あぁ、お腹がペコさんですわ……

――そう心の中で呟きながら、ローズヒップは今日も街中を彷徨う。


―――――――――
あらすじにあるローズヒップの一言が全てです。

完全不定期更新、1話区切りの短編です。
ネタが浮かんだら更新します。

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Season.1
1.居酒屋『有暮居』焼き鳥盛り合わせと特製チャーハン


 少し肌寒くなってきた秋の空、道行く人々は天気予報に無かった突然の小雨を嫌がるよう足早に中心街の通りを進んでいく……

 そんな様子を私は、傘も差さずふらふらと道の端を歩きながら見ていましたわ。

 

 戦車道のお訓練が終わった後、おゆはんも食べずに街へ出た私の両手には、クルセイダーの修理用品や小さなパーツが詰まったビニール袋が雨水を弾きながらぶら下がっていましたの。

 

 でもそんな事はどうでもいいんですの。

 とにかく私がその時、びしょびしょになった髪や服に構うことなくぼさーっと歩き続けていたのには、重大な訳がございましてよ。

 

 あぁ……お腹がペコさんですわぁ……

 

 そんな事を呟く私のお腹は、それはもう大きな音でぎゅるるる、と鳴っていましたわ。

 でも私、いつ如何なる時も優雅に、という言葉を忘れてた訳じゃありませんの。

 ちゃーんと淑女らしく、堂々と胸を張ってがっぽがっぽとゆっくり歩きましたのよ!……でもそのせいで余計にお腹がペコさんになってしまいましたわ。

 

 そしてもうダメですわぁ、って水たまりの上でへたり込もうとしたら私の鼻に何かいい匂いが飛び込んできましたの。

 その匂いは紅茶の園ではあまり嗅げない、けど実家では嗅ぎなれたとっても素敵な、タレの焼ける香ばしい匂いでしたわ。

 

 そんな匂いに釣られて私は、歩いていた大通りからちょっと裏に入る横道にてくてくと歩き始めましたの。

 ちょっと薄暗くて、雨も降っていましたからジメジメと嫌な感じはしてたんですけど、私の足は止まりませんでしたわ。

 そして見つけましたの。

 

 『居酒屋 有暮居』

 

 そう書かれた暖簾を掛けるお店は、イギリスっぽい感じがする街中から外れた裏路地にぽつんとありましたわ。

 そしてその中からは、おじ様たちの笑い声といい匂いが漂ってきましたの。私はもう気づいたら重いビニール袋を持ったままそちらのお店の門戸に手をかけていましたわ。

 

「いらっしゃーい」

 

 若い女性の……そのお店の女将さんの声を受けながらお店の中に入ると、小さい佇まいながらもテーブルやカウンターにはサラリーマンのおじ様達がぎゅうぎゅうに詰まっているかのようにおビールやお酒を嗜まれていましたの。

 そしてそんなお店に入ってきた私を見て、女将さんやおじ様達はびっくりしたように固まっていましたわ。

 

 でも、そんな事はどうでもいいんですの、その時私はとにかくお腹がペコペコで、もうペコさんが10人ぐらいは私のお腹に集まっていましたわ。

 丁度そんな風にお店の中の皆様に見られている時にも、また私のお腹がぎゅるるるる……と鳴っちゃいましたの、そしたら女将さんは、瞬きを何回かしてからアッハッハと大声で笑いましたわ。

 

「あー、なるほど お腹が空いたのかい。いいさいいさ、酒は出せないけどこっちに座りな」

 

 ただ、笑われたと思ってたら女将さんは、ただでさえ狭いのにおじ様達を横へ押し込めて、カウンターの隅っこに一席設けてくれましたの。

 

 いい人ですわ~、と思いながら私はその空いた席に座ると、先ほどから香ってくるタレの匂いの正体がカウンター越しに見えましたわ。

 隣に寄せられたスーツを着たおじ様も、おビールと一緒にその正体を頼んでたみたいで美味しそうにそれをぱくりと私の隣で食べていましたの。

 

 それが無性に輝いて見えて、私は口からよだれを少しだけ、ほんとに少しだけ垂らしながらきょろきょろとメニューを探しましたわ、そして見つけましたわ。

 よだれが垂れていることに気付いた私は慌てて口元を袖で拭いてから私は大声で注文しましたの。

 

 私をこの場所に導いてくれたものの正体、それは……

 

