無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

65 / 125
最近、掟上今日子の備忘録シリーズにハマりつつある隠神カムイです。
珍しくライトノベル以外を手に取りました。
いや、推理ものっていいね。

ということで推理とは全く関係ないクリスマス&年末年始編です。
最初に言っておく!この章はかーなーりー黒歴史になる気がする!
多分7章以来の黒歴史章となるでしょう!

ということで黒歴史の始まり、『10章 星輝く夜と新たなる年』始まります!


10章 星輝く夜と新たなる年
59話 クリスマス ノ ハジマルツキ


『クリスマス』

 

それはキリストの誕生日でサンタクロースがプレゼントを運び、子供たちに夢を与えたり、家族でケーキやチキンなどを食べたり、街中にカップル達が溢れかえる日である。

 

この前のライブから日がたって月が変わり、12月となった。

 

街中はクリスマスムード一色である。

 

そしてそんな中でもいつも通り平常運転でやるのが我らRoseliaである。

 

「〜心のまま 選べばいい

宿命 超えて

Final Showdown!

 

決して 負けないわ」

 

曲が終わり、緊張感が緩む。

 

さっきの曲は「-HEROIC ADVENT-」、Roseliaの新曲である。

 

CIRCLEがクリスマスイブに行う予定の「CIRCLEクリスマスライブ」にて発表予定で、そのライブにはRoselia以外にもPoppin PartyやAfterglow、ハロー、ハッピーワールド!にPastel Paletteが出演する。

 

前に交流して以来度々関わるバンドが勢揃いである。

 

「みんなお疲れ〜昨日やった時より格段に良くなってるよ。」

 

「そうね、でもそれぞれがまだ残っている課題があるはずだから今日はここまでにして各自その課題を直してきて。」

 

「「「「はい!」」」」

 

「それじゃあ片付けに入ろうか、僕と紗夜とリサで機材の運搬を、あこと燐子と友希那でコードとかの整理を頼むよ。」

 

「わかったわ。」

 

「はい!」

 

「わかった〜!」

 

「わかりました。」

 

「うん・・・」

 

それぞれがスタジオの整理をする。

 

ついこの間までは色々あったのに今はこうやって練習していることがなんか良く感じる。

 

「九条さん?手が止まってますがどうかしましたか?」

 

「あ、ううん、なんでもないよ。」

 

「そうですか、それではしっかりと片付けに集中してください。指示したのはあなたなんですから。」

 

「うっ・・・ごめん・・・」

 

僕はとりあえず片付けを再開した。

 

 

 

 

 

スタジオの現状復帰が終わり、次の練習の予約を入れてから僕達はそれぞれの家に帰るところだった。

 

CIRCLEの外の街路樹にも装飾がされており街一体でクリスマス感を醸し出してる。

 

「そっか〜もうクリスマスの時期か〜みんなは何をするの?」

 

Roseliaのみんなに聞いてみる。

 

真っ先に答えたのはあこだった。

 

「あこはおねーちゃん達と一緒にクリスマスパーティーするんだ!おねーちゃんはAfterglowのみんなともパーティーするって言ってたけどね。」

 

「私は日菜と一緒にクリスマスを祝うって約束されました。全く、あの子ったら押す力は強いんだから・・・」

 

紗夜はそう言ってるが満更ではないようだ。

 

「アタシは友希那と一緒にクリスマスを過ごす予定!友希那のお母さんが作るケーキがめちゃくちゃ美味しいんだ〜!」

 

「もう・・・お母さんはリサに甘いんだから・・・」

 

家が隣同士の2人は仲良くクリスマスを過ごすみたいだ。

 

しかし思ってもなかったことを言われた。

 

「その・・・奏多も来る?お父さんがまた会いたいって言ってたけど・・・」

 

その言葉に心底驚く。

 

しかしクリスマスの日は・・・

 

「・・・ごめん、クリスマスはバイト入ってんだ・・・。友希那のお父さんにはまた会いたいけど、また別の機会に誘ってよ。」

 

「そう・・・奏多も大変ね。」

 

「うん、今家にいるのは僕1人だけじゃなくなったから。親父も年末年始は帰ってこれなさそうだし、今年のクリスマスと年末年始はレインと暮らすことになりそうだな〜。」

 

「うわ〜バイトしている独り身の男子高校生がクリスマスにバイト入れるみたいな事になってんじゃん・・・」

 

「ぐっ・・・!」

 

リサの言葉が深々と心に刺さる。

 

バイトが入ったのは故意ではないが、傍から見ればそう見えてしまうのだろう。

 

そう思うと悲しくなってくる。

 

「・・・いいもん、今年はNFOに潜りきって年越しするもん・・・」

 

「ゴメンゴメン!あ、そう言えば燐子は何をするの?」

 

「え、あ、その・・・私は・・・特に何も・・・おそらく家には誰もいないので・・・」

 

