無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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結局お正月の燐子が出なさそうな隠神カムイです。
もう無理・・・石足んない・・・
ということでようやく無灰世界も現実世界の月に追いつきました。
この先やること決まってるんだよな~
でもその前に番外編を1つ2つ入れようと思いますので奏多と絡ませたいキャラがいたら感想やメッセージ等でリクエストよろしくお願いします。

ということでお正月編のラストです!
では本編どうぞ!


63話 NEXT YEAR'S Roselia

友希那と話した後、部屋に戻った僕と友希那はこたつの魔力に負け夢の中にいるほかのメンバーを起こしに来た。

 

「紗夜、リサ、そろそろ起きて。」

 

「もしもーし、あこー、燐子ー、起きてくださーい。」

 

軽く叩いたりゆさったりすると燐子達は眠そうな瞳を擦りながら起きた。

 

「ふ・・・ふぁい・・・?」

 

「あれ・・・私達・・・」

 

「おはよ二人とも。そろそろ神社に行くから準備して。」

 

「あれ・・・寝てた・・・?」

 

「・・・どうやらそのようですね。」

 

「奏多と私が起こさなかったら一番乗りでお参りに行けなかったわね。とにかく準備を始めて。」

 

メンバーがぞろぞろとこたつから出る。

 

スマホで外の気温を調べると5度という寒さである。

 

コートやマフラーなど寒さ対策をした方が良い。

 

時間を見ると11時過ぎである。

 

ここから神社までは20分ほどで着くので少しぐらいゆっくり行っても12時には間に合いそうだ。

 

「みんな準備は終わったわね。そろそろ行きましょうか。」

 

全員が寒さ対策をして僕達は神社へ向かった。

 

 

 

 

 

 

「ふぃー・・・寒いね~」

 

リサがはぁっと息を吐くと真っ白い息が出る。

 

結構寒がりな僕からしたら身を刺すような寒さである。

 

「手が冷える~!そうだ紗夜さん!手繋ぎましょうよ!」

 

「な、なんで私が!?」

 

「だって紗夜さんとても暖かそうな格好してますしさっきポケットの中にカイロが入ってたの見えましたもん!お互い寒い時は温め合いましょうよ!」

 

「・・・仕方ないわね、ほら。」

 

紗夜があこにすっと手を差し出す。

 

あこはそれを嬉しそうに握った。

 

「やったぁ!やっぱり温かい!」

 

「そんなに握らなくても温かさは伝わるわよ・・・」

 

紗夜が少し照れる。

 

日菜さんとの一件があってから最近あこと紗夜の仲が良い。

 

何かあったのだろうか?

 

「ゆーきなっ!アタシ達も手繋ご!」

 

「リサ・・・私は別に・・・」

 

「ほらっ!昔みたいにさ!」

 

リサも友希那に手を差し伸べる。

 

友希那は少しため息を吐くとリサの手を掴む。

 

「やっぱり冷たくなってるじゃん!」

 

「手袋なんて持ってきてないもの。」

 

「あー、ちょっとまってて。」

 

リサは友希那の手を離すとさっき友希那と繋いでいた右手の手袋を脱ぐと友希那に差し出した。

 

「ほらっ、右手につけて!」

 

「でもそれじゃあリサの手が・・・」

 

「友希那と繋いでいたら温かくなるから!」

 

友希那は勘弁したのか手袋を受け取ると右手にはめた。

 

リサは友希那の手を取るとその手と自分の手を自分のポケットの中に入れた。

 

「ほらっ、こうすれば温かいでしょ?」

 

「・・・そうね、温かいわ。」

 

友希那の様子を見るとまんざらでも無さそうだ。

 

・・・てか流れ的にこれは手を繋げはならない状況なのでは?

