無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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前書きを書き忘れて、次の日に急いで書いてる隠神カムイです。
見直しはしっかりしましょう()

校外学習にて京都に行ってきたんですが鉄道博物館が楽しすぎて帰りの電車でグロッキーに・・・体調管理はしっかりしないと・・・

ということで話すことそれぐらいなので本編どうぞ


79話 ツナグ、ソラモヨウ

燐子とリサが話していた頃、僕は美竹さんと羽沢珈琲店に来ていた。

 

扉を開ける時になる「カラン」の音と羽沢さんの元気な声が聞こえた。

 

「いらっしゃいませー!あれ、蘭ちゃんに九条さん?珍しい組み合わせだね。」

 

「こんにちは、羽沢さん。」

 

「確かに珍しいかな、ちょっとさっきトラブルに巻き込まれたのを助けてもらったんだ。」

 

さっきのことをめちゃくちゃ簡潔にまとめる。

 

それでも羽沢さんは慌てた。

 

「と、トラブル?!大丈夫、怪我とかしてない!?」

 

「つぐみ・・・慌てすぎだよ。」

 

「お、つぐがつぐってる〜」

 

聞きなれた声が聞こえた。

 

店の奥を見るとそこにはモカがいた。

 

「モカ、いたんなら声掛けてもよかったじゃん。」

 

「いやいや〜蘭と奏多さんの大切な時間にお邪魔しちゃ悪いし〜」

 

「も、モカ!そんなんじゃないから!第一、九条さんには燐子さんがいるじゃん!」

 

「み、美竹さん!?」

 

「おお〜蘭顔赤くなってる〜」

 

「これだけ大きい声だしたら顔も赤くなるよ!」

 

「ちょっと蘭ちゃん落ち着いて!ここ店の中!」

 

モカが煽って慌てるメンバーを羽沢さんが抑える。

 

確か巴さんが「これもAfterglowのいつも通りですよ!」と言っていたような気がする。

 

羽沢さんの必死の静止により、なんとか落ち着きを取り戻した美竹さんは息を整えたあと羽沢さんに話しかけた。

 

「・・・ありがとう、つぐみ、落ち着いた。あと、コーヒー2つお願い。」

 

「うん、わかった。」

 

羽沢さんが店の奥に行った。

 

美竹さんは僕に話しかけた。

 

「それで、相談ってなんですか?普段あまり交流のないあたしに何か出来るとは思えないんですけど・・・」

 

「美竹さん、ココ最近でバンドがバラバラになりかけたことってありませんでした?」

 

「「!!」」

 

美竹さんだけでなくモカまで驚きの顔を見せた。

 

「・・・はい、確かにありました。でも九条さん、なんでそんなこと聞くんですか?」

 

「立ってもなんですし、座りましょうか。これはモカにも聞いて欲しい。」

 

「・・・はい、わかりました。」

 

僕と美竹さんが向かい合うように座り、モカが美竹さんの隣に座った。

 

「実は・・・」

 

僕は今のRoseliaの状態とその原因となったこと、そして今バラバラになりかけていることを話した。

 

「・・・そんなことが・・・湊さんらしくないですね。」

 

「それで、ハロハピの薫さんにPoppin’Party、Afterglow、Pastel*Palette、そして自分達も1度こういったことになりかけた。だからそのバンドの今を見てこいって言われたんです。」

 

「今さっきまでバイトでリサさんと同じだったんですけど〜なんか悩んでいる感じはしていました〜・・・」

 

「そっか、リサが・・・」

 

今思えばリサや紗夜にまで迷惑をかけている。

 

今度謝りに行かなければならない。

 

「・・・あたし達は、なんて言うか・・・元々このバンドはあたし1人だけ違うクラスになって、それでもいつでも一緒にいれるようにバンドやろう!って、つぐみが提案したのがきっかけなんです。」

 

「それでみんなで1から練習して、色々あったけどみんなそれぞれ成長して、それで気がついたらあたし達と蘭の距離がどんどん離れていたんです。あたし達が置いていかれて、蘭だけ先に進んじゃって、そこから、蘭の歌詞に対する認識のズレがあたし達をバラバラにしかけて・・・そこからまた屋上でみんなの思いを再認識して、歌唱を一からみんなで作り上げてって感じでしたね〜」

 

モカが平然とそう言った。

 

Afterglowが幼なじみで出来たバンドなのは知っていたし、メンバー全員が仲が良いのも知っている。

 

でも、そんな彼女らでもここまですれ違ってしまうことに驚きを隠せなかった。

 

「仲のいい皆さんがここまですれ違ってしまったなんて・・・正直驚きました。」

 

「仲が良くても喧嘩とかいざこざは日常茶飯事ですよ。でも、それがあたし達の『いつも通り』なんです。」

 

「蘭が先に行ってもあたし達はすぐに追いつこうとしなくていい、蘭の背中を信じてついて行って、いつか追いつけばいいってみんなで思ったんです。」

 

