ゴムのヒーローアカデミア   作:D.C.

4 / 14
無謀なお節介

放課後、僕は先生に職員室に呼ばれている。進路のことで話があると言われた。

 

「すまなかったな、緑谷。お前がそこまで追い詰められてしまったのは私が止めなかったからだ。お前が何も言ってこないから大丈夫だと、勝手に思ってしまっていた。本当にすまない!」

 

と言って先生は頭を下げた。他の先生もビックリしている。

 

「頭を上げて下さい!先生!!僕はもう大丈夫ですから!」

 

「僅かだが雄英の過去に出た傾向のある問題を集めて私なりの過去問を作ってみた。後は面接の練習を今度しよう。コレを使って頑張ってくれ」

 

先生はそう言って過去問と様々な雄英の資料を紙袋に入れて渡してくれた。

 

「話は以上だ、気をつけて帰りなさい」

 

先生なりの謝罪だと思った僕はコレを有り難く受け取ることにした。

 

「ありがとうございます!頑張ります!!失礼しました!」

 

僕は職員室を後にした。

教室に戻るとかっちゃんが僕を待っていてくれた。朝の約束を覚えていてくれたみたいだ。

 

「終わったのか?」

 

「うん。帰りながらかっちゃんにも話すよ。雄英関係の話だったし」

 

「ん。じゃあ帰り道で頼むわ」

 

「うん、じゃあ帰ろう。あ、待っててくれてありがとう!かっちゃん!」

 

「うるせぇ!早く帰んぞ!!」

 

そう言ってかっちゃんは先に教室を出て行ってしまった。僕はかっちゃんに怒鳴られてるのに嬉しくなり笑顔でその後を追った。廊下に出るとかっちゃんは既に居なかった。

 

「えっ!?嘘、はやっ!!」

 

僕は急いで下駄箱まで走った!下駄箱について靴を履き替えたらかっちゃんが校門で待ってくれてた。

 

「遅ぇぞデク!さっさと行くぞ!」

 

「かっちゃん待ってよ!」

 

こうして僕は復帰1日目の学校を終えた。

 

「で、先公に何言われたんだ?」

 

「あ、雄英の過去問と資料を貰ったんだよ。過去問は先生が作ってくれてさ。かっちゃんにも渡そうと思ってさ。」

 

「じゃあウチに来てコピーさせてくれよ。オレはそれで充分だからよ」

 

「わかった。じゃあ今日の帰りに行って平気?」

 

「ああ、それで頼むわ。それで、特訓はどこでやるんだ?」

 

「あ、それなら海浜公園でゴミ掃除がてらやろうかなって思ってさ。あそこなら大きいゴミとかあるから掃除しながら筋トレ出来て、砂浜を歩けば足腰鍛えられるかなって」

 

僕は休んでいた間に何処なら人の迷惑にならないで鍛えられそうな所を探していたら海浜公園の事を思い出した。あそこは海流の影響で海から様々なゴミが打ち上げられ、片付けてもゴミがどんどん増えるのだ。それを理由に不法投棄も相まって海浜公園はゴミの山になっている。

 

「あそこか、確かにデカいゴミとか色々と捨てられてたな。鍛えるには丁度良いかも知れないな。でも、あそこは勝手に入っても良いのか?」

 

「安心してよ、かっちゃん!もう地元のプロヒーローと警察には電話をして許可を貰ってるから!!」

 

僕は調べたその日にヒーロー事務所に電話をした。最初は危ないからと許可を貰えなかったが、この話を聞いていたプロヒーロー『デステゴロ』さんが許可を出してくれた。ゴミを種類ごとに分けて分かるように置いとくなら暗くなるまでやって良いと言って貰えた。ゴミは週2回デステゴロさんの後輩のヒーローが取りに来てくれるらしい。

 

「おまっ!相変わらず行動が早えな!」

 

「折角だからね。早く力を付けてかっちゃんに少しでも近づきたいんだ。最終目標はオールマイト!だけど、身近な僕のヒーローはかっちゃんなんだ。だから目標にさせて貰うよ!!だけど、憧れてるだけじゃ無いからね!僕は君をライバルだと思ってるんだ!」

 

僕はかっちゃんにライバル宣言をした。するとかっちゃんは一瞬驚いて、だけどすぐに笑いながら。

 

「へっ!オレのライバルになるならもっと強くならねえとな!!」

 

「当然だよ!!離れすぎてるんだから、追い続けるまでだよ!かっちゃん!!」

 

「よく言った!一緒に高みを目指すぞ!!デク!!!」

 

「うん!!!」

 

僕とかっちゃんは拳を合わせてまた歩き出した。商店街に差し掛かった所で人だかりが出来ていた。

 

「どうしたんだろ?」

 

「ヴィランでも出たのか?」

 

