突然ですが四日連続投稿やります。←ほんとに突然
理由としては活動報告でも伝えたように修学旅行で火曜、木曜分の更新が難しいと判断したためこうなっております。
久々の連続投稿ですが身体壊さない程度に頑張りますのでそこのところよろしくお願いします。
てなわけで何故かタイトルがRe:birthdayな本編始まります!
僕が挫折から立ち直る救いとなった曲の『軌跡』。
その曲とは別に僕を思う気持ちで創られた曲があった。
その曲の名前は『Re:birthday』。
『再誕の日』の意味を持つこの曲は元々軌跡のフレーズの没案を友希那が念のために取っておいたものを僕とRoseliaのみんなで再編させて創り上げた曲だ。
そして今は僕のために急ピッチで完成させたため、ショートバージョンでしか演奏できなかっためにフルバージョンの軌跡とその曲の没案を新たに生まれ変わって出来たこのRe:birthdayの二つをメインとして練習をしている。
軌跡は僕以外のメンバーが創り出したので僕からは何も言うことがないが、Re:birthdayは僕も編集に携わっているため各自のミスや改良点を指摘しやすい。
そして、1度全員で通してから休憩を入れるのが最近の練習のスケジュールとなっていたのだった。
「それじゃあそろそろ全員で通して軌跡とRe:birthdayやってみようか。」
今回も軌跡とRe:birthdayを全員で通し、休憩に入った。
「みんなお疲れー!休憩入れよっか。」
「ふぅー!疲れたぁ!」
「リサお疲れ。はいこれ。」
リサにタオルと水の入ったペットボトルを投げ渡す。
「よっと!ありがとソータ!」
「友希那にあこも受け取って!」
そう言って友希那とあこにペットボトルとタオルを渡す。
「ありがとう奏多。」
「奏多さん、ありがとー!」
「燐子はこれで、紗夜はこれ!」
続いて燐子と紗夜に渡そうとする。
「あ、ありがとう・・・奏多くん。」
「いつもの事だよ。後は紗夜だけだけど・・・」
紗夜の方を見るとめを開いてずっとぼーっとしている。
日頃、紗夜の事をよく見る僕は紗夜が今、考え事をしている事がわかった。
しかし受け取ってくれないのも寂しいので声をかける。
「おーい、紗夜ー?もしもし、紗夜さん?」
するとやっと気がついたのかハッとしたような顔をする。
「わ、私・・・また・・・」
「紗夜また考え事?とりあえずこれ。」
紗夜にペットボトルとタオルを渡す。
紗夜はそれを受け取った。
「あ、ありがとうございます。」
いつもと様子がおかしい。
見た目は凛としてしっかりしているのだが、何故か違和感がある。
無理していつも通りを演じているような、どこかに迷いを持っているようなそんな感じだった。
「ソータ?どうしたの?」
後ろからリサが声をかけた。
「ん?何も無いよ?なんで?」
「いやさ、ぼーっとしてたからどうしたんだろうと思って。」
「ごめん、少し考え事してた。」
「何考えてたの?」
「いや、特に大したことはないよ。ほら、そろそろ休憩終わるよ。」
「むむむ・・・気になるけど練習優先だね。はいこれ。」
リサにタオルと中身が半分くらいのペットボトルを渡される。
僕はそれをいつも置いている位置に置いた。
「みんなー、そろそろ始めようかー!」
リサがみんなに呼びかける。
こういう呼びかける系はリサの方が向いていると思う。
全員が位置について僕が次の練習メニューを伝えた。
「えっと、そろそろ次のライブも近いのでメニューを組もうと思ってる。なにかリクエストとかある?」
「はいはーい!あこは新曲やってみたいです!」
「新曲か・・・悪くないけどまだ軌跡とかRe:birthdayも完璧じゃないのにやるのもどうかなー・・・友希那はどう思う?」
「確かに新曲も悪くないわ。けど新曲をするのであればどのようなテーマで行くか考えないと。」
「今回のライブは軌跡とRe:birthdayも入れる感じで4曲やろうと思う。だからあと2曲のうち仮に1曲を新曲をやるしたらあと1曲何にするか・・・」
考えていると燐子が手を挙げて提案してきた。
「あ、あの・・・軌跡は結構テンポが緩やかなのでそれで緩急をつけるとしたら・・・テンポの良い曲の方がいいと思う・・・例えば熱色スターマインとか・・・」
「熱色スターマインね・・・悪くないわ。もし新曲をするならそれを最後にした方がいいわね。」
友希那の言葉に僕は流れを考える。
もし最後に新曲をやるとしたら必ず盛り上がる。
なら、熱色スターマインを初めにして次にRe:birthday、緩急をつけるように軌跡を入れる方がいいだろう。
1通り考えて僕はみんなに提案することにした。
「なら、1番目を熱色スターマイン、2番目をRe:birthday、3番目を軌跡で最後に新曲って感じでどう?」
「うん!賛成!」
「それがいいわね。なら新曲はアップテンポな曲の方がいいわね。」
「結構ハードな流れだけどやる気出てきた!頑張るよ燐子!」
