やはり俺の半額弁当争奪戦はまちがっている   作:逃亡群鶏

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遅くなってしまい申し訳ありません。
この話からヒロインが出揃うので形式上1話となっています!
自分はこの人大好きなんですよね…




夏の陣! ピリ辛焼肉弁当400円!!
可愛がられるような事をしてから言えアホ by比企谷八幡


「せんぱーい! せんぱーい!!」

「聞こえないし、見えないし、あざといし」

「聞こえてるし見えてるじゃないですか!」

 

往来で腕に抱きついてくる女子に溜息をつきながらも逃げられないので相手をすることにした。

夏休みに入りやっと家に籠る事が出来るかと思えば、先日公園で偶然再会を果たしてしまった高校時代の唯一の後輩である一色いろはがこうして俺を連れ回している。 腕に抱きついてくるのはなんというか久しぶりに感じるし感触は以前より柔らかいかもしれない。 やだ、八幡なに喜んでるの?

 

「…あのな、一色。わかってると思うけど」

「分かってますよ。先輩がここの大学にいることを知ってるのは私と平塚先生、それと先輩のご両親だけなんでしょ? 小町ちゃんにも内緒にして」

 

そう、そうなのだ。 実は俺の進学先は奉仕部はもちろん小町すら教えていない。 後顧の憂いを断つため…なんていうカッコイイ理由では無く、小町から情報が流出するのを避けるために伏せたことだったのだがあの教師から流出したようだ。おのれ…

 

「んで、何で時間に呼び出したんですかね一色いろはさん」

「え? いやですね、私は先輩と違って日中忙しいんですよぉ…だから空いた時間は先輩と過ごしたいなーって思ったんです」

「え、なんだよ告白かよ。でも俺は答えるつもりはないし告白ならもっとわかりやすく告白してくれ。断るからごめんなさい」

「え、なんで私が先輩に振られたんですか?」

「殺られる前に殺るだけだ…と。 悪い、そろそろ用事の時間なんだが……」

 

時計を見ればもう既に19時を回っているし待ち合わせに遅れてしまいそうだ。

 

「先輩付き合い悪いです」

「俺は元から付き合い悪いだろ」

「むぅ、こんなに可愛い後輩がこう言ってるのに…だったらいつものしてください。そしたら離しますので」

 

うりうり〜…と頭をこちらに擦り付けてくる一色は本当にあざと可愛い気がしてきたから俺の精神が徐々にコイツに汚染されてるんじゃないかと思っている。 女って怖い。

さっさと離してもらうために、セクハラで通報されないかハラハラしながら頭に手を乗せ小町にしてやっていた様に撫で回してやる。撫でを受けている一色は目を細め、甘い声を漏らすのだが……エロいです先生。

 

「……おい、もう終わりだ。いつまで恥ずかしいことやらせんだよ」

「え〜、後輩はちゃんと可愛がるものですよ?」

「可愛がられるような事をしてから言えアホ」

 

バイクに跨りさっさと約束の場所へ向かおうとするのだが何やら一色が騒いでいた。 なんだよ、いくら人通りが少ないとはいえ恥ずかしいんだが…

 

「あ、そうだ! ━━いが、━━━━に、、ので!!」

 

うん、ごめん全く聞こえない。 難聴系になったつもりは無いのだが本当に聴こえない。 大方、今度あそこに連れて行って欲しいとかそんなんだろうけど…片手を上げ手を振り別れを告げる。

 

んだよ…あれほど遠ざけてたってのにやっぱり…少し楽しいじゃねーか。

 

自分も二階堂やマッちゃんさんに関わって少しぐらい前向きになったのかもしれない……うわ、何これ恥ずかしいじゃん。八幡なに少しほんわかしようとしてんの…

 

 

夏の夜にしてはどこが風か気持ちよくいい夜だった。

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

なんてカッコつけてたのも束の間、約束の場所へ着くと早々に二階堂、俺は大学OBの先輩であるガンコナーにキャバクラへ連れてこられたのだ。 …のだ、って何だよ。 大丈夫? 気持ち悪がられたりしない? あ、普段からキモかったですてへっ。

 

「大丈夫大丈夫、あの娘達もプロだし八幡は其の辺のキョドっている男より断然イケメンだしな」

 

そう言ってくれるガンコナーは常に女を周りに侍らせているプレイボーイなお方と二階堂から聞き及んでるのでその程度のお世辞じゃ喜ばない。

確かに小町に似て顔はそこそこ整っているし最近は腐った目をカモフラージュする為に伊達メガネまでかけ知り合いにバレないよう髪型まで慣れない美容室でカットしてマッちゃんさんに服まで選んでもらったのだから見てくれは目も当てられない訳では無いことは承知している。 でも、イケメンはないでしょぉ

