おそらく一番ツッコミどころ多いと思いますが暖かい目で見てもらえると嬉しいです。
という訳であの掛け声で本編スタートしたいと思います!
ハッピー!ラッキー!スマイル!イェーイ!
遡ること数日前、僕が羽沢珈琲店を訪れた時だった。
「いらっしゃいませ~」
「こんにちは、羽沢さん。」
「九条さん!毎度ありがとうございます!」
すっかり常連となった僕はいつものカウンター席についた。
「ご注文はいつものですか?」
「はい、それでお願いします。」
僕は初めてここに来た時から注文しているコーヒーとクッキーのセットを注文した。
「あれ?九条くん?」
聞き覚えのある声がしたので声のした方向に向くとそこには松原さんがいた。
「松原さん、こんにちは。」
「こんにちは。九条くんもここの常連なの?」
「ええ、初めてこの街を散策した時からよく来るようになって。」
「それって始業式終わって数日たった日?」
「・・・?はい、そうですけど。」
「その時、多分私ここにいたと思うんだけど・・・千聖ちゃんと一緒に。」
思い返せばあの時店に松原さん似の人と白鷺さん似の人がいたような気がする。
多分、似じゃなくて本人だろう。
「たしかに・・・いたような気がします。」
「まだその時名前も知らなかったからね。私始業式の日休んでたし。」
話しているうちに注文したものが来た。
「お待たせしました。いつものコーヒーとクッキーのセットです。」
「ありがとうございます羽沢さん。」
僕がコーヒーに口をつけた時だった。
「いた!花音!」
扉が勢いよく開き、大きな声で松原さんを呼んだ。
僕はビックリして鞄を倒し、手に持っていたコーヒーを危うくこぼす所だった。
「こ、こころちゃん!?」
「花音、私とーってもいいことを思いついたの!今からハロハピのみんなでライブをしようと思うんだけど!」
「こ、こころちゃん・・・ここお店だから少し声小さくして。」
「それもそうね!あら、これは何かしら?」
こころと呼ばれた子が拾ったのは曲の楽譜だった。
それは明日Roseliaのみんなに渡すためのもので確か鞄に入れていたはず。
倒れた時に落としたのだろうか。
「す、すみません。それ僕のです。」
「そうなのね、はい!」
その子は素直に渡してくれた。
「あなたバンドでも組んでるの?」
「ええ、Roseliaというバンドでマネージャーをしています。」
「そうなのね!マネージャーって面白そう!そうだ、私弦巻こころって言うの!」
「く、九条奏多です。」
この子はかなり押しが強い方でグイグイくる。
そのため言葉を返すのに精一杯になる。
すると弦巻さんはじーっと僕のことを見てきた。
「あ、あの・・・何かついてます?」
「フフフッ、あなたって面白い人ね!」
「・・・へ?お、面白いってどこが・・・」
「ん~、何かしら?なんとなくよ!」
なんとなくで僕は面白い人と言われたのか。
「とりあえず花音!みんなを集めに行くわよ!」
「ふ、ふええ・・・こころちゃん、待って!」
松原さんは弦巻さんを、追いかけるため支払いを済ませて追いかけていった。
「その・・・なんて言うか。」
「やっぱりこころちゃん凄いね・・・」
僕と羽沢さんは苦笑していた。
そしてポピパのメンバーとの交流から日が変わり今日。
僕はRoseliaの練習が終わり、白金さんと一緒に帰るタイミングだった。
「今日は体調不良明けなのにみんながいつも通り練習出来て良かったです。」
「はい・・・昨日はありがとうございます。」
すると僕達の歩いていた道の隣に黒い車が止まった。
すると窓が開き、中から黒服でサングラスをかけた人が話しかけてきた。
「九条奏多さんですか?」
「は、はい・・・そうですけど。」
「こころお嬢様が今から会えないかと申しておりますのでお時間頂けますか?」
「こころ・・・って弦巻さんが?」
「はい、来て頂けますか?」
「別にこの後は用事ないですけど・・・そんないきなり言われても。」
「その事は申し訳ありません。では車に乗ってください。」
そう言うと後ろの席からもう1人の黒服が出てきて僕を席に案内させた。
「え、ちょ、し、白金さん!すみません、先に帰ってもらえますか?」
「く、九条さん・・・その・・・お気をつけて。」
白金さんは慌てながら僕を見送った。
扉が締まり、車が発進した。
車を走らせること15分、窓の外を見るとものすごい豪邸が建っていた。
「え?これもしかして・・・」
「はい、我が弦巻財閥グループの社長と奥様、こころお嬢様のご自宅であります。」
「・・・嘘だろ。」
まさかあの弦巻さんが財閥のご令嬢だとは思わなかった。
門で検査を受けてそのまま中へ入った。
ずっと続く木々の間を抜け、大きな家の入口前で車は止まった。