「は、はい・・・頑張りましょう・・・」
僕はふと紗夜の方を見る。
紗夜は話は聞いているようだが考え事をする状態に入りそうになっていた。
「紗夜はどう思う?このセット。」
「え、ええ・・・悪くないと思います。アップダウンもしっかりしてて面白そうだと思います。」
「そうね、紗夜のギター、今回も期待してるわよ。」
「は、はい・・・わかりました。」
紗夜の表情が少しだけ曇る。
やはり何かあるのだろうか。
「それじゃあその流れで一回やってみよ!」
リサの提案で全員が練習のスイッチが入る。
紗夜の様子も気になるがとりあえず練習を優先させた。
紗夜side
私は初め、今井さんが何故Roseliaに入ることを許されたのかわからなかった。
力量もお世辞にも上手かった訳でもなくただの経験者というイメージしかなかった。
確かに初めて演奏した時の一体感は素晴らしかった。
けど入ることを許されたのは湊さんが甘いのではないかと疑ったこともあった。
しかし彼女がいなくなって困ったことがあったのも事実だ。
実際、夏休み前に今井さんと九条さんがバイトで抜けた時、自分がしっかりしていればまとめられるだろうと思っていた。
しかし実際はそうもいかず、最後に2人が来なければパニックになっていた事だろう。
その時、私は何故、湊さんが今井さんをRoseliaに入ることを許可したのかわかった気がした。
彼女の強みは私達を支えてくれていることなのだと。
そしてその強みは九条さんも持っている。
2人が居て初めてRoseliaというバンドは輝き続けることが出来るのだと、そう思った。
湊さんはもちろん白金さんも、更に宇田川さんもそれぞれの強みを持っている。
私は音楽性に左右されずに評価されるからこそ高い技術や正確さを信じてやってきたつもりだった。
なので私はギターの技術やテンポは誰よりも優れているという自信はある。
しかしそれはすべて『日菜に負けないため』でもあった。
しかしこの前見た演奏・・・『日菜と比べて』テンポもリズムも私の方が正確なのにどこかが決定的に違うように思えた。
今の私の音はただ正確なだけのつまらない音だ。
私の音が『日菜の音』を超えることは出来るのだろうか・・・
奏多side
演奏をフルで一度通してアドバイスを送ってからもう一度通すと時間もいい具合になってきた。
「そろそろ時間だ、今日の練習はここまでにしようか。」
張り詰めていた心地よい緊張感が抜け、いつもの緩やかな雰囲気に戻る。
「お疲れさま・・・です・・・」
「お疲れ様でーす!ううー、つっかれた・・・」
「あこ。このくらいで弱音を吐いていては先が思いやられるわね。特にドラムは体力が大事なのだから体力の使い方やペースを考えて叩くことね。」
「ううっ・・・」
「まあまあ。あこお疲れ!はい、クッキーどーぞ!」
リサが手作りのクッキーを渡す。
これもいつもの恒例となってきた。
「あ、今回僕も作ってみたからよかったら食べてみて!」
そう言って僕は鞄の中からタッパーを取り出した。
その中には昨日の夜に生地を寝かせて今日の朝に焼き上げたチョコマフィンが入っている。
タッパーを開けるとチョコの甘い匂いが周りに漂った。
「うわぁ!美味しそう!いっただっきまーす!」
あこがリサのクッキーを片手にマフィンの一つをとって口に運ぶ。
するとあこの顔が一瞬で輝いた。
「おいひぃ!こんな美味しいマフィン食べたことない!」
「ほんとに?どれどれ・・・」
あこの反応に興味をそそられたのかリサがマフィンをとって食べる。
「うわっ!ほんとに美味しい!ソータ料理できるって言ってたけどこんなに美味しいなんて!」
「でしょでしょ!奏多さん料理上手すぎだよ!」
喜んでくれてよかった。
すると燐子と友希那も近づいてくる。
「奏多。一ついただくわ。」
「奏多くん・・・いただきます・・・」
友希那と燐子もマフィンを口に運ぶと幸せそうな顔をする。
「美味しい・・・!」
「ええ、とっても。」
「今回のはかなり自信作なんだ!」
僕は唯一マフィンを食べていない紗夜に声をかける。
「紗夜ー!マフィン作ったんだけど食べる?」
「ええ、ですけど私は残って少し練習をしてから帰るので後でいただくわ。」
「わかった!袋に包んで置いとくから!」
僕は念のために持ってきていたラッピング用の袋にマフィンを一つ入れて紗夜のカバンの上に置いた。
「それじゃあギター周り以外は片付けといて。僕は受付に精算と次の予約をしてくるからよろしくね~」
僕はスタジオの現状復帰をみんなに頼んで受付に向かった。
しかし僕はまだ紗夜がなぜ顔を曇らせたのかを考えていた。
突然ですが無灰のメイン2人のCVイメージがつきました!
なお案には「陽だまりと剣と秋時雨」の作者のソロモン@ナメクジさんも絡んでます。
九条奏多・・・島崎信長
陰村炎・・・逢坂良太
という感じになりました!(ほとんど願望)
それでは次回もお楽しみに!