Roselia結成編や修学旅行編の次に書くLOUDER編は主にRoselia1章やイベントなどをベースにしますが、こちらはキャラ以外は基本オリジナルストーリーで書かれています。
それでは「沖縄修学旅行編」スタートです!
12話 ムショク ト オキナワ ハジケル パレット
「修学旅行か。」
あのライブが終わってRoseliaの本格的な活動が始まってからはや1週間、僕もマネージャーの仕事や感想などを伝えることに板がついてきた頃、修学旅行の時期がやって来た。
場所は沖縄で2泊3日、1日目は沖縄の歴史を学び、2日目は観光名所を巡ったりするフリータイム。
最終日は海のことを学ぶのだそうだ。
まだ5月のはじめの頃なのだが修学旅行まであと2週間もない。
アレルギーや薬の調査は入学当初に済ませてあるのでそこは大丈夫なのだが問題は移動班だ。
ホテルの部屋は男は僕1人のため流石に男女が同じ部屋は危ないとのことで特別に個室を用意されてある。
クラスの女子が和気あいあいとしている中、人混みが苦手な僕はRoseliaの次のスケジュールや新曲の名前、昨日のみんなの演奏の良点や悪点などを考えていた。
すると丸山さんが話しかけてきた。
「ねぇ、奏多くん。良かったら同じ班にならない?」
「はい、特に相手もいませんし。」
「よかったぁ・・・4人班だからあと2人いるんだよね~」
黒板を見るとほとんどの人が班を決めていた。
そんな中まだ氷川さんや白金さんが決まっていないことに気がついた。
「なら、氷川さんと白金さんを誘いませんか?見た所あの2人決まってなさそうですし。」
「いいね!そうしよ!」
僕と丸山さんは2人の元へ向かった。
氷川さんと白金さんは2人でなにか話していた。
「・・・はい、あそこのパートは・・・少し勢いを抑えた方が・・・」
「そうですね、その後テンポを上げていった方がこの曲に勢いが増しますし・・・」
どうやら2人は新曲の打ち合わせをしていたようだ。
「紗夜ちゃん!燐子ちゃん!良かったら同じ班にならない?」
「すみません、こちらで少し熱中していたようです・・・私は構いませんが、白金さんは?」
「はい・・・私も・・・大丈夫です。」
「決まりですね。」
「うん、精一杯たのしもー!」
こうして4人が決まり、楽しい修学旅行になる!
・・・はずだったのだが・・・
修学旅行初日
「丸山さんは今日、仕事で休むみたいです・・・」
なんと丸山さんが昨日からあるパスパレの仕事でこちらに来れなくなったらしい。
「・・・その・・・なんて言うか」
「気の毒ですね・・・観光が2日目で良かったですね。」
「2人とも、そろそろ向かいましょう。丸山さんとは2日目で合流出来るわけですし私達は私達だけで回りましょう」
こうして僕達の修学旅行は始まった。
「~っ!着いた・・・」
飛行機内でずっとRoseliaのスケジュール管理や次のライブの時にする曲の編曲などをしているうちに沖縄に到着した。
ここ最近ずっとRoseliaの事ばかりしている、たしかに湊さんの言う通り音楽以外の時間はないようだ。
「九条さん、早くしないと置いていきますよ。」
「は、はい。すみません。」
氷川さんに呼ばれ初日の予定である沖縄の歴史を学ぶため、僕達はまず歴史博物館へと向かった。
歴史博物館ではガイドさんが説明しながら館内を案内してくれた。
沖縄がまだ琉球王国だった頃の話や戦争時の沖縄の様子などを説明しているがA組からE組までいるせいで人(って言うかほとんど女子)が多い。
白金さんがこの人混みを見て顔が蒼白していたので僕達は一番後ろで見ているのでガイドさんの声が聞き取りづらい。
何とかメモを取りながら僕達は博物館を出た。
「ふう・・・人やばかったです・・・明日も人が多いんでしょうか・・・」
全員が泊まるホテルへ向かっている途中僕はため息をつきながらこの後のフリータイムのことや次の日どこへ向かうか考えていた。
「うぅ・・・人混み・・・やっぱり・・・怖い・・・」
白金さんはさっきからこの調子だ。
人混みが大の苦手な彼女だ、こればかりは仕方がない。
「次の日の日程を決めてきました。こんな感じでどうでしょうか?」
氷川さんはあらかじめ日程を考えてきてくれていたらしく、それが書かれたメモを見せてくれた。
そのメモには首里城や美ら海水族館などを効率よく回る日程が組まれていた。
「・・・すごい、あまり人が多くない時間帯を的確に狙って・・・」
「人混みが苦手な白金さんや、一応芸能人である丸山さんの事を考えた日程ですが、悪い点があればもうしてください。」
「これなら・・・私も・・・大丈夫そう・・・」
「凄いですよ・・・異論どころか悪い点が見つからない・・・」
氷川さんの日程に驚きつつ僕達はホテルに到着した。
荷物はあらかじめ空港で渡してあるので部屋に入るとしっかりと置いてあった。
手荷物と持ってきた物の整理をし、1日目の午後からのフリータイムをどうするか考えていた。
とりあえずメンバーがいないとどこに行くかも決められないので2人を呼び出し、どこに行くか相談している時だった。
話している時に氷川さんのスマホに電話がかかってきた。
「・・・すみません、え?日菜?」
どうやら日菜さんからの電話らしい。
