無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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疲れてようが何であろうが極力投稿日にはあげるように頑張る隠神カムイです。
なんかこの前リアルの友人が小説オススメサイトかなんかで僕の小説見つけたらしいんすけど週4投稿とかいう馬鹿みたいにやっているせいでニートか何かの扱いされてたけどちゃんとした高校2年生の男子ですからね!?
クラブとか色々やってるけど空いた時間に小説の設定考えたりしてるからこんなこと出来るんです!(しかし勉強してるとは言ってない)
けどたまに9時ぐらいから突発的にやってる時もある。
そんな作者の制作事情や正体事情は置いといて水着イベ編ラストです。
冬場の今、夏のことやってるのなんか変な感じしてるけどお楽しみください。
それでは本編どうぞ!


31話 ウミ ト シゴト ト ユウヤケ ト

店長に頼まれて店の手伝いをすることになった僕達は2つのグループに別れて手伝うことになった。

 

僕とリサは一番大変な厨房スペースを任されている。

 

なぜなら料理出来るのがリサと僕しかいなかったからだ。

 

今回のコラボカフェはドリンクがメインなので作るメニューはいつもの海の家のメニューでいいらしいのだが夏場の厨房だ、めちゃくちゃ暑い。

 

この暑さのせいで何人かのスタッフがバテてしまっているようだ。

 

しかしタフなリサはそんな暑さお構い無しに準備に取り掛かっていた。

 

「流石お店、調理器具が多いね~」

 

「そうですね。って言うかリサ料理できたんですか?」

 

「こう見えてアタシ結構やるよ?趣味とかで大体の料理作ったし。ソータは?」

 

「僕は今一人暮らししてるのと親父が料理出来なかったんで自然と身につきました。流石に毎日弁当とか買うのはお財布に厳しいですしね。」

 

「確かにそうだったね~」

 

「あ、あの・・・私はどうすれば・・・」

 

後ろで燐子が困ったように話しかける。

 

そう言えば燐子も調理場担当だったっけ。

 

「それじゃあ燐子はドリンク頼めますか?」

 

「ドリンク・・・ですか?」

 

「ドリンクならアタシも手伝うけど。」

 

僕はリサにメニュー表を突きつける。

 

するとリサは困惑していた。

 

「ど、ドリアードの涙?ま、マリカスの炎?な、なに・・・それ?」

 

「燐子はわかりますよね。」

 

「はい・・・おそらくこれと・・・これです。」

 

そう言って燐子は見本の写真を指差す。

 

緑のメロンソーダがドリアードの涙で赤のイチゴフロートがマリカスの炎だ。

 

「な、なんでわかったの?」

 

「ドリアードの涙は・・・ゲームだと・・・緑の回復アイテムですし・・・マリカスの炎は・・・使うと一定時間炎属性を付与できるドリンクなんで・・・」

 

「これ多分ゲームやってないとわからないと思います。僕と燐子とあこはこのゲームやっているのでわかりますが。」

 

「なるほど・・・だったら燐子頼むよ!」

 

「は、はい!」

 

「手が空いたら僕も手伝いますので。」

 

ドリンクを燐子に任せ、僕とリサは厨房に立った。

 

担当としては麺類はリサに任せ、僕は揚げ物や他の物を担当することになった。

 

「リサさん、ラーメン2つに焼きそば1つですっ!」

 

「奏多くん、カレー1つにポテト3つお願い!」

 

「りんりん、ドリアードの涙と解毒ポーション!」

 

流石お昼時、注文が多い。

 

カレーは温めるだけでなんとかなりそうだが問題はポテトだ。

 

揚げても揚げても時間が足りず、すぐに注文が入る。

 

ポテトを揚げている間にカレーやサンドイッチを作り、即座にカウンターへ。

 

ポテトが揚がるとすぐに新しいポテトを油の中へ突っ込んで揚がったポテトをさらに盛り付ける。

 

1回揚げるだけで7皿ほどに分けることが出来るがそれでも足りない。

 

ポテト頼む人多すぎだろ。

 

「ソータ!そっちどう?」

 

「ポテト地獄ですっ!そっちは?」

 

「店の人と協力してるけど焼きそばがすごい勢いで注文くる!」

 

え、あっちだけ手伝いいるのせこくないか?

