これでY.O.L.O!!!!!衣装コンプリート!Determination Symphony衣装並に嬉しいデース!
しかし、今回は少し短め。
次回にドカーンと持っていきたいデース!
てなわけで本編どうぞ!
本当のことを言えば・・・私は私のために歌っていた。
きっかけは父が影響していた。
幼かった頃はそんな父が、歌が大好きだった。
そして父がバンドを解散してから、大好きだった歌はいつの間にか使命へとなっていた。
父の無念を晴らすため。
FURTHER WOULD FES.という大きな舞台に立ち、その中の頂点になるため。
無論、1人でなれるなら苦労しない。
そのためにバンドを組んだ。
もちろん、個々の技量が足りなければ意味が無い。
力が足りなければ蹴落とし、それより優れた逸材をスカウトする。
そうして作ったのが私のバンド・・・Roseliaのはずだった。
リサや紗夜、あこ、燐子、そして奏多・・・それぞれを認め、最初のメンバーとして向かい入れた時も当初の考えは揺るがなかった。
しかし、次第にその気持ちは薄れ、その代わりに色々なことを経験した。
初めてRoseliaで演奏をしたことから始まり、父の曲を歌ったこと。
次に私に・・・いや、Roseliaにとってかけがえのない存在がいること。
仲間が道を見失い、消えそうになった時に必死に助けようとしたこと。
たぶん、その時から当初の考えは消え失せていた。
けど、その時もRoseliaは上手くやっていけていた、だから必要ないと考えていた。
仲間の大切さを知った
大切な人の存在を知った
仲間を助けたいという思いを知った
自分の経験を人に伝え、同じ思いをして欲しくないという考えを知った
普段やらないようなことにも自分たちの音楽をみつけだせることを知った
そして・・・恋と、失恋を知った
Roseliaでの日常が、いつの間にか私という存在を変えていった。
なら、今の私は何?
当初の目的も消え、Roseliaの音の迫力も消え、そして今は仲間も消えそうになっている・・・
仲間のことを知ってきたつもりだった。
けど、そんなこと思い過ごしに過ぎなかった。
実際、私は私のために歌い、みんなの考えなんて考えようとしなかったのだ。
だから昔に戻れば元に戻るなんてありえないことを考えた。
そんなこと、あるわけないのに己の責任を他に押し付けようとしていた。
自分の考えを、仲間に押し付けようとしていた。
だから、気が付かない。
仲間のことを考えようともしない。
Poppin’Partyが奏でる『何か』の正体に言われるまで気づけない。
所詮、私はそれだけの人だったのだ。
仲間がいなければ歌えない、鳥籠の中で空を飛んでいると錯覚した、『自分』と言う名前の鳥籠の中に囚われたままの鳥だったのだ。
ドラマや本では『失ってから初めて気づいた』などと表現されることがある。
私はそんなの迷信だと思っていた。
けど、今そのことを実際に体験している。
失ってからでないと気づけない仲間の大切さを・・・
ふと目を覚ます。
目に映るのは私の部屋の天井だった。
どうやら私は寝てしまっていたらしい。
寝ている暇などないというのに。
時刻は午後の8時、そろそろ夕食の時間なので下に降りなければ。
ベッドから起き上がり、動き出す。
するとスマホが鳴った。
メッセージが届いたようだ。
「・・・メッセージ?」
おもむろにスマホを手に取って確認する。
差出人は奏多だった。
「奏多・・・!」
慌ててメッセージを確認する。
そこには
『明日、午前10時にCIRCLE第3スタジオに来て』
と書かれていた。
それ以外にはなんにもない簡素なメッセージだった。
こんな時に奏多が理由もなく私を呼ぶはずもない。
きっと何かあるのだろう。
「行ってみるしか・・・なさそうね。」
次の日、私は言われた通りにCIRCLEの第3スタジオにやってきた。
しかし、何を間違えたのか来たのは集合時間の一時間前、まだ誰もいない。
誰もいないスタジオで、1人孤独に私は立っている。
それは今の私の現状を映し出すかのようだった。
特にやることも無い私はスマホをスピーカーに繋げて適当な曲を選曲し、歌ってみた。
しかし、何度歌ってみても何もわからない。
どうすればRoseliaを取り戻せるのか、どうすれば誇りを取り戻せるのか・・・
本当に暗闇に迷い込んでしまったみたいだ。
「先に1人で練習・・・ですか?」
聞き慣れた声。
扉の方を見ると紗夜がいた。
「・・・別に練習、というわけじゃないけど・・・奏多に呼ばれたから・・・」
「知っています。でも、あなたはこんなに早く来る人ではないはずです。」
紗夜は平然とそう言った。
確かに私はこんな早くからスタジオに入ったことは無い。
「・・・答えをみつけようとして、自分なりに考えて、歌ってみて・・・それでも答えは見つからない。だから、なにか見つけようと早く来たのかもしれない。」
自分でも何を言っているかわからないが、思ったことを口にした。
それを紗夜は黙って聞くとゆっくり話し出した。
「あなたは・・・あなたと私は、似ていると思います。あなたは私の背中を押してくれた。今度は、私があなたの背中を押せる時かもしれません。」
「あなたと・・・私が・・・?」
確かに私と紗夜はどこか似ている雰囲気があるのかもしれない。
しかし何故それを今・・・
「この問題を考えている時に自分の中の変化に気がついたのです。きっと以前ならここまでバンドの問題に向き合わなかったかもしれない。それがなぜ、あなたを説得したり、バンドのことを考えるようになったのか・・・それは、私が『Roseliaの氷川紗夜』だから。」
「Roseliaの・・・」
「そうしてくれたのは、あなたが背中を押してくれたからです。妹と比べない私・・・自分の音を持つ、私・・・妹を見返そうとしている私から、Roseliaのギタリストの私へと変わっていったんです。・・・あなたも同じ。」
「私も・・・?」
紗夜に疑問の声をあげる。
紗夜はそれを静かに聞いて、答えた。
「あなたもきっと・・・もう、お父様の影を追いかけるだけの湊友希那ではないはず。」
「あ・・・!」
確かに最初は父の影を追いかけ、歌い始めた。
そして父の影を追いかけるのではなく、Roseliaの音としてあの曲を歌う・・・そう父と約束したはずだった。
何故それを忘れていた・・・それが・・・それが私にとっての誇りではなかったのか・・・!
「・・・あなたは何者なのか。もう一度考えてみれば、答えは見えてくるはずです。では私は、また時を改めて来ます。」
そう言うと紗夜はそのまま出ていってしまった。
それまでのことを全て振り返ってみても、私の正体は昔から変わらない。
「私は・・・」
次回、『ホコリタカク カナデタイ』