あげた後読み直したらどれだけ恥ずかしくてベットの上を暴れ回ったか・・・
ということでその続きです。
書いてて恥ずかしいところではありますがその恥ずかしさと向き合って楽しみながら投稿を続けます。
ということで本編どうぞ!
燐子side
『僕も燐子のことが好きだ』
奏多くんにそう言われた時嬉しさで涙が止まらなかった。
好きな人に思いを伝えられた。
相手もその思いは一緒だった。
それだけでも嬉しかった。
そして付き合ってほしいと言われた時はもう何を言っていいのかわからなくなるぐらい感情が溢れかえっていた。
そんな中、私は精一杯の言葉を伝えた。
『そんなの・・・きまってるよ・・・こちらこそ、よろしくお願いします・・・!』
うまく伝えられたと思った。
けどその後、奏多くんは予想外の行動にでるとは思わなかった。
奏多くんは少しはにかむと私の顎を持ち上げて私の唇の上に自分の唇を重ね合わせたのだ。
その時私の頭の中は真っ白になってパニックになっていた。
奏多くんがこんな大胆な行動をするとは思わなかったしとても恥ずかしさがこみ上げてきた。
けど嫌な気持ちではなくむしろ嬉しさがこみ上げていた。
奏多side
『わ、私・・・ず、ずっと!奏多くんのこと・・・す、好きでした・・・!』
燐子にそう言われた時は本当に驚きだった。
けど燐子のお陰で自分の中に眠っていた『恋』という感情を初めて自覚することが出来た。
自分が燐子に対する態度や感情が変わっていたことは自分でも気づいてはいた。
友希那の誕生日の時やNFOの時でもドキッとすることはあった。
それがどういうものなのかが今までわからなかった。
けど何時かリサが言っていた『ソータには大切な人がいる』の理由がようやくわかった。
僕にとっての『大切な人』、それが燐子であったこと。
・・・そしてそれに気づいて僕や燐子の鈍感さにじれったい思いを感じていたリサの気持ちもようやくわかった。
それは置いといて、とにかく僕は自分の内面に眠っていた感情を解き放つことが出来たのだ。
それもこれもすべて燐子のお陰である。
これで何度目かわからなくなるぐらい燐子に助けられてばっかりだ。
それに自分の想いを伝えることが苦手な彼女が精一杯気持ちを伝えてくれたのだ、僕もそれに答えたい。
燐子のことを・・・ずっと好きでいたいから。
『その・・・燐子、僕と・・・僕と、付き合ってくれませんか?』
途切れ途切れの言葉だが、たしかに僕はそう伝えた。
その言葉に燐子は涙を流して了承してくれた。
嬉しかった、そして本当に愛おしかった。
そして気がつけば僕は燐子に近寄って彼女の唇の上に自分の唇を重ね合わせていた。
燐子は目を大きく開き、顔をとても赤らめていたが嫌がる様子もなくなすがままになっていた。
僕はようやく理性を取り戻して慌てて燐子の顔から離れた。
「そ、その!ご、ごめん!」
「い、いえ・・・!そ、その・・・!」
燐子も顔を赤らめてあたふたしている。
両方ともパニック状態だ。
「そ、その・・・なんて言うか・・・愛おしすぎて感情が爆発したと言うか・・・」
「い、愛おしい・・・」
「い、いや!燐子には悪いことしたなって!あの・・・その・・・とにかくごめん!」
「い、いえ・・・!わ、私も・・・嫌じゃなかった・・・その・・・!」
このままでは状況が悪くなる一方だ。
とにかく話を変えなければいけない。
「と、とにかく・・・バイク乗ってく?その・・・家まで・・・送るけど・・・?」
「え、えっと・・・よろしく・・・お願いします・・・?」
両者とも疑問詞になる。
そして少しの間が空き、何かが弾けたように僕達は笑った。
この寒い冬の夜の中、僕達二人の心はとても暖かかった。
そして僕達はバイクの置いてある駅前の駐輪場へ向かった。
幸いさっきいた所は駅からかなり近くすぐに着いたが夜の帰宅ラッシュ過ぎなので人通りが少なかった。
ヘルメットを燐子に渡して燐子の家に向かっている中、僕はずっとさっきの事を人に見られずに済んで良かったとずっと思っていた。
友希那の家の近くの駅からバイクを飛ばして30分程で燐子の家に到着した。
運転中はあまり話せずにいたが降りてからも少しぎこちない空気は残っていた。
黙っていてもあれなのでとりあえず話しかけた。
「あ、あの・・・!」
「は、はい・・・!」
「その・・・こ、これからよろしくお願いします!」
自然と敬語になる。
自分でもわかるくらい心臓がバクバクいっている。
「こ、こちらこそ・・・ふ、不束者ですが・・・よ、よろしくお願いします・・・!」
