せめて100000位には入らないと・・・
特に話すことが思いつかなくなってきたので本編どうぞ!
次の日、いつも通りの練習の前に僕は次のライブのセットリストを確認した。
「昨日の夜にグループに送ったからわかると思うけど今回のライブはBLACK SHOUT、Legendary、ONENESSの順番で行こうと思います。やる曲が少ないから緩急はつけずに一気に駆け抜けるような構成にしてみたんだけどどうかな?」
Roseliaの代名詞とも言えるBLACK SHOUTと新曲2曲、どれもハイテンポな曲である。
初めて見たお客さんもRoseliaのことを気に入って貰えるようにこの選択にしたのだ。
「はい!あこ、すっごくいいと思います!超かっこいいRoseliaを見せちゃいたいです!」
真っ先にあこが反応した。
LegendaryとONENESSはあこがRoseliaの曲の中でもかなり気に入っている部類の曲である。
1番最初に反応するのはあこだろうと思いはしていた。
「私も、問題ないセットリストだと思います。」
「悪くないと思うわ。あなたに任せて正解ね。」
「うんっ!アタシも超いいセットリストだと思う!3曲の中にアタシ達がつまってるって感じ!」
続いて紗夜、友希那、リサの順にこのセットリストの感想を伝えてくれる。
紗夜、友希那が好印象ならこのセットリストは正解なのだろう。
しかし、そんな中1人だけ心配している人がいた。
「ハードな曲が続くけど・・・あこちゃん・・・演奏、大丈夫・・・?」
燐子があこに対して心配を抱く。
今思えばどれもドラムに対しての負荷が大きい曲ばかりである。
メンバーの体力まで目に入っていなかったのは迂闊だった。
「どうする?今ならまだ変更できるけど・・・」
「いえ!大丈夫です!・・・たぶん。それでも、全力で駆け抜けれるようあこがんばるっ!」
「あこちゃんがそう言うなら・・・でも、無理しないでね・・・あこちゃん。」
燐子が了承したことでこのセットリストでいくことが確定した。
なら今日の練習はこの曲を1曲1曲見直すのが得策だろう。
「なら、今日の練習は演奏する曲を1曲ずつ丁寧に見直そう。多分どこかにまだ改善点があると思うんだ。」
「そうね、では始めましょうか。」
それぞれがそれぞれの楽器を構え、SMSに対する練習が始まった。
皆が輝き、僕がそれを支え、導く。
今回の練習は僕が思うにRoseliaの練習の中で1番理想的な練習になった。
練習開始から数日が経った練習後、僕達はさっきの練習内容等を話しながら帰っていた。
今日は日曜日なのでバイクではなく歩いて来た。
「日曜日ぐらい乗せてくれてもいいじゃん!」というのがリサの弁解だが、あのバイクは結構大食らいで燃料を買うお金も厳しい時がちまちまあるので休日は余程のことがない限りバイクを使わないのだ。
話は戻るがその帰り道、いい加減練習の話に飽きたのかあこが僕と燐子に話しかけてきた。
「りんりんと奏多さん、帰ったらクエスト付き合ってくれない?」
「うん・・・たしか、期間限定クエスト・・・今日までだったもんね。」
「僕は一応全部終わらせてあるけどあこはなにか残ってるの?」
「うん、あこまだ3つぐらいクエスト残ってて・・・」
話していると紗夜が不思議そうに話しかけてきた。
「あなた達、あんなに練習をしたのに、まだゲームをする体力が残っているの?・・・九条さんは残ってそうですが。」
紗夜の最後の一言がグサッと刺さるものの、確かにごもっともである。
そしてその質問にはあこが答えた。
「はい!練習とゲームは別腹ですっ!」
「あこ・・・それスイーツに対して言うものだと思うけど。」
「えっと・・・その・・・いっ、意味が伝わればいいんですっ!」
友希那のツッコミにあこがしどろもどろに返す。
その隣でリサが「フフっ」と笑っていた。
「なんで笑うのよリサ・・・」
「ゴメンゴメン!・・・けどさ、アタシなんか嬉しくって。」
「嬉しい?何が?」
リサの言葉に質問をする。
その質問にリサはすんなり答えた。
「いやさ、昔なら友希那は音楽の話以外興味ないって感じだったけど今じゃさっきみたいにあこのことつっこんだりすることなんてなかったじゃん?それにSMSみたいな大きいライブに出られたのもこうして雰囲気が変わってきた時だったし・・・アタシ達、だいぶいい感じになってきたんじゃないんかな〜って。」
リサの言葉に周りが暖かい空気に包まれる。
実はとあるライブでRoseliaの演奏を録画している時、FURTHER WOULD FES.の関係者の人に声をかけられたのだ。
その人は様々なライブ会場をまわって良さそうなバンドに声をかけるのが仕事のようで、話しかけられた時は心底驚いた。
あいにく出場依頼ではなかったが、評価だけは残してくれた。
「あなた達はまだ若く、伸びしろがある。今回、オーディションの依頼はしませんが来年、またこの会場に来た時に出演依頼をさせてください。あなた方にはオーディションに一位通過で通って欲しいと私は思いました。」
Roseliaが周りに認められつつある。
僕はこのことをあえてみんなには伝えなかった。
伝えてしまうといつその人が来るかと変に意識してしまう可能性があったためである。
しかし、それもいつか話す日が来るだろう。
するとポケットの中が振動した。
恐らくスマホのバイブだろう。
手に取ると親父の実家からの電話だった。
「・・・?ごめん、電話出るね。・・・おじいちゃんからとは珍しい・・・もしもし?」
みんなと少し離れて電話に出る。
電話をかけてきたのはおじいちゃんではなくおばあちゃんだった。
『あ、もしもし奏多?ばぁちゃんやけど!』
「ど、どうしたの切羽詰まったような話し方して?」
『いいか!落ち着いて聞きや!
あんたの・・・あんたの親父が死にかけとるんや!』
一瞬、おばあちゃんが何を言っているかわからなかった。
けど直ぐに落ち着きを取り戻して電話を続ける。
「・・・死にかけてるってどういうこと?」
『なんか仕事場で突然ぶっ倒れて救急搬送されたみたいなんや!とにかく今から大阪来れるか?交通費は後で負担したるから!』
僕はすぐに「行く!」とは言えなかった。
今はRoseliaにとって大事な時期だ、それをほおって行けない。
「・・・行きなさい。」
後ろを振り向くと友希那がいた。
「・・・友希那。」
「電話の内容は聞いてない。けどその表情からしてかなり切羽詰まっているのでしょう?Roseliaのことは気にしないで。私達は昔みたいに弱くはないから。」
「・・・ごめん、ありがとう。・・・もしもしおばあちゃん?今からすぐ行くよ。」
通話を切って後ろを振り向く。
手短にも内容を伝えた方が良さそうだ。
「・・・父が瀕死で今から大阪に行かなきゃならない。SMSの前には必ず帰ってくるから・・・その・・・」
「あとは私達に任せて。あなたが帰ってくるのを待っているから。」
気がつけばRoseliaのメンバー全員が揃っていた。
ここは彼女らに任せるしかない。
「・・・ごめん、行ってくる。」
みんなを背に僕は駅まで走り出した。
ここから大阪まで新幹線を使っても3時間半ほどかかる。
お金に関しては途中でおろせばいいだろう。
「・・・親父・・・死ぬなよ・・・!」
僕は急いで大阪に向かった。
・・・思えばこのことが原因だったかもしれない。
『Roselia』という歯車に異常が起き始めたのは。
次回、『ヒゲキ ト セキニン』