無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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やべぇ・・・奏多の色塗ってねぇ・・・と慌てる隠神カムイです。
ほんとに次出すんで・・・それまで待ってくだせぇ・・・ってことで絶賛九条奏多を描いている途中であります。
これで将来大丈夫かねぇ・・・

そんな作者の心配は置いといてくっそ寒くなってきた今無灰世界で海行くってよ


29話 ウミ ト ミズギ ト アワテル ムショク

上原さん企画の海に行く日当日。

 

僕は集合時間の20分前に駅前に到着していた。

 

海に行くということで水分補給用の塩分タブレットや日焼け止めクリーム、着替えにもしものための緊急用の包帯や医療用キットなど色々持ってきている。

 

僕はかなり心配性のためこういう物はいつも準備してあるのだが親父にはいつも『やりすぎ、もうちょっと少なめでいい』とよく言われる。

 

そこまでやりずきているのだろうか。

 

とりあえず待つこと5分、まずは上原さんとリサが来た。

 

「あ、九条さん!おはようございます!」

 

「おはよーソータ・・・って何その荷物!?」

 

「おはようございます。この荷物がどうかしました?」

 

「いや、そん中何入ってんの?」

 

「確かにすごい量ですね・・・」

 

「えっと熱中症予防の塩分タブレットやタオル数枚、着替えに日焼け止めクリームに緊急用の包帯やら何やら色々入ってます。」

 

「それ重くないの?災害避難用の持ち物じゃないんだし・・・」

 

「正直少し重いです。けどこういうのを持っておいた方が色々対応できるんで。」

 

「九条さんすごい心配性ですね・・・」

 

やはりやりすぎなのだろうか。

 

次からは少し減らした方がよさそうだ。

 

そうこう話しているとあこと燐子が来た。

 

「上原さん、今井さん、九条さん・・・おはようございます。」

 

「おはようございます!・・・って奏多さんその荷物何!?」

「ほーらやっぱりやりすぎなんだって!」

 

「・・・次から自重します。」

 

「よーし、これで全員揃いましたね!それじゃあ出発しましょう!」

 

「おー!」

 

そう言って上原さんとリサが改札へ向かう。

 

「僕達も行きましょうか。」

 

「はい・・・そうですね・・・」

 

燐子が返事を返すがやはり緊張しているようだ。

 

肩にすごく力が入っている。

 

するとあこが燐子に笑顔で話しかけた。

 

「りーんりん!今日は一緒に行ってくれてありがとう!今日は思いっきり楽しも!」

 

「あこちゃん・・・うん、そうだね。」

 

あこのお陰で肩の力が抜けたようだ。

 

それに僕はほっとした。

 

「おーい、早くしないと置いていくよー!」

 

「りんりん、奏多さん行こっ!」

 

「・・・うん、行こっか。」

 

「そうですね、行きましょう。」

 

僕達は目的地である海のある隣町へ向かうため改札を通り、電車に乗った。

 

電車には女子4人が向かい合う形で座り、僕は隣の席で通路を挟んで話していた。

 

隣街の海の近くの駅は結構遠く、急行に乗っても6駅ほど乗っていなければならない。

 

しかし、最近のバンドの近況やこれから何をするかなどを話しているうちに目的の駅に近づいていた。

 

トンネルを抜けると窓の外には海が見えた。

 

「うわぁ!すっご~い!」

 

「綺麗・・・」

 

「ホントすごいね!」

 

「すごく綺麗!写真写真~」

 

「すごく青い・・・」

 

海の青さに僕は心を打たれる。

 

海に来るのは本当に久々だ。

 

一番最後に来たのはまだ母親が親父と別れていなかった頃なのだがその頃の記憶が全然思い出せないし正直思い出したくない。

 

僕は頭を降って嫌なことを忘れ、これから行く海に柄でもなく心を踊らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

女子が着替えている中、僕は受付で借りたビーチパラソルと持参のブルーシートをひいて準備していた。

 

一応僕と荷物を置くために引いているのだが更衣室には鍵付きのロッカーがある。

 

