無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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インフルではないけど頭痛と吐き気に襲われてグロッキーな隠神カムイです。
みなさん体調管理には気をつけましょう・・・熱でない方がしんどいから・・・
と、言うことで熱が出るぐらい熱くなりそうな展開ですが書いてる方は余計顔が熱くなってきます・・・

てなわけで本編どうぞ!


60話 ムショク ノ オモイ ハイイロ ノ オモイ

『私は奏多くんのことが好き』

 

今井さんのお陰でその事実が確認できた。

 

すると今井さんが微笑ましく話しかけてくる。

 

「燐子。」

 

「は、はい!」

 

「顔、めちゃめちゃ赤くなってるよ。」

 

「え・・・あ・・・その・・・!」

 

そう言われてあたふたする。

 

その様子を見て今井さんはとても笑っていた。

 

「アハハッ!燐子落ち着いて〜全く可愛いんだから〜」

 

「そ、その・・・は、はい・・・」

 

少し深呼吸して落ち着く。

 

しかしまだ顔が熱い感じはする。

 

「そ、その・・・今井さん・・・」

 

「なーに、燐子?」

 

「この気持ちって・・・奏多くんに・・・伝えた方がいいんでしょうか・・・?」

 

「・・・それは、燐子が決めることじゃない?伝えたいなら伝えたらいいし、まだその時じゃないなら少し先に伸ばせばいいし。」

 

「私が・・・決めること・・・」

 

今まで私はそういった選択を確かにしてきた。

 

Roseliaに入ること、心を失いかけた奏多くんを助けたことなど・・・

 

それには全て『九条奏多』という人間が関わってきた。

 

奏多くんがいるなら私は・・・自分の気持ちに対して強くなれる。

 

「・・・私、伝えたいです・・・奏多くんに・・・私の・・・私が奏多くんを・・・好きだって気持ちを!」

 

「フフッ、だったらもっと自分に自信を持ちなよ〜!あーアタシもこういう恋してみたいな〜!」

 

今井さんが少し大きな声を出す。

 

幸い店の中には私達以外はいなかった。

 

「い、今井さん・・・その・・・声が・・・」

 

「ああ、ゴメンゴメン!あ、それじゃあクリスマスの日に奏多を誘ってみたら?」

 

「え?でも・・・奏多くんその日はバイトだって・・・」

 

「確かソータのシフト見たけど6時ぐらいには終わるはずだよ。バイトの後なら誘っても問題ないと思うよ?」

 

「な、なるほど・・・あ、ありがとうございます!」

 

「伝わるといいね、燐子の気持ち。」

 

「は、はい!」

 

時計を見ると午後4時半。

 

入ってきたのが確か3時半頃だったから1時間も話していたのか。

 

「もうこんな時間か〜、アタシ5時半からバイトだからそろそろ出よっか。」

 

「は、はい・・・その・・・ありがとうございます!」

 

「いや〜いいっていいって!アタシこういうお節介結構しちゃうタイプだからさ!」

 

私達は店を後にしてそれぞれの帰路に帰った。

 

・・・あとは、クリスマスの前までに奏多くんを誘えるかどうかだ。

 

 

 

 

 

 

 

リサside

 

アタシは今までずっとRoseliaの音楽の他にメンバー達のことをよく見てきた。

 

演奏中はソータが見てくれているがそれ以外の場所では正直ソータ以上にメンバーのことをよく見ていると自慢できるほどだ。

 

だから・・・燐子がソータに対する思いもわかっていた。

 

アタシ自体は本当のところを言うとソータに恋愛感情を抱いたことは無い。

 

どちらかと言うと頼れる相棒よりかは頼れる弟みたいに思っている。

 

だからこそソータの事は自分で言うのもなんだけどソータのお父さんや茂樹さんの次にわかっているつもりだ。

 

つまりを言うとソータは尋常ではないほど鈍感なのだ。

 

それぞれ口には出さないがアタシや紗夜、それにあこまでも燐子がソータに対する気持ちをわかっていた。

 

だからアタシはあえて燐子からソータを誘うように言った。

 

そうでもしないとソータは気づかないと思ったからだ。

 

しかしアタシ自身これでよかったのか今でも悩んでいる。

 

なぜならソータに思いを寄せているのは燐子だけではなく・・・

 

「・・・さ、・・・リサ、もしもーし、リサさん?」

 

「う、うわっ!なんだ・・・ソータか・・・」

 

「なんだって・・・バイト中だよ?ぼーっとしちゃダメじゃない?」

 

ソータがずっと呼びかけていた。

 

どうやらお客さんがいないからずっと考えていたみたいだ。

 

「あ、あはは・・・ゴメンゴメン。」

 

「何か考え事していたの?とてつもなく真剣な顔をしていたけど・・・?」

 

「そ、そうかな?」

 

「うん、だって練習の時より真剣な顔してたもん。」

 

「そんな失礼な!練習の方が真剣にやってます!」

 

「いや、練習中はどっちかと言うと楽しそうにやってるけどな〜こっちからはよく見えるし。」

 

そうだ、バンドの練習中ではソータの方がアタシ達のことをよく見ているのだ。

 

話を変えるためにアタシはソータに考えていたことを聞いてみることにした。

 

「・・・ソータってさ、バンドのみんなのことどう思ってるの?仲間じゃなくて異性としてさ。」

 

「・・・!え、あ、その・・・!」

 

ソータが燐子と全く同じ反応をする。

 

恋愛感情を良くわかっていない人はこうなるのだろうか?

