無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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平成最後の投稿となる隠神カムイです。
読者の皆様、令和からも無灰こと『無色と灰色の交奏曲』をよろしくお願いします。

ちなみに燐子イベですが、何とか5000位に入り切りました!
その後単発でご褒美なのか金からの虹昇格で薫様来てくれました!
正直燐子が良かったぞちくしょう!ありがとう!

ということでNeo-Aspect編ですがようやく5分の3と言ったところ・・・
無灰史上最長のお話かと・・・
書いてて思う、長い。

ということで長ったらしいお話に付き合ってもらっている読者の皆様に感謝しつつ、本編どうぞ。


80話 紗夜の悩み

Afterglowのみんなに感謝を告げ、僕とリサはスタジオの外に出ていた。

 

本当は残ってAfterglowの練習を見る予定だったのだが、美竹・・・いや、蘭さんに断られた。

 

「九条さん・・・いや、ここはあえて奏多さんって言わせてもらいます。あなたは自分なりの答えを見つけろって瀬田さんに言われたんですよね。なら、ここにいては自分の答えを見つけられないと思います。Roseliaは・・・あたし達Afterglowみたいに幼なじみじゃないから、それぞれの深いところまで知らないと思うし・・・だから、香澄達や日菜さんたちの経験も聞いてきて欲しいんです。」

 

・・・と、こんな感じに断られたのだ。

 

こんな感じに言われては断りにくい。

 

リサも隣で「・・・こりゃ、断れないよね〜」と呟いていた。

 

ということでお言葉に甘えて(?)僕とリサは出てきたわけなのだが。

 

率直にいえばすごく気まずい。

 

なんせさんざん怒鳴り散らして逃げていったことを知っているのだ、恥ずかしいやら申し訳ないやら気持ちがこんがらがっている。

 

「なーに固くなってんの?別にあんなことで怒ったりしないって!」

 

「いや・・・だって・・・僕があんなことするの見られたし・・・我に帰ったらめちゃくちゃ恥ずかしかったし・・・もしもそれで怒って『ソータとはもう二度と関わらないから』って言われるの怖かったし・・・」

 

「乙女か!アタシは別にそんなことで縁を切りたくないし!」

 

「乙女・・・そんなに女々しいかな・・・」

 

『乙女』と言われたことに肩を落とす。

 

中性的な顔つきの関係上昔から「女っぽい」とか「女装似合いそう」とか言われてきたので古傷が痛む。

 

「ご、ごめん!まさかそんなに傷つくとは思わなくて・・・でも、燐子とかなら綺麗に女装してくれそうだけど・・・」

 

「うん、1度だけ燐子に言われた。『奏多くん、女装したら綺麗に出来そう・・・あ、でも私の心が持たないかも・・・』って。」

 

「・・・最近、燐子ってソータと付き合ってから我が出てきてるよね・・・なんか自分に正直になったって言うか・・・今日話してた時もそんな感じだった。」

 

「え、燐子と話したの!」

 

咄嗟にリサの両肩を持って揺さぶる。

 

リサは苦笑いしながら「ストップ、ストップ〜」と言っていた。

 

はっと冷静になって手を離す。

 

「ご、ごめん・・・でも、昨日は燐子と話してないから・・・」

 

「さっき電話かけたけど電源入れてなかったの?」

 

「あ、さっきまで弦巻邸にいたからかな。僕が今こうして動き回ってるのって薫さんのおかげだし。」

 

「薫が?なにがあったの?」

 

「実は・・・」

 

僕はリサに弦巻邸のことや何故Afterglowの練習にいたのかを話した。

 

リサはその話を真剣に聞いていた。

 

「・・・で、今に至るって感じかな。」

 

「そっか、ソータはソータなりにRoseliaのことを考えて行動していたんだ。」

 

「練習に行かなかったのはごめん。でも、薫さんの話を聞いていたら今やるべき事はなんだろうってすごく考えて・・・ほら、今って練習がどうこうっていう状態じゃないから、僕は僕なりの答えを見つけ出そうって思って。」

 

「それを言ってくれたらアタシだって心配せずに済んだのに・・・まぁ、それがソータらしいしね。」

 

リサが笑って納得してくれた。

 

多分、リサや紗夜、燐子やあこも自分なりにRoseliaのことを考えていると思う。

 

ハロハピとAfterglowを見てきて、少しずつではあるがRoseliaというバンドの取り戻し方がわかってきているような気がする。

 

「燐子とはまた後で連絡とるよ。そう言えば紗夜は?」

 

「紗夜はいつも通りって感じ。紗夜も自分なりの答えを探してる。」

 

「今おねーちゃんの話してた?」

 

「「うわっ!」」

 

突然僕とリサの間に割り込んできたのは日菜さんだった。

 

さすが姉好き(シスコン)、紗夜のことに関しては地獄耳だ。

 

「ひ、日菜?!」

 

「やっほーリサちー!それにソータくんも!」

 

「あはは・・・いつも通りですね。」

 

日菜さんのいつも通りの突発性に苦笑いする。

 

すると日菜さんは思い出したかのように話し出した。

 

「そーそー、最近Roseliaの仲悪いんだって?おねーちゃんもそう言ってた。」

 

「紗夜がそう言ったんです?」

 

「うん、あたしに相談したいことがあるって言われて・・・確か〜」

 

それは昨日に溯る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事務所でパスパレの今後の予定を聞き終わったあたしは颯爽と家に帰っていた。

 

今日はおねーちゃんの練習日だけどおねーちゃん早く帰ってくるって言っていた。

 

大好きなおねーちゃんと長くいられるのってるんっ!てする!

