魔法科高校の劣等生-黄龍の異端児-   作:愚者ぺら

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来訪者編のアニメが始まりましたが、こちらはまだ横浜騒乱編です。
これからも不定期&超スローペース更新なのでアニメが終わる前に来訪者編に入れたらいい方だと思ってください。




横浜騒乱編
第二十八話 新しい季節


当主継承が三月に行われることを告げられたり、無事に雫と付き合うことになったりと忙しかった夏休みも終わった。

中条先輩を新生徒会長に据えた新体制の生徒会が発足した一高の初っ端から忙しい二学期も一週間が過ぎた。

 

 

俺、雫、ほのか、深雪さん、達也、エリカ、レオ、美月さん、幹比古という本来あまり見ることのない一科と二科の組み合わせはすっかり日常化していた。

この日は職員室からの要請で三限目の途中から生徒会室でデータベースを漁る羽目になり、新生徒会役員となったほのかが手惑い、ランチタイムに少し遅れてしまったのだ。

そんなわけでほのかが絶賛凹み中。

 

「そういえば雫と神威くんは付き合い始めてどう?」

話題を変えようとエリカがこちらに話を振る。

振り方が雑すぎな気がするけど......いいか。

話題を変えることが重要なわけだし。

 

「どうって言われても、そんな変わんないよ。ほとんど今まで通り。

元々下校の時は途中まで一緒だったから。まあ、休日とかは頻繁に会うようになったよ」

 

「ヘェ〜」

にやけ顔でエリカが顔を覗き込んでくる。

 

「なんだよ」

 

「いや〜、神威くんも普通に男の子なんだなぁって思っただけ。

で?雫はこれのどこに惚れたのかな?」

 

「......色々あるよ?優しいし、強いし、カッコイイし、約束も守ってくれたし」

 

「うわぁ、ベタ惚れじゃん......。直して欲しい所とかないの?」

 

「今の所は......ないかな。隠しごとも減ってきたし」

 

「そういえば神威ってあんまり自分の事話さないよね。中神ってお伽話の中神家と関係あるの?」

 

「お伽話ですか?」

美月さんは幹比古の言葉に首を傾げる。

 

「あれ、知らない?遥か昔に日本を守る事を言い渡された五人きょうだいの話」

 

「うちの初代当主の話だね。さすが古式の名家。随分とマニアックな知識を持ってるね。

ただ......それ、ほとんどの人が聞いた事ないと思うよ」

 

「え、そうなの?」

 

「俺が聞いた事があるのは都市伝説だな。裏で日本を操る五家!みたいなやつ」

レオが言った通り聞き覚えがあるとすればそちらが多いだろう。

 

「神威くん、そのお伽話って......どんなの?」

 

「ん?遥か昔、ある権力者の夫婦に不思議な力を持った五人の子がいました。その五人の子の持つ力は強大だったため幽閉されてしまいます。

次男は北に、三男は西に、四男は東に、長女は南に。

そして最も強大な力を持つ長男は中央......都に。

それぞれ辺境の村に幽閉されましたが、村の者は彼らに優しくしてくれました。

両親以外に優しくされたのは皆、これが初めてのことでした。

幽閉されて数年後、五人は不思議な夢を見ます。

見た事のない不思議な生き物に国を守るように告げられる夢を。

しかし、五人は五人ともそれを断ります。

彼らには守る理由も意味も感じられなかったのです。

その直後、国を揺るがす脅威が訪れました。

最初は傍観する五人でしたが、彼らの前に再び不思議な生き物が現れます。

『このままでは貴方の両親も貴方に優しくしてくれた村の者たちも亡くなります。それでいいのですか?』

そう問われ、五人はそれぞれの地で大切な者を守るために力を使いました。

見事国を守り切った五人は幽閉を解かれ、守護者となりました。

それぞれ中神、北神、西神、東神、南神という姓を受け、代々この国を守っているのです。

って感じかな」

 

「それが五神家の成り立ちか」

 

「実際どうかは知らないけどね。あくまでお伽話だし。

幹比古以外にはもう言ってあるけど、大した家じゃないからね。幹比古もあまり萎縮しないで接してくれ」

 

「うん、わかった。改めてよろしく、神威」

 

こうして幹比古とも打ち解けられた昼休み。

桜華に毎晩のように話して聞かせていたお伽話を人に話すことになるとは思ってもいなかった。

多分、誰かに覚えて置いて欲しかったんだろう。

五神家という家があり、消えていく歴史を。

 

 

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