魔法科高校の劣等生-黄龍の異端児-   作:愚者ぺら

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第二十二話 東神の戦い

最終日を待たずに九校戦の総合優勝を決めた一高。

しかし、祝賀パーティーは明日以降。

理由は最終日のモノリスコード決勝戦の準備の為だった。

予選一位でトーナメント進出となれば、選手もスタッフも忙しい。

ただ、モノリスコードに関係のないメンバーは暇を持て余してる状況だけど。

 

そんなメンバーが集まってプレ祝賀会的なお茶会が絶賛開催中だった。

ミラージュバットで優勝し、一高の総合優勝を決めた深雪さんを中心に囲んで会長と鈴音さんが仕切り役となって。

参加者は女子の選手・スタッフが中心だが、一年男子もちらほらいる。

ちなみに二、三年の男子は明日の試合準備らしい。

 

俺はというと、当然雫に誘われたのでお茶会に参加中だ。

ただ、達也の姿は見えなかった。

こちらの情報通りに敵の拠点に攻め込むのだろう。

 

「神威君、何か悩み事?」

雫が唐突にそう尋ねてくる。

 

「いや、そんなことは......」

そこまで言って桜華の言葉を思い出した。

覚悟を決めるはまだ難しいし、すぐに全部は話せないけど、これはチャンスかもしれない。

 

「うん、ちょっとね。仲間がそろそろ作戦を開始する頃だなって」

周りに聞こえないように雫に伝える。

 

「作戦?」

 

「今回の事件の首謀者を叩く作戦。色々迷惑かけられたからね。きっちりお返ししないと」

 

「危なくないの?」

 

「危なくないとは言い切りないけど、彼なら安心して任せられるからね。どうにか明日のパーティーを邪魔されずに済みそうだ」

 

「そっか......」

 

 

 

 

 

 

俺たちがお茶会を楽しんでいる頃、彼......東神奏司は動き始めていた。

横浜の中華街にあるとある高層ホテル。

そこに奏司はいた。

 

「奏司さん、指示通りにお願いします」

 

「分かっている。四葉のガーディアンが来るまでにケリをつけるんだろ?どういうつもりかは知らんが、それが当主からの命令ならやるだけだ。なあ、桜華」

 

「はい、彼が到着するまであまり時間がありません。手早く済ませてください」

 

「情報を渡しておいて、来る前に片付けるのか。アイツの考えは相変わらずよくわからん」

 

「五神家の......中神家の人間としてのケジメだそうです。それほどまでに奴らは兄様を怒らせてしまったと言うことだと思いますよ?」

 

「ますます分からん。アイツも当主も五神家の解体を望んでるんだろ?ならわざわざ五神家の役目に従う必要もないだろうに」

 

「今は五神家の人間である以上使命を全うする。それだけのことです。奏司さんは反対ですか?五神家の解体に」

 

「中神を除く四家もその意思には賛成している。俺個人としても賛成している」

 

「では、来年度からは奏司さんも兄様の手伝いお願いしますね」

そんな会話をしながら二人は目的の部屋にたどり着く。

 

 

「桜華、頼む」

 

「はい。無限の夢幻へ(いざな)いましょう」

桜華がそう唱え、奏司が扉を開ける。

すると、眠りにつく数人の男たちと慌てる一人の男がいた。

 

「邪魔するぞ、無能龍さん」

 

「な、なんだ貴様らは!?」

 

「知り合いがずいぶんと世話になったみたいなんでな。そのお礼をしに来た」

 

「まさか貴様らがジェネレーターを取り押さえた餓鬼どもか!?」

 

「正確にはその仲間だ。俺はそちらに参加していない」

 

「くっ、十四号!十六号!」

 

「残念だがご自慢のジェネレーターはおねんねの時間だ」

 

「きっと素敵な夢を見ていますよ、ふふっ」

 

「ジェネレーターにそんなものが効くはずが......」

 

「感情を持たない者にも効く幻というのはあるんですよ。

例えば四方を壁に囲まれる夢。もちろん夢ですから魔法を撃とうにも現実の身体は動きません」

 

「ちゃっちゃと終わらせようか?」

奏司がそう語りかけた瞬間、電話が鳴る。

 

「ありゃ、思ったより早かったか」

そう言って奏司が電話を取る。

 

「ハロー、司波達也。こうして話すのは初めてかな?」

 

『無頭龍......ではないな?何者だ』

 

「東神奏司。ブランシュの一件では世話になったな」

 

『神威と一緒にいたやつか』

 

「私もいますよ〜」

 

『その声は......桜華。そういうことか。情報提供者というのは五神家か』

 

「そういうこと。一番偉そうな奴以外は夢の中だ。俺が手を下す前に到着した褒美としてコイツはくれてやる。煮るなり焼くなり消し去るなり好きにするといい。

ほら、電話だぞ」

そう言って奏司は唯一の生き残りと電話を変わる。

 

「じゃあ、俺たちはこれで。さようなら、永遠に」

そう告げて、二人は闇に姿を消した。

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