魔法科高校の劣等生-黄龍の異端児-   作:愚者ぺら

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入学編
第一話 運命の再会


「やっとついた~」

俺はとある高校の校門前で呟いた。

 

一高......国立魔法大学付属第一高校。

魔法が伝説やお伽噺の産物ではなく、現代の技術となってから一世紀が経とうとしている。

そんな現代の技術である魔法を学ぶことができるのが国立魔法大学付属第一高校だ。

 

 

俺、中神神威は今日からこの一高の生徒だ。

しかし、俺が一高に入学するのはただ魔法を学ぶだけでは無かった。

 

 

 

俺の家は『中神』という家で『五神家』なんて呼ばれてる家の一つ。

『五神家』は『中神』『東神(とうがみ)』『西神(にしがみ)』『南神(みながみ)』『北神(きたがみ)』の五家からなり、

魔法が現実の技術となる遥か昔から影で日本の、それぞれが名につく方角を守っていきた。

ちなみに中神は中央を守るとされ、五神家のなかで最も力を持っている。

 

また、五神家には神獣の加護があるとされ、

中神は黄龍、東神は青龍、西神は白虎、南神は朱雀、北神は玄武の加護があると言われている。

 

 

 

そんな影の存在である五神家の存在を知っているのはごく一部の人間のみ。

十師族と呼ばれる家の人間の中にはそこそこいるんだけど。

 

そして知っている人間がいれば何処からか洩れる可能性がある。

古くから積み重なった噂は徐々に大きくなっていき、五神家は『日本を裏で操る五家』として都市伝説となっていった。

 

 

 

 

そんな中、俺は父からある申し出を受けた。

「何か用でしょうか?」

俺は初老の男に声をかけた。その初老の男こそ、俺の父にして、中神家現当主『中神黄龍』。

 

「神威、お前には黄龍の名を継ぐ最終試験として、一高に入学してもらう」

 

「なぜ一高なのでしょうか?」

父に訊ねると

「一高には同世代で大きな力を持っているであろう魔法師が何人もいる」

と答える。

そして、間を置いて、

「そういう環境でお前は己の力をどう扱うかを考えなさい」

と告げた。

「......はい」

俺は短く答えた。

 

 

 

◇

 

 

 

そして、現在に至るわけだが......正直早く着きすぎたようだ。

とりあえず、何処かに座って読書でもしようか......。

 

 

 

 

ベンチに座り、読書をしていると

「ちょっといいかしら?」

と声をかけられた。

ふと顔をあげると一高の生徒と思わしき女性が立っていた。

 

「驚かせてしまったかしら?」

 

「いえ。それでなにか用ですか?」

そう訊ねると

「用と言う訳ではないのだけど、そろそろ講堂に向かったほうがいいわよ」

と言われた。

 

「そうですか、それは親切にどうも。え〜っと......」

言葉を詰まらせると

「あ、私は生徒会長の七草真由美です。七草と書いてさえぐさと読みます」

と自己紹介をした。

 

七草......十師族か......。

十師族とは日本最強の魔法師集団。

二十八家の中から四年ごとに十家が選ばれる。

七草がどうかは知らないが、十師族の中には五神家を敵視している者もいるらしい。

 

七草真由美はそんな十師族の一つ、七草の長女だと聞いている。

 

「ご丁寧にありがとうございます。自分は中神神威と言います」

と自己紹介する

すると、彼女は一瞬の驚きの表情を見せたものの

「あら、それならちょうどよかったわ。入学式の後に生徒会室に来てほしいの」

と平然と告げた。

 

「はあ」

と曖昧に返事をする。

「じゃあ、待ってるからね~」

そう言って七草先輩は何処かへ行ってしまった。

 

とりあえず、俺も講堂に向かおう。

 

 

 

だが、講堂に行くと自然とため息がでた。

俺は呆れていた。

一科生と二科生ではっきり分かれていたのだ。

 

二科生とは一科生が何らかの理由で退学した場合の補欠要因だ。

二科生は制服の胸と肩に八枚花弁のエンブレムがない為、ウィード(雑草)と呼ばれている。

また、二科生は一科生とは違い、教師から魔法実技の個別指導を受けられないという制限もある。

 

そんなこともあり、生徒の中には差別意識を持つ者もいると聞いていた。

だが、それが新入生にもあるとは.......。

これは一科生だけでなく、二科生にも問題があるようだ。

 

そんなことを考えながら席につく。

 

 

 

そして、入学式が終わり、俺は運命の再会を果たすのだった。

IDカードの交付とクラス分けが行われる。

 

 

人混みの中、俺は人にぶつかりカードを落としてしまい、それを一人の少女が拾う。

「ゴメン、拾ってくれてありがとう」

そう言って受け取ろうとするが、少女は固まったように動かない。

 

「あの......」

 

「......中神......神威」

少女は俺の名前を呟いた。

 

「お願い......叶った。やっと......会えた」

 

「え?」

 

「もしかして......覚えてない?」

 

「え?え?」

 

「......六年前の海での約束」

少女は小さく呟いた。

その言葉を聞いて俺はハッとした。

 

「もしかして......雫か!?」

 

「正解、久しぶり神威くん」

 

「十年ぶりか......。約束果たせなくてゴメンな」

 

「ううん、いいの。手紙読んだよ、大変だったんでしょ?」

俺は十年前のあの日、何も言わずに帰る事が申し訳なく、手紙を残していた。

そこには母のこと、約束を果たせない事を記していた。

 

「それに、こうして再会できた」

 

「確かに......そうだな」

 

 

「雫~、先行かないでよ!」

そう言って一人の少女が駆け寄ってきた。

 

「あっ......ゴメン、ほのか」

 

「あれ、その人は?」

ほのかと呼ばれた少女は俺を見て雫に訊ねる。

 

「中神神威です、よろしく」

 

「神威さん......あ!あなたが雫の......」

 

「......ほのか」

そう言って雫はほのかを制止する。

 

「それで、君は?」

 

「あ、光井ほのかです、雫とは幼なじみなんですよ」

 

 

 

この出会いは俺の学園生活を大きく左右する出会いの一つ。

その中でも特に大きな出会いだった。




オリ主と雫のイチャラブが見たいという声が何件かありましたが、
入学編は無理です。どうやっても雫を本筋に絡ませられない。

なので、さっさと入学編投稿終わらせます。
リメイク前も入学編は短かったですが。

とりあえず、入学編は週2投稿を目指します。
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