無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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わーい投稿日(21日)誕生日だぁ!
ログボ燐子だぁ!
ガチャは渋いわぁ・・・

祝17歳ということで『~LOUDER~オモイツナグ ミカンセイ ナ ウタ』ラストです!(無論こうなるのは想定外)

今回は全員のsideが入ります!そのため切り替えが多くなると思う・・・そこはご了承ください。

次を日常パートにするか陽だまりロードナイトの回にするかで迷ってるけどそれはおいおい決めるとして

LOUDER編ラスト始まります!


18話 LOUDER オモイツナギ ヒキツガレル ウタ

友希那の家の騒動から夜が明け、CIRCLEにはいつものRoseliaのメンバーとインディーズのメンバーが揃っていた。

 

「まさかホントに揃うとはな・・・」

 

「だから言ったじゃねぇか!お前が呼べばいつだって集まるって!」

 

シゲさんが友希那のお父さんの背中を叩く。

 

その後こちらを向いた。

 

「えっとこいつらが昔のメンバー!自己紹介頼むぜ!」

 

すると長身の女の人が前に出た。

 

「シゲはやっぱり変わらないわね・・・私、キーボードをしていた黒木奈津子。よろしく。」

 

次に強面の男の人が前に出た。

 

「ギター担当だった、大山恭介だ。よろしく。」

 

次は背の低い優しそうな人が出てきた。

 

「俺、佐久間響!ドラムやってたもんだ!よろしくな、嬢ちゃん達!」

 

次はシゲさんが前に出た。

 

「んで俺が奏多の叔父でベースやってた九条茂樹だ!気軽にシゲって呼んでくれや!んで我らがボーカルの!」

 

シゲさんが友希那のお父さんに降った。

 

「ったく、気恥しいって。ボーカルで友希那の父の湊悠斗だ。いつも友希那が世話になってるな。」

 

友希那を見ると少し顔を赤くしている。

 

そんなことお構い無しにシゲさんは話を続けた。

 

「お前達が俺達の曲をやるって聞いてな!それなら本物を見せてみようってことになってよ!」

 

すると宇田川さんが友希那に顔をきらめかせて話しかけた。

 

「友希那さん!それってこの曲をやれるんですか?」

 

「えぇ、ようやく決心がついたわ。」

 

「湊さん、どうやら迷いが吹っ切れたようね。」

 

「友希那さん・・・表情が良くなってる・・・いつもの友希那さんだ・・・」

 

メンバーがいつもの友希那になったことに喜んでいた。

 

「まぁそういうこった!とりあえず俺達のLOUDER、聴いてくれや!」

 

インディーズのメンバーがそれぞれの位置について静まる。

 

メンバーの準備が終わると悠斗さんが話し出した。

 

「歌う前に言っておく。俺達のLOUDERを聴いたからと言ってそのまま真似る必要は無い。インディーズはインディーズの、RoseliaはRoseliaのLOUDERを奏でればいい。それだけは頭に入れといてくれ。では、聴いてください『LOUDER』!」

 

するとカセットで聞いた以上の激しいシャウトが流れ出した。

 

Roseliaのメンバーは静かに聴いているがその表情は始めてこの曲を聞いた時以上の感動した顔をしている。

 

インディーズの人たちもブランクを感じさせないぐらい凄く、そして楽しそうに演奏している。

 

演奏が終わると悠斗さんが肩で息をしながら話し出した。

 

「どうだ・・・これが俺達のLOUDERだ。この後、こいつら一人一人が担当のところへ行く。そこでこの曲のコツとかを叩き込んでもらえ。次のライブまで1週間ぐらいしかないそうだな。がんばれよ。」

 

「「「「はい!」」」」

 

友希那を除く全員がそれぞれの担当のところへ行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子side

 

私はあの演奏の後、黒木さんの所へ向かった。

 

「あなたがキーボードの子?黒木よ、よろしく。」

 

「えっと・・・白金燐子です・・・よろしくお願いします。」

 

「ふむふむ・・・あなた、人前に出るのは苦手なタイプね?」

 

「・・・!どうして・・・わかったんですか?」

 

「私、今は音楽学校でピアノを教えていてね。たくさんの生徒を見てると自然とわかってくるのよ。」

 

自分の特徴をひと目で見抜かれてかなりびっくりした。

 