しかし財布を取りに来たり、色々取り出す時に戻るのが面倒だということで海に来ても泳がない僕が一括管理をすることになった。

 

まだ女子が更衣室から帰ってこないので僕はパラソルの下で本を読んでいた。

 

しかしいくら日陰とはいえ暑さで汗が出てくる。

 

持ってきたタオルと塩分タブレットを取り出そうとカバンを漁ろうとした時だった。

 

「九条さんお待たせしました!」

 

その声は上原さんだろうか。

 

返事を返そうと声のする方に振り向いた。

 

「はい、荷物はこちら・・・に・・・」

 

後ろを見るとそこには当たり前だが水着の上原さんがいた。

 

どうやら上原さんはピンクのビキニにしたようだ。

 

そのため白い素肌や体型がしっかりわかってしまう。

 

しかも振り向いた時に上原さんは前かがみになっていたので大きな胸が強調されている。

 

女子の露出に慣れていない僕はおそらくすごく顔を赤くしているだろう。

 

そんな頭がごちゃごちゃになってきた時に追い討ちをかけるようにリサが来た。

 

「おっ待たせ~!いや~久々の水着に着替えるの苦労しちゃって。」

 

「リサ先輩!その水着とても可愛いです!」

 

「そう?ひまりも可愛いよ!ソータはどう思う?」

 

「い、いや・・・あの・・・その・・・と、とても・・・大人っぽく・・・」

 

リサの水着も同じビキニタイプだがこちらは色々と装飾が付いていてリサのギャルっぽさをとても強調している。

 

しかもスタイルがいいせいかとても大人っぽく見えて、いつも接しているリサとはまたイメージが違って見える。

 

「ええ~それっていつもは子供っぽいってこと?」

 

「い、いえ・・・そういう訳では・・・」

 

「あとはあこちゃんと燐子さんだけですね。」

 

こんなに頭がオーバーヒート寸前なのにまだ2人いるのか・・・その時聞き覚えのある中二病臭いセリフが聞こえた。

 

「ふっふっふ・・・わらわを呼ぶのは貴様たちか!」

 

「そ、その声は・・・!」

 

「え、リサ先輩?いきなりどうしたんです?」

 

「これがあこの水着姿である!」

 

どーんと言った掛け声とともにあこが僕達の前に現れる。

 

あこは紫色の水着にしたらしく編上げの入ったデザインとなっている。

 

しかしいつもと着ているデザインが変わっていからかまた別の原因があるのかわからないがあこをみると何故かほっとした。

 

「あとは燐子さんだけだけど・・・」

 

「あこ、燐子は?」

 

「りんりんなら多分そこに隠れてるよ。おーいりんりーん!」

 

そう言ってあこは更衣室方面へ走っていったと思ったらおそらく燐子であろう人影を引っ張ってきた。

 

確か白黒のワンピース型にしたと言っていたので露出は少ないだろう。

 

おそらくこの2人よりかはびっくりしないはず・・・

 

「じゃーん!これがりんりんの水着姿である!」

 

「あ、あこちゃん・・・恥ずかしいよ・・・」

 

・・・前言撤回、隠した方がやばい。

 

まさか燐子がここまでスタイルが良いとは思わなかった。

 

いつも着ている服ではわかりにくかったが水着を着るとここまで凶暴性が増すとは思わなかった。

 

水着は胸の中心に白色のリボンが付いて所々白のラインが入った水着なのだがその胸の大きさやスタイルの良さなどでとても映えている。

 

燐子の登場にビキニ2人組も絶句していた。

 

「あの・・・どこかおかしいですか?」

 

「いや・・・燐子って・・・脱ぐとすごいね。」

 

「・・・え!?それは・・・どういう・・・」

 

リサのその発言に燐子がめちゃくちゃ顔を赤くする。

 

それに畳み掛けるように上原さんが続く。

 

「初めて会った時から燐子さんスタイルいいなって思ってたけどここまでとは・・・いいな~私も燐子さんみたいになりたい!」

 

「スタイルよく・・・ない・・・ですよ。」

 

「ねー奏多さんはどう思う?りんりんの水着。」

 