「すみませーん!ですわ! 焼き鳥盛り合わせをお一ついただきたいですわ!……あ、あとおコーラ!」

 

「はいはーい」

 

 じゅうじゅうと炭火に焼かれ、焦げ目をつけながらタレの匂いを辺りに漂わせる焼き鳥。

 

 あの時は、焼き鳥がまるで優雅に気品を漂わせるダージリン様のように見えましたわ。

 周りのおじ様達が話す声に耳を立てて空腹をなんとか紛らわせていると、カキッと瓶の王冠を開ける音がカウンターの向こうから聞こえましたの。

 

 なんとなく、私の目の前にそっと置かれた箸を見ていた顔を上げてそちらへ目をやると、ちょうどコップと瓶に入ったおコーラが私の前にコトンと音を立てながら置かれましたわ。

 

 おコーラの瓶は私の髪のようにちょっぴり濡れていて、でも触るとひんやりしていて気持ちよかったですわ。

 その瓶とコップを手に取って、隣のおじ様がご自分でおビール瓶をコップに傾けるように私もコップにおコーラを注いでいきましたの。

 

 あの時はほんのちょっぴりワルになったようで、思わずちょっとニヤけてしまいましたわ。

 そしてそのまま隣のメガネを掛けた七三分けの、なんとなーくどっかで見たことあるようなおじ様の真似をするようにコップを一緒に傾けておコーラを飲んだりしたり、掛けてもいないメガネを正すように目元をクイッとしたりして遊んでましたわ。

 今考えると少しはしたない行動ですわね、反省しますですわ。

 

「はいよ、お待ちどうさま」

 

 そうこうしていると女将さんは私の前に再びコトン、と何かを置きましたわ。

 メガネのおじ様の方をじーっと見ながら遊んでいた私は、すっかりこうして気を紛らわしていた理由を忘れていましたの。

 

 そちらへ目をやると、それはもうその瞬間再び私の口からよだれが溢れそうになりましたわ。

 お皿に乗っていた焼き鳥は全部で8本ありましたわ。

 塩を振られたねぎまが2本、タレを付けて焼かれたつくねが2本、塩とタレのレバーがそれぞれ1本ずつ、同じく塩とタレの鳥皮が1本ずつ。

 そして長方形の小奇麗な黒いお皿の上には小さいうつわが置いてあって、その中にはうずらの生卵が一つ溶かれていないまま入れられていましたわ。

 

 私は、一瞬見初めたかのようにその焼き鳥盛り合わせをただ眺めていましたが、口元を伝う何かを感じるとすぐにお手々をあわせていただきますをしましたの。

 

 まず私が手を取ったのは、ねぎまでしたわ。

 

 お皿に乗った状態では分かりませんでしたが、手に取って口に近づけると仄かに炭火の少し煙っぽい、でも野趣溢れる混ざりっ気を感じさせないシンプルな香りが鼻腔をくすぐりましたわ。

 そのままお口の中に入れると、焼きたてだから当然なのですけれどもとっても熱くて、はふはふと息を洩らしながら思わず手を口に当てて、目をぎゅーっと瞑ってしまいましたの。

 

 その様子を見て女将さんは「ゆっくり食べな」と笑いながら私に話しかけてきましたが、もうそれどころじゃありませんでしたわ。

 少しふーふーしてから二口目を食べると、今度はちゃんと味が分かりましたの。

 もう口の中に広がる塩気と鶏肉のさっぱりしたお味、それにねぎのシャキシャキとした食感がたまらなかったでございましたわ。

 

「おいひいでふわぁ……」

 

 と少しお下品に呟きながらぱくぱくと食べていたらすぐに1本目は食べ終わっちゃいましたの、だからまたねぎまに手を伸ばしたのですが、それもすぐに平らげてしまいましたわ。

 

 じゃあ次に、と手を伸ばそうとしたんですけれど、2本を立て続けに食べたら、ねぎまの塩に水気が取られちゃったみたいで喉が少し渇いちゃいましたの。

 だからおコーラを少し飲んだら、ちゃーんとしゅわしゅわとした感覚が喉や口の中をさっぱりさせてくれましたわ。

 

 おコーラの甘味と清涼感を口内に残したまま、改めて私が手を伸ばしたのはレバーですわ。

 

