「どうも、東北きりたんです。嘘です。」
突然始まった放送。受信側に映し出されるのは頭に2つ包丁が刺り、巨大な2つのきりたんぽを背負った和服姿の幼い少女。すなわち、VOICEROID東北きりたんである。
「では、改めまして。はじめましてきんとんです。初回である、今回はThe_Unusual_SkyBlock。所謂、TUSBのRTAをしたいと思います。」
The_Unusual_SkyBlockとは、Minecraftというサンドボックスゲームの有志がつくった大規模配布mapだ。
(既に、10人見てますね。告知してなかったのですが...まあいいですね。)
「えっと、ヴァージョンは12.0.9。使用ModはOptifineのみ。タイマースタートはワールドの生成終了後プレイヤーが動いた瞬間。タイマーストップはエンドのスポナーを全て破壊し、ポータルに入り視界が暗転した瞬間とします。」
生放送のコメント欄には『わこつ』や『初見』などのコメントが見受けられる。
「わこつ、ありがとうございます。初見さん、初めてなので初見もなにもないですよ?」
なれた手でMinecraftを起動しワールド画面に移る。
「えっと、TUSBのRTAはこれで5回目です。そろそろ、ver13が来るとのことなので記念に1回走ろうかなと。声ですか?いえ、ゆかりねっとは使ってません。声を頑張ってきりたんに似せてます。」
コメントに反応しある程度返していく。
(しかし、俺を転生させたやつは何を思ったんだか。...あれか?最後に見てたpixivの履歴がきりたんだったからか?だとしたら相当ふざけてるな。)
そう、この人転生者なのである。心の声で、だいたいわかって貰えると思うが。こいつの容姿はきりたん-頭の包丁ときりたん砲である。
「とりあえず、レギュレーションの続きを説明します。ワールドデータの改造などは禁止。観光モード禁止。金床での名付等により修繕コストをオーバーフローさせてリセットする技禁止。ノックバックバグの意図的な利用の禁止。また、意図せず起きた場合はリログ。リログ中もタイマーをストップさせてはいけません。」
説明中も少しづつ増えていくコメント。主に、これを走るのか、初回でこれかよなどのコメントが多い。その中に、ゆかりねっとなんで使わないんですかというコメントがあったので拾う。
「いや、だって。あれ使うのに実際のVOICEROID必要じゃないですか。バイトできる年齢になったら買おうかなって思ってます。」
あー....学生さんには高いよなーなどのコメントが流れ。じゃあ、中学生かななどの憶測が飛び交う。
「一応、小学生四年生です。きりたんより一個したですね。ワールドの生成が終了したので計測を始めます。」
ファッ!?や、嘘乙などのコメントが流れるが無視して始める。
「はい、よーいスタート。まずは、チュートリアルの看板チェックです。って、やば滑った!?」
『あまりにも早いスタート。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。』『初手がば』『再走不可避』
「い、いいんですよ。それより、チュートリアルが終わったので職業を選択します。ここでは、ホーリーが欲しいので白魔術士をえらびます。時間を短縮するためまっすぐ飛び込まず手すり部分から飛び降ります。」
『ほーん』『がばらんの?』『ブラジルへごー!』
「がばりません!初期島に着いたら直ぐ、砂利島に向かいます。ここ、苦手なひとは一、二ブロック置くと失敗しません。」
直接砂利島に飛び移る。
「砂利島に着いたら、2つのドロッパーからアイテムを回収します。一応、微レ苗の印玉も使いましょう。ゴミは奈落で管理しましょう。お楽しみドロッパーから松明をかくほ。足場にして隣の....島に行きます。この島ではエンダーパールを確保しましょう。あとはゴミです。まず、土島に飛び食料を確保。交易島に飛んだら、テーブルマウンテンにエンパを投げブロックを下に置いて張り付きます。適当にガラスを割ってテーブルマウンテンに侵入しましょう。」
(一気に喋りすぎて疲れる....)
