無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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新年明けましておめでとうございます!
お正月特別編とかやらず普通にストーリーを書く隠神カムイです!
なおドリフェスは今の所怪盗ハロハッピーだけという渋さ・・・早く新キャラ欲しい・・・
そんなこと置いといて本編どうぞ!


55話 Neo Fantasy Online-怪物とクエスト-

ヘルスケルトンソルジャーの討伐から数分がすぎて鉱山の中腹辺りまできた。

 

恐らくあと5分ほどで目的地であるロゴロ鉱山の祭儀場に到着するだろう。

 

さっきいたのはこのロゴロ鉱山の奥地で上級プレイヤー用の高難易度ステージとなっている。

 

そのためヘルスケルトンソルジャーなどの高レベル上級モンスターがいたのだがここにはスケルトンや小さなゴーレムしかいないのでほとんど炎がデコピンや頭突きで倒してしまう。

 

そのため護衛としてはあってないようなものなのでずっと雑談しながら進んでいた。

 

そして気がつけば話題はゲームミュージックになっていた。

 

「そういえばステージが変わったり戦闘になったりしたら音楽が変わるわね。」

 

「音楽を帰ることでその場の冒険感や臨場感を引き立たせるんですよ(。•̀ᴗ-)و ̑̑✧」

 

「確かに戦闘の時の音はかなりアップテンポな曲ですね。」

 

「さっきの旅立ちの村だっけ?あそこは少しポップだったもんね。」

 

「ねぇねぇ友希那さん!次の新曲はこのゲームミュージック風にしてみませんか!戦闘の時の曲ならRoseliaの雰囲気にあってると思うんです!」

 

「・・・そうね、確かにこの曲の雰囲気なら合うかもしれないわね。考えておくわ。」

 

「いやったぁ!」

 

「なら、それっぽいタイトル考えなくちゃ・・・」

 

「キュイ!」

 

洞窟内では天井が低く空を飛べないので頭に乗っているルナが賛同するように鳴く。

 

すると突然頭を左右に降ると何かを察したように暴れだした。

 

「うわっ!ちょっ!る、ルナ!?」

 

「どうした、奏多?」

 

「る、ルナが暴れだして!」

 

「奏多くん、それってもしかして敵を感知したんじゃないかな?それも大きなやつ。」

 

ルナは確か『敵感知能力(大)』を持っていて敵感知能力は特定のモンスターを感知することが出来る。

 

しかしルナが感知出来るのはボスクラスのモンスターのみ、ということは・・・

 

「・・・?」

 

「紗夜?どうしたの?」

 

「いえ・・・何かあちらから大きなものが近づいてくるのですが・・・」

 

するとズシン・・・ズシン・・・と足音が鳴り響く。

 

すると通路の奥から何か大きな影が出てくる。

 

「ホントだ・・・って!でっか!なにあれ!」

 

「「「「!!!!!!!!」」」」

 

「そ、奏多くん・・・あこちゃん・・・あれって・・・

((((;゜Д゜))))」

 

「ルナの反応・・・そしてあの名前のカーソル・・・間違いないよ・・・」

 

鋭い爪に大きな尻尾、そして開かれた口から見える大きな牙・・・しかもそれは全て鉱石で出来ている。

 

グルルル・・・と鳴いたそのモンスターは『ロゴロ鉱山の怪物』ことこの鉱山のフィールドボス、『ドラゴニックゴーレム』だった。

 

「「ふ、フィールドボスだーーーーー!」」

 

炎とあこが同時に叫ぶ。

 

しかしその脅威をいまいちよくわかっていない初心者組代表の友希那が質問してくる。

 

「フィールド・・・ボス?何なのか説明して。」

 

「この一帯の主みたいなものです。さっきのヘルスケルトンソルジャーよりも危険なモンスターで・・・」

 

「看板に書いていた『ロゴロ鉱山の怪物』がアイツ!多分俺と奏多が頑張っても多分勝てない!」

 

「マジ!どうすんの!?」

 

この道は一直線で隠れる所はほとんど無い。

 

しかし対処法は無くもない。

 

「多分大丈夫です。とりあえずゆっくり近づいて足元をそっと歩けば見つからないので・・・」

 

このモンスターの弱点は体の構造上下を向くことができず、足元がとても疎かなところだ。

 

世に言う『灯台下暗し』というやつだ。

 

「なるほど・・・ゆっくり進めばいいんですね。」

 

ということであこを先頭にゆっくりと進んでいく。

 

あこ、友希那、リサ、紗夜、燐子とドラゴニックゴーレムの足元を進んでいく。

 

残すは炎と僕だけだ。

 

炎が先に進もうとした時、ドラゴニックゴーレムが上をむきだし、少し走り出した。

 

