ちょっとは奏多と燐子を引き合わせれたらいいのだけど・・・
それと、最後に少しだけお知らせがあるのでそちらも見てもらえると嬉しいです。
それでは本編どうぞお楽しみください!
今になって大切なことを思い出した。
何を隠そうあのしおりのことだ。
確か親父が出張する前日に探しに行く予定だったのだがあの時のドタバタで忘れてしまっていたようだ。
うちの学校の本の貸出期間は3週間でそろそろ返しに行こうかと考えた矢先のこれである。
自分のうっかりに呆れながらも僕は支度を終わらせ学校へ向かった。
学校へ着くとそこには白金さんの姿があった。
「白金さん、おはようございます。体はもういいんですか?」
「九条さん・・・はい・・・おはよう・・・ございます・・・おかげさまで・・・良くなりました・・・」
白金さんは笑顔で返してくれた。
彼女は本を読んでいる最中だった。
「白金さん、なんの本を読んでいるんですか?」
「これは・・・夕暮陰炎さんの・・・『病ンデル彼女ノ陰』・・・です。」
確か最近図書室に入った本で、軽く読んでは見たが確か主人公が金髪の彼女に付きまとわれ、彼の友人の女の子や気になる子を次々と殺めていく話だったはず・・・
「そ、それ面白いんですか?」
「はい・・・確かに・・・怖い所もありますけど・・・内容自体はしっかりしていて面白いです・・・今日返す予定なんです。」
「それなら僕も本を返しに行く予定なので今日の放課後一緒に行きませんか?」
「いい・・・ですね・・・放課後・・・宜しく・・・お願いします。」
白金さんと本を返しに行く約束をして、授業が始まる前に自分の席に戻った。
放課後、白金さんと共に図書室へ向かった。
道中、本やNFOの話をしながらカウンターへ本を返しに行った。
すると本の隙間からあのしおりがひらりと落ちた。
するとそれを見た白金さんが驚いた様子で聞いてきた。
「く、九条さん?そのしおりって・・・」
「あぁ、この本を借りた時挟まっていたんですよ。今日、図書室に寄るついでにこのしおりの持ち主を探してもらおうと思って。」
「そ、それ・・・私の・・・です。」
「へ?」
予想だにしない返答に僕は変な返事しか出なかった。
「そ、そうだったんですか!?すみません、長々と持っていた上に少し使ってしまって・・・」
「いえ・・・そのままにしていた・・・私も・・・悪いですし・・・」
「いや、でも」
「しかもそのしおり・・・昔から・・・使っていて・・・結構・・・ボロボロなのに・・・大切に持っていてくれたんですね・・・本当に・・・ありがとうございます・・・」
白金さんにお礼を言われ、僕は少し慌てた。
「い、いえ、人の物を雑く扱っては行けないなと思って・・・それにこのしおり、確かに古くなってますけど大切に使っていないとこんなに長持ちしませんし、本当に大切なものだったんですね。」
そう言って本のしおりを返そうとした。
しかし白金さんはそれを受け取ろうとはしなかった。
「いえ・・・それは・・・九条さんが・・・持っていてください・・・これも・・・何かの縁かもしれませんし・・・」
「そうですか・・・では、有難く使わせてもらいます。」
その後図書室で互いに本を借り(僕は白金さんが読んでいた『病ンデル彼女ノ陰』を借りた)、僕はライブの練習があるためここで別れ、CIRCLEへ向かった。
「「ふう・・・疲れたぁ・・・」」
いつも通り練習が終わり、宇田川さんとリサが声を合わせてぐったりしていた。
「すみません、次の予約をしたいんですけど。」
「そういえば友希那ちゃん、来月のこの日ににライブがあるんだけど1枠余っててさ、出ることできない?」
「!!」
その日にあるライブはメジャーのスカウトも来るイベントだったはずだ。
この地区のバンドにとっては登竜門と呼ばれているイベントだ。
湊さんと氷川さんは目指す所はもっと高いと言ったが、そのイベントのために何としても今練習中のオリジナル曲を完成させなければならなくなったが、そのためにはキーボードが必要不可欠だ。
短期間でこの5人が揃ったこと自体がすごい事なので一刻も早くキーボードを探すことになった。
