無色と灰色の交奏曲   作:隠神カムイ

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昨日は気圧変化による頭痛で死にかけていた隠神カムイです。
タイトルが多少変わってますが、それはいつも通りと流してくだせぇ・・・

あ、ファミマのクリアファイルは今のとこPoppin’Partyだけ貰ってきました。
最近のポピパ熱がやばいんすよ。

ということで本編どうぞ!


84話 ブツケルオモイヲカタチニ

Poppin’Partyのライブが終わり、観客たちが続々と出て行き始める。

 

奏多は「ごめん!やる事あるから香澄さん達によろしく言っといて!」と言って出ていってしまった。

 

奏多が戸山さんのことを『香澄さん』と呼んだのはなにか信頼にあたる何かを掴んだからだろう。

 

結局のところ、私は最後の演奏まで戸山さん達が持つ『何か』を知ることは出来なかった。

 

そうこうしているうちに戸山さん達がステージ衣装のままこっちに来た。

 

「友希那せんぱーい!来てくれてありがとうございまーす!」

 

「バカっ!声が大きい!」

 

市ヶ谷さんが戸山さんを制止させる。

 

・・・まぁ、いつもの戸山さんならそんなことで止まるはずはないのだが。

 

「戸山さん、お疲れ様。」

 

「私たちの演奏どうでした?キラキラドキドキしてもらえましたか?」

 

「うん、したよ!とーっても楽しかった!」

 

「なんでおたえが答えるんだよ!おたえに聞いてるんじゃねーっつうの!」

 

戸山さんの質問を何故か花園さんが返す。

 

本当に自由なバンドだ。

 

「でも、私たちがキラキラドキドキしてなきゃ、絶対お客さんや聴いている人達に伝わらないと思う。だから、大切なことだよ。」

 

花園さんの言葉に驚く。

 

『自分達がそう思う』なんて考えたこと無かった。

 

「自分達が・・・・・・あなた達、いつもどんな気持ちで演奏しているの?」

 

「ほ、ほら!お前らがふざけるから、友希那先輩怒ってるじゃねーか!」

 

別に怒ってはいないのだが、自分でも言葉が少しきついと気づく。

 

それほど焦っているのだろう。

 

「怒ってないわ。気になっただけよ。」

 

そう言うと間伐入れず花園さんが答えた。

 

「ポピパが、大好き!・・・って思って弾いています。」

 

「うんっ!私も同じです!みんなのこと大好きって気持ちで、私はキラキラドキドキできて・・・その大好きって気持ちが歌に乗って、届いたらいいなって思って・・・みんなに、私たちポピパのキラキラドキドキ、感じて欲しいなって!」

 

「有咲もそうでしょ?ポピパが、大好き!」

 

「ま、まぁ・・・」

 

「えへへ、みんな同じっ!」

 

「あっ・・・!」

 

やっとわかった。

 

どうして誰も私たちの歌に振り向いてくれなかったのか。

 

どうしてこんなにバラバラになってしまったのか。

 

そしてどうしたら元に戻せるのか・・・

 

「友希那先輩?」

 

「いえ、なんでもないわ。今日はいいものを見せてもらった。ありがとう、戸山さん。」

 

「は、はい!また、Roseliaの皆さんのライブも見に行きたいですっ!」

 

「ええ・・・そうね。」

 

そこまで言って私はCIRCLEを後にした。

 

辺りはもう暗くなっていた。

 

考えたこともなかった。

 

みんなが、どんな気持ちで演奏しているのかなんて。

 

さらに言えば同じ気持ちで演奏しているかなんて、なおのこと気にしたことがなかった。

 

しかしようやくわかった。

 

Roseliaにはなく、Poppin’Partyに対して感じていた『何か』はそれなんだって。

 

私たちの音を取り戻すこと・・・それは、私たちがRoseliaである誇りを取り戻すことなのかもしれない。

 

ひとまず解決法になりそうなことは見つかった。

 

しかし、答えは見つかってもそこにたどり着く方法がわからない。

 

「あと少し・・・あと少しなのに・・・」

 

しかし、何かを掴んだような感覚は確かに残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あこside

 

Roseliaの練習をサボり始めて数日が経った。

 

りんりんと話したあと、あこなりに考えてみたけど全くわからないままだった。

 

この前NFOで奏多さんとも話したけど、奏多さんもあの後友希那さんと喧嘩して出て行っちゃったみたいで、その後猫カフェのマスターさんに言われて今はRoseliaのために動き回ってるって言っていた。

