昨日、新小説『Fate/Rider Order』を始めたので無灰の更新ペースは火曜日と土曜日になります。
楽しみにしてる読者の方々には申し訳ありませんがご了承ください。
ということで無灰の方はようやく中盤です。
それでは本編どうぞ!
道中なんだかんだいろいろあったが一行はロゴロ鉱山に到着した。
中に入ると鉱山らしくレールとトロッコ、そして色々な鉱石があった。
「ここが鉱山かー、なんか薄暗くてちょっと怖いね。」
「大丈夫大丈夫〜!」
「けど入口の看板に・・・」
実は入る前に立ってある看板を見たのだがその看板には「この先モンスター出現!ロゴロ鉱山の怪物に注意!」と書かれていた。
「その怪物って確かこの鉱山のボスモンスターじゃなかったっけ。」
「うん、確かでっかいドラゴンの形を模したゴーレムだったはず。」
「そのモンスターってどのくらい強いんですか?」
「初心者組ならワンパンです( •́ㅿ•̀。 )」
「「「・・・」」」
初心者組が黙り込む。
経験者組がパーティを組んで倒せるぐらいなので出くわすとかなりしんどい。
するとカラカラと音とともに何かが近づいてくる。
「まって、あれはなんですか?」
その正体はスケルトン、低級のかなり弱いモンスターだ。
しかしそれを知らない初心者組は初めての敵モンスターにびびる。
「わわわわわっ!こっち来た!!」
「abunai・・・」
初心者組が元来た道に走って逃げる。
しかし炎が前に出てスケルトンに攻撃を加える。
スケルトンは打撃属性の攻撃を受けると一撃で倒せる上にレベル制ではなく完全スキル制なNFOで炎は筋力をメインに上げているので攻撃力が高い。
その上拳闘士というジョブの補佐もあってスケルトン系モンスターに対しては無敵の強さを誇る。
炎はスキル技も何も使わずただ軽くスケルトンの眉間にデコピンをくらわせる。
するといとも簡単に頭が飛んでいき、スケルトンはポリゴン状となって消滅した。
「そんなに逃げなくても大丈夫!こいつめちゃくちゃ弱いから!」
「そうだよリサ姉!」
「び、びっくりしたんだよー!いまのは何?」
「スケルトンという弱いモンスターですね。外と違って、鉱山には突然襲ってくるモンスターもいるんですよ。(°-°;」
「そうなんだ・・・助かったぁ〜ありがとう、炎!」
「いやいや、初心者を守るのが今回の仕事だし!な、奏多!」
「うん、だからモンスターとか出てもあまり逃げたりしないようにね。道に迷うかもしれないから。」
ボディガードとしての仕事はしっかり出来そうだ。
するといきなり紗夜が盾を構えた。
「氷川さん?盾を構えて、どうしたんですか?」
「いえ、まだ敵が残っているのではないかと思って・・・」
「大丈夫大丈夫!この鉱山の上級者向けのダンジョンにいかない限り強いやつは出ないって!」
「ちょっと待っててください・・・むむむ・・・うん、この辺りにはもうモンスターはいませんよ!」
あこが索敵スキルを使う。
魔法使いや死霊魔術師など魔法をメインに使うキャラが使える便利スキルだ。
これを使うと自分の周囲にモンスターがいるかどうか確認することができる。
するとリサがあることに気づく。
「あれ・・・友希那は?」
「「あ。」」
ボディガード失格のお知らせである。
「友希那ー!友希那ーー!」
「ゆーきーなーさーーーん!」
リサとあこがずっと呼びかける。
ダンジョン内では一定の範囲を離れるとそのプレイヤーとチャットで話せなくなってしまう。
なので探しながらこうやって呼びかけるしかない。
「だめだ・・・全く反応ないよ・・・」
「一体どこにいったんでしょうか・・・」
「たしかこの先は上級者向けの高難易度ダンジョンだったはず・・・」
「げげ・・・大丈夫かな、友希那・・・」
上級者向けのダンジョンに初心者が向かえばどうなるか、答えは簡単、ワンパンでゲームオーバーである。
「あ、あれは・・・湊さんじゃないですか?」
紗夜が指を指した先にいたのは吟遊詩人のアバター、間違いなく友希那だ。
「ホントだ!友希那さーー・・・ん!?」
「あら、あなた達どこへ行っていたの?」
「友希那・・・とそれ何?誰?」
「「「へ、ヘルスケルトンソルジャー!?」」」
友希那の後ろにいたのは上級モンスターである『ヘルスケルトンソルジャー』だった。
まさかこのダンジョンにいるとは思わなかった経験者組が驚きの声を上げる。
なぜならヘルスケルトンソルジャーの出現率はまあまあ低いが、そのパワーと剣さばきはとてつもないものであるからだ。
「みんな落ち着いて!ヘルスケルトンソルジャーは視界に入らなければ襲ってこないから!」
幸いヘルスケルトンソルジャーは友希那にターゲットを向けていないようだ。
大きな甲冑兜を被っているので視界(目はないが)が悪いので正面に入らない限り襲ってこない。
「ゆ、友希那さーん・・・そのままそーっと・・・そーっとこっちに来てもらえます?」
「・・・?わ、わかったわ・・・」
