無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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昨日はこちらの都合で更新出来ずにすみません!
本日は二話連続投稿とさせてもらいます(元々分ける予定だった)
こちらは奏多sideでの「モノクロ ノ ワタシ」でもう一つは燐子sideでの「モノクロ ノ ワタシ」となります。

それでは本編お楽しみください!


8話 モノクロ ノ ワタシ(奏多side)

キーボード以外のメンバー+マネージャー的な立場の僕が揃い、次の練習日を決めその日は解散となった。

 

僕は本来の予定を思い出してリサの所へ行った。

 

「リサ、今日呼び出したのはどんな予定立ったんです?」

 

「あ〜忘れてた!ソータ、バイトの日にち変えることできる?」

 

「別に大丈夫ですけど何かあったんですか?」

 

「アタシ、今週のバイトの日にどうしても外せない用事があって・・・。モカはその日バイトだからお願いできるのソータしかいないんだ~」

 

「それなら仕方が無いですね、わかりました。」

 

「ありがと!今度なにか奢るよ!」

 

「別に大丈夫ですよ。今日はお互い疲れていますし僕はここで失礼します。」

 

僕はリサと別れ、自分の帰宅路へ着こうとした。

 

すると「九条さ~ん」と名前を呼ばれた。

 

呼ばれた方を向くとそこには宇田川さんがいた。

 

「宇田川さんまだ帰っていなかったんですか。」

 

「九条さんに用事があって!ねぇねぇ、今日この後、7時ぐらいにNFOにログイン出来る?りんりんにあことリサ姉と九条さんがバンドに入ったことを伝えようと思って!」

 

「いいですよ。場所はこの前のショップ前でいいですか?」

 

「うん、りんりんにはあこから言っておくから九条さんは先に待ってて!」

 

「わかりました、後で会いましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

帰宅すると僕はすぐに夕食の買い出しに出かけた。

 

宇田川さんとの集合時間まで後1時間近くしかないので、今のうちに軽くつまめるものや飲み物などを買いに行こうと考えたのだ。

 

とりあえずプレイしながら食べれるようにサンドイッチと緑茶、そして明日のお弁当の食材を買い込んで帰宅し、その二つを持ってパソコンの前に座りNFOを起動させた。

 

 

 

 

 

NFOを起動させるとカナタとファーリドラの「ルナ」がカナタの肩に乗っているような感じでスタートした。

 

ルナが喉を鳴らして顔を擦り寄せてくるので撫で返し、約束の場所へ向かった。

 

おそらくファーリドラをテイムしているプレイヤーは僕しかいないのでほかのプレイヤーの視線などを感じながらも何とか5分前に始まりの村のショップ前に到着した。

 

するとそこにはもう「聖堕天使あこ姫」こと宇田川さんが待っていた。

 

「遅いですよ!くじょ・・・カナタさん!」

 

「5分前なんでセーフです、セーフ。ところで白金さんは?」

 

「りんりんは少し遅れてくるって。」

 

「それでは気長に待ちましょうか。」

 

僕はルナを撫でながら宇田川さんとこれからのバンドの話やクエストの話をしながら待っていると、白金さんのアバターの「RinRin」が少し走ってこちらに来た。

 

それに気がついて僕はフレンドのみで会話出来るモードに変更した。

 

「す、すみません!遅れました!」

 

「いえ、大丈夫ですよ。」

 

「ところで話ってなに、あこちゃん?」

 

「うん!りんりん実はあこと九条さんとリサ姉が友希那さんのバンドに入れることになったんだよ!」

 

僕は今日あったことを白金さんに手短に話した。

 

「そんな事があって、あことリサ姉と九条さんも加入してもいいよって言われたんだよ!」

 

「僕は成り行きというか、たまたま自分にそんな才能があるとは思いませんでした。」

 

「そうだったんですか。オーディション合格おめでとう!あこちゃんの努力が認められたんだね。」

 

「うん!今日のことは一生忘れない!でも努力だけじゃないかも。」

 

「どういうこと?」

 

宇田川さんは白金さんに演奏中に体が勝手に動いて他のメンバーもいつも以上にうまく演れたことを説明した。

 

