魔法科高校の劣等生-黄龍の異端児-   作:愚者ぺら

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九校戦編
第十一話 訪問者


魔法科高校入学直後に起きた事件から時は流れて七月中旬。

とある日曜日、俺は大きな問題を抱えていた。

 

「桜華、なんで来たんだ?」

家のリビング、俺の前には妹の桜華が座っている。

 

「......もうすぐ、九校戦ですので」

 

「理由になってないよ」

 

「......兄様に会いたかったので」

 

「はあ~、学校は?」

とため息混じりに尋ねる。

 

 

「テストは終わりました。成績優秀なのでもう夏休みに入っても大丈夫なんです」

どや顔でそう言う桜華。

確かに昔から優秀な子だった。

中学三年だが、本来は学校に行く必要もないくらいに。

 

「いつまでいるの?」

 

「夏休みに兄様が帰省するまでです」

 

「はいはい、分かったよ。正直助かるけどね、家事全般やってくれるなら」

父に許可は取ってあるだろうから俺がなんと言おうと帰らないんだろう。

 

「......お任せください」

静かにそう言う桜華の表情は満面の笑みだった。

桜華は表情がかなり豊かで、黙っていても大体言いたいことが分かってしまう。

 

「それにしても、なんで今日来るかな~」

この日は午後からお客さんが来る予定で、午前中は念入りに掃除をするつもりだった。

 

「今日は都合が悪かったですか?......もしや、彼女さんが来るんです?」

 

「友達だよ。九校戦のことで相談があってね」

 

「そうですか。私にはお構いなく」

桜華は何故か嬉しそうな表情をしていた。

 

 

 

 

 

 

午後になり、家のチャイムが鳴る。

「はいは~い」

そう言いながら玄関の扉を開ける。

 

「いらっしゃい、雫、ほのか。どうぞ入って」

 

「お、おじゃまします」

「......おじゃまします」

緊張している様子の二人。

リビングまで行くと、ソファで寝転がる桜華と出会う。

 

「......兄様の友だち......女性......ハッ!兄様、二股はダメですよ!」

突然、桜華が爆弾を投げ込む。

 

「桜華、そう言う関係じゃないからな。さっきも言ったけど、友だちだよ。ちゃんと挨拶して」

 

「中神桜華です。兄様共々よろしくお願いします」

 

「み、光井ほのかです。よろしくね、桜華ちゃん」

「......北山雫です。ねえ神威くん、兄様ってことは......」

 

「ああ、俺の妹だよ。今朝いきなり来たから俺も驚いてね。

しばらくこっちにいるらしいから二人ともよろしく」

 

「そう言えば神威さん、一人暮らしなんですよね?実家はどこなんですか?」

ほのかの質問に

「京都だよ。こっちに来たのは父の勧めでね」

と答える。

 

 

「......ん?どうしたの.......桜華ちゃん」

雫が桜華にそう話しかける。

 

「いえ、何でもないです。ですが......はい。分かりました。

この方、あの写真の......」

何かに納得した様子の桜華。

一体何に納得したのか、この時は全く分からなかった。

 

 

「あ、とりあえず好きに座っていいよ。悪いね、わざわざ来てもらって」

二人にそう言いながら俺はお茶を用意する。

 

「い、いえ、こちらこそ押し掛けちゃって......」

 

「いやいや、大丈夫だよ。雫のうちは都合が悪かったみたいだし」

 

 

数日前、九校戦に詳しいという雫に色々教えてもらおうとした所、長くなるからゆっくり話したいとなり、休日にうちに来てもいいかとなって、今に至る。

 

 

「それで神威くん、どんなこと聞きたいの?」

 

「そうだな......とりあえず、注目の選手かな」

 

「ん。一番強そうなのは三高の三人だね。

まずは、一条将輝。一条の御曹司でクリムゾンプリンスって呼ばれてる。

次に、吉祥寺真紅朗、カーディナルジョージって呼ばれてる天才だね。

最後は......西神白夜。この人は他の二人に隠れてるけど、かなり強いらしいよ。しかも情報が全くないの」

 

「白夜さんは大したことないですよ、兄様に比べれば」

と話を聞いていた桜華が口を挟む。

 

「神威さん、知ってるんですか?」

 

西神白夜のことは当然知ってる。

五神家の一つ、西神の次期当主だ。

 

「まあね。幼なじみみたいな感じだよ。色々と競いあったりもしたんだけど、確かに負けたことはなかったな~。

って言っても小さい頃の話だけどね」

 

 

その後も九校戦の説明を受けながら、休日は過ぎていった。

いよいよやって来る九校戦に備えて。

 

 

 

 

 

 

「いよいよ九校戦ですね、兄様」

八月一日、九校戦出発の日の朝。

家を出ようとする俺に桜華がそう言う。

 

「桜華は父様が迎えに来て行くんだったよな?」

 

「はい。しっかりと応援させていただきます」

 

「じゃあ、頑張らないとだな。行ってきます、桜華」

 

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