僕は疑問に思いながら見物客の人に聞くと、あのヘドロみたいなヴィランは他人を操ることが出来るらしく、女の子が囚われてしまってるらしい。またヴィランの身体は掴めないのでプロヒーロー達も手が出せずにいるらしい。

 

「来るな!!!来たらコイツを殺すぞ!!」

 

「くそ!掴めないから手が出せない!」

 

「有利な個性を持ってるヒーローはまだ来ないのか!!」

 

(プロですら手こずるヴィラン。なんて凄い個性なんだ!捕まってる子は…)

 

その時僕の目に入ってきたのは涙を流しながらなんとか抵抗している女の子の顔が見えた。

 

「たす……て!いやっ!!」

 

その時僕とかっちゃんはお互いの顔を見合わせた。不思議だ。さっきまで怖くて震えてたけど、かっちゃんが隣に居て顔を見ただけで震えが治った。

 

「かっちゃん、僕あの子を助けたい」

 

「止めても聞かねえんだろ?デク。お前は昔から自分の芯を貫く奴だったからな」

 

かっちゃんが笑いながらカバンを下ろして僕の目を見る。

 

「作戦は?」

 

かっちゃんが僕に聞いてくる。

 

「かっちゃんの方が機動力があるからアイツの近くに行って撹乱して欲しいんだ。ヴィランの意識が女の子からかっちゃんに移ってくれれば、僕がその隙に腕を伸ばして一気に引っ張り出して女の子を助ける!コレでどうかな!?」

 

この作戦はかっちゃんが危険な目に合う可能性が高い。僕にはコレしか思いつかない。だけどかっちゃんなら大丈夫だと僕は確信している。

 

「デク、それで大丈夫なんだな?」

 

「かっちゃんが危険な事は間違いないよ。だけど、僕はかっちゃんなら大丈夫だって信じてるから」

 

僕がかっちゃんの目を見て言うと

 

「そうか、こんなオレを1日で許して信じてくれるのか」

 

「うん!君の凄さはずっと近くで見てきたからね!!」

 

かっちゃんは照れ臭そうに笑いながら

 

「なら、その信頼に応えてやるよ!行くぞ!!デク!!!!」

 

「うんっ!」

 

僕たちは人垣をかき分けヴィランに向かって走り出した。

 

「へへっ!もう時期この女も意識が無くなる。なかなか抵抗したがそろそろ終わりだ。そしたらコイツを人質にしながら逃げ切ってやる!」

 

ヴィランが自分が逃げ切れると思っている所に僕とかっちゃんは現れた。

 

「オイ!!!クソヴィラン!!!てめぇ、そんな没個性を手に入れたくらいで良い気になってんじゃ無えぞ!!!」

 

「なんだガキ?ヒーローごっこがやりてぇなら他所でやんな。オレはガキ相手でも容赦しねえぞ!」

 

かっちゃん、そのセリフヒーローにはとても思えないよ!

 

「辞めろ少年達!危ないぞ!」

 

「逃げろ!」

 

プロヒーロー達から辞めるように言われるけど僕はもう止まれない。だって

 

 

 

 

「オラァァァ!!!!」

BOOOOOM!!

 

かっちゃんがもうヴィランと戦ってるんだもん!!

集中しろ!一瞬のチャンスを無駄にするな!時間が掛かれば掛かるほど、女の子が危ないぞ!

かっちゃんが距離を一定に保ちながらヴィランの意識を徐々に逸らしてくれる。避けるだけじゃなく、目の前で爆発させたり、爆音を耳元で鳴らしたり、様々な牽制を入れてくれている。

 

「このガキ!!付け上がるんじゃねえぞ!!お前から先に殺してやるよ!!」

 

BOOOOOM!!!!

 

かっちゃんがヴィランのパンチを個性の爆発を使って躱し、そのまま後ろに回り込んだ。

 

「ちっ!!ちょこまかとハエみたいに鬱陶しいガキだ!!」

 

「今だ!!」

 

ヴィランの意識が完全にかっちゃんに代わった!僕は腕を思いっきり伸ばした!

 

(掴んだ!このまま、引っ張り出す!!)

 

かっちゃんに集中していたヴィランは僕が女の子を引っ張ってる事に気づくのが遅れた。そのお陰で僕は女の子を引っ張り出せた。僕は女の子をそのまましっかりと掴んで後ろに下がる。

 

「かっちゃん!!助けれたよ!!」

 

「っ!!ガキぃっ!!!待て!!」

 

ヴィランが僕の方に向かおうとするけど

 

「行かせねえよ。オレの親友の所には」

 

「ならお前からだ!!!」

 

「いや、終わりにしてやるよ!閃光弾(スタングレネード)!!」

 

かっちゃんがそう叫ぶと目を瞑っても防ぎきれないくらい光が発せられた。それによりヴィランは動きが完全に止まる。

 

「グワァーー!!!目が!耳が!!」

 