「もしもし、日菜?あなた仕事は・・・え?沖縄に来てる?・・・しかもライブを?・・・そんな勝手に!・・・ちょっと、日菜?・・・切れた・・・」
「どうしたんですか?もしかして日菜さんがこっちに?」
「いえ・・・どうやらPastel palette全員が沖縄でライブをするようなんで・・・席を準備してあるから来てくれと・・・」
「日菜さんパスパレのメンバーだったんですか?」
まさか日菜さんがPastel paletteのメンバーで、そのメンバー全員が沖縄に来ているとは思わなかった。
どうやら番組でライブをすることを伝えられると突然目隠しをされ、目隠しを外されるとそこは沖縄だったそうだ。
沖縄に氷川さんがいることを知っている日菜さんはスタッフに頼み込み特別席を確保したようだ。
「・・・どうします?」
「私・・・人混みは・・・」
「勝手に頼まれてもこっちが困るのよ・・・」
「でもあちらのスタッフさんに悪いです・・・」
3人の間に沈黙が流れる。
しかし、考えた結果僕達はライブに向かうことにした。
ライブ会場ではたくさんのファンが押し寄せていた。
少し前色々あって活動休止まで追い詰められていたパスパレだったがここまで復帰しているとは思わなかった。
会場のスタッフに訳を話すとすぐに席を案内された。
そこは人もあまり多くない端の方だった。
「ここなら・・・大丈夫・・・です。」
「はぁ・・・私はあまり来たくないのですが・・・」
「他のバンドの演奏を見てすごい所を見るのもRoseliaのレベルを上げるひとつの方法だと思いますけど・・・」
「それなら・・・仕方ないわね・・・」
氷川さんを納得させると、数分後パスパレのライブが始まった。
「みなさーん!こーんにーちわー!まん丸お山に彩りを!pastel paletteボーカルの丸山彩です!今日は来てくれてありがとうございまーす!それでは聞いてくだしゃい!『しゅわりんどりーみん』!」
・・・今噛まなかった?
そう思いながらパスパレのしゅわりんどりーみんが始まった。
そこにはこの前、羽沢珈琲店にいた金髪の人やバイトの武士道の子がいた。
まさかあの2人もパスパレだったとは思わなかった。
しゅわりんどりーみんが終わると大きな歓声に包まれた。
すると日菜さんがこちらを向いて大きな声を上げた。
「いたいた!おねーちゃーん!」
「っ!日菜・・・」
氷川さんにスポットライトが当たった。
「こっちに上がって上がってー!」
「ちょっと・・・なんで私が・・・そもそもギターもないのよ!」
するとスタッフが日菜さんのギターと同じギターを持ってきた。
どうやらスペアのようだ。
「それ貸すからー!」
「・・・氷川さん・・・これ上がらないといけない流れです・・・」
「・・・お疲れ・・・様です。」
僕と白金さんと周りの空気に押され、氷川さんは渋々ステージに上がった。
「紗夜ちゃん・・・ごめんね!」
「いえ・・・私は・・・」
「おねーちゃんとダブルギターで演奏できるなんて私嬉しい!」
「日菜!そもそもあなたが・・・」
「紗夜さん、すみませんが宜しくお願いします。」
白鷺千聖と言った金髪の人が紗夜さんに楽譜を渡した。
氷川さんはそれを受け取り、一目通して準備にかかった。
「えっと・・・それでは、氷川姉妹のダブルギターで聞いてください!『そばかす』っ!」
氷川さんと日菜さんのダブルギターで演奏が始まった。
いつも弾いている曲調とは違うポップな曲に氷川さんも渋々ながらも楽しそうに演奏している。
演奏が終わるとさっきのしゅわりんどりーみんより大きな歓声が上がった。
ライブ後、僕と白金さんは氷川さんを迎えにスタッフに案内され、楽屋の方に向った。
楽屋に入ると氷川さんとパスパレのメンバーが和気あいあいとしていた。
「氷川さん、お疲れ様です。」
「九条さん・・・その・・・さっきのは」
「あっ!ソータくんだ!久しぶり!」
日菜さんが駆け寄って僕の手を取って上下にぶんぶん降っていた。
「ちょっ・・・日菜さん・・・お久し・・・ぶりです。」
「ちょっと日菜!」
「日菜ちゃん、九条さん困ってるから辞めてあげて?」
白鷺さんに止められ日菜さんは渋々手を離した。
「えっと・・・どうして僕の名前を?」
「あなたが始業式に言ってたじゃない?私も花咲川の2年生よ?私は白鷺千聖、宜しくお願いしますね?」
「宜しくお願いします。それとたしか君はブシドーの?」
「はいっ!お久しぶりです、私は若宮イヴです!立派なブシを目指して日々修行しています!」
「ジブンとは初めてですね。ジブン、大和麻弥って言います。日菜さんと同じ羽丘の2年生です。以後宜しくっす!」
「九条奏多です。宜しくお願いします。」
「九条さん・・・そろそろ・・・時間が・・・」
時計を見ると5時前になっていたフリータイムは5時半までだったはず。
「やばっ!氷川さん、そろそろ行きましょう!」
「そうですね、それではここで失礼します。」
「うん、今日はありがと!明日はよろしくね!」
丸山さんに見送られ僕達は何とか集合時間までにホテルに投稿した。
しかし波乱万丈な修学旅行はまだ始まったばかりである。
修学旅行編どうだったでしょうか?
予定では1日目、2日目、3日目で1話ずつに分けてやろうと思います!
次の更新は明日です!その日までお楽しみに!