それはズバリ『九条奏多を描いてみる!』です!
僕自体絵を描くことは好きですが、人に自慢できるほど得意ではない上にアナログしか描けませんがやってみようと思います。
とりあえず30話までにはやろうと思うのでお楽しみに!
ということで本編どうぞ!
燐子side
ようやく機材が届き、私達はその機材をセッティングしていた。
そしてそれぞれの調整が終わり、準備が整った。
「正しい機材も届いたし、気を取り直していくわ。みんな、準備はいい?」
「バッチリです!」
「私も・・・大丈夫です。」
「私も問題ありません。」
「では始めるわ。どう音が変わるか楽しみね。」
そう言って私達は演奏を始めた。
曲はRoseliaの始まりの曲『BLACK SHOUT』。
しかし、いつもと違い私のシンセサイザーの電子音から入るとガラッと印象が変わった。
氷川さんもギターの音がいつもと違うし、あこちゃんのドラムもハイハットを変えたことでいつもより響きがいい。私が借りたシンセサイザーもかなり良く、私は結構好きな音だがみんなはどうだろうか。
そう思っているといつの間にか曲は終盤に差し掛かっていた。
私達はいつもと違う『BLACK SHOUT』を楽しんでいた。
「・・・ふぅ。どうやら借りてきた機材は正解だったみたいね。」
演奏後にいつもと同じ空気に戻り、私はとても安心した。
すると友希那さんは自分の意見を私たちに伝えてきた。
「紗夜、今の演奏は悪くないわ。もっと音に強弱をつけると良くなると思う。」
「はい。」
「あこ、力任せに叩いては無駄に体力を消耗するだけよ。最後までベストな演奏ができるように、配分を考えながら叩いて。」
「わかりましたっ!」
「燐子はあこと音を合わせることを意識して。」
「はい・・・!」
「細かい部分はまだ課題があるけど、全体的なまとまりは悪くないわ。その調子で行くわよ。」
「それにしてもさっきの紗夜さんのギター演奏は・・・こう・・・漆黒の闇より生まれし炎の弦楽士(ギタリスト)がアレして・・・炎と闇の封印が解かれし暗黒!って感じ!」
友希那さんが話した後あこちゃんがいつもの言い方で紗夜さんを褒めた。
「うん、そうだね・・・」
私にはあこちゃんの言いたいことがわかるのでそう頷いた。
「・・・湊さん、次の曲に行きませんか?」
「・・・そうね。」
褒められた本人である氷川さんはそれをスルーしてそのまま練習を再開させようとした。
あこちゃんは気づいてくれなかったことを諦めきれないのか次は友希那さんを対象として話し出した。
「ゆ、友希那さん!今の友希那さんの歌は、現世に蘇りし死霊魔術師(ネクロマンサー)が、闇の僕(しもべ)をアレして・・・ドーン!って感じですね!」
次も言いたいことがだいたいわかった。
「うん、すごくわかるよ、あこちゃん・・・」
しかし、やはり2人とも全然わかっていないようで氷川さんが尋ねるように聞いてきた。
「白金さん、宇田川さんはさっきから何を言っているの?さっぱり意味がわからないんだけど。」
1から説明すると難しいので私は意味の省略して簡単に話すことにした。
「あこちゃんは・・・氷川さんの演奏と友希那さんの歌を・・・すごく褒めててて・・・」
「そうなの?宇田川さんの言っていること、私には外国語のように聞こえるわ。」
私はRoselia結成前からあこちゃんと交流があるのでこういった言葉の意味はだいたいわかるようになった。
九条さんもNFOで一緒にプレイしているうちにわかるようになったと言っていたので恐らくこの中であこちゃんの言いたいことがわかるのは私と九条さんぐらいだろう。
「紗夜、あこ、燐子。練習中よ!無駄口叩くのはやめて。」
「は、はい。」
「「す、すみません・・・」」
友希那さんに怒られ、また少し空気が重くなってしまう。
盛り上げようとしたあこちゃんは少し落ち込んでいるようだ。
「さあ、練習を続けるわよ。」
そう言って私達は元の位置に戻り、演奏を再開した。
演奏を続けて2時間ほどがたった頃だろうか。
長時間の演奏でそれぞれの集中が切れてきてきた。
あこちゃんはずっとドラムを叩いているので腕が重そうだし、氷川さんはずっとギターを引いていて動く度に痛そうな顔をしている。
恐らく肩こりなどが酷くなってきたのだろう。
私も度々音を間違えるようになり演奏にボロが出てきた。
「ちょっと、3人とも集中力が切れてきているわよ。ちゃんと曲に集中して。」
友希那さんがそう言って注意してくるがそういう友希那さんも声の伸びが悪くなってきている。
みんなの疲れが出てきて、また空気が悪くなってきた時だった。
「あ、あの友希那さん!」
「・・・な、なに?」
「そろそろ休憩にしませんか?時計見てください!」
時計を見ると時刻は5時過ぎになっていた。