「…っ!!?捕らえろ!」

 

コレを逃さずプロヒーローと警察がヴィランの確保をしてこの事件は解決をした。

 

 

 

「なんて危険な事をするんだ!!下手をしたら君たちまで危ない目にあったんだぞ!それに、個性の使用も法律で禁止されているんだぞ!」

 

「君たちは危険な事をして我々警察やヒーローの邪魔をしていたかもしれないんだぞ!」

 

僕たちは今警察のお叱りを受けている。確かに自分たちが個性を勝手に使用してヒーローの邪魔をした事は分かっている。だけど、それでも僕は助けを求める人を放っては置けなかった。すると怒られている僕たちの元にヒーローがやって来た。

 

「その辺にしてやってくれませんか?」

 

プロヒーロー、デステゴロさんが僕たちに声をかけてくれた。

 

「今回のヴィラン、捕まえられたのは間違えなく彼らのお陰です。確かに危険な事をしましたが、彼らは間違いなく、ヒーローでした!!私はヒーローでありながら自分の個性では通用せず、ただ傍観している事しか出来ませんでした。ヒーローとして情けなく思います」

 

そう言ってデステゴロさんは警察の方達に頭を下げた。

 

「今回の件!私、デステゴロの責任として、事を済ませて頂きたく思います!」

 

「……」

 

警察の人達もプロヒーローが頭を下げて子供の無茶の責任を取ろうとしている事に驚き、戸惑っている。双方がどうするか悩んでいると、空から声が聞こえてきた。

 

「その必要は無いぞ!デステゴロくん!!何故かって?……私が来た!!!!」

 

上からオールマイトが降ってきた……

 

「………っ!?オールマイト!!!???僕、貴方に憧れているんです!!!サイン頂けませんか!!?」

 

「うるせぇぞ!デク!今は大人しくしとけ!!」

 

こんな時でもデクは何時も通りであった。

 

「ゴホン!!……どういう意味ですか?オールマイト。平和の象徴たる貴方がこの子供たちの味方をするとは」

 

「そのままの意味だよ。あのヴィランは、本来私が捕まえなければならないヴィランだったのだ。それを私は移動途中に奴に逃げられてしまったのだよ。今回のこの一件、オールマイトの責任として罰せられる事はあっても、そこの少年達やデステゴロくんが責められる事は一切無いんだ」

 

僕は驚いた。画面の中では無敵、ネットを調べれば無敗のヒーローが失敗をした。今回の件は自分の責任だと言ったのだから。

 

「言い訳はしないよ。何時も通り、楽勝だと思って舐めていたかも知れないからね。だからこそ、今回の件は私1人の責任なのさ」

 

「オールマイト!そんな事は関係ありません!ヒーローはいつでも困ってる人を助けなければいけない!なのに私は動く事が出来なかったのです。ですので!オールマイトの所為では!」

 

「なら、今回の件は、オールマイトとデステゴロに2週間の無償奉仕活動を罰とする事で良いかな?」

 

オールマイトとデステゴロさんが言い争いをしていると、ハットを被りコートを来た人が現れた。

 

「塚内警部!!」

 

「ご苦労様。…それで良いかい?オールマイト、デステゴロ」

 

「塚内くん…」

 

「分かりました」

 

「オールマイト、君も人間なんだ。No.1や平和の象徴と言われているが、背負いすぎるのは良くない。今回はコレで納得してくれるね?」

 

「……ありがとう、塚内くん」

 

「そうと決まれば早く終わらせて撤収するぞ!やる事はまだまだあるんだからな!」

 

「「「はっ!!!」」」

 

塚内警部がそう言うと警察の人達は他の所に行ってしまった。

 

「君たちもそれで良いかい?今回の件、世間から賞賛される事は無くなってしまったけど」

 

「別に構わねえよ。んなもんが欲しくて助けた訳じゃねぇからな」

 

「僕も、かっちゃんと同じです。悩むよりも先に助けたいって思いが出ただけですから」

 

「君たちは立派なヒーローだよ。警察関係者を代表してお礼を言わせてくれ、ありがとう!」

 

塚内警部にお礼を言われて僕たちは帰宅の許可を貰った。今回の件は最初からいない事にする為に僕たちの事情聴取は先程の軽いやり取りで終わりで良いと言われた。

 

「今日はゴメンね、巻き込んじゃって」

 

「気にすんな、オレだってヒーローになるんだ。助けを求めてたら助けるのは当然だろ?」

 

かっちゃんはそう言ってくれた。そうして2人で話しながら帰っていると

 

「わぁたぁしぃがぁ!!!突然曲がり角から来たぁ!!!」

 

言葉通りにオールマイトが滑り込むように出てきた!!

 

「「オールマイト!?」」

 

まだ今日の騒動は終わりそうに無さそうです。




いつも読んで頂きありがとうございます。コレからも頑張るのでよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。