先に行ってしまった美竹さんの目線と置いていかれてしまったモカ達の目線、それぞれの目線からの思いを聞いて彼女達の絆の強さを改めて思い知った。

 

「・・・Afterglowは凄いですね、こっちはすれ違いが大きすぎるって言うか・・・なんて言うか・・・」

 

「同じですよ。」

 

「・・・え?」

 

「Roseliaの絆もAfterglowと同じぐらい強いはずです。そう簡単に切れるものじゃないはず。逆に、絆が強いから自分の思ったことをぶつけられるんだと思います・・・まぁ、今回の湊さんは少し様子がおかしいとは思いますけど。」

 

美竹さんがさっきの話の結論みたいなことを言った。

 

その言葉は大切なことであって、今のRoseliaには眩しすぎるものでもあった。

 

「・・・ねぇ、蘭。百聞は一見にしかずって言うしさ〜今みんなを集めて聞いてもらおうよ、『ツナグ、ソラモヨウ』。」

 

「え、マジで言ってる?」

 

「マジのマジ、大マジだよ〜どうせこの後CIRCLEでみんなで練習するしお客さんいた方がいいかもよ〜?それに奏多さんなら悪い点とか教えてくれるかもね〜」

 

「いまは、その才能があまり上手く働いてないんですけどね。出来れば聴かせてください。」

 

「・・・わかりました、それじゃああたし達についてきてください。」

 

「つぐ〜お勘定と今からCIRCLE行くよ〜」

 

「うん、わかった〜」

 

羽沢さんがエプロンを置いてレジの方に向かう。

 

僕はモカが持っている伝票を奪い取った。

 

「ここは僕が払います。」

 

「おお〜奏多さん太っ腹〜」

 

「そんな、悪いですよ!」

 

「いえ、さっきの話のお礼とこれから曲を聴かせてくれるお礼として払わせてください。」

 

僕が支払ったあと、羽沢さんを連れてCIRCLEへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CIRCLEに到着すると既に上原さんと巴さんが音を合わせていた。

 

「お、きたきた!って九条さん?!」

 

「ね、ねぇ蘭?!なんで九条さんがここに?」

 

「あー・・・ちょっと色々あって。」

 

美竹さんがこっちを見てきた。

 

恐らくさっきのことを話していいのかアイコンタクトで聞いてきているのだろう。

 

「・・・大丈夫ですよ、話してください。」

 

「わかりました、実は・・・」

 

美竹さんはさっきのことを説明した。

 

すると巴さんは思い当たるような顔をした。

 

「なるほど・・・だからあこが最近元気なかったわけだ・・・」

 

「あこ、今どうしていますか?」

 

「昨日、突然帰ってきたかと思ったら部屋に閉じこもっちゃって・・・あたしが話しかけても元気ないって言うか・・・さっき軽く様子見に行ったらネトゲしているようでした。」

 

あこのやるネトゲは基本NFOなので、あこに対してはそっちで話した方がいいだろう。

 

とりあえず今はAfterglowの成果の結果が見たい。

 

すると突然ドアが開いた。

 

「モカ〜用事って何?・・・ってソータ!」

 

「リサ?!」

 

正体はリサだった。

 

しかし何故リサがAfterglowの練習の場に?

 

「ふっふっふ〜実はモカちゃんが呼んでいたのだ〜」

 

「モカ、用事があるって言うから駆けつけたけど・・・ありがとう。」

 

リサがモカに感謝を述べる。

 

とにかくリサに昨日のことを謝らないと。

 

「リサ・・・その・・・ごめん、突然出て行ったりして・・・」

 

「うん、そのことは気にしてないから。今の状態だと練習も行きにくいしね。」

 

「・・・でも、今は自分なりの答えをみつけようとしてる。音も、徐々に聴こえて来てる。」

 

「ソータ・・・そっか、ならばよし!」

 

リサが笑って肩を叩く。

 

それにつられて僕も笑った。

 

「とりあえずみんな、そういう事だからあたし達がまた()()()()()になった時の曲を今度はRoseliaに繋げたい。だからまずは二人に聴いてもらおう。」

 

「だな!」

 

「よし、やるぞー!」

 

「うん!」

 

「いっちょやりますか〜」

 

Afterglowがそれぞれの位置について楽器を構える。

 

「それでは聴いてください!『ツナグ、ソラモヨウ』!」

 

Afterglowが『ツナグ、ソラモヨウ』を演奏し始めた。

 

その歌詞と音は迫力があって、Afterglowの新たな()()()()()を作り出していた。

 

ーーーーあたしの背中を信じてついてきて

共に居たいと願う理由を抱いて

 

1番のサビが終わって間奏に入る。

 

そこでリサがボソッと呟いた。

 

「・・・アタシ達、Afterglowみたいにまた繋げられるかな?」

 

その問に対してすぐには答えを出せなかった。

 

でも意気込みは言えた。

 

「繋げてみせる・・・もう一度。」

 

それが今の僕の本心であった。




次回、『紗夜なりの答え』
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