無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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バンドリの今のイベントも最終局面に入ってきた中、バンドリに全く関係ないFGOでまさかの星四確定交換の機会にパーリー状態の作者です。(アタランテ推し)
でもCV的に加藤段蔵も捨てがたいところ・・・(CV明坂さん)
さらっと全く関係ない雑談入ってますが『陽だまりロードナイト~Don't leaves as Lisa and Sota~』は今回でラストになります。
タイトルの意味はリサ姉がみんなを照らす陽だまりなら奏多はそれに照らされてしたから支える影かなと思ってこのタイトルにしました!

ということで陽だまりロードナイト編最終話始まります!


26話 陽だまりロードナイト ~アオバラ ヲ ササエル ヒダマリ ト カゲ~

みんなと合流して僕達は今ファミレスに来ている。

 

今日何があったかを聞くためにここへ来ているがいつも渋々来ているような友希那や氷川さんが即答して来るとは思わなかった。

 

「いらっしゃいませ~ご注文はお決まりですか?」

 

「とりあえず頼んでから話そっか。アタシはオレンジジュースにするけど何にする?」

 

「僕はコーヒーで。」

 

「私もそうするわ。」

 

「私は・・・今井さんと同じで・・・」

 

「あこは超大盛りポテト!紗夜さん、半分こしましょう!」

 

「ちょっと・・・なんで私が・・・」

 

「・・・?だっていつもポテト食べてますしみんなで食べた方が美味しいですよ!」

 

今、宇田川さんさらっと氷川さんのポテト事情をばらさなかったか?

 

「・・・っ!ぽ、ポテトばかり食べてません!その・・・宇田川さんがそう言うなら・・・」

 

「ははっ!とりあえずみんな決まったね~注文とるよ~」

 

リサが店員さんに注文を頼み、こちらを向いた。

 

「ところで、今日は何があったの?みんな疲れた顔してるし。」

 

「はい、いつもとは違う疲れ方をしています。本当に何があったんですか?」

 

「色々あって大変だったのよ・・・あこ、代表して話してあげて。」

 

「はい、リサ姉、九条さんそれがね・・・」

 

宇田川さんが僕達がいない間のことを話し出した。

 

いつもとは違うRoseliaの行動に僕はハラハラしていてリサは笑いをこらえているようだった。

 

宇田川さんが話し終わるとリサはこらえ切れず笑い出した。

 

「あっはっは~!!そんな事があったの!?その場にいたかったわ~」

 

「今井さん、そんなに笑わなくても・・・」

 

「そうだよ!あこ達大変だったんだから!」

 

「僕は聞いててハラハラしました・・・」

 

「もうっ、みんなアタシがいないとダメなんだから~」

 

「そうだよ、リサ姉がいないと誰もツッコんでくれなくて寂しかったんだから・・・」

 

「そうかそうか~可愛い奴め!」

 

リサが宇田川さんをぐりぐりと撫でる。

 

「ちょっ!やめてよリサ姉~!あこほんとに寂しかったんだから~!次急にいなくなったら・・・」

 

「大丈夫大丈夫!アタシは急にいなくならない、今日はごめんね!」

 

「僕も本日はすみませんでした。」

 

とりあえず僕もリサに従って全員に謝る。

 

「謝ることではないですよ。しかし普段2人に助けられてるのがよくわかったわ・・・」

 

「さ、紗夜がそこまで言うなんて・・・ほんとに大変だったんだ。」

 

氷川さんがそこまで言うとは思ってなかったので僕とリサは心底驚いた。

 

「そうですよ、九条さんがいないと宇田川さんとの意思疎通や練習メニュー等の決定が遅くなりますし、今井さんは気づいているかはわからないけどRoseliaの雰囲気を良くしているのはあなたよ。2人とも次からは必ず練習に参加してください。」

 

「氷川さん・・・」

 

「紗夜・・・うん、次からはちゃんと練習に参加するって約束するよ。」

 

「私は・・・2人がいると・・・安心して、練習できているんだなって・・・思いました。」

 

「どうしてそう思ったの?」

 

「私・・・今井さんが・・・いつも楽しそうに・・・演奏しているの・・・見るのが好きで・・・多分、みんなも・・・同じだと・・・思うんです・・・そして・・・九条さんが楽しそうに聞いて・・・アドバイスしてくれて・・・それに応じて音を磨く・・・今日はそれが無かったのが・・・みんな変な感じがして・・・」

 

「そっか・・・燐子、ありがとう。」

 

「・・・はい、ありがとうございます。」

 

「2人がいないことで、みんな2人のありがたみがわかったのよ。Roseliaには2人がいないと困る。」

 

「友希那・・・みんな・・・そんなにアタシのこと思ってくれてたなんて・・・」

 

リサがそう言って目頭を押さえる。

 

僕もこの言葉にかなりジーンときた。

 

無色で何も無い自分がここまで必要だと言われるとは思っていなかったからだ。

 

「あっ、リサ姉ちょっと泣いてる~」

 

「だって嬉しいんだもん!バイト中もずっと気になってたんだからね!みんなどんな練習してるかなって。アタシがいなくてもいつも通り練習してるのかなって思うとちょっと寂しかったの!」

 

「・・・はい、僕も嬉しいです。実は度々思うんです。僕なんかがここにいていいのかなって。僕なんかがいなくてもみんないつも通り練習してお互いを磨きあっていけるんじゃないかって。」

 

「そんな事・・・ないです!」

 

僕の発言に白金さんが大きな声で否定した。

 

「し、白金さん!?」

 