「到着しました。」
「そ、その・・・ありがとうございます。」
車から降りるとその家の大きさがよく分かる。
その家の大きさに見惚れているとドアが開き、弦巻さんが出てきた。
「あ、キタキタ!とつぜんごめんなさいね、どうしても話がしたくて!」
「そ、その・・・話って?」
「とりあえず中に入って!メンバーを紹介するから!」
なすがままに弦巻さんに引っ張られて連れていかれた。
連れていかれた部屋に入るとそこには松原さんとほか3人が居た。
「ま、松原さん!?」
「ごめんね九条くん・・・こんなことになってしまって。」
「あ、そーくんだ!こころが連れてきたかった人ってそーくんだったんだ!」
そういったのはオレンジ色の髪の毛の子だった。
彼女の名前は北沢はぐみ。
商店街にある北沢精肉店の店主の娘さんだ。
散策した日の後日、沙綾さんに勧められていたので行ったらそこで出会った。
北沢さんのお父さんにたいそう気に入られたらしく、店に行くとコロッケをおまけしてくれたり少し安くしてくれたりする。
初めてあった日に自己紹介してから彼女は僕のことを『そーくん』と呼び始めた。
「君が九条くんか。我がプリンセスに気に入られるとはなんと罪深い・・・」
そういったのは女性なのにとてもイケメンな人だった。
「申し遅れたね、私は瀬田薫。よろしく。」
「九条奏多です、よろしくお願いします。」
瀬田さんと挨拶を交わすと最後の1人が話しかけてきた。
「あーなんかすみません、うちのこころが無茶言って。あ、私奥沢美咲です。」
3人と挨拶を済ますと弦巻さんが本題を話してきた。
「今日ここに呼んだのは奏多、あなたに私達、ハロー、ハッピーワールド!のメンバーに入ってほしいからなの!」
そう言われて僕はかなりびっくりした。
「え!でも僕はRoseliaでマネージャーをしているんですけど・・・」
「知ってるわ。けど、あなたほどの面白い人を見過ごすわけにはいかないもの!」
「え、えっと・・・」
「ねぇこころん、そーくんにはぐみたちの演奏を聴かせてみたらどうかな?」
「それはいい提案ね!奏多、1度私たちの演奏を聴いてみて!」
そう言われてハロハピの人たちと僕は弦巻邸の演奏可能なところへ向かった。
1人席に座らされて、黒服たちが楽器を準備している。
部屋に入る前に奥沢さんに
「私の姿結構やばいんで」
と言われたがあれはどういう意味なのだろうか。
するとハロハピの人たちが衣装でステージに立った。
メンバーが出てくる中一番最後に出てきたのは奥沢さん・・・ではなくピンク色のクマだった。
(そういう意味か!)
僕は一人納得した。
すると弦巻さんが話し出した。
「それじゃあ奏多、聴いてちょうだい!『えがおのオーケストラ』!」
ハロハピの演奏が始まった。
衣装からしておそらくコミックバンドなのではないかと思っていたがその通りで楽しそうな音楽だった。
演奏が終わるとピンク色のクマが話してきた。
「えっと・・・奥沢美咲改めミッシェルです。」
「えっと・・・よろしくお願いします。」
とりあえずミッシェルと挨拶をする。
ミッシェルの隣から弦巻さんが来た。
「ミッシェルが来るといつも美咲がいないのよね~」
・・・え、この人たち気づいてないの?
後で聞いた話だがこの事は松原さん以外わかっていないらしい。
その事にどうにも言えない感情を持ちつつも弦巻さんは話を続けた。
「それでどうだった?私たちの演奏?」
「ええ、とっても良かったです。」
「それで私たちのバンドに入る気にはなった?」
「僕は・・・すみません、やはりあなた達のバンドには入ることは出来ません。」
「あら?どうして?」
「・・・あなた達の演奏は確かによかったです。心から音楽が好きって気持ちが感じ取れます。けど、僕にとってRoseliaがあなた達が音楽を思う気持ちと同じぐらい好きなんです。」
「・・・そう、でも諦めてはないわ!私達はいつでもあなたを歓迎するから!」
弦巻さんはすこし残念そうにしながらもまだ諦めてはいないと言った。
Roseliaのことを再確認した所で今日のところは帰らせてもらった。
・・・のだが。
「・・・ここどこだ?」
広い広い弦巻邸の庭の中で僕は一人さまよっていた。
20分後、黒服の人達が見つけてくれてその人達に案内されてなんとか家までたどり着いた。
他バンド交流編はどうだったでしょうか?
最後は方向音痴オチでしたがとりあえずなんとか家には帰れましたとさ(笑)
次回は『陽だまりロードナイト〜Don't leave me Lisa and Sota!!!〜』をする予定何ですが・・・
明日こちらの事情で更新できるかどうかが不明です。上げるかどうはTwitterにて報告するのでそちらをご確認ください。