「りんりん、またお父さんとお母さんは仕事?」

 

「うん・・・クリスマスのこの時期は特に忙しくなるって・・・」

 

「そう言えば燐子の両親って2人とも同じ会社って言ってたよね。どんな会社で働いてるの?」

 

「お父さんは・・・蔵太グループの常務取締役を・・・お母さんは部長をやっています・・・」

 

「「「「な!?」」」」

 

僕含むあこ以外の4人が驚きの声をあげた。

 

あこはよくわからないようだ。

 

「ねぇ、みんなどうしたの?蔵太グループってそんなに凄いところなの?」

 

「すごいも何も蔵太グループって超有名企業だよ・・・」

 

蔵太グループとは4年前に急成長を遂げ、今の日本でかなり上位になるほど有名な企業で超エリート企業だ。

 

入社試験や面接などが特に厳しく、しかしそこに入社できた人はとても稼げるという。

 

燐子がその大グループの専務の娘だとは思わなかった。

 

通りであんなに家が大きい訳である。

 

「両親は・・・まだそんなに有名じゃなかった頃からの社員なので・・・そこの会長さんとは中がいいんです。」

 

「だから燐子は衣装代はいらないって言ってたのね・・・」

 

「はい・・・家には色々揃ってるのと私が服作りが好きなので・・・」

 

「え?衣装のお金って全部燐子が負担してたの!?」

 

「そうだけど・・・まさかソータ知らなかったの!?」

 

「うん・・・今知った・・・」

 

今明かされる衝撃の真実である。

 

まさか衣装代が全部燐子が負担しているとは思わなかった。

 

「まぁ、それは置いといて・・・燐子はご両親いないから1人で?」

 

「そう・・・なるかな?」

 

「・・・ねぇ、燐子。このあと時間ある?」

 

「・・・?ええ、ありますけど・・・」

 

「だったら少しアタシに付き合ってくれない?色々と話したいことがあって!」

 

「は、はい・・・わかりました。」

 

「よし!それじゃあみんなまた明日〜!」

 

「あ、その・・・お疲れ・・・様でした!」

 

リサが燐子の腕をもって走っていく。

 

取り残された僕達の頭の上にははてなマークが浮かぶだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子side

 

私は今井さんに連れられて商店街にある羽沢珈琲店に連れられた。

 

「いらっしゃいませ〜って、リサさん!それに燐子さんも!」

 

「どうも・・・」

 

「やっほーつぐ!テーブル席空いてる?」

 

「はい、案内しますね。」

 

そう言ってテーブル席を案内される。

 

そこに今井さんと向かい合わせになるように座った。

 

「ご注文は何にしますか?」

 

「とりあえずコーヒー2つで。」

 

「わかりました、すぐに持ってきます!」

 

そう言って羽沢さんは店の奥に行った。

 

今井さん聞きたいこととは一体なんだろうか。

 

そう思っているとすぐにコーヒーが出てきた。

 

羽沢さんが「ごゆっくり」と言って自分の元いた位置に戻った。

 

今井さんはコーヒーを少し飲むと話を切り出した。

 

「燐子ってさ・・・ソータのこと異性としてどう思ってるの?」

 

「・・・!」

 

突然の質問に危うくコーヒーを吹きかけた。

 

奏多くんのことを・・・異性として・・・!?

 

「え、あ、その・・・奏多くんは・・・」

 

「あ、無理に答えなくていいよ!でも最近の燐子はソータに対して敬語を使わなくなったりなんかこう・・・ソータといると楽しそうっていうか、そんな感じだから気になってさ!」

 

たしかに最近奏多くんに対して敬語を使わなくなった。

 

確か奏多くんの入院のあたりからこうなっているのは自覚している。

 

けどその前から奏多くんに対して思うことはあった。

 

その気持ちはよくわからないが今井さんならわかるかもしれない。

 

「その・・・奏多くんと話していたら・・・心があったかくなって・・・自然に笑顔になれるんです。ドキドキするけど・・・とても安心して話せて・・・けど話し終わったりしたら少し寂しく感じたり・・・私、この気持ちがなんなのかよくわからないんです。今井さんは・・・この気持ちがなんなのか・・・わかりますか?」

 

今井さんは少し驚いたような顔をすると表情がとても柔らかくなった。

 

そしてこう話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「燐子・・・その気持ちは多分、『恋』ってものなんじゃないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉に私は驚いた。

 

私が・・・奏多くんに・・・恋?

 

私は『恋』というものがよくわからない。

 

けどこの気持ちが『恋』ならば

 

私は奏多くんのことが友達としてではなく異性として好きなのだろう。

 

私はようやく、自分の本当の気持ちに向き合えたような気がした。




あーなんかこう・・・書いてて尊い。

ということで続きは次回に持ち越しです。

次回もお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。