「そうなんだ。バンドって凄いね。」

 

「うん!やっぱりバンドって最高!みんなで演るのって、楽しすぎる!ずっと1人で練習してたから超感動した!」

 

「みんなと・・・」

 

「はい、あのオーディションの宇田川さんは楽しそうでした。」

 

「・・・そうですか」

 

白金さんの返事が遅れてきた。

 

「白金さん、大丈夫ですか?」

 

「すみません・・・すこし体調が良くなくて・・・今日はここでログアウトさせてもらいますね。」

 

そう言って白金さんはログアウトした。

 

「りんりん大丈夫かな・・・」

 

宇田川さんがとても心配そうにしていた。

 

「わかりませんが僕達は僕達で楽しみましょう。」

 

「・・・うん!それじゃあさっき言ってたクエストしようよ!」

 

宇田川さんの気分を切り替えさせて僕達はクエストに出発した。

 

2、3個のクエストをクリアした後僕は宇田川さんと別れ、ルナを撫でた後ログアウトした。

 

パソコンを離れて明日のお弁当の下準備をして次の日に備えて僕は早めに眠った。

 

 

 

 

 

 

次の日、白金さんは学校を休んだ。

 

おそらく昨日の体調不良が原因だろう。

 

白金さんの体調が良くなることを願いながら僕は授業の準備をした。

 

 

 

 

 

白金さんは数日学校を休み、今日は金曜日である。

 

「燐子ちゃん、今日も休みだったね・・・。」

 

「そうですね・・・体調がかなり悪いのでしょうか?」

 

放課後、隣の席の丸山さんと話しながら担任を待っていると担任がこちらに話しかけてきた。

 

「九条、お前白金の家を知っているか?」

 

「いえ・・・どうして僕に?」

 

「いや、白金とよく喋るから知っているのかと思ってな。このプリント、提出が月曜日までで誰か白金の家に届けてもらえないかと思ったのだが・・・」

 

すると僕は宇田川さんの事を思い出した。

 

彼女なら白金さんの家を知っているのかもしれない。

 

「あの・・・多分白金さんの家を知っている友人がいるのですが。」

 

「そうか!なら九条頼んだぞ。」

 

「え?あっ、その?」

 

担任に押し付けられその担任はどこかへ行ってしまった。

 

「・・・九条くん?大丈夫?」

 

「えぇ・・・多分。」

 

丸山さんに心配されながらも僕は宇田川さんに連絡を取った。

 

宇田川さんから返事はあったものの今日のバンド練習前にダンス部の練習があるらしく位置情報だけ送ってきた。

 

僕はそのマップを頼りに白金さんの家を目指した。

 

 

 

 

 

・・・到着した。

 

白金さんの家は少し大きい白色の家だった。

 

僕は前の学校の頃から他人の家とか行ったことがない。その上相手は女子の家だ、無駄に緊張する。

 

震える手を動かしてインターホンを鳴らすと玄関から白金さんが出てきた。

 

「九条・・・さん?どうしてここが?」

 

「宇田川さんに聞いたんですよ。これ、月曜日提出らしくて担任に渡してこいって言われたんですよ。」

 

僕は苦笑しながら白金さんにプリントを手渡した。

 

「その・・・ありがとう・・・ございます。」

 

「いえ、では僕は今からバンドの練習があるので。お大事にしてください。」

 

僕は白金さんにそう言ってからCIRCLEに向かった。

 

 

 

 

 

CIRCLEでは氷川さんがもう準備をしていた。

 

それを手伝っていると残りの3人が到着し、練習を始めた。

 

僕は動画を撮って再生しながら悪い点をあげて良い点などを伝えた。

 

その後、湊さんにグループの方にその動画を送って欲しいと言われ、グループに送って今日の練習は終了した。

 

今日白金さんの様子を見たが顔色も良さそうなので月曜日には来られると思う。

 

そう思いながら僕は1人自宅へ向かった。




モノクロ ノ ワタシ奏多sideと燐子sideは少し短めです。
初めてのside切り替えなんでこれぐらいで勘弁してください・・・。
問題はあげた時間が11時20分だから1日2話投稿キツそう!

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