ゴムのヒーローアカデミア   作:D.C.

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世の中は理不尽だ

「私が来た!!!!!」

 

僕は、テレビの中で戦う最高のヒーローに目を奪われていた。ヒーローの名前はオールマイト。みんなの憧れであるNo.1ヒーローだ!僕は毎日毎日、飽きることなくオールマイトの事をパソコンやテレビで見ている。

 

「出久!明日は個性診断で病院に行くんだから、早く寝なさい!」

 

お母さんが僕に早く寝るように言ってきた。

 

「お母さん!僕もオールマイトみたいなヒーローになれるかな?」

 

僕は明日の個性診断を前にワクワクしている。お母さんは物を引き寄せる個性。お父さんは火を噴く個性。僕はどんな個性を持ってるんだろう!?明日が楽しみで眠れない!!

 

「出久はオールマイトが本当に好きなのね。じゃあオールマイトみたいに強くなりたいなら早く寝て早く起きて、ご飯を沢山食べなきゃね。」

 

「うん!」

 

「じゃあ、歯磨きして、早く寝ちゃいなさい。」

 

「はーい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無個性ですね。」

 

僕は頭の中が真っ白になった。お母さんも凄く驚いている。

 

「出久くんは足の小指の関節が2つありますよね。コレは最近では割と珍しいのですが、無個性の証になるのです。」

 

僕はそれからどうやって家に帰ったのか分からない。ただ覚えてるのは僕を抱きしめ泣きながらに謝るお母さんの事だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は今中学3年生になった。無個性だけど、ヒーローへの憧れは未だに消えない。それどころか、年々様々なヒーローの事を調べて周りからはヒーローオタクとまで言われている。

今僕は受験に向けて勉強をしている。受けるのは雄英高校。ヒーロー科があり、僕の憧れでもある。

 

「あーお前ら、進路希望配るけど、殆どヒーロー科を受けるんだよな?」

 

「「「「当たり前だよ(ろ)」」」」

 

「オレはお前らモブとは違って雄英に行くけどな!!オレはそこでオールマイトをも超えて、No,1ヒーローになって高額納税者になるんだよ!!!!!」

 

彼は爆豪 勝己。僕の幼馴染みで何でも出来る、僕の通う中学始まって以来の天才と先生に言われている。僕とは才能が違う存在だ。

 

「あー爆豪は雄英だったな。そう言えば緑谷、お前も雄英志望だったよな?」

 

先生が言ったその言葉にクラスのみんなが僕に視線を向け、言葉を発してきた。

 

「辞めとけよ!!緑谷!勉強が出来るだけでヒーローにはなれねぇぞ!!」

 

「ヒーロー科に無個性は無いだろ!(笑)」

 

「思い出受験の邪魔してやるなよw」

 

みんな僕をバカにするけど

 

「そんな決まりはもう無いよ!前例が無いだけで、僕だっt」

 

BOOOOOM!!!!!!

 

「デク!!!ゴラァ!!!!お前みたいな無個性野郎が雄英を受けるだと!?寝言は寝てから言えや!!クソナード!!!」

 

「がっっ!!!」

 

僕はかっちゃんに教室の後ろまで押され叩きつけられた。かっちゃんは昔から僕が憧れている身近なヒーローでもあった。でも、そんなかっちゃんに否定されるのは一番辛い。

 

「てめぇごときクソナードがオレと同じ道を進もうとするんじゃねーよ!!現実を見ろや!」

 

かっちゃんは今にも僕を叩きのめそうと腕に力を込め始めた。

 

「辞めろ爆豪!!!校内で個性を使って問題を起こしたら進路にも影響するんだぞ!」

 

「チッ!!クソが!!!」

 

担任の一言でかっちゃんは僕を解放した。

 

 

 

 

〜放課後〜

 

「オイ!クソデク!」

 

帰ろうとしたらかっちゃんや他の男子が僕に絡んできた。

 

「な…なに?かっちゃん…」

 

「まだ話は終わってねぇだろうが。オレはこの平凡な市立中学から唯一の雄英進学者になるんだよ!お前みたいな無個性には雄英を受けることすら認めねぇ。オレの逸話に泥ぬるんじゃねぇよ。」

 

かっちゃんは僕にそんな事を言ってきた。

 

「でも…僕は、それでもっ!?」

 

「お前はオレの踏み台にすらなれねぇんだよ!!!!」

「つーわけで、雄英を受けるなよ。ナードくん」

 

「何か言い返せよ、緑谷。」

 

「ナードくんは中3にもなってまだ現実が見えて無いのですよ。それでもヒーローになりたいなら、窓から飛び降りて来世に掛かれば良いんだよ。」

 

かっちゃんのそんな言葉が聞こえた。

僕はもう、ヒーローになれないのかもしれない、無個性だから……そんなんだったら……

 

「オラ!クソナードなんかほっといて、さっさと帰ろうぜ!」

 

「そうだね、かっちゃん。」

 

「あ?」

 

僕は窓際に行き扉の前にいるかっちゃんの方を向く。

 

「確かに僕は無個性だ。君の、君たちの言う通りヒーローにはなれないのかも知れない。だったら、かっちゃんが今言ったみたいに来世に期待するよ。」

 

「なっ、!?」

 

「じゃあね、かっちゃん…」

 

そうして僕は窓から後ろ向きに落ちた。

ほんの少し、身体を浮遊感が襲ったと思ったら背中から身体中に激痛が走った。

 

(お母さん、ゴメンね…)

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おい、緑谷が落ちたぞ!!」

 

「先生呼んで来い!!早く!!!」

 

「急がないとやばいぞ爆豪!!」

 

オレは何が起きたのか理解出来ない。デクが、あのクソナードが窓から落ちた。オレはとんでもないことをやってしまったのかも知れない。オレは……

 

「カツキ!!!!!」

 

学校でよく連む奴に名前を呼ばれオレはやっと動き出せた。今は取り敢えず動こう。今はそれしか出来ねえから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココはどこだろう……目が覚めたら僕は見たことの無い白い空間で寝ていた。僕は死んだのかな?

 

「出久!!!」

 

声のする方を見ると母さんが泣いていた。口に何か付いてるせいで喋れないけど、お母さんの握る手を今出来る限りの力で握り返す。お母さんはまた僕の事で泣いている。個性が無いと分かったあの日。そして今度は学校での無個性が原因によるイジメ。また僕は無個性という事でお母さんを泣かせてしまった。

身体が動くようになったら身体も心も強くなろう。無個性でも僕を大事に思ってくれる人が居るんだから。

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