 レバーは私、少し大人の味なイメージがあったのですわ。

 だからおコーラの甘みが残っている内に勝負に出ておかないとお残ししちゃうと思ったんですの。

 それに塩のレバーなんて、おじ様達が食べているところしか見たこともなかったのでまずはこのレバーに挑戦したんですわ。

 

 少しどきどきしながらその塩レバーを手に取ると、所々焦げ付いた赤煉瓦のようなその見た目に思わず顔をしかめてしまいましたの。

 幸い誰にも見られていないようで醜態を晒さずには済んだのでございますが、ちょっと躊躇してしまった私は目をつぶってぱくっと串についているレバーの一つにかじりつきましたわ。

 

 すると煉瓦なんて思っていたレバーはあまりにも簡単に、咥えようとしましたらちょっと歯に力を入れただけでまるでカスタードプリンのように切れてしまいましたの。

 なのにお口の中に入ったレバーの切れ端はぷにぷにとした歯ごたえを確かにもっていまして、その上ちっちゃい頃パパ……コホン、お父様のおつまみをつまみ食いした時に感じた苦味などは一切なくて、細い糸が無数にミルフィーユのように重なったその食感はお塩の味も相まってとても不思議なお味でしたわ。

 

 こんな食べ物もあるんだと、今度は半分くらいになった一番上に刺さってるレバーともう一つ下に刺さってるレバーを一緒に頬張ると今度はレバー本来のお味、ちょっぴり苦いけどクリーミーで、舌でとろけて、ほんとに初めて食べるお味が広がりましたわ。

 それがもう美味しくて美味しくて、またパクパクと食べてしまうと今度はタレのレバーに手を伸ばしましたわ。

 

 もうレバーへの抵抗もすっかり無くなっていた私は、そのやや黒みがかって鈍く店内の光を反射する一番上の一つに噛みつきましたの。

 そしたら今度は、タレの甘味がアクセントになってレバーの苦味が引き立ち口の中へ広がりましたわ。

 美味しくないわけではないのですけれど……いえ、やっぱりちょっと私のお口には合わなかったそのタレのレバーはなるべくあまり噛まずにおコーラと一緒に飲み込んで誤魔化しましたわ。

 

 だけど、タレのレバーも食べ終わると同時におコーラが空になってしまい、口の中に苦味がまだ残っていたので追加のおコーラを頼んだ時に他のおじ様達をちらっと見てみたら、おじ様達はレバーをタレでご注文なさってる方達が大勢いましたわ。

 理由はよくわかりませんけど、おビールと一緒に美味しそうにおじ様達はタレのレバーを食べていましたので、やっぱりレバーは大人の味なんだと思いましたわ。

 

 新しいおコーラを女将さんから受け取って、コップ一杯分おコーラを飲んでから次に私が手を伸ばしたのは鳥皮ですわ。

 

 私、鳥皮とつくねが焼き鳥の中では大好物で最後までとっておきましたの。

 一人でのごはんはちょっぴり寂しいですけれど、こういう贅沢が出来るのはいいですわね……でもやっぱり皆様と一緒にごはんを食べたいですわ。

 そんな事を考えながらも私はまず塩の鳥皮に手を伸ばしましたわ。

 

 最後に食べようと残してあるつくねはタレしかありませんし、だったらタレの味をお口が覚えちゃう前に塩味を全部食べてしまおうという戦略ですわ。

 ひょいっ、ぱくっ、と味を知り尽くしていると思っていた私は何も考えずに鳥皮を一気に数枚頬張りましたの、そしたら衝撃でしたわ。

 

 表面がカリカリに焼き上げられていた、黄金色の焼き目を持つ鳥皮を口の中で噛み締めていますと急に肉汁がぶわーっと溢れ出てきましたの。

 びっくりしちゃいましたわ、こんなにカリカリならもう油は全部落ちてると思ってたですわ。

 

 それに油はしつこくなくて、炭火のいい香りを舌に伝えながら蒸発するように消えてしまいましたの。

 でもまた一回噛めば油が出てきて炭火の風味が広がって消えて、また噛んだら炭火の味が広がって消えて、なんか面白かったですわ。

 

 そんな風に楽しんでいたらあっという間に塩味の鳥皮はなくなっちゃいましたの、しょうがないから今度はタレの鳥皮を……と、思ったんですけれどここで問題が起きたんですの。

 

 ……足りない、足りないですわ。

 