「あっ・・・結構時間経ってたわね。じゃあ休憩にしましょうか。」
そう言って休憩に入ったがいつもは賑やかな休憩時間が今回はとても静かだ。
こんな時どうすればいいだろうと考えた時に一ついい案が思いついたので友希那さんに提案してみることにした。
「あ、あの・・・」
「どうしたの?」
「よかったら・・・みんなで外のカフェに・・・行きませんか?のど・・・渇きましたし・・・甘い物でも・・・」
するとあこちゃんが便乗するように話し出した。
「りんりん、ナイスアイディア~!友希那さん、紗夜さん、みんなでいきましょうよ!ねっねっ!」
「どうしてもって言うなら・・・」
「湊さんがそう言うなら・・・」
2人とも口ではそう言っているがその表情は心做しかほっとしているようだった。
ということで私達はカフェに行くことにした。
「あ、Roseliaのみんな!いらっしゃい。」
外のカフェではまりなさんが店番をしていた。
ここはCIRCLEが経営しているカフェでもあるのでCIRCLEのスタッフさんもレジに立つらしい。
「ん~、何頼もっかな~♪あっ、今日のおすすめパイナップルジュースだって!おいしそう~!」
あこちゃんはわくわくして決めている。
友希那さんによるとここのソフトクリームがコクがあって美味しいらしいと今井さんから聞いているらしい。
「そうですね・・・私はこのイチゴのソフトクリームをいただきましょうか。」
「あっ、それもおいしそう~!う~ん・・・悩むけど・・・あこはこっちのゴマソフトにしよ!りんりんと友希那さんはどうする?」
「そうね・・・私はホットコーヒーと抹茶ソフトにするわ。」
「私は・・・ホットミルクが・・・あればいいけど・・・なかったら・・・紫芋ソフトにしようかな。」
「うん、ちょっと待ってて。聞いてくる。まーりなさーん!」
あこちゃんがまりなさんに聞きに行った。
待っている間友希那さんと紗夜さんの話を聞いていたがこのカフェはスナック系も充実しているそうだ。
メニューのカリカリポテトを見た時の紗夜さんの反応はすごく興味をそそられているようだった。
私は練習後に一息つく場所としてあこちゃんとよくここに来るので、常連客となりつつある。
話しているうちにあこちゃんが帰ってきた。
「りんりんお待たせっ!今の時期はホットミルクはメニューにないみたいんだけど、特別に作ってくれるって!どうする?」
「じゃあ、せっかくだから・・・ホットミルクと紫芋ソフト・・・どっちもお願いしようかな。」
「オッケー!じゃああこがまとめて頼んできますね~」
「ええ、よろしくね。」
そう言ってあこちゃんが注文を取りに行った。
5分後、まりなさんがお盆に乗せて頼んだメニューを持ってきてくれた。
「お待たせしました~。ソフトクリームは溶けやすいから早く食べてね。」
「はーい!これが友希那さんのホットコーヒーと抹茶ソフトで、こっちが紗夜さんのイチゴソフトでしょ・・・」
そう言ってあこちゃんは持ってきてくれたものを全員に分け始めた。
「全員行ったね!それじゃあ・・・」
「「「「いただきます。」」」」
私達はソフトクリームを食べ始めた。
さっきまでの重苦しい空気から一転、みんな和気あいあいとしている。
もうすぐ九条さんと今井さんが来る頃かなと考えつつ私はホットミルクに口をつけた。
奏多side
スタジオで、まだみんなが練習していた頃。
僕達はまだレジでレジ打ちをしていた。
あのソフトボール軍団が去った後も度々お客さんが来るので離れることが出来ずにいた。
「どうして今日はこんなにお客さんが多いんですかね・・・」
「まぁそろそろ夏だからね~ほとんどのお客さん買っていくの飲み物ばかりじゃん?」
確かに今日お客さんの買っていくもののほとんどは飲料水ばかりだ。
たしかに暑くなってきたのでこまめな水分補給が必要な時期なのだろう。
「たしかにここのお店品ぞろえいいですしね。」
「それを発注して店に並べてんのが私たちなんだからそう考えると少しすごく感じるね~」
そういった感じでほのぼのと喋ること30分、店裏から店長さんが顔を出した。
「2人とも~ありがとう!そろそろ上がってもらって・・・」
ザワザワ
店長が話切る前に聞き覚えのあるザワつく声がした。
「こ、これって・・・」
「あちゃー帰ってきたね・・・」
「・・・ごめん2人とも、あの子達の商品さばいてから上がってもらって良いかな?」
「「は、はい・・・」」
そろそろだとは思っていたがソフトボール軍団がこの店に帰ってきた。
しかも多分きつい練習のあとなので僕達が店に来た時よりも激しさを増すだろう。
僕とリサは軽く溜息をつきながら戦闘の準備をした。
そういえばお気に入り件数が100件を超えていました!ここまで読んでくれたことがとても嬉しいです!
これからも無色と灰色の交奏曲をよろしくお願いします!