 

自宅で色々と終えたあたしはおねーちゃんが帰ってくるのを待っていた。

 

するとおねーちゃんが帰ってきた。

 

「ただいま・・・日菜、先に帰っていたのね。」

 

「おかえり、おねーちゃん!・・・あれ、Roseliaで何かあった?」

 

「・・・!」

 

おねーちゃんが驚きの表情をする。

 

なんかおねーちゃんいつもと違ってドヨーンとした感じだった。

 

「・・・何故Roseliaで何かあったと思ったの?」

 

「ん〜最近パスパレでもおねーちゃんと同じドヨーンとした空気になって、みんなとバラバラになりかけたことがあったんだ〜明後日おねーちゃんがライブに来てくれるって言ってたでしょ?それ、パスパレがまた新しい気持ちでやろうっていう決心みたいなものなんだ〜」

 

「そんな大きなものだったの・・・」

 

おねーちゃんが驚きと共にため息をついた。

 

とりあえずここはおねーちゃんの話を聞いた方がいいかも。

 

「おねーちゃん、Roseliaで何があったの?」

 

「・・・あなたになら話してもいいわ。実は・・・」

 

おねーちゃんがRoseliaであったことを話してくれた。

 

その内容はライブの失敗が原因でそれぞれがバラバラになりつつあるということだった。

 

「そんなことあったんだ〜」

 

「・・・ねぇ、日菜。私はどうすればよかったのかしら・・・私達は変わらなければならない、でも変わりすぎて昔の威厳を失いつつある。戻ればいいのか、そのまま突き進めばいいのかわからないのよ・・・」

 

おねーちゃんが悩みを打ち明ける。

 

昔のおねーちゃんなら絶対にしなかったことだ。

 

「ん〜・・・あたしは、昔のおねーちゃんの音より今のおねーちゃんの音の方が好きだよ?あたしはそのまま突き進めばいいって思うけど・・・」

 

あたしはそこで1度言葉を区切った。

 

擬音ではなく、相手にわかる言葉であたしの考えをおねーちゃんに伝えないと。

 

「あたしってさ、台本とか楽譜とかって見ただけで覚えちゃうじゃん。他のことだってそう、やろうと思えば直ぐにできる。でも、出来ることをたくさん増やしてもおねーちゃんみたいにひとつを極限にまで極めることって出来ないと思うんだ。おねーちゃんみたいに『今までの努力』ってものが無いからさ。おねーちゃんが言ってる状況で後ろに下がっちゃったら、その『今までの努力』ってものが無駄になると思うんだ〜、おねーちゃんはその努力を無駄にしたいの?」

 

そこまで言うとおねーちゃんは慌てて返した。

 

「そんな訳ないじゃない!私はRoseliaに入ったことで変わった・・・技術や、接し方や・・・あなたとの関係も。それを全部なかったことにしたくない・・・!」

 

「なら、それをぶつけてくればいいんじゃない?」

 

するとおねーちゃんははっとした顔をする。

 

どうやら自分のやりたいことを見つけたっぽい。

 

「・・・ありがとう日菜・・・私のやりたいこと、見つけられたかも。」

 

「うん、今のおねーちゃん、るんっ!てする笑顔してるよ!」

 

その時のおねーちゃんはいつも以上にメラメラして、キラキラしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ってな感じだったんだ〜」

 

「紗夜・・・そんなに変わってたんだ・・・」

 

「紗夜は気が付かないうちにどんどん変わっているんだよ。昨日もアタシのこと励ましてくれたし!」

 

紗夜・・・かっこよ過ぎない?

 

紗夜も答えをみつけようとしているんだ、僕も負けられない。

 

「そうだソータくん!明日のライブ見に来てよ!ソータくんいたらるんっ!ってきそう!」

 

理由はむちゃくちゃだが、願ったり叶ったりである。

 

これを断る理由がない。

 

「はい、行かせてもらいます!」

 

「オッケー!それじゃあ明日会場着いたら連絡して〜!それじゃあね〜!」

 

すると日菜さんは颯爽と帰っていった。

 

ほんと、嵐みたいな人だ。

 

「日菜・・・ホントに激しいね・・・」

 

「そうだね・・・でも、これでパスパレの答えを見ることが出来る・・・!」

 

「そっか・・・燃えてるね、ソータ!」

 

「リサは違うの?」

 

「えっ?」

 

そう言うとリサは固まった。

 

「リサはどう思ってるのかなって。Roseliaのこと。」

 

「アタシは・・・答えを探してるけど見つからないって言うか・・・みんなみたいにできないって言うか・・・」

 

「なら、リサなりのやり方で答えを探したらいいよ。」

 

「アタシなりの?」

 

「うん、別に他人に合わせなくていい、自分なりの答えの見つけ方をすればいいよ。」

 

「・・・うん、やってみる!」

 

リサが決心をする。

 

今、Roselia全員がそれぞれの答えをみつけようとしている。

 

Roseliaがまた集まるのも、そう遠くないのかもしれない。




次回、『もういちどルミナス』
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