「そんな事ないです・・・九条さんがいつも自分なりに・・・努力しているのは知っているし・・・九条さんがいないと・・・それぞれが気がつけていないところも多々あります。だから・・・今のRoseliaがあるのは九条さんのお陰なんですっ!だから・・・その・・・自分がいてもいいのかなって思わないでください・・・」

 

白金さんがここまで大きな声を出したのは彼女がバンドに入った直後の時以来だ。

 

彼女に力説され、僕は目頭が熱くなった。

 

「・・・っ!す、すみません・・・その・・・ありがとう・・・ございます・・・」

 

「あっ、ソータ泣いてる~」

 

「リサも・・・さっきまで泣きそうだったじゃないですか・・・」

 

「そ、それは・・・アハハ・・・」

 

「とりあえず、今日は2人がいなければこんなことならなかったのにってことばかりだったわ。」

 

「そうだそうだ!」

 

「今井さんは自分が思っていたより影響力があることを、九条さんは白金さんが言ったように自分がいてもいいのかどうかなんて思わないでください。」

 

「私・・・2人にいて欲しいです・・・」

 

「みんな・・・よーし、すっごくやる気出てきた!次はちゃんと初めから参加するからね!」

 

「はい、次からはしっかり参加させてもらいます。」

 

話しているうちに注文したものが届く。

 

しかし届いたポテトの量が多く、みんなで分けて食べることになった。

 

リサから渡された砂糖を大量にコーヒーに突っ込んでいる友希那がこちらに話しかけた。

 

「そうだ奏多、あのこと忘れてないわよね。」

 

「あのこと・・・それは一体?」

 

「みんなの名前をしたの名前で呼ぶこと。」

 

「・・・あ。」

 

これまであった事で完全に忘れていた。

 

しかし友希那はこのことを忘れていなかったらしい。

 

「えっと・・・どうしてもですか?」

 

「どうしてもよ。」

 

「そうですよ!いつまで経っても宇田川さんじゃあなんか堅苦しいです!」

 

「私はどちらでも構いませんが協調性を保つならそっちの方がいいわね。」

 

「氷川さんがそれ言いますか・・・」

 

「私はいいのよ。それと氷川さんって呼んでますよ。」

 

とりあえずこの空気は逃れなれないと察した。

 

とりあえず下の名前で呼んでみる。

 

友希那の事だ恐らくさん付けもなしだろう。

 

「えっと・・・紗夜?」

 

「はい。」

 

「そして・・・あこ?」

 

「はい!」

 

「・・・燐子?」

 

「・・・はい。」

 

「奏多、なんで最初に下の名前を呼ぶ時は疑問形なの?」

 

「ソータ、そこ直さなきゃダメだよ~」

 

「は、はい・・・すみません。」

 

次からは3人のことを紗夜、あこ、燐子と呼ぶことになりそうだ。

 

「後はその敬語さえ直せればね・・・」

 

「ソータ、茂樹さんが言ってたことって・・・いや、何でもないよ。」

 

リサが話そうとしたことを途中でやめた。

 

その事は僕が触れてほしくないところだと察したのだろう。

 

「とりあえず敬語は徐々に直していくとして、次のライブそろそろでしょ?新曲どうするの?リズムは決まってるんでしょ?」

 

「ええ、けど今回の件でいい歌詞が思いついたわ。奏多、今回は私が曲名を付けるわ。それでもいい?」

 

「は、はいそれはいいですけど・・・」

 

「歌は私で今日中に何とかする。みんなはそれぞれの音を完璧に仕上げるように。」

 

「「「「はい!」」」」

 

新曲の設定の基礎も仕上がり僕達はポテトがなくなるまで雑談を続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ当日

 

新曲も完成して音も完璧にできている。

 

今日のセットリストはLOUDER、シャルル、そしてラストに新曲だ。

 

新曲のMCの内容は全く聞かされていない。

 

最初のLOUDERと新しいカバー曲として採用したシャルルが終わり、MCが入った。

 

「・・・ありがとうございました。次で最後の曲です。この曲は私達にとってかけがえのない存在であるベースとマネージャーの事を思って完成させた曲です。それでは聴いてください、『陽だまりロードナイト』」

 

Roseliaの新たな曲、『陽だまりロードナイト』が始まった。

 

初めて聞いた時からこの曲は僕にとってかけがえのない曲になりつつある。

 

曲が2番に差し掛かった。

 

友希那の歌声が響く。

 

『~励ます魔法のように 囁いたの「みんながいれば 怖くないよ」!』

 

あれ?「みんながいれば」って所は本当は「あなたがいれば」のはず・・・

 

もしかしてわざと変えた?

 

この曲は聞く人に伝わるようにかけがえのない人を思っている歌詞になっているので二人称のあなたを使っている。

 

それをわざと三人称に変えたのはリサだけでなく僕のことも思ってのことだろうか。

 

そう思うとまた泣きそうになる。

 

曲も終盤に差し掛かり、そろそろ終わる頃だ。

 

僕は涙を拭い、みんなが帰ってくるのを待った。

 

 

 

 

 

Roseliaのメンバーとして、彼女達にとって大切な存在としてあり続けられるように。




陽だまりロードナイト編どうだったでしょうか?
最後の「みんながいれば怖くないよ」って所はYouTubeでバンドリちゃんねるで陽だまりロードナイトが上がっていた時にあったフレーズです。
いつも陽だまりロードナイトを聴いて思うのは「神曲、異論は認めん。」です(笑)

さて、次はお待ちかね水着イベ(トコナッツパーク編じゃないよ)です!
トコナッツパーク編はいつやるか不明ですが多分無灰世界で1年後かと・・・

とりあえず次の更新をお楽しみに!

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