入試が終わり家に帰った僕。家でゆっくりしているとオールマイトに呼び出された。スグに部屋着から着替えて僕は急いで海浜公園に向かった。そこには既にかっちゃんも来ていた。
「お、来たね?緑谷少年!!」
「遅かったなぁ!デク!!」
「かっちゃん!!オールマイト!!」
僕はオールマイトを大声で呼んでしまった。すると綺麗になった海浜公園にデートに来てた人達が
「うそ!?オールマイト!!?」
「どこどこ!?!?」
あ、コレはやってしまった。汚かった頃の海浜公園のつもりで居たからつい大声で話しかけてしまった。僕が悩んでいると、かっちゃんが
「デク!!!オールマイトなんか、何処にも居ねぇじゃ無えかよ!!探し損じゃねえか!!」
「すいません!間違いでした!!!」
僕とかっちゃんがそう言うとデートに来てた人たちは
「なんだよ、居ないのかよ」
「もう、紛らわしいんだから」
そう言って海の方に向かった。
「ありがとう、かっちゃん。助かったよ」
「いや、オレの方こそ強く言い過ぎた。悪かったな」
「いや!素晴らしい判断力だよ!爆豪少年!今のはホントに助かったよ」
オールマイトがかっちゃんにそう言う。僕も気を付けないと!オールマイトの人気は計り知れないんだから。
「さて…取り敢えず、試験お疲れ様。どうだった?爆豪少年!」
オールマイトがかっちゃんに試験の出来を聞いた。かっちゃんの事だから大丈夫だとは思うんだけど…
「多分、会場トップで仮想ヴィランを倒した。特訓のお陰で10分くらいなら爆破をフルで使っても汗腺に痛みは無いと思う」
「思うって事は使って無いのかい?爆豪少年?」
「最後の2分は、あのデカブツとやり合ってた。爆破で足元崩して、それから頭に最大火力をぶち込んだから、爆破だけで10分は使ってねえんだ」
かっちゃんの言葉に僕は声を出して驚いた。
「かっちゃんもアレに挑んだの!?」
「ああ、ナイトアイと特訓してた大技で何とかな。未完成だから倒せるかギリギリだったけどよ。ってか、やっぱお前も挑んでたか」
「いや、僕は偶々そうなったと言うか、気付いたら飛び出してたと言うか…」
「なんだ、困ってる奴でも居たのか?」
かっちゃんはエスパーなの!?
「お前が自分より怖い存在に挑むのはいつも、そんな時だっただろ?」
「あ、うん。まぁね…」
親友が僕の事を分かってくれてると思うと凄く嬉しくなる。僕もかっちゃんのすごい所を知ってるけど、もっともっと知っていきたいと思えた。
「爆豪少年はタフネスだね!よく10分間動き続けたね!それは凄い事だ!君の強みの1つだね!!……じゃあ次は緑谷少年。どうだった?」
今度は僕の番だ。
「僕はそれなりに稼げたと思います。あと、スタートダッシュはかっちゃんのお陰で出遅れずに済みました。ただ……」
「どうした?何か有ったのかい?」
「ゴムの個性にOFAを合わせて使ったら骨や筋肉が切れました。言うなら、骨折みたいな感じでした」
そう言うとオールマイトは嬉しそうに
「そうか!その程度で済んだか!」
「って事は、こうなる事を分かってたんですか!?」
「そりゃそうだろ!!私の力を受け継いで僅か10ヶ月で使いこなせるわけが無いだろう?鍛えなかったら今頃君の四肢は爆散していただろうね」
その言葉を聞いて僕はゾッとした。考えてもみればそうだ。オールマイトの様な凄いヒーローの力を10ヶ月前まで身体を鍛えても居なかった僕が使いこなせる筈が無かったんだ。少し…いや、かなり舞い上がってた。
「だけど、四肢が爆散しないで使えたのは君が鍛えて勝ち取った結果なんだ!!コレは誇っていい事だよ」
「でも…この歳になって個性を制御出来ない生徒なんて雄英も要らないでしょうし…」
「個性の制御が利かねえならまた特訓するしかねぇだろ。人を助けて自分が怪我する。良いじゃねえか、デク。ヒーローの本質はなんだよ?」
「自己犠牲の精神と、お節介!!!」
かっちゃんに言われて僕は思い出す。個性の制御が出来てなかったのは事実なんだ!ならそれを制御出来るようにすれば良いんだ!簡単な事だ!今までみたいに、ただガムシャラに前に進むだけじゃ無いか!!!