 

「出来ればこっちも手伝いが欲しいです!」

 

「うん、無理そう!ソータ頑張って!」

 

即答で断られた。

 

あの声からしてリサが燃えている様だがいかんせん注文が多すぎる。

 

汗を流しながらテキパキと進めていると頼もしい声がした。

 

「おい坊主!大丈夫か?」

 

「て、店長さん!」

 

「流石にきついだろ!俺も手伝うわ!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「この山乗り切ったら休んでいいからよ!それまで頑張ってくれ!」

 

店長が手伝ってくれることに感謝し、僕は最期までやり切ろうと決意した。

 

時々揚げ物スペースを店長に任せ、燐子の手伝いに行きながらなんとかお昼時を脱した。

 

 

 

 

 

 

 

「ご来店ありがとうございました~!」

 

「ふぅ・・・あれで最後のお客さんだね。くぅ~!アタシ達頑張ったぁ!」

 

「お疲れ・・・様でした。」

 

「つ、疲れた・・・」

 

最後のお客さんが帰っていった。

 

お昼時を脱してからも僕達は手伝いを続け、結局はコラボカフェの閉店時間の3時半まで手伝い続けた。

 

あの後お昼時を脱してからもポテトの売上がやばかったのと揚げ物の他にお好み焼きやクレープなどをやったため終わった瞬間疲労感がどっと来た。

 

「みんな、ありがとな!結局最後まで手伝わせちまったな。」

 

「いえいえ、お役に立ててよかったです!」

 

上原さんがそう言った。

 

おそらくここにいる全員がそう思っているだろう。

 

すると誰か知らないが腹の音がなった。

 

今思えば手伝いをしていたせいでお昼ご飯を食べるのを思いっきり忘れていた。

 

すると思い出したかのように空腹感に見舞われる。

 

「はっはっは!お前ら腹減ってんだな?待ってろ、なんか作ってやっから!もちろん金はいらねえ!」

 

「え、いや悪いですよ!」

 

「手伝ってもらったお礼だ!んなモン気にすんな!食べたいヤツがあればなんでも言ってくれ!」

 

「それじゃあお言葉に甘えて、あこは焼きそばでしょ!お好み焼きでしょ!それにかき氷!」

 

あこがそう言い出すとみんな遠慮なく注文しだした。

 

「アタシはラーメンでお願いしま~す!あ、あとクレープ追加で!」

 

「私は焼きそばとチョコパフェで!」

 

「えっとわたしは・・・サンドイッチと・・・オレンジジェラートをお願いします。」

 

「それじゃあ僕はラーメンとポテトで。」

 

「あいよ!ちょいと待ってな!」

 

店長が店の奥へ行くと丸山さんが声をかけてきた。

 

「みんな~こっちこっち!この席が海が一番良く見えるんだよ!」

 

丸山さんが指示する席に向かうとそこからは海が一望でにた。

 

「わ、すごーい!店内からこんなに海が見えたんだね~。料理作るのに必死で気が付かなかったよ。」

 

「凄いですね・・・」

 

丸いテーブルにみんなが適当に座り、今日あったことなどを話していると店長が料理を運んでくれた。

 

あれだけしんどい思いをしてこれらを作っているのだから店の人は改めてすごいと思った。

 

「それじゃあ料理も来たことだし!せーの!」

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

「どうぞ、召し上がれ!」

 

まだ仕事中のため1人注文をしていない丸山さんがそう言った。

 

「そういえばリサ先輩と九条さんって本当に料理上手なんですね!私ホールしながら見てましたけど、とてもテキパキしてました!」

 

「そ、そんなことないよ~普通だって!」

 

「そうですよ、誰だって慣れればあれくらい出来ますよ。」

 

「そーそー!そういうひまりだってあんだけお客さんいたのにずっと笑顔だったじゃん!」

 

「あ、あれは彩さんやあこちゃんに助けられただけですって!」

 

「確かにあこちゃんずっと楽しそうだったもんね!」

 

「そ、そうかな~?」

 

ホール組が互いを褒めあっている。

 

そういうのを見ると自然と笑みが出る。

 

「そういえばりんりんも凄かったよね!」

 