 

「あ、突然ゴメン!ちょっと気になってさ!」

 

「お、驚かさないでよ・・・うーん・・・紗夜は頼れる先輩みたいなイメージであこは妹、リサはどちらかと言うと頼れる姉さん?みたいな感じだし・・・」

 

「まぁ、アタシも頼られがいのある弟だと思ってるしね。」

 

「むぅ・・・確かに誕生日はこっちの方が遅いけど・・・」

 

ソータが頬を膨らます。

 

確かソータの誕生日は・・・

 

「あれ?ソータの誕生日っていつだっけ?」

 

「あれ?言ってなかったっけ?」

 

「うん、言ってない。少なくともRoseliaの中では聞いてないと思うよ。」

 

「うーん・・・あ、誕生日を言ったのは炎か。確か泊まりに来た時に言ったと思う。」

 

「なんだ、言ってなかったじゃん!」

 

「ゴメンゴメン。僕の誕生日は・・・12月25日だよ。」

 

・・・え?

 

確か12月25日って・・・

 

「・・・ええっ!そ、ソータ、クリスマスが誕生日だったの?それで誕生日にバイト入ってるの?」

 

「う、うん・・・今まで誕生日とクリスマスを同じにされて誕生日っていう実感が湧かなかったし。」

 

「・・・話は聞いたよ。」

 

すると店裏から店長が出てきた。

 

「九条くん、誕生日がクリスマスなんだってね。」

 

「は、はい・・・っていうか履歴書に書きませんでした?」

 

「・・・もし、九条くんが雇い主だとして履歴書の誕生日の欄をしっかり見る?」

 

「あー・・・見ないですね・・・」

 

「だろ?まぁ、それは置いといて折角の誕生日だ。その日のシフトはなしにしてあげるよ。」

 

「え?そんな悪いです!働くからにはしっかりと・・・」

 

「モカちゃん達の代わりにシフトに入ってもらった日を覚えてる?」

 

その日は確かアタシとソータがモカともう1人のバイトの子の代わりに入った日だ。

 

アタシはその日バイトした分別の日を休みにしてもらっている。

 

「は、はい・・・覚えてますけど・・・」

 

「今井さんは別の日を休みにしてもらったんだけど君の分がまだなんだ。だからその日を休みにしてもらうのはどうだろうか?これならキミも納得してくれるはずだ。」

 

「・・・はい、そこまで言ってもらえるならその日休ませてもらいます!」

 

「・・・よし!」

 

まさか予定が開くとは想像以上だ。

 

これなら燐子の誘いも許可してもらえるだろう。

 

「そろそろ時間だ。2人とも上がっていいよ。」

 

「はい、それでは失礼します。」

 

「お疲れ様でした〜」

 

アタシ達は制服を脱いでコンビニから出た。

 

 

 

 

 

 

コンビニを出て数分後、アタシはさっきの質問を続けてみた。

 

「・・・さっきの続きだけどさ、ソータはどう思ってるの?友希那と・・・燐子のこと。」

 

「友希那と燐子・・・か・・・」

 

アタシや紗夜、あこの時とは違いかなり考えているようだった。

 

「・・・2人は・・・特別かな。」

 

「特別?」

 

「うん、友希那は僕にRoseliaという場所と僕に存在価値を教えてくれた。それに・・・燐子は僕を必要としてくれて・・・頼ってもいいことや生きる価値をくれた。ゴメンだけど正直リサや紗夜、あこより特別な存在だよ。」

 

「特別な存在・・・」

 

「うん、恋ってモノがどういうものかは女性の暖かさを知らない僕にはわからない。けど特に2人には辛い思いを・・・悲しんで欲しくないんだ。」

 

「そうなんだ・・・」

 

「うん・・・って、恥ずかしいこと言ってるね。これを言えるのもリサだけなんだから・・・」

 

ソータが赤面している。

 

ソータもかなり丸く、感情深くなったものだ。

 

「ソータは変わったね・・・昔よりも・・・」

 

「変わった・・・?」

 

「うん、昔はなんかこう・・・どこか他人行儀で、表情が硬かったけど・・・今は表情豊かでアタシ達のことを信じてくれている。それだけでもアタシは凄いと思うよ?」

 

「・・・うん、これもみんなのおかげだよ。あ、僕は夕飯の買い物をするからここで。また明日〜!」

 

「うん、また明日〜」

 

ソータがスーパーの方向に向かって行った。

 

1人になった所でアタシは考えた。

 

ソータの言った『友希那と燐子・・・特にこの2人には悲しんで欲しくない』という言葉。

 

アタシは燐子の気持ちと・・・友希那の気持ちも知っている。

 

友希那を昔から見てきたアタシなら分かる。

 

友希那はソータに好意を寄せている。

 

ここ最近の友希那はソータに対して甘えているような話し方をしているのだ。

 

そしてソータがどちらか片方に付くということはもう片方が悲しむということだ。

 

ソータは昔、人間不信で絶対に恋人なんて作れないし燐子もそういうタイプじゃない。

 

友希那に至っては音楽以外はからっきしで好意を寄せられるのは嫌いなので全員が初恋となるのだ。

 

初恋の失恋のダメージはかなり大きい。

 

これはソータの思う『2人とも悲しんで欲しくない』という願いとはかけ離れてしまうのだ。

 

「燐子や友希那には自分の気持ちを伝えてほしいけど・・・それじゃあソータの思いを無視することになる・・・あぁ!気持ちがモヤモヤする!」

 

アタシは道路の真ん中で幼なじみと同じ仲間の恋愛事情に一人悩まされていた。




はい、しれっと出ました奏多の誕生日初公開です。

クリスマスが誕生日というロマンチックでクリスマスケーキと誕生日ケーキを同じにされがちな悲しい誕生日となりました(笑)

そして恋のキューピットとして悩むリサ姉を書いてみたかったのもある()

ということで次回もお楽しみに!
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