魔法科高校の劣等生-黄龍の異端児-   作:愚者ぺら

11 / 30
第十話 ブランシュとの決着

奏司と合流した俺は敵の待ち構える廃工場に奏司の手配した車で向かっていた。

「案外、簡単に見つかったね」

 

「どうやら隠れるのは止めたらしい。

俺たちの存在には気づいてないだろうから、他のやつを誘き寄せるつもりだろ」

 

「多分、達也かな。でも、どっちにしても相手が悪い。彼らには消えてもらおう」

 

 

目的地についた俺たちは二人で正面から乗り込む。

「ん?なんだい君たちは」

ヒョロッとした伊達眼鏡の男性がそう言う。

 

「情報収集がなってないね。俺、これでも一高の生徒会役員だよ。

標的のことはしっかり調べなきゃ」

 

「ああ、中神神威くんですか。あなたについては全く情報が得られなくてね」

 

「ご託はいい。あんたが司一だな?消えてもらう」

そう言って奏司は拳銃型のCADを構える。

「失礼な少年だね。けど、いくら魔法師と言えど銃で撃たれれば死ぬのだよ?」

司一の後方には二十人以上の人間が銃を構えている。

 

「当たらなければ死なないよ。達也に任せてもいいけど、これは俺たちの仕事だからね。

司一は殺すなよ、それ以外はどうでもいい」

奏司にそう言うと俺は一度目を閉じる。

奏司が下がったのを確認すると目を見開く。

 

龍ノ眼___発動

 

俺が眼を開いた瞬間、全員が金縛りにあったかの様に動きが止まる。

龍ノ眼と呼ばれる俺のBS魔法。

守護獣と呼ばれる守り神『黄龍』をその身に宿す、俺の異端の力。

眼の力は金縛り以外にも複数存在する。

 

「相変わらず便利な眼だな」

と奏司が言いながら司一以外をジリジリと氷漬けにしていく。

殺さない辺りに奏司の残忍性が感じられる。

 

「相変わらずえげつないね~。さすが奏司くん!」

 

「お前も氷漬けにしてやろうか?」

 

「出来ないこと知ってるくせに」

奏司は口では言うけど、俺を殺すことはない。

五神家の呪いにも近い力によって。

 

「で?どうすんだ、コイツ」

 

「ちょうど来たみたいだから彼らに任せよっか。

来る前に終わらせるつもりだったのに、流石にのんびりし過ぎたみたいだね」

俺がそう言うと、完璧なタイミングで達也と深雪さんがやって来た。

 

 

「神威、やはり来ていたか。予想はしていたが......」

 

「コイツが司一だけど、どうする?

何か聞きたいことがあるならどうぞ。それくらいの時間はあげる」

達也にそう尋ねるが、達也が答えるより先に

「き、貴様らっ!」

という声を司一があげると、耳鳴りのような音が響く。

 

「魔法が使えなければ ただのガキだろ!」

司一はそうほざき、逃げ出す。

 

「達也、後は任せた」

 

「......ああ、方がついたら聞きたいことがある」

 

「じゃあ、外で待ってるよ」

そう言って司一を追いかける達也を見送った。

 

 

 

 

 

 

「あっさり終わったね」

全てを終えて外に出てきた達也に声をかける。

「お前がほとんど片付けたからな」

 

「まあね。でもあれじゃあ俺たちも捕まっちゃうかもね」

 

「そのわりには心配してる様子が見られないが?」

 

「そりゃね、十文字が出てきたんなら大丈夫でしょ」

現場には十文字先輩も来ていた。

十文字家が関わったとなれば普通の警察の出番はない。

 

「十師族より、五神家が関わってることのほうが重要じゃないのか?」

 

「......なるほど。聞きたいことって言うのはそれか。

達也は五神家についてどれくらい知ってる?」

そう尋ねると達也は一瞬考え込み、

「五神家のまとめ役が中神という名だということと......後はよくある噂だ。この国を裏で牛耳ってるとか操ってるとか、そう言った類の」

 

「なるほど、やっぱりそうか。うちは表への露出が多かったからね。噂についてはほとんどが作り話だよ」

 

「では、五神家とはなんなんだ?」

 

「守護者だよ。この国の守護者。あとは先導者かな。

この国を裏で守り、この国の転換期に表に出て導く五つの家。

牛耳ってるとか操ってるなんてことはないけど、繋がりはあるよ。警察にも」

 

「お前たちの目的はなんだ?なぜ、お前は一高に来た?」

 

「五神家の目的って意味ならさっき言った通り、守護と先導。俺が一高に来た理由は父の命令だったから。

力の使い方を学びなさいって言われたけど、それが全てじゃないと思ってるし、それが大部分を占めてるとも思う。

確実に言えることは、安心してって事ぐらいかな。現状、君たちと敵対する理由はないから安心して。

けど、もし君たち......というより、十師族......特に四葉だね。

奴らがこの国を滅ぼすというなら、敵になる。そうはなりたくないけどね」

 

「......そうか。俺も、そうならないことを祈ってる」

達也の言葉を聞くと、俺は背を向けて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

結局、十文字先輩が後始末を行い、事件は隠蔽された。

奏司も俺も廃工場には行っていないことになっている。

司甲も休学扱いになったが、多分自主退学となるだろう。

 

「神威、今回の件ご苦労だったな」

父、中神黄龍は電話で俺にそう言った。

 

「十文字がほとんどの後始末をしてくれたので、手間が省けました」

 

「ああ、こちらも助かった。

そう言えば神威、もうすぐ九校戦だな。私も桜華と共に見に行くよ」

 

「桜華、元気にしてますか?」

 

「少し寂しそうにしていたが、最近は元気だ。

お前に会えると分かったからだろう。あれはブラコンというやつだな」

 

「そうかもしれません。少し、甘やかし過ぎましたかね」

 

「いや、あの子にはお前しかいなかったからな。

あまり長話していると桜華が起きて来てしまう。ではな」

そう言って黄龍は電話を切った。

 

 

九校戦、父との電話に出てきたその言葉。

それは新たな波乱の舞台となる。




次回から九校戦編です。
雫の出番が増えます。オリキャラも数人出ます。
お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。