魔法科高校の劣等生-黄龍の異端児-   作:愚者ぺら

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短いですが、雫メインの回です。


第十四話 温泉女子会

懇親会の翌日、大会前日の夜。

明智英美に誘われて、地下の人工温泉に来ていた雫たち。

そこには一高新人戦女子チーム全員がいた。

 

 

年頃の女子らしく、彼女たちは恋愛話に花を咲かせている。

昨日の懇親会で見掛けた男性の話や同校の男子生徒の話。

そんな話を流すように聞いていた雫。

そんな雫に

「そう言えば雫、神威さんとはどこまで行ったの?」

とほのかが嬉々とした様子で尋ねる。

 

「別に何もないよ?普通に友だちだよ?」

 

「あれ?二人って付き合ってなかったの?」

深雪とほのかを除く全員にとって、その事実が意外だった。

 

「あんなに仲いいのに?」

「まだ付き合ってなかったの?」

 

「うん」

 

「そう言えば、入学してすぐの頃から仲良かったけど、きっかけは何だったの?」

深雪の質問に雫は少し恥ずかしそうに

「小さい頃に、助けてもらったことがあるの。その時、約束をしたんだけど果たせなくて......。それがずっと心残りで、いつまでも忘れられなかった」

と答えた。

 

「ってことは......運命の再会!」

 

「あの時はずっと神威さんの話をしてたもんね。数日しか会ってないのに」

 

「やめてよ、ほのか」

恥ずかしくてそうは言ったものの、事実だった。

雫にとって、あの時の神威はヒーローみたいな存在に見えた。

その時も好意はあったかもしれないけれど、今ほど明確なものではなかった。

『もう一度会いたい』

そう夕陽に願い、六年越しに再会した。

そこからは......一目惚れと再認識。

あの時と変わらず、それ以上に優しく強い彼に雫は惚れていった。

 

「で、雫は告白とかしないの?」

英美に言われて、雫は首を横に振る。

 

「神威君に迷惑かけるだけだから」

 

「迷惑?でも、中神君って絶対雫のこと好きだよね」

 

「そう......かな?でも......」

神威は自分の家の事を歴史が長いだけと言っていたが、雫にはそれだけには思えなかった。

許嫁がいるんじゃないか、自分は相応しくないんじゃないかと思っていた。

神威が隠し事をしていることに雫は気づいていたのだ。

 

「雫の思ってることは分かる気がする。神威さんって謎だらけって感じするもんね。歴史のある家だって聞いたから、もしかしたら許嫁とかいるかも......」

ほのかが自分と同じことを考えていた事に雫は驚いた。

 

「許嫁がいそうな家なの?全然知らないんだけど......」

ここにいるメンツで中神家が都市伝説にもなっている五神家だと知っているのは三人だけ。

その三人の一人であるほのかは、それとなく口止めされていたからか

「うーん、実家は京都らしいから歴史が長くてもおかしくないし、歴史のある家なら許嫁がいてもおかしくないんじゃない?」

とはぐらかすように答えてしまう。

 

「さすがにそれは偏見過ぎないかしら?

許嫁がいそうっていうのもほのかの思い込みな気がするわ」

 

「許嫁がいてもいなくても......私はまだ告白しないよ?

今は九校戦に集中したいから」

それは嘘ではなかった。

けれど、それ以上に神威が悩んでいることが気になっていた。

その悩みが神威の隠し事と繋がっている気がしていた雫は、神威がいつか話してくれると信じていた。

根拠はない。自意識過剰と言われても仕方ない。

けれど、そんな気がしてならなかった。

だから、今は待つ。

そう決めていたのだ。

 

 

 

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