ということで本日はFROと無灰のダブル更新となります
しかもどちらも最終章!ゾクゾクするねえ〜
ということで今回で9章~Opera of wasterland~NFOー猫とはじまりの歌ーはラストとなります。
次回は無灰世界の時期的にクリスマスやら年末年始編をやると思います。
このためにわざわざ特別編をやらなかったのだー!
それでは9章ラスト、お楽しみください!
再出現してしまったドラゴニックゴーレムから逃げているうちに入口に出た。
どうやら逃げきれたようだ。
「はぁはぁ・・・出られた〜。はぁ・・・」
「外までは追ってこないんですよね?」
「はい、ここまで来れば大丈夫ですよ(q´∀`o)」
「フィールドボスってのはそのフィールドの主みたいなもんだからその範囲外に出ちまったら追いかけてこれないんだよ。」
炎が補足説明を入れる。
まさか再出現時間がこんなに早いとは思っていなかった。
「うう〜でも結局キラぽんには逃げられちゃったよお・・・」
「仕方ないよ・・・また探そう?」
「そうそう、僕達で探せばまた出てくるよ。」
「うん・・・」
「キュイ」
ルナが肩にとまる。
確かルナにはレアモンスター遭遇率アップのスキルがあったはず。
今度行く時に手伝ってもらおうか。
「とにかく全員無事でよかったな〜!あとはジェイクのおっさんに手紙渡すだけか!」
「うんうん!早く行こ、友希那・・・ってあれ?友希那は?」
「「「「「え?」」」」」
そう言えばさっきから姿が見えない。
もしかして・・・
「まさか・・・また?」
「友希那さんとはぐれちゃった!?」
「ど、どうすんだ!?」
「みんな落ち着いてください!フィールドボスにやられていなければ、まだ鉱山の中にいるはずですから!」
「やられていたら・・・?」
すると燐子が口を閉ざす。
そして燐子が次に発した言葉は・・・
「・・・(。-__- 。)」
「チーンじゃないよ!」
気がつけば僕は的確なツッコミを入れていた。
こんなツッコミを入れたのはシゲさんの時のようである。
「ま、まぁまぁもうちょっと待って、来なかったら探しに行こうよ、ね?」
「そうだな・・・」
「友希那さん・・・」
そしてもう1度ボディガード失格のお知らせであると男勢は自覚したのであった。
友希那とはぐれてから10分が経過した。
未だ友希那は入口に帰ってこない。
「友希那さん・・・来ないね・・・」
「やはりフィールドボスに・・・」
「そ、そんなことないって!さっきはぐれた時も大丈夫だったじゃん!」
「ヘルスケルトンソルジャーというオマケはいたけどな。」
「ぐむむ・・・」
「しかし・・・やはり遅すぎますね・・・」
すると入口からスタスタと歩いてくるアバターがいた。
そこにいたのは吟遊詩人のアバター・・・正しく友希那だった。
「あら?みんなここにいたのね。」
「「「「「ゆ、友希那(さん)!」」」」」
全員の声がかぶさる。
何とか無傷で帰ってきたようだ。
「よかった〜。また迷子になったかと思ったじゃん!」
「そんなに何度も迷ったりしないわ。」
友希那が腕を組む。
すると何か光った。
友希那の手に何か光っているものがあった。
「え・・・?」
「友希那さん、手に持っている光ってるヤツって・・・っ!?」
「ああ、これは・・・」
友希那によると、ドラゴニックゴーレムはたまたまそのフィールドにいた黒コートの人や侍みたいな服を着た人、弓矢を持っていた水色髪の人などがいたパーティを見るとそっちの方にターゲットを向けて追いかけたらしい。
しかし僕達とははぐれてしまい、画面に映っているマップを見て入口に向かっているとたまたまキラぽんと遭遇、それにびっくりした友希那はキーを押してしまったらしい。
それがたまたま攻撃ボタンだったらしく、その攻撃がキラぽんにあたって倒せたらしい。
「・・・フィールドボスがほかの人のところに行った後、友希那さんはキラぽんを仕留めたんですか!?」
「攻撃力がジョブの中で一番低い吟遊詩人でよく一撃で倒せたな・・・」
「キーを押したら攻撃してその時派手なエフェクトが出たのだけれども・・・」
「・・・クリティカル・・・友希那、運良すぎ・・・」
「ソータ、クリティカルって?」
「攻撃の中で運が良ければダメージが倍になる事のことだよ。友希那はキラぽんに攻撃した時にクリティカルが発生して一撃で倒したんだよ。」
「つまり、湊さんが持っているその光ったものは・・・!」
「キラぽんの尻尾だよ!めちゃくちゃレアなアイテムなんだよ〜!」
「キラぽんの尻尾」は同じレアモンスターのファーリドラがドロップする「ファーリドラの毛皮」と同じくらいレアなアイテムだ。
プレイヤー間の取引では1000万フライクコイン(ゲーム内でのお金)以上である
「そんなに凄いものだったの・・・はい、あげるわ。」
「え!?いいんですか!?」
「ええ、私には必要ないもの。」
「や、やったーーーーーっ!ありがとーーーーーございますっ!友希那さんっ!!!」
「よかったね〜あこ!」
あこがめちゃくちゃはしゃいでいる。
その気持ちはよくわかるし、僕も人からこんなレアアイテムを貰えばこんなにはしゃぎそうだ。
気がつくと時刻は夕方となり、現実時間と同期しているNFOでも夕方となり夕日が沈む。
夕日はロゴロ鉱山の近くの荒野に沈んでいき、幻想的な景色を生み出す。