『鮮やかすぎる。』『最初のガバはなんだったのか。』『なんやこの小学四年生(仮)』『エンパの使い方が美味すぎるやろ。』
「テーブルマウンテンでは、アイテムの持ち込みが不可なので全部チェストに入れてしまいましょう。特殊mapの1つテーブルマウンテンに入場です。この時点で2:30を切っているなら上々です。この、一本橋を渡っていくわけですがくそほど歩きずらいので気をつけましょう。落ちたら死なので再走確定です。左側はまだなんとか走れるので左側を行きます。ちなみにここの突破率はだいたい80%です。」
『走るだけなのにひくスギィ!?』『ガバガバやんけ』
「橋を渡ってる間に軽くここからのチャートを説明します。テーブルマウンテンでは、アイテム及び経験値の入手を最優先にします。また、ここでレベルが50に達しなければ再走です。次に、交易島にてイエローデビルなどのポーションを確保。その後、職業島まで行きスキルをセット。その次にはトカルトコルデに向かいボーンスカッシュを買います。最後にエンドに向かってスポナー壊します。」
『ひえ!?』『行く島両方超大型mapで草』『ってことは、テーブルマウンテン最上層のエリトラ目当てか ..』
「渡り終わりました。水流にのって上のチェストからエンパを回収、下に落ちてランダムチェストを開けます。ここで、速度系アイテムが出なかったら再走。今回は運良くかまどが出たので突っ走ります。一二三階部分は無視で構いません。」
『あぁ、熱いかまどか』『0.08は扱いやすいよな』『経験値結構はいってるチェストも無視でええんか?』
「いいんです。そう言ってる間に地下水路の街に到着。ここの経験値と食料、隠し防具を回収します。そのために、この家の上の窯の原木をしたの窯に入れ直します。これで、仕掛けはとけたのでとっとと回収します。防具は変えないと思いますのでこれが最終装備です。」
『ふぁ!?』『それ、強いけど脆いやんけ』『こんなんあったんか...知らんかったわ。』
「帰り道で食料を回収しながら水路に置いてある蓮の葉に飛び降ります。そこから通路に戻って上の階へ行きます。ここは、3つのルートに分岐するので1番難しいルートに行けるように願います。今回は当たりを引けました。エンパで抜けます。」
『アスレとは』『ひっでぇ...』『最初のガバは人間アピールの可能性が?』
「ここのアスレはこのチェストを開くと奥の道が開きます。ほかルートなら、エンパで短くできます。この階は溶岩アスレになっています。金リンゴを食べたのでダメージはありませんが落ちたらロスなので落ちないように急ぎます。奥のチェストに多量のエンパがあるので回収しましょう。この先のショトカに使います。」
『あ、落ちた』『なんだ、人間だったわ』
「う、うるさいですね!?ここから、上にエンパで飛びます。すると目の前に階段があるので登ります。この階は2つの仕掛けを動かして抜けるのですが。エンパで柵抜けして強引に突破します。このまま、幸福街には行かずそのまま疾風の剣を回収します。この剣には速度上昇0.5が付与されているので高速で動けます。」
『あぁ、これか』『移動剣』『人間が使えるギリギリの速さ』
「これをとったら血の池ゾーンまで向かいます。大部屋でランダムチェストを回収。今回は効率5のピッケルが出たので大当たりです。血の池ゾーンに入ったらエンパで裏幸福街にむかいm」
「ご飯の時間よ〜」
「...すみません、思ったより食事が早かったので今日はここまでにさせていただきます。次回は、明日の9:00からとさせていただきます。今回の続きではなくじっくりTUSBを攻略する方向に変更しようと思います。ご視聴ありがとうございました。」
『どんまい』『親フラはしょうがない』『小学生の逃れられぬさだめよの』『次も見に来るわー』
(あぁ...よかった。幸い、そこまで反感持たれなかったみたいだし。結局60人も来てくれた。よかった....)
配信を切ったあとPCを落とした。たしかにひとつの手応えを感じながら食事へ向かった。