「え!・・・あの・・・その・・・」

 

僕に話がふられ全員が一斉にこちらを向く。

 

燐子はずっと顔を赤らめている。

 

そんな中燐子が話しかける。

 

「その・・・似合って・・・ますか?」

 

その言葉にボン!って音とともに僕の意識は闇へ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

燐子side

 

水着に着替えたはいいがやはり人前だと恥ずかしい。

 

いつもは胸を少しキツめに締めているように作った服も今はすべてカバンの中だ。

 

しかも水着はしっかりフィットするのでいつもとなれない感触に困惑する。

 

するとあこちゃんが私を見つけた。

 

「あ、いた!りんりん、奏多さん達待ってるよ。早く行こっ!」

 

「あ、あこちゃん・・・引っ張らないで・・・転んじゃう・・・」

 

そう言ってもあこちゃんは構わず腕を引っ張ってみんなの所へ引っ張っていく。

 

すると今井さんがこちらに気づいたようだ。

 

「キタキタ、おーい!燐子・・・」

 

「あ、燐子さ・・・ん・・・」

 

私を見ると2人ともフリーズしたように固まっていた。

 

「じゃーん!これがりんりんの水着姿である!」

 

「あ、あこちゃん・・・恥ずかしいよ・・・」

 

九条さんを見るととても顔を赤くしている。

 

暑さの影響なのかなにかほかに原因があるのかわからない。

 

「あの・・・どこかおかしいですか?」

 

そう言うと今井さんがフリーズが溶けたようで話し出した。

 

しかし開口一番に言ったのは思ってもないセリフだった。

 

「いや・・・燐子って・・・脱ぐとすごいね。」

 

「・・・え!?」

 

そう言われて私の顔が自分でもわかるぐらい赤くなる。

 

「それは・・・どういう・・・」

 

今井さんに聞こうとすると上原さんが続けて話しかけてきた。

 

「初めて会った時から燐子さんスタイルいいなって思ってたけどここまでとは・・・いいな~私も燐子さんみたいになりたい!」

 

そんなにスタイルなんて服を作る時以外気にしていなかったので困惑してくる。

 

「スタイルよく・・・ない・・・ですよ。」

 

とりあえず否定したがあまり効果はないだろう。

 

するとあこちゃんは残る1人に話を降った。

 

「ねー奏多さんはどう思う?りんりんの水着。」

 

「え!・・・あの・・・その・・・」

 

九条さんは顔を赤くしながらあわてたように返す。

 

視線が九条さんに集まる中、九条さんがこちらを見ている。

 

何も言わないのは失礼かもしれないのでとりあえず話してみた。

 

「その・・・似合って・・・ますか?」

 

すると九条さんは顔から湯気が上がるほど赤くなった後ボンっ!と音とともに後ろに倒れた。

 

「ちょっとソータ!?」

 

「九条さん!?」

 

「奏多さん!?」

 

「く、九条さん!」

 

全員が急いで九条さんの周りに集まる。

 

九条さんは顔を赤くして目を回しながら鼻血を出して気絶していた。

 

今井さんが揺すっても反応がない。

 

「あちゃー・・・ソータには刺激が強すぎたかな~」

 

「リサ先輩、それってどういう事ですか?」

 

「いや、ソータって女の子の耐性がめちゃくちゃ薄くてさ、この前コンビニで雑誌を整理していた時に水着特集が表紙の雑誌でめちゃくちゃ顔赤くしててさ~」

 

そう言いながら今井さんは笑っている。

 

このまま放っておく理由にもいかないので九条さんが目覚めるまで待った。

 

 

 

 

そして九条さんが起きたのは倒れてから10分後の事だった。




はい、設定資料集でも言ったように奏多はめちゃくちゃ耐性薄いです(笑)
てか初めての水着イベの時にまだノーマルしか出来なかった未熟な頃の僕が水着燐子欲しいがためにがむしゃらに頑張った頃を思い出した。
懐い・・・
そんな訳で早く奏多を描き終わらせるので次回までおまちくだせぇ!それでは!

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