 

あこもRoseliaの中じゃ行動班みたいな立場だけど奏多さんみたいに動くことはできない。

 

だからずっと悩んでいた。

 

そして、いつもみたいに悩んでいると玄関のドアが開き、おねーちゃんが帰ってきた。

 

たしか今日はAfterglowの練習だったっけ。

 

「ただいま〜!ふぅ、今日も疲れたぁ〜!」

 

「あ、おねーちゃん。おかえり・・・」

 

「・・・なぁ、あこ。Roseliaの話よく聞かせてよ。」

 

「えっ?どういうこと・・・?」

 

おねーちゃんが突然そんなことを言うのはおかしい。

 

確かに「今日の練習どうだったー?」程度には聞いてくるけど今回の言い方は今Roseliaで起こっていることを知っているような口ぶりだった。

 

「いや、今日九条さんが練習を見に来てくれてさ。そこで話を軽く聞いたんだ。」

 

「そっか・・・奏多さんが・・・」

 

「あぁ、でも深く話してくれなくてさ。だから帰ったらあこに聞こうって思って。」

 

「うん、わかった・・・実はね・・・」

 

私はおねーちゃんにRoseliaであったことを話した。

 

おねーちゃんはそれを真剣に聞いてくれた。

 

「なるほどな〜。それで練習に行きづらいってわけか。」

 

「うん・・・ホントはこんなことしてたらダメだなってわかってるんだけど・・・」

 

おねーちゃんは「うーん・・・」と少し考えるとあこに質問してきた。

 

「あこ、Roseliaは好きか?」

 

「え・・・?」

 

そんな質問をしてきた。

 

そんなの当たり前だ。

 

「う、うん、大好きだよ!」

 

「メンバーのみんなもか?」

 

「うん、もちろん!おねーちゃん、どうしたの?」

 

おねーちゃんの質問の意図があこにはわからない。

 

その質問におねーちゃんはケロッとした顔で答えた。

 

「んー?いや、確認しただけ。」

 

「か、確認しただけって・・・」

 

「いやさ、アタシ達Afterglowもさ、お互いのことを、バンドのことが好きすぎて、そして知りすぎて上手くいかないことがあったなって。もしかしたら今のRoseliaもそんな感じなんじゃないか?」

 

「みんな・・・Roseliaが好きってこと?確かに、Afterglowのみんなみたいに背中で語り合えるー!みたいにはいかないけど、多分みんなRoseliaのこと大好きだと思う!」

 

「せ、背中で語り合うか・・・アタシらが喧嘩したのそれが原因というか、なんというか・・・まぁ、そんな感じ。大好きすぎて、みんなそう思ってるって考えちゃうからすれ違ってしまうんだと思う。みんながそれぞれ、バンドのことを大切に思ってて、自分たちの大切な場所だって言い合えたら、きっとバンドは自然に戻るって。」

 

「そういうもの、なのかな・・・?」

 

バンドがそんなふうに戻るなんて到底考えにくい。

 

けど、実体験したおねーちゃんが言うのであればそうなんだろう。

 

「そういうものだって!・・・そうだ!もし、言葉で伝え切れる自信がないなら、そうだな・・・何か、気持ちを形にしてみるっていうのはどうだ?うちの蘭ってさ、ものすごい口下手だから、よく歌や詩でその時の気持ちを伝えてくれるんだ。だからそういう感じでどうかなって思って。」

 

「あこ、作詞作曲なんてできるかなー・・・?」

 

実際問題あこは楽譜を読めない。

 

いつもりんりんに訳してもらっている。

 

さらに蘭ちゃんみたいに作詞できるとは思えない。

 

「別に作詞作曲じゃなくてもいいと思うけどな・・・そうだ!燐子さんと一緒に衣装作ってみるのはどうだ?」

 

「衣装、かぁ〜!」

 

衣装なら多分大丈夫だろう。

 

それに衣装に関してはりんりんがいるなら百人力である。

 

「そうとなれば今すぐりんりんと話してくるっ!」

 

「おう!頑張れよあこ!」

 

こうなればあこもあこなりに頑張るしかない。

 

「あこは・・・あこはやっぱり、かっこいいRoseliaが大好きだから!」

 

この思いは誰にも負けない。

 

そうあこは確信していた。




次回、『ミツケタモノ』
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