これが終わったら次の更新は土曜日となります。これの投稿後すぐに不定期更新小説『病ンデル彼女ノ陰』を投稿しようと思います!
てかYouTubeに運営様が上げてくれた5thライブのBLACK SHOUT神かよ、さすが神運営ですわ!
そんなことは置いときつつ
それでは本編どうぞお楽しみください!
ライブ当日
一週間という短い期間で練習をして、ライブ本番を迎えた。
今回のライブでの僕達のバンドの順番は最後だ。
演奏する曲は「魂のルフラン」と新曲「BLACK SHOUT」の2曲。
今、僕達はライブ会場であるCIRCLE内の控え室でチューニングや打ち合わせなどをしていた。
「・・・みんな、私達のバンドの名前・・・色々と考えた結果この名前にしたわ。」
湊さんは紙にすらすらと文字を書いて僕達に見せた。
僕達のバンドの名前その名は
『Roselia』
「・・・ロゼ・・・リア?」
紙にはそう記されていた。
「薔薇のroseと椿のcamelliaから取ったわ。特に『青い薔薇』・・・そんなイメージだから・・・」
後から白金さんに教えてもらったが『青い薔薇』の花言葉は「不可能を成し遂げる」なのだそうだ。
なぜ青い薔薇をイメージしたのかはわからないが僕達はその名前を心に刻んだ。
これから僕達が頂点を目指すバンドの名前だ、これを刻み込まないわけがない。
「・・・うん、とってもいい名前!」
「Roseliaの闇のドラマー宇田川あこ!うん、めちゃくちゃかっこいい!よーしこの5人で頑張るぞっ!おー!」
「「「・・・お、おー・・・」」」
宇田川さんの号令に氷川さんと湊さんはスルー、僕含め残りの3人は返したのだがとてもガチガチだった。
「友希那さんも紗夜さんも返してくださいよ・・・ていうかもしかして3人とも緊張してる?」
「・・・え?ええっと・・・そんな訳ないじゃん!燐子の方こそ大丈夫?」
「・・・えっと・・・その・・・私は・・・確かに・・・緊張・・・してます・・・けど・・・頑張るって・・・決めたので」
「馴れ合いはやめて。気持ちの整理は個人で済ませてきてもらわないと困るわ。それと燐子、口ではなく音での証明をお願いね。」
「・・・は、はい!」
そんな感じに話しているとCIRCLEで働いている月島まりなさんが入ってきた。
まりなさんは僕がRoseliaの練習の予約を初めてやった時に受付をしていた人でそれからはよく話をするようになった人だ。
「Roseliaのみんな~そろそろ出番だから入って~」
「は、はい!ありがとうございます、まりなさん。」
「うんうん、奏多君もその呼び方慣れてきたみたいだね。初のライブ、期待してるよ!」
「・・・行くわよ。」
湊さんの一言で僕達Roseliaは舞台裏に移動した。
演奏に出ない僕は舞台裏からの応援となるが、他のみんなは初の表舞台だ。
特に白金さんは沢山の人からの目線を浴びるはずだ。
青くなったりしなければいいのだがと祈りつつRoseliaの出番がきて僕を除く全員がステージに立った。
(絶対・・・成功しますように!)
僕は柄でもなく両手を握り合わせてRoseliaの成功を祈っていた。
燐子side
私達は九条さんからのエールを背中に受け、舞台に立った。
照らすライトが熱く眩しく、多くの人の目線が私達に向けられている。
体の震えが止まらない、けど自分を変えるためには耐え抜き、演奏しなければならない。
緊張が体を固くしていく、そんな中私はふと舞台裏の方に目を向けた。
するとそこには九条さんが手を握り合わせて祈っていた。
「・・・ふふっ」
思わず笑みが漏れる。
すると体の震えや緊張は嘘のように消えていた。
恐らく笑ったことで緊張がほぐれたのだろう。
そんな中、友希那さんのMCが始まった。
「・・・はじめまして、私達はRoselia・・・まずは1曲、聴いてください『魂のルフラン』」
友希那さんの歌声に合わせて私のキーボードを合わせる。その歌声は練習以上に綺麗で透き通って聴こえる。
そして曲が進むにつれて観客の歓声がとても激しくなっていった。
(・・・凄い・・・これが・・・バンド!)
私は感動しながらピアノを弾いていた。
そして魂のルフランが終わり、歓声のあと静寂に包まれる。
「・・・次の曲で最後です。この曲は私達のオリジナル・・・もう1人のメンバーが名前を付けてくれた私達だけの曲です。聴いてください・・・『BLACK SHOUT』!」
BLACK SHOUTの始まりはキーボードからである。
私のキーボードからなる音色に合わせてみんなの音色を合わせていく。
激しくなるにつれ、観客の歓声も激しくなっていく。
私だけじゃない、今井さんも、あこちゃんもとても楽しそう。
(不思議・・・あんなに緊張していたのに・・・私・・・すごく・・・楽しんでいる・・・こんな自分がいるなんて・・・知らなかった・・・)
奏多side
魂のルフランが終わって次はBLACK SHOUTの番だ。
白金さんがRoseliaに入った時、二人で帰った道で考えついたRoseliaの始まりの曲。
そんな中湊さんのMCが始まった。
「・・・次の曲で最後です。この曲は私達のオリジナル・・・もう1人のメンバーが名前を付けてくれた私達だけの曲です。聴いてください・・・『BLACK SHOUT』!」
(・・・!!)