黒木さんはそのまま話を続けた。

 

「けど心配しないで。あなたはお客さんを見なくていい。メンバーの背中を見て支えてあげればいいのよ。」

 

「え・・・?」

 

「恐らくあなたは人目が苦手なタイプなのよ。お客さんの方を見るとどうしても目線を感じてしまって固まってしまう。けどあなたには仲間がいる。その仲間の背中を見て、その手で、その音色で支えてあげれば自ずと自分の音色が良くなる。だから仲間の事をよく見てあげて。そっちの方があなたの成長に繋がると思うわ。」

 

「・・・は、はい!」

 

お客さんを見なくていい、仲間を見てあげることで私は伸びる。

 

そのことに自分を変える道が見えたような気がした。

 

「さ、話していても仕方が無いわ、さぁLOUDERを引いてみて!」

 

「はい!」

 

私は仲間を思う気持ちを載せてキーボードを引き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あこside

 

友希那さんのお父さんに言われたようにあこはあのドラムの人の所へ行った。

 

「お、君がドラム担当かい?佐久間響だ。よろしく!」

 

「えっと、宇田川あこです!よろしくお願いします!」

 

「お、元気のある子だ!こりゃ教えがいがありそうだな!とりあえず叩いてみろ。そっからだ!」

 

佐久間さんが笑顔でそういった。

 

あこは闇のドラマーの力を見せる時だと思い、ドラムを叩いた。

 

演奏が終わると佐久間さんが話し出した。

 

「うん、あこちゃんのドラムも悪くはねぇ。しかし、少し早まって演奏しているな。」

 

「う、そうですか・・・うぅ、どうしても早まっちゃうんだよな・・・」

 

いつものミスを言われてあこは少し気持ちが落ちた。

 

しかし、佐久間さんは慰めるように話を続けた。

 

「だが、あこちゃんの思いは伝わってる。ドラムは他のみんなのテンポを保つ土台でもあるんだ。自分がこの曲の土台を任されているって大きな気持ちを持って演奏したらいいんだ!そうすると自然と行ける!」

 

「あこが・・・土台を・・・」

 

自分がこの曲の土台を任されている、そう思うとめちゃくちゃやる気が出てきた。

 

「は、はい!あこ、頑張ります!」

 

「よし、その意気だ!もう1度!」

 

あこは自分が土台を任されている自信を持ってドラムを叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜side

 

私は大山さんの所へついた。

 

「ギター担当の氷川紗夜です。今日はよろしくお願いします。」

 

「あぁ、大山恭介だ。まずは引いてみろ。」

 

無愛想な人だなと思いつつ私はLOUDERを演奏した。

 

演奏が終わると大山さんは無言でこちらを見ていた。

 

「あの・・・どうでしょうか?」

 

「・・・悪くは無い、音もテンポもかなり正確だ。」

 

「はい、他には・・・」

 

「特に無い。」

 

「えっと・・・それじゃあ」

 

「しかし、音から楽しさが感じられんな。」

 

「・・・え?」

 

「正確で完璧な演奏もいい、しかしそればかりが音楽じゃない。正確さだけを追い求めるのは限度がある。その先を目指すなら音楽を楽しむ気持ちが大切だ。」

 

「なるほど・・・」

 

私が納得すると、大山さんは笑みを見せた。

 

「固くなってはダメだ。まずは笑って引いてみろ。その後はお前の場合感覚でわかるだろう。」

 

「は、はい・・・やってみます。」

 

「悪いな、元々口数は少なくてな。教えるってことが苦手なんだ。」

 

大山さんは苦笑気味に返した。

 

「フフッ、大丈夫です。やってみます。」

 

私は正確にではなく、音楽を楽しむことに集中してギターを弾き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

リサside

 

アタシは茂樹さんの所へ向かった。

 

すると茂樹さんはもうベースを構えていた。

 

「お、来たか今井ちゃん!」

 

「はい、よろしくお願いします!そのベースは?」

 

「こいつは俺が昔から使ってるベースだ。俺は見てアドバイスを送るのが苦手でよ、一緒に弾いてその都度アドバイスを送る方がやりやすいんでな。」

 

「なるほど、わかりました。」

 

アタシは茂樹さんと一緒に弾き始めた。

 