すると突然岩盤が崩れて燐子達と分たれてしまった。

 

「あ、やば!」

 

「な、なんで今!?」

 

するとドラゴニックゴーレムが後ろを振り向く。

 

ドラゴニックゴーレムは完璧に僕と炎をターゲットとして認識したのか大きな叫び声を上げる。

 

「そ、奏多さん!炎さん!」

 

「あこ達は先にリンダさんの所に!僕達はなんとか逃げて別ルートで行く!」

 

「わ、わかりました!必ず戻ってきてください!」

 

「りょうか・・・うわっ!」

 

ドラゴニックゴーレムがその強靭な爪で引っ掻いてくる。

 

ドラゴニックゴーレムは動きが遅いぶん受けるダメージがものすごく高い。

 

弱点は額の宝石なのだが頭を下げるのを待つか遠距離攻撃でどうにかするしかない。

 

剣士と拳闘士の2人ではそれは無理だ。

 

さらに言えば通路のためスペースが狭い。

 

前に回れば爪で、後ろに回ってもその大きな尻尾で叩いてくる。

 

まずは広い所にでなければならない。

 

「炎!とりあえず広いところ行くよ!」

 

「ああ、ここじゃあ戦いにくい!」

 

ドラゴニックゴーレムの足元をすり抜け、尻尾を躱して一目散に逃げる。

 

たしかこの先には少し開けたスペースがあったはず。

 

しかしドラゴニックゴーレムはその身体の大きさとは思えないほどのスピードで追いかけてくる。

 

「は、速い!」

 

「ゴーレムってこんな速かったっけ!」

 

「いや、そんなことないけど・・・」

 

「けどこいつものすごく速いじゃん!」

 

「キュ!」

 

逃げている間ルナは僕の頭にしがみつきながら後ろに泡を吐く攻撃『バブルブレス』をしてもらっている。

 

バブルブレスは低確率で相手をひるませることが出来るので使ってもらっているが一向にひるむ様子がない。

 

するとドラゴニックゴーレムは負けじと口から岩石弾を繰り出してきた。

 

狙いが曖昧なのか上を通ったり足元に刺さったりしたがたまに当たりそうになったりかすったりしてめちゃくちゃ怖い。

 

「「な、な、な・・・なんでさぁぁぁぁぁぁ!」」

 

僕と炎はそう叫ぶしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子side

 

天井が崩れて奏多くんと陰村さんがフィールドボスと同じ所に残されてしまった。

 

するとあこちゃんが懸命に呼びかける。

 

「そ、奏多さん!炎さん!」

 

「あこ達は先にリンダさんの所に!僕達はなんとか逃げて別ルートで行く!」

 

「わ、わかりました!必ず戻ってきてください!」

 

「りょうか・・・うわっ!」

 

奏多くんの声が途中で途切れる。

 

恐らくフィールドボスが攻撃をしているのであろう。

 

「ねぇ、燐子・・・ソータ達は・・・?」

 

「リンダさんのいる所には別ルートでも来ることが出来るのでそちらで来ると思いますけど・・・2人ともダメージは受けていないようなので大丈夫だと思います。」

 

「な、何故2人が無事だとわかるんですか?」

 

「同じパーティを組んだら味方のHPバーを見ることが出来るんです。ここに奏多さんと炎さんのHPバーがあると思います。」

 

あこちゃんが氷川さんのウィンドウのパーティの部分を指して教える。

 

2人とも経験者なのでどうにかなると思うがいざ戦闘となれば勝つことは難しいだろう。

 

「燐子、私達はこれからどうすればいいの?奏多達を向かいに行けばいいの?」

 

「・・・奏多くんに言われた通り、私達はクエストを進めましょう。2人がいなくても友希那さん達がいたらクエストを進めることが出来るので。」

 

「奏多さんと炎さんは絶対に帰ってきます!だからあこ達は言われた通り進めましょう!」

 

「わかりました。ここからだとあとどのくらいで着くのですか?」

 

私はマップを開いてリンダさんのいる祭儀場を探す。

ここからだとあと2分ほどと近い。

 

「あと少しです。だから皆さん頑張りましょう(๑•̀o•́๑)۶ 」

 

ということで私達はリンダさんのいる祭儀場に向かった。

 

(陰村さん・・・奏多くん・・・2人なら・・・大丈夫だよね・・・)

 

私はそう思うことしか出来なかったが今やるべき事に専念しようと皆のあとを追いかけた。




久しぶりの燐子sideです。
なお原作本編で登場した燐子の魔法『ブラインドカーテン』とあこちゃんのスキル『アンデットプレイ』は後々出す予定です・・・
ということで次回もお楽しみに!

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