そして祝お気に入り200件越え!
何気に続けてきた無灰も折り返し前(?)となります!
読者の皆さん本当にありがとうございます!
これからも「無色と灰色の交奏曲」をよろしくお願いします!
それでは本編どうぞ!
僕達Roselia+αはこの旅立ちの村で一番大きな屋敷の「ダンケインの屋敷」に到着し、そこで下働きしているジェイクさんに話しかけた。
ジェイクさんの頭の上にはクエストロゴが出ているのでひと目でわかるのだ。
「よく来てくれました・・・旅の方。実は、折り入ってお願いしたいことがあるのです。この手紙を、鉱山のリンダに届けてくれませんか?私は、ここの仕事があるので中々私に行くことができないのです・・・」
NPCは基本しゃべることが出来ないので頭の上の吹き出しに言葉が並ぶ。
それを見てリサが興味津々に話し出す。
「へぇーこの人がジェイクさん?」
「そうだよ!」
「ジェイクさんはこの場所からリンダさんに何万通も手紙を出し続けているんです。」
「そんなに手紙を書いてどうするのかしら?」
「たくさんのプレイヤーがこのクエストを受けるからそれだけ数がいるんだよ。1通だけだと初めてやった人しかこのクエストをクリアできないからね。これはゲームの使用上仕方が無いことなんだよ。」
これはゲームあるあるでもある。
仮に病気の子供に薬を届けるクエストをクリアしてもクリアしていない別のプレイヤーがその子を見るとその子は病気にかかったままである。
そのためこの子供は病気を直してはかかり、直してはかかりとエンドレスに病気になるがこれは使用上仕方の無いことなのである。
「手紙を受け取るにはどうすれば?」
紗夜がそう質問してくる。
答えたのは炎だった。
「今目の前に『クエストを受注しますか?』って出てると思うからそれの『手紙をリンダに届ける』を押して。そうすると手紙を受け取りましたって出るから。」
「わかりました。」
全員が同じ動作をしてクエストを受ける。
これでジェイクさんは3通の手紙を渡して、リンダさんは3通もの手紙を受け取る羽目になる。
いつも思うのだが、いずれリンダさんは手紙を受け取るのを拒否する日が来るのではないだろうか。
そんなことお構い無しにジェイクさんは話を続けた。
「本当ですか!?ありがとうございます!リンダは村を出て西に進んだ先の鉱山にいるはずです。どうかよろしくお願いします・・・」
画面に『リンダに手紙を届ける クエスト開始』と出る。
これでクエスト開始である。
「これでオッケーだね!」
「しかし目的地の位置が随分曖昧なんですね。もっと話を聞いて場所をしっかり教えてもらいましょう。」
紗夜はジェイクさんにもう1度話しかけた。
「本当ですか!?ありがとうございます!リンダは村を出て西に進んだ先の鉱山にいるはずです。どうかよろしくお願いします・・・」
しかしジェイクさんは同じことを繰り返して言った。
紗夜はとても不思議そうにしている。
「・・・どうしてこの人は同じことしか言わないんですか?」
「NPCは同じことしか喋らないですよ?」
「NPC・・・?」
「ノンプレイヤーキャラクターの略だよ。NPCはこの世界の登場人物で人が動かさないから思考が固定されているんだ。だから何度聞いても同じことしか喋れないんだよ。」
「1人1人人が動かしてたら手間もかかるしお金と時間もかかる。だからコンピューターにやらせることで作業を効率化させてんだよ。」
「なるほど、そういう事なんですね。」
「まぁとりあえず、その鉱山に行ってみようよ。」
ということで鉱山に続く道である『アゼミチ村道』を通ってロゴロ鉱山に向かった。
「ねぇここから鉱山までどのくらいで着くのかしら?」
「すぐそこですよっ!最初のダンジョンだからすぐ近くっ!」
「ここからだと本当に3分もないよ。この道もモンスター出ないから安心して進めるし。」
ロゴロ鉱山は誰もが通る最初のダンジョンで、中には色々な鉱石の他にコウモリ型モンスターや小さなゴーレムなど低級モンスターしか出ないので初心者が最初に戦闘なれするところとしてよく使われるダンジョンでもある。
「あれ?ねえ、なんか光ってる草があるんだけど?」
リサが指を指すとそこには確かにチカチカと点滅する草があった。
しかし経験者組はそれがなにか人目でわかった。
それは全てのプレイヤーがお世話になるアイテムの原型であるからだ。