「一緒にまた特訓しようぜ、デク!」
「うん!!よろしくね!かっちゃん!!」
僕らが話し終わるとオールマイトが話を切り出した。
「さて、私は君たちの入試が終わるのと同時に忙しくなる予定なんだ。少し溜めていた仕事もあるからね。だから特訓には付き合えなくなってしまう。合格発表はいつだっけ?」
「確か1週間後だった筈です!」
「そうか、なら1週間後にまた私から連絡をするよ。じゃあ、またね!!!!」
そう言ってオールマイトは海の上を走って行った。
「んじゃ、帰るか。また明日から何時も通り特訓だぞ!デク!!!」
「うん!負けないよ!かっちゃん!!」
こうして僕たちは帰宅した。帰るとお母さんがご馳走を作って待っててくれた。
「お母さん、ありがとう。疲れててもこうやってお母さんが支えてくれるから今日まで頑張れたよ。雄英に受かんなくても僕、ヒーロー目指すから、コレからもよろしくね!」
「バカね!出久が頑張ってるのは母さんが1番分かってるよ。ほら、冷めちゃうから早く食べましょ」
〜1週間後〜
入試から1週間が経った。僕とかっちゃんは何時も通り、特訓は欠かさずやっている。今は軽い組み手をしている。
「そろそろだよね?通知」
「今日か、遅くても明日には来んだろ?」
「楽しみだなぁ」
「まあ、オレたちなら大丈夫だろ。………っと、今日は早めに帰ろうぜ!デク」
「うん!」
僕たちはお昼頃に切り上げて帰宅した。
帰宅するとお母さんが僕のところに来て
「はい、出久。さっき通知が届いたよ」
さっそく来た!!僕は部屋に行き少し震える手で封を開けた。すると中には機械が入っているだけで合否に関する紙など他には何も入って無かった。僕が不思議に思っていると
「私が投影された!!!」
「オールマイト!?え!?なんで!!コレ、雄英からだよね!?」
「実は私、雄英の教師をやる事になったんだよね。だから言っただろ?1週間後に連絡するって」
そう言う事だったのか!!
「え?巻きで?でも彼が最後だろ?…良し、じゃあ問題無いね」
「筆記は取れていた。実技の方もヴィランPが29Pと取れてない訳では無かった。だが、今年の受験生から比べると低いのは事実だ」
…っ!やっぱりダメだったのか…。
「だが、今回の試験!ヴィランPのみを見ていた訳では無いのだよ!!ヒーローは人救けをする仕事だ!!それをした人間を排斥しちまうヒーロー科など、あってはならない!!!綺麗事?構うもんか!!命を賭して綺麗事を実践するのがヒーローだ!!」
「レスキューPは審査制!!我々雄英が見ていたもう1つの基礎能力さ!!!緑谷出久!!レスキューP50!!!まぁ救助の仕方が少し乱暴だったり、個性を制御出来てないと言う事でこの点数だよ」
「でも文句なしで合格だよ。……来いよ緑谷少年!!雄英が!ココが!!君の、ヒーローアカデミアだ!!」
目から涙が止まらない…多くの奇跡と、多くの助けを受けて僕は夢への第1歩を進めた。
「っっはい!!!」
「あ、因みに君の前に爆豪少年の合否発表したんだけど、彼は今年の1位だよ。圧倒的にヴィランPの方が多かったんだけど、少しだがレスキューPも有ってね。彼もまた素晴らしい逸材だ。競い合えよ!緑谷少年!そうすれば君たちは更なる高みへと行けるさ!!」
「じゃあな!緑谷少年!待ってるぞ!!」
僕は真っ先にお母さんに結果を報告した。お母さんは泣いて喜んでくれた。その後にかっちゃんにメールを送ったら
「心配なんかして無えわ!!入学式は一緒に行くからまた後で時間決めんぞ!!!」
ってメールが返って来た。遂に始まるんだ!僕の高校生活が!!!
〜合否判定〜
教師SIDE
「実技総合成績が出ました!!」
レスキューPが20、ヴィランPが88か…化け物みたいなスタミナしてやがるなコイツ。
「後半他の動きが鈍っていく中、唯一動き回って寄ってくるヴィランを迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」
次に2位の切島だが、個性を上手く使っていたな。ヴィランPが45、レスキューP38。個性と体力共に持久力が付けばいいヒーローになるだろう。
そして3位だが……。
「アレに立ち向かったのは過去に居たけど、ぶっ飛ばした奴は久しぶりに見たな!」
「だが腕を壊した。ヒーローとして、自分の個性を制御出来ないんじゃ話にならないからな」
だがまぁ、やれる事が多そうな個性だ。オレのクラスになるなら面白そうだ。
今回はいつにも増して短いです。申し訳ないです!