魔法科高校の劣等生-黄龍の異端児-   作:愚者ぺら

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第十九話 モノリスコードの罠

九校戦七日目。

最大の注目競技、モノリス・コードの新人戦予選リーグが行われていた。

俺もモノリス・コードのメンバーに選ばれていた。

昨日、大注目選手の一条将輝を倒した俺が出るとあって、それなりに関心を得ていた。

 

そして、それと同じくらい注目されていたのはミラージ・バット。

達也がエンジニアを務めた選手が結果を残している事で、そちらにも注目が集まっていた。

 

とは言え、俺のやる事は変わらない。

全力を持って勝ち抜き、優勝する。

それだけの事。

 

 

そして、当然余裕だった。

他二人はちょっと頼りないけど、俺の作戦通りに動いてくれれば問題ない。

そう思っていた。

しかし、二戦目の対四高戦で事件は起きた。

 

 

「おい中神!ボーっとするな」

森崎にそう言われて、試合に集中し直す。

しかし、強烈に嫌な予感していてうまく集中出来なかった。

一高への妨害がこれで終わりとは考えられない。

妨害の理由もよくわからないけど、もし一高に勝たせないようにするのが目的なら新人戦で全く妨害なしとは考えられないし、そろそろ来てもおかしくない。

 

それにしてもよくわからない。

一高だけを妨害して何の得があるんだ?

 

 

うまく考えがまとまらない中、試合開始の合図が鳴る。

と同時に、魔法が飛んできた。

くっ!

咄嗟に防御魔法で二人を守るが、すぐに意識が飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると見たことのない天井がそこにあった。

痛っ!

身体を起こそうとすると身体に一瞬だけ痛みが走る。

 

「あっ、兄様!」

 

「桜華......俺は......」

 

「モノリス・コードの試合中に大怪我を負ったんです。憶えていますか?」

そう言う事か。

時計を見ると、今は夜七時。

今の痛みは治りきる前に目が覚めたからか。

 

「そうだ!他の二人は!?」

 

「大丈夫です。無傷とはいきませんでしたが、命に別状はないそうです。さすが兄様、自分より他者を守る事を優先するとは。

それにしても許せません。四高の生徒、夜襲してもいいですか?」

 

「いいわけないだろ。彼らは利用されただけなんだから。

今奏司が追ってる奴らが裏にいるのは明白。ターゲットが一高だと言う事もね」

相変わらずわからないのは目的。

今回の件で標的が一高ってのは確定した。

けど、そこに何のメリットがあるんだ?

 

なんにせよ、まだ何か仕掛けるつもりだとすれば危険だ。

一高の生徒への被害は最小限で済んでいるけど、次が同じとは限らない。

九校戦そのものを潰しに来た時の被害は考えるまでもない。

早めに潰すべきか。

 

「兄様?どうかなさいましたか?」

 

「桜華、今回の件も含めて九校戦の一連の事件を奏司にも共有しておいてくれ」

 

「それが兄様の願いなら。私は兄様の妹ですから」

目的がわからない今、出来る事はより多くを守ること。

そのために手をうつしかない。

 

 

ガラガラッ。

病室の扉が開くと、雫が立っていた。

俺が起きている事に驚いたのか、一瞬止まる。

けど、すぐに駆け寄ってきて

「神威くん......よかった、無事で......」

と涙をこぼしていた。

俺はそんな雫に

「大丈夫だよ。俺はそう簡単にはくたばらないさ」

と声をかけ、頭を撫でた。

 

 

 

しばらくして落ち着いた雫に

「九校戦の方はどうなった?」

と尋ねた。

 

「モノリス・コードは特例でメンバーチェンジするって」

 

「メンバーチェンジ?」

優勝を狙うならメンバーチェンジしても意味がない。

一高一年の残りの選手で一条率いる三高を倒せるとは思えない。

七草先輩や十文字先輩もそれを分かっているはずだ。

なのに、どうして?

 

「雫、代わりは誰が出るんだ?」

 

「達也さんと応援に来てた二科生の二人。確か......」

 

「レオと吉田か」

あの二人の実力はよく知らないけど、達也が選んだのなら勝算があるんだろう。

それに達也の戦いが観れるなら......

「負傷した甲斐があったな」

 

「神威くん、そんなこと言わないで。私すごく心配したのに」

 

「あ、ごめん雫。でも、達也が九校戦に出るなら良かったかもって思ったんだ」

 

「どういうこと?」

 

「達也が自分を卑下する理由は二科生だからってのがあると思うんだ。今回エンジニアに選ばれて、生徒会や一年の一部生徒には実力を分かってもらえたけど、結局一部でしかないんだ。余計によく思わない人もいるだろうし。

けど、九校戦に選手として出て、一条将輝率いる三高に勝てば周りの目も変わるかもしれない。そうすれば、ちょっとはいい方向に向くかなって」

 

「そっか......そうなるといいね」

 

「ああ、そうだな」

そこは友人としては気にしている部分であるのも事実。

けどそれ以上に、司波達也がどう戦うのか、どんな戦いを見せてくれるのかが楽しみだった。

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