 

燐子もそれを察したようでこちらを見て目が合う。

 

「・・・繋ぐ?」

 

僕はすっと燐子に手を差し伸べた。

 

「うん・・・!」

 

燐子は微笑むとその手を握った。

 

「燐子の手、温かいね。」

 

「奏多くんの手・・・かなり冷えてる・・・」

 

「寒がりで冷え性だからね・・・そこだけが難点・・・」

 

「でもいい・・・奏多くんの心の温かさは感じるから・・・」

 

燐子が寄りかかってくる。

 

最近の燐子はかなり積極的というか甘えているというか行動が少し大胆になってきている。

 

これも恋心が原因なのか・・・

 

そう考えている途中にふと前を向くと4人がこちらを見ていた。

 

リサはにやけた顔でスマホでパシャッと写真を撮った。

 

「り、リサさん・・・?いま写真撮らなかった?」

 

「ゴチソーサマデス」

 

「い、今井さん!?」

 

僕と燐子が赤面している中リサがニシシと笑う。

 

こう思うとリサにあの時の写真を撮られている可能性がある。

 

僕はこれからどんどんリサに弱みを握られそうなことを悟った。

 

「とにかく早く行くわよ。そろそろ12時だわ。」

 

あたりを見るとあと数分ほどで神社に到着する。

 

神社には少し長い階段があるがそれを含めても間に合うだろう。

 

お参りするなら願い事を考えなければ・・・

 

僕は何を願うか考えながら歩いていた。

 

 

 

 

 

 

神社の鳥居をくぐって階段を上がり、僕達は神社に到着した。

 

手を繋いでいるため、運動の苦手な燐子に合わせてゆっくり階段を登っているうちにリサや紗夜に抜かされて1番最後だった。

 

「ふぅ・・・到着・・・」

 

「時間は・・・58分、ギリギリだね。」

 

「ごめんね奏多くん・・・私に合わせてくれて・・・」

 

「間に合ったからいいじゃん。とにかく一番乗りだね。」

 

周りを見ると年の切り替わり前なのか神主さんが鐘をつく準備をしていた。

 

「こんばんは、もう初詣の準備かい?」

 

「はい、一番最初にお参りしようって話してたんで!」

 

「そうかそうか、なら儂が鐘をついたらお祈りしたらいい。少し暗いから気をつけなさい。」

 

そう言うと神主さんは鐘のある方へ向かっていった。

 

年の切り替わりまであと少し・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーン・・・ゴーン・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

低く重い音が鳴り響く。

 

年が切り替わった合図である。

 

「・・・あけましておめでとう、みんな。」

 

「ええ、あけましておめでとうございます。」

 

「あけおめーっ!」

 

それぞれが年明けの挨拶を済ませる。

 

「それじゃあお参りしよっか。」

 

ということで参拝堂へむかって10円硬貨を投げ入れて手を合わせる。

 

願うことは階段を上る時に決めていた。

 

「・・・お参り完了!みんな何をお願いしたの?」

 

「あこは今年は去年よりもっともーっとカッコよくなるってお願いした!」

 

「私は今年も無病息災であるようにと。」

 

「私はこれからもRoseliaがRoseliaでありますようにって・・・それを決めるのは私達なのにそういう願いをしてしまったわ。」

 

確かに友希那なら「そういう事は願うんじゃなくて自分で努力しなさい」とか言いそうである。

 

「燐子は?」

 

「私は・・・自分に正直でありますようにって・・・願いました・・・」

 

「そう言えばリサは?」

 

「アタシはみんなと仲良くいれますようにって!残るはソータだけだよ?」

 

リサにそう言われる。

 

いざ思い返すと少し気恥しい願いではある。

 

「僕は・・・大好きなRoseliaと、そしてみんなと繋がっていけますようにって・・・さっき手を繋いでた時みたいに。・・・すごく気恥しい願い事だけどね。」

 

「奏多らしいわね。けど、いい願いだわ。」

 

誰も笑わないで聞いてくれた。

 

それだけでもかなり安心である。

 

「それじゃあ帰ろっか。僕はこの後少し寝てから弦巻さんの家でパーティーの食材の準備があるので・・・」

 

「そうね、私達も帰って寝ましょうか。弦巻さんの家でのパーティー中に眠くなっては困りますし。」

 

ということで僕達はそれぞれの願いを胸に抱きながら自分の家に帰った。

 

僕は少し寝てから弦巻家で準備である。

 

弦巻家の調理場は凄かったのでまた調理するのが楽しみである。

 

僕はそれを楽しみにしながら家に帰った。




ということで正月編は終わりですが弦巻家正月パーティーは次回にやる番外編でやろうと思います。

ということで次回『無色と多色の交奏曲』、お楽しみに!

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