対する燐子も緊張感でガチガチになりながらも頭を深く下げた。
ここまで来るとどう返せばいいのかコミュ力皆無の僕は慌てふためく。
とりあえず深呼吸してから話を続けた。
「え、えっと・・・ま、まぁそういう事だから・・・また明日。おやすみ燐子。」
「う、うん・・・おやすみ、奏多くん・・・。」
燐子が門の中に入っていく。
それを確認した僕はバイクに跨り、家へと帰った。
家に到着してバイクから降り、ヘルメットを脱ぎ捨てて上着を着たまま自分のベットに倒れ込む。
レインがご飯をねだりに「ミャーオ」と寄ってくる。
しかし今の僕にはそんな余裕はなかった。
「・・・ぅ・・・う・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大きな声を出してベットの上で暴れまくった。
レインがビックリして体を引かせていた。
「なにあれ!!なんであんなことした!?何カッコつけてんだ、くっそ恥ずかしいんだけど!!」
さっきの行動を行った自分に対してめちゃくちゃ攻める。
帰って我に返って振り返るとめちゃくちゃ恥ずかしいのだ。
一通り暴れたあと枕に顔をうずめた。
あの時の燐子の笑顔とかキスした時の驚き顔などめちゃくちゃ頭に浮かぶ。
頭はオーバーヒート寸前である。
暴れたせいなのかそれともまた別に原因があるのかさっきから心臓が破裂しそうなぐらいバクバク動いているのである。
すると背中の上に何かが乗ってきた。
「ミャオ!」
と鳴き声が聞こえ、それがレインなのだと理解する。
レインのお陰で少しだけ落ち着いた。
「ごめんごめん・・・驚いたよね・・・とりあえずご飯・・・」
リビングへ向かうとそれに続いてレインが着いてくる。
しかし部屋の移動中もレインにご飯をあげている時も頭の中は燐子の事でいっぱいいっぱいだった。
けど燐子と恋人関係になったことは僕にとってのクリスマスプレゼント・・・又は誕生日プレゼントみたいである。
『家族以外から誕生日プレゼントを貰う』
それは僕が昔から抱いていた願いだった。
それが今日、最高なものとなって叶ったのだ。
今日という日は僕にとって掛け替えのないものであった。
燐子side
奏多くんに送ってもらってそのまま家に入るとお父さんとお母さんが珍しく早く帰ってきていた。
「お父さん・・・お母さん・・・その・・・ただいま・・・?」
「おかえり燐子。・・・どうしたんだい?そんなに顔を赤くして・・・熱でも出した?」
そこでようやく私はさっきから赤面しっぱなしだということに気づく。
さっきまでのことを知る由もない親は熱でも出したのかと心配してくる。
「う、ううん・・・何でもない・・・少し暑いところにいたから・・・」
「そう、なら今日はもう遅いし早く寝なさい。私達はもう少しだけクリスマスの日を楽しませてもらうから。」
テーブルの上を見るとシャンパンが置かれている。
どうやら楽しみの真っ最中だったようだ。
「うん・・・おやすみなさい・・・お父さん、お母さん・・・」
そう言って私は自室に向かった。
私は自室についた瞬間ベットに倒れ込んだ。
そして今日あったことを思い返した。
(奏多くんがバイクに乗って送ってくれて・・・その後友希那さんの家でパーティーして・・・その後一人で帰ろうとした所を奏多くんに止められて・・・気持ちを伝えて・・・その後・・・奏多くんと・・・キ・・・キ・・・キ・・・!)
そこまできて脳裏にはっきりとその行動が思い返される。
どうやら脳裏に焼き付いてしまったようだ。
自分の顔から湯気が出るぐらい真っ赤になる。
嬉しいこと、悲しかったこと、恥ずかしかったこと・・・今日は色々あったが確かに言えることが2つある。
一つは奏多くんと恋人関係になったこと。
もう一つは・・・自分の思いを伝えることができたこと。
小さい頃から私は『クリスマスに願いが叶う』ということをあまり信じてはいなかった。
願いなんてそんな都合よく叶わないし今まで願いが叶ったことは無かった。
けど、ようやく願いが叶った。
私は、今日という日を絶対に忘れないだろう。
心を閉ざし、人を心から信用出来なかった『無色』の少年
人と接することを苦手とし、自分の思いを伝えられない『灰色』の少女
おたがいがその欠点を克服し、『恋』というものを手に入れた。
2人の願いは今ここにかなった。
2人にとって『12月25日』という日は掛け替えのない者となった。
はい、クリスマス編はこれで終わりで次は年末年始編となります。
ということで次回もお楽しみに!