湊さんがまさかそんなことを言ってくれるとは思わなかった。
舞台にはいない僕のことを出してくれるとは思ってもいなかったからだ。
「・・・湊さん。」
僕は湊さんの計らいに感謝しつつBLACK SHOUTが始まった。
舞台裏からだとメンバーの横顔が良く見える。
リサ、宇田川さん、そして白金さんはとても楽しそうに演奏している。
湊さんと氷川さんは相変わらずの表情だが音色はとても楽しそうだ。
観客のボルテージも最高潮になり、演奏が終わると大きな歓声と拍手が帰ってきた。
ライブ後、僕達はファミレスに来ていた。
本当はライブ終了後そのまま各自の課題を持って解散する予定だったのだがリサが「初めてのライブだったし反省会やらない?」と提案したのだ。
湊さんと氷川さんは反対だったのだが宇田川さんとリサに押され、渋々了承し、今ここに6人全員がいる。
「さて、注文とるけど何にする?」
「僕はドリンクバーでいいです。」
「私も・・・同じで・・・」
「私もふたりと同じでいいわ。」
「あこは、ドリンクバーと超特盛ポテトで!紗夜さん、一緒に食べましょ!」
「ちょ、なんで私が・・・」
「だってあこ1人じゃ食べきれないですし、みんなで食べた方が美味しいですよ!」
「・・・っ、仕方ないわね・・・」
「それじゃあドリンクバー六つと、超特盛ポテト一つお願いします!」
リサが店員を呼んで、注文した。
「僕、ドリンクバー取りに行きますけど何にしますか?」
「私はコーヒーを。」
「あこ、オレンジジュース!」
「私も・・・あこちゃんと・・・同じで・・・」
「私もふたりと同じでいいわ。」
「アタシも一緒に行くよ。私は見て選びたいし、ソータ1人じゃ持ちきれないでしょ?」
「ありがとうございます、リサ。」
僕とリサはドリンクバーにドリンクを選びに行った。
僕はアイスティーを選び、宇田川さんと白金さんのオレンジジュースを入れた。
リサはと言うと、氷川さんの分のオレンジジュースとコーヒー、そして烏龍茶を選んでいた。
「リサは烏龍茶ですか。」
「うん、ワタシこういうお茶系好きでさー」
「なんか意外です。リサはコーラとかジュースが好きだと思っていました。」
「アタシこう見えて和食とか好きだよ~」
そう言いながらリサは大量のガムシロップとミルクを準備していた。
「・・・あの、その大量のガムシロップとミルクどうするんですか?」
「あぁこれ?友希那ああ見えて苦い物苦手だからコーヒー飲む時これぐらいないと飲めないんだよね~」
衝撃の事実を知ってしまったような気がする。
今まで思っていた湊さんのイメージが少し崩れた。
「それとこの事教えたこと友希那に言わないでね。この事思いっきり隠しているつもりだから。」
「は、はい・・・」
コーヒーにガムシロップとミルクを入れ終えたリサにウインクされ、僕とリサはドリンクを持ってみんなの元へ向かった。
「・・・とりあえず落ち着いた所で、今日のライブは良かったと思うわ。この短期間でRoseliaのレベルはかなり上がった。だから、この6人で本格的に活動するなら、あこ、燐子、リサ、奏多・・・あなた達にもそろそろ目標を教える」
「湊さん・・・」
「・・・そうですね。私はそのために湊さんと組みましたから。たしかにここで意思確認をすべきだわ。」
「FUTURE WORLD FES.の出場権を掴むために、次のコンテストで上位3位以内に入ること。その為にこのバンドには極限までレベルを上げてもらう。練習メニュー等は後でメールする。音楽以外のことをする時間はないと思って。ついてこれなくなった人にはその時点で抜けてもらう。」
「ふゅーちゃー・・・」
「・・・わーるど・・・ふぇす?」
宇田川さんと白金さんがわからなさそうに首を傾げる。
リサと僕はそれがどれほど過酷で生半可な気持ちじゃたどり着けないものであるとわかっていた。
「・・・あこ、燐子。・・・リサ、奏多。あなた達、Roseliaに全てを賭ける覚悟はある?」
湊さんは最後の言葉を力強く言った。
それは生半可な覚悟ではなく、本当に全てを音楽のためにつぎ込める覚悟はあるかの確認だった。
言われた直後僕達は沈黙していた。
最初に口を開いたのは・・・僕だった。
「・・・えぇ、やりますよ!僕にだってこのバンドに入った目的はある。あなたが求める音色、それが見たい!」
「・・・あこも!お姉ちゃんに追いつくため!一番のカッコイイになるため!」
「・・・私も・・・自分を変えるために・・・みんなで・・・頑張るって・・・決めたから!」
「アタシも・・・このバンドで・・・みんなで続けたい!」
「・・・その言葉、音での証明をお願いね。」
こうして6人全員の意志が固まり、『Roselia』の頂点を目指す道は始まった。
これがきっかけか、無色の少年に初めての《色》の元が芽吹き始めたことに彼は知る由もなかった。
Roselia結成編『メブク アオバラ ト ネイロ ノ ショウタイ』はこれで終わりです。
次からは週4投稿となりますがもちろん続けるつもりです!
次は修学旅行編をやろうと思います!バンドリ本編にはないオリジナルストーリーですが精一杯頑張ろうと思います。
感想や評価などもバシバシ来て欲しいので宜しくお願いします!