その日から1週間が過ぎたがまだメンバーは見つからなかった。
湊さんは「私は妥協してまでメンバーを揃えたくない」とは言っていたが少し焦っているようにも見えた。
オリジナル曲はキーボードありきで作っているため、その曲をキーボード無しでやる訳にもいかないのだ。
そんな中リサと宇田川さんがピアノかキーボードの出来る人を友人や知り合いの中でいないか聞き始めた。
燐子side
私は九条さんと別れた後、家に着くと私はあこちゃんが送ってくれた動画を聞きながらピアノを弾いていた。
(・・・やっぱり、何度弾いてもあこちゃん達と合わせるの、楽しい・・・不思議な感覚・・・)
弾き終わると時間がかなり過ぎていた。
かなり熱中していたようだ。
すると携帯の音が鳴った。
相手はあこちゃんからだ。
いつもはチャットのあこちゃんが電話をくれたことに疑問を持ちながらも私は電話に出た。
「もしもし・・・あこちゃん・・・?」
『りんり~ん!助けて~~~っ!キーボードが見つからないんだよ~っ!ライブ決まったのに!りんりんの周りにいない?キーボードかピアノがめちゃくちゃ上手い人?』
「・・・!・・・そう・・・だよね・・・」
確かに私はピアノは弾ける。
しかし友希那さんのバンドはすごく真剣にやっている。
部屋で1人ピアノを合わせていただけの自分に出来るのだろうか?
『えっ、りんりん?そうだよねってことは誰か知ってるの・・・?』
「えっ?私・・・私は・・・」
またこんな感じに恐怖から逃げていいのだろうか。
すると私はふと九条さんの事を思い出した。
私と同じ苦手なことに自分から治そうとしている、彼みたいにチャレンジしなければ自分もかわらないのではないか。
『ーーってそんな上手い話ないよね。あのね、もしめちゃくちゃ上手な人いたらあこに教えて・・・』
「・・・ける」
『りんりん?』
「ひ・・・弾ける!・・・私・・・弾けるの!」
『えぇぇっ!』
奏多side
「えぇぇっ!」
宇田川さんがいきなり驚いた声を上げた。
「うん・・・うん・・・わかった・・・ちょっと待って・・・友希那さん!」
「どうしたの、あこ。」
「ピアノ・・・弾ける人いました!」
「そう、なら明日オーディションするから来るように言って。」
「はい、あ、ごめんお待たせ。明日オーディションするから来てほしいって・・・場所はこの前行ったCIRCLEってとこ・・・うん、宜しく!」
あこが電話を切った。
「それでさあこ、その子どんな子?」
リサが宇田川さんに話し相手のことを聞いた。
「うん、白金燐子って言うんだけど・・・」
「「白金さんが!?」」
僕と氷川さんが驚いた。
「紗夜、奏多その子って?」
「はい・・・湊さんと初めてあった時に宇田川さんと九条さんと一緒にいた子です・・・」
「まさか・・・白金さんピアノ弾けるとは・・・」
そういえばしおりもそうだし、筆箱やファイルも何かとピアノの鍵盤や柄が多かったような・・・
とりあえず明日のオーディションで決まるのだがまさか彼女がやるとは思わなかったので、僕は他人の事ながらとても緊張した。
全ては明日にかかっている・・・
途中に燐子sideとの切り替えがありましたが本編どうだったでしょうか?
なお今回出てきた『病ンデル彼女ノ陰』は後々小説出すつもりです。(友人に頼まれ出すことなった。)
なおこれはバンドリライトユーザーの友人がバンドリを初めたばっかの頃に思ったことなどをまとめて小説にしたものでヒロインは千聖さんです。
彼がバンドリを初めて秒で星4の孤高のウィザードの燐子を引き当て(もちろん鉄拳制裁)、その後にお泊まり会の千聖さんを2体被らせ、こいつヤンデレみたいだなーと思って嫌悪感を抱いてたらなんとこの前のドリフェスで3体目を引くという凄いことを成し遂げ、その腹いせに作った小説だそうです・・・
ヤンデレ系なので嫌な人とかいると思うのでそこはおまかせしますが、『病ンデル彼女ト陰』はRoselia結成編が終わった後辺りに友人がネタを送ってきたら出すつもりです。(つまり不定期)
ヤンデレ系が大丈夫だよって人はお楽しみください!