友希那が行動を開始する。
ヘルスケルトンソルジャーがこっちを見ないことを祈るしかない。
初心者組は後ろに下げているのでいざとなったら飛びかかる準備は出来ている。
すると不幸なことに天井が少し崩れ、近くにあったトロッコに石が当たって大きな音が鳴る。
しかもそれは・・・友希那の隣だった。
友希那のアバターはビックリしてその場に止まってしまう。
さらにヘルスケルトンソルジャーが音に気づいてこちらを振り向き、友希那を見た瞬間カラカラ音と共に襲ってきた。
「友希那!逃げて!」
友希那に逃げるように急かす。
友希那のアバターが走り出して逃げる。
ヘルスケルトンソルジャーは装備が重い分動くのが遅い。
友希那が安全圏まで逃げるとターゲットは僕に移行、僕めがけて剣を振り下ろす。
僕はそれを愛剣『純銀剣クラレント』で受け止める。
攻撃が重い、流石上級モンスターだ。
「・・・っ、悪いけどっ!アンタの同類は!何度も倒してるんだよっ!」
剣を払い、腹を蹴ってヘルスケルトンソルジャーを吹っ飛ばす。
僕は相手の剣を蹴っ飛ばして鎧と鎧の隙間めがけて剣を振り下ろす。
装備は固く、防御力が高いが中身は所詮スケルトン、鎧と鎧の隙間を狙えばいつものスケルトンの耐久力である。
剣は腕を吹き飛ばし、胴をぶった切って、首を断つ。
するとヘルスケルトンソルジャーはポリゴン状となってあっけなく消滅した。
ドロップ報酬でいろいろと目の前に出る中、それを無視して後ろを向く。
「さ、終わったし行こっか!」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
後ろを向くと僕以外の6人が少し引き気味になっている。
モンスターを倒す以外何かしただろうか?
「ん?どうした?」
「何か・・・そういう所ですよ、奏多さん・・・」
「へ?」
「お前、さっきの戦い方見てわかったけどゲームすると性格変わるタイプか?」
「さっきのソータなんか凄かったよ・・・いろいろと・・・」
「九条さんのそういう姿・・・始めてみました・・・」
「ええ、人は見かけによらないわね・・・」
そんなに変わっていたのか・・・しかしこんなに言われることないんじゃないか?
「え、ちょ、ちょっと・・・ねえ、燐子ぉ!なんか言ってくれよ!」
「えっと・・・お疲れ様、奏多くん( ・ㅂ・)و ̑̑」
「り、燐子まで!酷いよ・・・」
これは結構グサッとくる。
これからは戦い方に気をつけなければならない。
「じ、冗談だって!みんな行こう!」
「リサ、それ絶対そう思ってない・・・」
ぐだぐだしても仕方が無いので僕達はリンダさんがいる所まで歩みを進めた。
向かう途中、モンスターが出なかったので僕達は雑談をしていた。
「ところで白金さん、さっきのモンスターはどういったものなんですか?」
「ヘルスケルトンソルジャー・・・さっき陰村さんが倒したスケルトンの上位種でかなり危険です。多分・・・今の皆さんでは、一撃で・・・(ノДノ)」
「・・・!!」
「んで、それを豪快にぶった切ったのはここの奏多ってわけ!」
炎は多分フォローしたいのだろうがその言い方だと煽っているようにしか聞こえない。
やはり炎はしっかりしているのはしっかりしているのだがどこか抜けていたり、天然だったりするところがある。
まあ、これも炎の個性なのだろう。
しかし紗夜はさっきの燐子の一言で盾を構え続けている。
「紗夜さん・・・もう来ないから大丈夫ですよ。」
「そ、そうですか?もしも、ということもあるかと・・・」
「そん時はここにいる奏多がぶっ倒してくれるって!」
「は、はい・・・」
やはり改めて思い返すとかなり恥ずかしい。
するとリサが友希那に質問をした。
「ところで友希那はあそこで何をしていたの?」
「あなた達がいなくなってしまったからさっきの人?に聞こうと思ったのよ。まさかモンスターだとは思わなかったけど。」
「そ、そうだったんですね・・・」
やはりここでも友希那は友希那だ。
音楽以外はまるでポンコツだ。
「友希那さん、もうちょっとでリンダさんの所につくので、あまり離れないで一緒に行きましょう。」
「ええ、わかったわ。」
友希那はそう言って後ろに下がると最後尾にいる僕に話しかけた。
「さっきはその・・・ありがと・・・」
「・・・うん、これが僕の仕事だからね。」
少しだけ心が回復した気がする。
さっきは引かれた目で見られたがこう言われると嬉しいものだ。
「さ、離れないように早く行こ。」
「ええ、そうね。」
僕達は離れないように燐子達のいる所まで走って追いかけた。
クエストクリアまで・・・あと少しである。
ダンジョン内では燐子との会話は少なめです。
ということで奏多くん、バーサークお疲れ様でした(笑)
次回は火曜日!そして始めたての『Fate/Rider Order-19の世界を巡る物語-』もお楽しみください!
それでは次回もお楽しみに!