友希那さん、尾行中・・・!」
「まるでゾンビみたいに手を出して行こうとしないでください!」
「離して!猫が私を呼んでいるのよ!」
「幻聴です!いつもの湊さんに戻ってください!」
もはや静かな声を通り越して大声になっている。
さすがにバレるのでは・・・
「猫フェア行ってみますか?」
気づいてなかった
鈍感すぎるよソータ・・・
「あっ!リサ姉に奏多さん!ここにいたー!」
すると後ろから聞きなれた声がした。
後ろを見るとそこにはあこがいた。
「あこ!」
「リサ姉たちどんなことしてるから気になって来ちゃった!」
「ただ買い物してソータで遊んだだけだよ〜」
「後で話聞かせて!あっ、あれって友希那さん達じゃないですか?おーいゆきなさーん!!!」
あこが指を指す。
そこにはちゃんと友希那達がいた。
アタシは気づいていたが、最初から気づいていなかったソータはようやく気づいたようだ。
「あ、本当ですね。いつの間に・・・」
「最初から尾行されてたの。結構バレバレだったけどね〜」
「そ、そうなんですか!?全く気づかなかった・・・」
「とりあえず皆のとこ行こうか。」
未だ友希那を止めようとじたばたしている3人のところにアタシ達は近づいた。
「ゆーきなっ!」
「リサ・・・!それにみんなも・・・!」
「最初から尾行していたみたいですね・・・」
「ど、どうしてその事を・・・!」
「みんなバレバレなんだよ〜ソータは全く気づかなかったけどね!」
「やっぱりバレていましたか・・・」
「尾行するならあこもさそってよー!尾行ってなんかその・・・闇のスパイ活動みたいで・・・カッコイイじゃん!」
あこの言いたいことはちょっとわからないけど、猫フェアに行くなら大人数の方が楽しいだろう。
アタシは友希那に手を差し伸べた。
「ほら友希那っ!みんなで猫のところ行こ?」
「リサ・・・勝手に尾行したのに・・・許してくれるの?」
「許すもなにも面白かったからねー!それにアタシ言ったよね、みんなと一緒にいれるのが1番嬉しいって!」
「リサ・・・」
友希那はアタシの手を握ると、にっこり笑ってこう言った。
「リサ、誕生日おめでとう。これからもずっと私の隣にいて。」
エピローグ
猫フェア向かう道中
「あの・・・今井さん・・・」
「どうしたの燐子?」
「さっき撮っていた九条さんの写真・・・貰えますか?」
「別にいいけど何かに使うの?」
「えっと・・・その・・・内緒です・・・」
(おや?これってもしかして・・・もしかする系?)
燐子の恋の予兆、ここから始まっていた