「え・・・わたしは・・・ただドリンクを作っていた・・・だけだけど・・・」

 

「それが凄かったんです!途中からものすごく早くなっていましたし!」

 

厨房で仕事をしている時に何度か燐子の手伝いには行ったがその時の燐子の手は見えないぐらい早くなっていた。

 

こういう作業に素質があるのかもしれない。

 

「最初は自身なさそうだったけど慣れたらテキパキ作って、ほんとすごかったよ~!」

 

「そうそう!お客さん喜んでたし!特にホワイトドラゴンの鉤爪フロート!あれ写真で見るよりすっご~いって!」

 

「あ、あれは・・・やっぱり迫力が・・・大事かなって・・・思って・・・」

 

すると食後用のデザートを持って店長が来た。

 

「おっ、楽しそうな話してんな!ほらよ、デザートだ。」

 

「わーい、店長さんありがとうございます!」

 

「それと、坊主とキーボードの嬢ちゃんとドラムの嬢ちゃんにはこれ!」

 

店長は四角い厚紙のようなものを渡してきた。

 

よく見るとそれは今回のコラボカフェで貰える限定装備のコードだった。

 

「り、りんりん!奏多さん!これって!」

 

「げ、限定装備のコード・・・ど、どうして・・・欲しいって・・・わかったんです?」

 

「嬢ちゃんの動き見てたらわかった。作るのにめちゃくちゃこだわっていただろ?それと坊主が教えてくれたのもあるんだけどな!」

 

「く、九条さんが?」

 

「はい、2人で作業している時に。」

 

それは僕と店長が揚げ物をしている時に店長に僕と燐子とあこがこのゲームをやっていることを伝えていたのだ。

 

店長はコードをとっておくと言ってくれて仕事の終わったこのタイミングで渡してくれたのだ。

 

「店長さん、ありがとうございます。」

 

「その・・・ありがとう・・・ございます!」

 

「いいってことよ!お前らほんとにありがとな!」

 

日も傾き始め、僕達はそろそろ帰ることにした。

 

丸山さんも仕事がそろそろ終わるらしいのでそれまで待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせ!」

 

「あ、彩さん!」

 

丸山さんが普段着でこちらに走ってきた。

 

丸山さんだけではなく今は全員が着替えて普段着でいる。

 

「それじゃあ帰りましょうか。」

 

「そうですね・・・」

 

僕と燐子がそのまま後ろを向こうとした時だった。

 

右腕を誰かに掴まれた。掴んだ主はあこだった。

 

「奏多さん、りんりんストップ!」

 

「あ、あこちゃん?」

 

「最後にやることが残ってるよ!」

 

「やることですか?」

 

ふと上原さんを見ると手にはスマホが。

 

「記念撮影ですよ!こういうのはしっかり残さないと!」

 

「ソータ、燐子早く!」

 

リサが僕と燐子の背中を押す。

 

全員が上原さんの後ろに着くと上原さんはスマホのカメラを起動させた。

 

「それじゃあ撮りますよ!はいチーズ!」

 

パシャという音がする。

 

すると上原さんはスマホを下げて後ろを向く。

 

「今日は楽しかったですね!」

 

「そうだね!またこういうのもやろっ!」

 

「ひまり~宿題終わってるの?」

 

「お、終わってないです・・・」

 

「あこも終わってない・・・」

 

宿題は夏休み初日にすべて終わらせてある。

 

Roseliaの活動に支障が出るかもしれないので先に終わらせておいたのだ。

 

「楽しかったですね、こういうのも悪くないです。」

 

「そうですね・・・コードも貰えたし・・・」

 

「また来ましょうか。」

 

「・・・次は人の少ない日がいいです。」

 

「ははっ、そうですね。」

 

今日は久々に思いっきり笑った気がする。

 

泳がず、ただ手伝っただけなのに友達や仲間といるだけでこんなに楽しいとは経験がなかったので僕は初めて知った。

 

またこういう日が来ればいいのに、僕はこの時だけ幸せを感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、こういう日が続くとは限らなかった。




水着編これにて終わりです!
最後の言葉の意味とは?度々出てくる奏多の秘密とは?
次回、急展開の『挫折編』お楽しみに!


って言うか時間すぎてる!

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