「テンポが緩い!もっと上げる!」

 

「は、はい!」

 

「そうだ、そのままそのまま!」

 

シゲさんの教えは思っていた以上にハードだがわかりやすく、自分のミスや遅れをその都度教えてくれる。

 

そして曲のラストを引き終わるとシゲさんが話しかけた。

 

「今井ちゃんよ、お前はどう思いながらベースを弾いてる?」

 

「え?えっと・・・みんなに合わせて置いていかれないように・・・けど弾いて楽しいっていう気持ちです!」

 

「弾いて楽しいって気持ちは悪かねぇ。ただ『置いていかれないようみんなに合わせる』はちと違ぇな。」

 

「え?」

 

「多分お前は自分が一番下手だから置いていかれないようにしないといけないと思ってるだろ。」

 

「えっと、はい。アタシだけみんなと違ってブランクがあるので・・・」

 

「だったら俺もこいつを弾くのは10年ぶりだ。大事なのは『置いていかれないように』じゃなくて『仲間を置いていかないように』って気持ちだ。ブランクなんて関係ない。自分が仲間を引っ張ってそいつらを置いていかないように合わせるって考えが大事なんだ。」

 

「自分が・・・引っ張る。」

 

アタシは仲間を支えてばっかで自分から引っ張ったことは無いことに気づいた。

 

茂樹さんはそのことを気づかせてくれた。

 

茂樹さんはそのまま話を続けた。

 

「そ、だからもっと自信持て!自分が一番下じゃなくて自分が仲間と同じってことにな!」

 

「・・・はい!」

 

「んじゃもう一回やるぞ!」

 

アタシは自分の音に自信を持ってベースを弾き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

友希那side

 

私はその場に残って父の前に立った。

 

「友希那・・・」

 

「お父さん、私は何を」

 

「お前に言うことは一つだけだ。殆どは昨日シゲが言ってしまったからな。」

 

「・・・。」

 

昨日茂樹さんが言った『自分の思いを載せて歌う』ことと『自分の歌声を信じて歌うこと』。

 

それはもちろん覚えている。

 

しかし父からのアドバイスは貰えていない。

 

私は父からの一言を待った。

 

「楽しめ。」

 

父からのアドバイスはシンプルなものだった。

 

「・・・え?それだけ?」

 

「それだけだ。楽しめ、ただ純粋に音楽に対して楽しい思いを載せろ。自分が思うこと、それと一緒にな。」

 

「・・・ええ、わかったわ。」

 

その父からのアドバイスを受け取る。

 

まだ他のメンバーは練習中のようだ。

 

音がないとタイミングを合わせて歌いにくいので私は練習せずにみんなを待った。

 

みんなの思いと私の思い、そして楽しさをぶつけるために私は仲間を信じて待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奏多side

 

みんなが練習している中、僕は他のメンバーの練習を見ながら待つしかなかった。

 

仕事もほとんど終わらせてあるので見守ることしか出来ない。

 

そんな中、悠斗さんが僕の隣に座った。

 

「少し良いかな?」

 

「は、はい。何でしょう?」

 

「君にこれを渡そうと思ってね。」

 

悠斗さんは自分のカバンから大きな封筒を取り出して僕に渡した。

 

中身を見るとそれはLOUDERのスコアだった。

 

「・・・!これって、大切なものでは?」

 

「いや、君たちが持っていてくれ。この曲に新しい命を吹き込んでくれるお礼だ。」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

僕は素直にそれを受け取った。

 

「君は友希那のバンドのマネージャー何だってね。」

 

「は、はい。元々音楽に関しては全然でしたけど。」

 

僕は苦笑気味に返す。

 

「シゲがベースやってたことは?」

 

「全く聞いていませんでした。ほんとに知ったのは昨日です。」

 

「まぁ、あいつなら言い忘れそうだけどな。」

 

悠斗さんがそう言いながら笑った。

 

「君は彼女達の善し悪しを見つけるのが上手いそうだね。」

 

「はい、基本は良くないと思ったところを指摘しています。まさか僕にこんなことが出来るとは思ってなかったです。」

 

悠斗さんは頷きながら僕に提案した。

 

「なら、その悪い点にアドバイスを入れてあげるのはどうかな?」

 

「アドバイス・・・ですか。」

 