 

「あ、りょうじゃん。また来たんだ」

「お、ユミちゃん。 今日も美人だ…ほら今日は後輩の社会見学」

 

二階堂は素知らぬ顔をしているのだが俺と同じように視線を落として二人してウーロン茶をしきりに飲んでいる。つーか、酒を飲むようなところ連れてくるなら先に言ってくれないとバイクが…

 

「あ、二人ともカッコイイ〜!」

「うんうん、ワイルドな感じの人と知的な感じの人っ!」

 

マジか、俺知的でカッコイイって小町! カッコイイなんて大天使戸塚にしか言われたことないんだけど!

まぁ、営業トークなんだろうけどねトホホ

 

「ユミちゃんみたいなサバっとしたタイプが好きそうだしアイツについてあげてくれないかな」

「へー、まぁりょうがそれでいいな良いけどね。隣失礼しまーす」

 

うわ、隣に座ってきたよ。 距離ちけぇしチラチラ見えてる胸元はスリットが凄くてけしからん。 ガ浜さんほどでは無いものの男を魅了するには十分過ぎるボディじゃね? 八幡、人類に対してのATフィールド全開じゃなかったスグに勘違いして惚れちゃうところだった。 なるほど、キャバクラの恐ろしさはこういう所なのか。

 

「お兄さん、顔上げなよ」

「え、い、やー…あの…」

「恥ずかしがり屋にも限度が………ん?」

 

え、俺なんかやった? 恐る恐る顔を上げると金髪の縦ロールに鋭い目付きだが整った顔立ちで雪ノ下家の2人とは違うベクトルの美人が俺に密着するように座っている。

 

「……お兄さん、眼鏡取りな」

「…いや…」

「早く取るし」

「…はい」

 

言われるがまま伊達眼鏡を取り、横に座る獄炎の女王…三浦優美子から目を反らす。 怖い…っ!

 

「あんた、こんな所で何やってるし」

「だ、大学の先輩に連れられて…」

「面、貸しな」

 

助けて二階堂!!

 

「お、いきなりアフターかよ。やるなー八幡」

 

ガンコナー、黙れ

 

「比企谷、オルトロスによろしく言っておいてやる」

 

ありがとう、勇敢に死んだとでも言っておいてくれ。

 

「早く来な!」

「はいぃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「んで、あーしが聞きたいのは結衣を泣かしたアンタがこんな店に来ているかってことなんだけど」

「いや、だから付き合いで…」

「結衣が泣いていた。 それはアンタが答えを出して報われなくて泣いてるってんなら…あーしは慰めたり遊んで忘れさせたりしてあげられたけどね。 アンタは答えも出さずに連絡も取れないような所に逃げたんでしょ」

 

ご明察でございます。 一色に会っていずれアイツらにも会ってちゃんと話さないと…と考えもしたのだが怖かった。 俺が戻ってしまうことであの2人が仲違いしてしまったら…なんてイフを考えてしまうのだ。

 

「あーし、友達を泣かせるようなヤツ許せないんだよね」

 

まぁ、だろうな…。 殴られたりするんだろうか? それで一度こいつの気が済むのならやぶさかではないが…。 目を瞑り衝撃を待つがいつまで経っても来ない。あれー?

 

「高校時代なら殴ってたし。 結衣は友達だから大事なのは変わらない。 けど、ヒキオには沢山借りがある。だから、ヒキオの言い分も聞いてやる、ヒキオが覚悟決めるまではあーしが見張っててやる」

「…は?」

「あーし、今はバイトでこんなんやってるけどちゃんと大学も行ってるし。 隼人の事もケリを付けたからね。 暫くはフリーってやつで暇だったし」

「いやいやいや…暇だったら何、俺につきまとうのか? つーか、葉山とケリって…」

 

ほら、行くよ。と犬の散歩のように俺に呼びかけてくる三浦。 わんわん

 

「……何処に?」

「晩飯と酒を買いに」

「え、俺も?」

「もちろん、ヒキオのせいであーしバイト途中で上がったし? アンタ、晩飯に付き合いな」

 

えぇ〜…って顔をしてたら思いっきり睨まれた。

 

「わ、わかった…どこ行くんだ?」

「すぐそこの……」

 

 

目に入ったのは飲み屋街には似つかわしくない、煌々と光り輝く看板に流れるメロディ…俺達の戦場、『スーパー』だった。

 

 

「あんたの根性、あーしが叩き直してやるし」

 

獄炎の女王は今や獄炎の狼として俺に牙を剥く。

 




ヒロインが出揃うと言ったな…あれは嘘だ
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