これがゲームとは思えないほどのグラフィックだ。
「・・・綺麗だね。」
「ですね・・・これがゲームとは思えません。」
「この景色にグラフィック、モンスターのデザインにそしてBGM・・・ゲームって様々な芸術が重なり合って出来ているものなのね。」
「そうなんです!だからあこ達はNFOが好きなんです!」
「ゲーム性もいいし、そしてこのクオリティだ!不満点が少なすぎる!」
「これが・・・私達がいつも見て、楽しんでいる所です。」
「かっこつける気はないんだけど、初めにこれを言っていなかったね。遅れたけど改めて言うよ
Welcome to Neo Fantasy Online、ようこそ、僕達が好きなNFOの世界へ」
そんなこんなでNFOのプレイから数日が経った。
僕達はこの経験を生かして新たな曲を作成した。
曲の完成から練習を重ねて11月最後のライブ、その曲の初披露となる日だ。
「みんな、今まで以上の成果を出して僕達が目指す『Roseliaが創り出す最高の音楽』の1ページを刻もう!」
「おー!NFOの日からもう練習を重ねたあこの力、見せてやるぞ!」
「確かに宇田川さんあの日からの練習への熱は物凄かったですしね。」
「友希那さんに約束したんですもん!キラぽんの尻尾を貰ったし、頑張らないとって!」
「あこちゃん・・・すごく嬉しそうだったもんね・・・」
「そうそう!それにソータもその日からすごく詩人っぽくなったしね。さっきも『Roseliaが創り出す最高の音楽の1ページにしよう』なんてさ〜!」
「アハハっ!リサ姉、奏多さんのモノマネ似てる〜!」
「う、うるさいな・・・友希那〜そろそろ行こう!」
当の友希那はさっきからレインを撫でている。
あの日からずっと練習についてきたレインは僕のフードの中とねこタワーと同じくらい友希那の膝の上がお気に入りだ。
フードの中から出すと嫌がるレインも友希那の膝の上だと落ち着いてまるまるのだ。
「・・・そうね、レイン奏多と一緒に待っててくれるかしら。」
「ニャン」
「フフッ、私たちが奏でる音楽、しっかり聴いていてね。」
「ミャン!」
友希那は僕にレインを託すといつも通りのクールな友希那に戻る。
「みんな、今日は新曲の発表と新しいカバー曲の発表の日、いつも以上に全力で行くわよ!」
「「「「はい!」」」」
すると扉がノックされてまりなさんが入ってきた。
「Roseliaのみんな〜そろそろ出番だから上がって〜」
「行くわよ。」
そう言って友希那達はステージの方へ向かった。
「・・・Roseliaです。まずは新しいカバー曲を聴いてください。『名前のない怪物』!」
今回のセットリストは3曲、新しいカバー曲の「名前のない怪物」で次に「Determination Symphony」、最後に新曲である。
「名前のない怪物」と「Determination Symphony」が順調に終わって最後の新曲に入った。
「・・・2曲続けて披露しました。次で最後の曲です。これは、私たちが最近経験したあるゲームをプレイしてから作り出した新曲です。それでは聴いてください。・・・『Opera of the wasterland』・・・!」
「Opera of the wasterland」、直訳すると「荒野のオペラ」である。
オペラのようなゲームミュージックとあの時見た荒野の景色から連想させたタイトルである。
今までの雰囲気とは違う新しいRoseliaの曲、僕は動画を撮りながらもその演奏の素晴らしさに見入っていた。
ライブと反省会が終わり、僕、燐子、あこの3人は二次会としてNFOにログインしていた。
「今日のライブ楽しかった〜!りんりんも楽しかったよね!」
「うん!今日のあこちゃんとてもかっこよかったよ(。•̀ᴗ-)و ̑̑✧」
「えへへ!今日のライブのために一生懸命練習したもん!あの時の恩返しもあったし!」
「『リンダのサイス』の使い心地はどうなの?」
「もう最高だよ!今まで近接戦闘はあまりしてこなかったけどこの武器なら近接も魔法も使えるし!」
キャンペーンの報酬として上がっていた武器、それは『リンダのサイス』という大鎌だった。
その事でその武器があの手紙クエストの最後に出てくるリンダさんが体を乗っ取られ、魔女となって襲ってきた時に持っていた武器なのだとわかった。
そのクエストはNFOを初めてまだ日にちの経っていない頃にやったクエストなので通りで覚えていないはずだ。
「とにかく、この調子であこはもっともっとかっこよくなる!おねーちゃんみたいに最高のドラマーになってみせる!」
「うん、その調子だよあこちゃん!」
その2人を微笑ましく見守る。
やはり2人は最高のパートナーなのだろう。
NFOの時間はもちろん夜。
空を見上げると満天の星空が出ていた。
「・・・普段見慣れたこの景色も、友希那達からしたら凄いものなんだな・・・」
「・・・そうだね、普段私たちが見慣れているものはとても素晴らしいものでいっぱいなんだよね。」
「うん、だからこれからも沢山素晴らしいものが見つかると思う。」
「・・・そうだね。」
僕達3人はしばらくその星空を見続けていた。
これにて『9章~Opera of wasterland~NFOー猫とはじまりの歌ー』は終わりです。
それでは次回、新章をお楽しみに!