「あぁ、そこを指摘するだけじゃなくてもう少しどうすればいいと思うって自分の気持ちをぶつけてみたらどうだ?」

 

「・・・はい、やってみます!」

 

「お、全員終わったみたいだな。とりあえず集まるぞ。」

「はいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

それからRoseliaは1週間みっちりと練習を続けた。

 

インディーズのメンバーがそれぞれの仕事に戻った後も僕がアドバイス等を送って質を上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてライブ当日

 

メンバーが衣装に着替えている間、部屋の外で僕が待っていると

 

「よぉ!」

 

とシゲさんが後ろから声をかけてきた。

 

「シゲさん!来てくれたんですか?」

 

「俺だけじゃねぇよ!可愛い弟子のためにインディーズ全員で来た!」

 

後ろからインディーズのメンバー達が並んできた。

 

「弟子っていうか、まぁいいや。そういう訳だ。」

 

「そうね、あの子のキーボード、気になるしね。」

 

「あいつの音、どうなったかが知りたいだけだ。」

 

「ま、まぁそういうことだ。そうだ奏多くん、これを友希那に渡してくれないかい?」

 

僕は悠斗さんから銀のネックレスを渡された。

 

「あの、これは?」

 

「これは僕が昔ライブの時に身につけていたものだ。お守り替わりにと伝えといてくれ。」

 

「とにかく俺たちゃ客席で待っとく。いいライブ期待してるぞ!」

 

インディーズの人達が客席へ向かった。

 

僕は着替えが終わったらしい、みんなの元へ向かった。

 

「お待たせ、順番は?」

 

「これの次です。友希那、これを。君のお父さんからこれを渡すよう頼まれてね。」

 

「・・・!これは、お父さんが大切にしていた・・・」

 

「ライブの時に身につけていたものらしくて、お守り替わりにって言ってました。」

 

「・・・そう、ありがとう。」

 

話しているとまりなさんが声をかけてきた。

 

「Roseliaのみんな~そろそろだからステージ裏に来て~」

 

「・・・よし、行くわよ!」

 

みんながステージに上がって行く。

 

僕はそれをただ見守った。

 

 

 

 

 

 

 

 

友希那side

 

ステージに上がると歓声が上がった。

 

この前より人が多くなっている。

 

「・・・Roseliaです。まずは1曲聴いてください。『熱色スターマイン』!」

 

奏多が考えたセットリストで私は歌い始めた。

 

 

 

 

 

熱色スターマインとBLACK SHOUTを終え、LOUDERの番が来た。

 

「次でラストです。この曲は私が・・・いえ、私達が尊敬するバンドから引き継いだ曲です。聴いてください、『LOUDER』!」

 

 

 

 

 

 

あこは『土台を任されていること』に自信を持って

 

燐子は『仲間を思う気持ち』を載せて

 

紗夜は『正確さだけでなく楽しむこと』に集中して

 

リサは『自分の音に自信を持ち、仲間を引っ張ること』を思って

 

そして私は『純粋に音楽に楽しい思いをぶつける』ために

 

全力でLOUDERを奏でた。

 

それは私達5人が初めて合わせた時以上の音を奏でた。

 

5人の思いを繋ぎ、引き継がれた歌は新たな思いを載せて蘇ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ライブ終了後

 

「みんな、お疲れ様です!」

 

「ええ、お疲れ様。」

 

「お疲れ様です。」

 

「お疲れ様!」

 

「おつかれ~!」

 

「お疲れ・・・様です。」

 

ライブが終わり、6人で楽屋に戻るとテーブルには6人分の飲み物と袋、そしてメモが1枚置かれていた。

 

メモには

 

『いいものを見させてもらった。それは俺達の思いを載せたアクセサリーが入っている。俺達が成し遂げれなかったことを託す インディーズ一同』

 

とシゲさんの文字で書かれていた。

 

「シゲさん・・・」

 

彼らの計らいに感謝し、その日からRoseliaの衣装にブレスレットが追加された。

 

それは思いを引き継いだ者達に送られる感謝のものだった。




これで『~LOUDER~オモイツナグ ミカンセイ ナ ウタ』は終わりです!何気に時間過ぎてる!21日中に終わんなかった!
次回からは他バンド交流編やる予定です!他のバンドとの交流お楽しみに!

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