「これは薬草ですね。」
「薬草ってことは薬になるの?」
「そ!回復ポーションの元になるアイテムだよ。」
「へぇ!これってその回復なんたらにできるの?」
「できますよ。これをこうすると・・・」
燐子が的確な手さばきで「メニュー」→「アイテム」→「調合生成」の順で薬草を回復ポーションに変換させる。
正式名は「HP回復ポット」というのだがみんな回復薬やヒール瓶など色々な呼び方で読んでいる。
「はい、出来ました!」
「えー!すごいすごーい!」
リサがめちゃくちゃはしゃいでいる。
僕らにとっては見慣れた光景でも初心者にとっては凄いのだろう。
経験者組が暖かい目でリサを見る。
「これはタンクの氷川さんに渡しておきますね。もしHPが減ったら使ってください。」
「あの・・・HPというのは?」
「生命力のことですよ。モンスター攻撃を受けちゃうと減っちゃうので( ̄ω ̄;)」
「タンクは移動速度は装備をしている間少し遅いけどそのHPの減りが少ないんだ。その耐久性を活かして味方のHPを減らさないように味方を守りながら戦うのがタンクの仕事だよ!」
「だからタンクは難しいんだよな・・・」
炎が少し肩を落とす。
どうやら炎は一人で突貫して蹴散らすタイプのプレイヤーのようだ。
明らかタンクとは相性が良くない。
「なるほど・・・ゲームは覚えることが多いんですね・・・」
するとリサが燐子に話しかけた。
「ねえねえ、そのHP回復ポットってアタシでも作れる?」
「一番簡単なものなら大丈夫ですよ。やってみます?」
そう言って燐子が作り方をレクチャーしている。
あっちはあっちで楽しそうだ。
すると後ろでものすごい勢いで調合音が聞こえるので後ろを向くとリサがすごい量の回復ポットを生成していた。
「り、リサ!?作りすぎじゃない?」
「ええー?たくさんあった方がいいじゃん!みんなにもあげるね!」
「あ、ありがとうございます。ポットでアイテムスロットがいっぱいです(;°▽°)」
そう言ってリサが回復ポットをみんなに配る。
初心者組はまだまだアイテム容量がいっぱい空いているが経験者組は装備品や他のアイテムなどがあるのでかなりキツキツだ。
「ありがとうリサ!丁度回復ポット切れてたんだ!」
・・・一部を除いては。
「いや、炎・・・アイテムぐらいちゃんと見とこうよ・・・」
「たまにやっちまうんだーこのミス。基本かすりは気にせずに戦ってるから体力の減りが早くてよ、回復ポット結構使うんだわ。」
「拳闘士使ってるんだったらそこはこまめに見ないとすぐに死ぬよ・・・」
「わ、わかってらい!」
炎が意地を張ってそう言う。
しかしわかってないからこうなるのでは・・・
「それより、これから私達はそのアイテムを使わないといけないような場所に行くのね。」
友希那がそう言う。
すると初心者組は少し緊張しているようだった。
「まぁ、僕達がいるからモンスターぐらいはすぐに倒せるよ。」
「そうだな!」
炎が拳を手のひらに打ち付ける。
こうみると炎はやはり拳闘士っぽい。
「そう言えばあそこにはキラぽんも出るよ、あこちゃん。」
「えっ、そうなの!?」
「あー確かに出たね。僕は一度エンカウントしてすぐに逃げられちゃったけど。」
「キュイ」
飛ぶのが疲れたのかルナが頭の上に乗る。
キラぽんはルナことファーリドラと同じくらい出現率が低いモンスターで倒せば非常にレアなアイテムをドロップする。
しかしその素早さはファーリドラ以上で見つけても遠距離攻撃での闇討ちでしか倒すことが出来ないと言われている。
不思議そうしている初心者組にあこがキラぽんの説明をする。
なお、キラぽんはファーリドラとは違ってテイム率0%(これは運営が予め公表しているらしい)なのでルナの時のようにテイムすることは出来ない。
「とりあえずクエスト進めながらそのキラぽんってモンスターも探しながらいこっか!」
話しながら歩いていたがもうすぐロゴロ鉱山に到着する。
ストレージの容量はキツキツだが、正直な話ここで入手できるアイテムはほとんど必要ないので今日は愛剣を存分に振るうことが出来るだろう。
僕は背中に愛剣の『純銀剣クラレント』を実体化させて僕達一行は鉱山の入口まで進んだ。
炎の戦闘スタイルは脳筋突貫です。
つまり回復しないと死にます()
次回更新は土曜です。
次回もお楽しみに!