 残りの焼き鳥は3本、でもまだまだお腹が全然一杯になっていなかった私はどうしようか悩みましたわ。

 それに、こんなにタレのかかった焼き鳥だけを食べると飽きちゃいますわ、と考えた私は一度手をカウンターに置いて辺りを見渡しましたわ。

 

 そして壁に貼られているメニュー表や、おじ様達が食べているものをよく観察していると一つ気になるものを見つけましたの。

 

「チャーハン、ですわ?」

 

 居酒屋というものはよく存じ上げないのですけれど、こういった小さな個人で営んでいらっしゃる居酒屋さんにあるイメージが無かったチャーハンですわ。

 

「あぁ、この店のオススメよ 得意料理だからね」

 

 と、私の声に出てたらしい疑問に女将さんは答えてくれましたわ。

 ちょっと恥ずかしかったり、お忙しい中せっかく答えてくださったのを無下に出来なかったりした私はチャーハンを頼むことにしましたわ。

 よく食べるねぇ、とまた笑われてしまいましたが背に腹は代えられませんわ。

 というかそのお腹が空いているんですし。

 

 チャーハンを待ちながら私は、なんとなく鳥皮ではなくつくねに手を伸ばしましたの。

 

 所々黒く焦げ目のついた小判型のつくねはまだじんわり温かくて、串に伝わってくるわずかな熱を感じながらそれを半分ほどお口に含んで噛み切りましたの。

 

 最後まで取っておいたせいか、つくねの中にまでタレが染み込んでいたのですが、逆にそのタレのお味は肉汁と絡んで一緒に私の舌に溶け込んできて、とっても美味しかったですわ。

 切り口からお皿に零れる肉汁を少しお下品ですけどもったいないと感じるレベルでしたですわ。

 

 ただ、流石に聖グロリアーナの生徒がそんな事を考えていると思われてはいけませんから、すぐに目をそらしてばくばくとつくねを食べていきましたわ。

 

「はい、チャーハンお待ち」

 

 少し食べる事に夢中になっていましたので、つい先ほどまで店内に響いていた中華鍋を叩くガコン、ガコンという事が聞こえなくなっていたことに私はこの時まで気づきませんでしたの、うぅ、恥ずかしい失態ですわ。

 ただ、はっとした私の前に置かれた、縁の盛られた丸いお皿の上に盛られたチャーハンを見るとそんな恥ずかしさも消し飛びましたわ。

 

 見た目はほんとに普通のチャーハンでしたが、逆にこんなにぱらぱらとしたチャーハンが居酒屋さんで食べられるとは思っていなかった私はまたびっくりしちゃいましたの。

 

 残った焼き鳥に手を伸ばす前に私は、その白基調の赤色で縁取られてお皿に乗っているチャーハンに添えられたレンゲに手を伸ばしましたわ。

 

 一口掬ってお食べになってみますと、見た目通りぱらぱらとしたお米の食感もなんですけど、その隠し味の風味が凄かったんですの。

 うめ、うめですわ!と心の中で叫びましたわ。あ、美味しいって意味じゃなくて梅、うめぼしが入っていたんですの。

 

 タレの甘みで少しお馬鹿になっていたお口の中を、梅干しの引き締まるようなお味が駆け巡って一気に味覚がリセットされた感覚になりましたわ。

 もうその後はばくばくと、それはもう聖グロ一の俊足の名に恥じない食べっぷりで一気にチャーハンと焼き鳥を掻きこんでいきましたわ。

 

 特に最後の方に食べた、残ったチャーハンにつくねと鳥皮を乗っけて一緒に食べた時がすっごい美味しかったですわ。

 最初にタレの甘みが飛び込んできて、次に肉の甘みとチャーハンのしょっぱさ、最後にきりっとうめぼしが口の中を引き締める。

 

 まさに一糸乱れぬチームプレーにあの時は、英国擲弾兵をかき鳴らしながら進んでいく戦車の隊列が脳裏を過ぎりましたわ。

 

 あ、そうそう。

 そうこうして食べ終わって会計するときに女将さんから話しかけられましたわ。

 

「はいお釣りね ……ねぇ貴女、聖グロで戦車道やってるの?」

 

「うぇっ!?どうしてわかりましたの!?」

 

「その制服と荷物 それ、戦車の整備用でしょ」

 

「そうですわ! ……あ、あの ここでご飯食べたことはどうか内緒にしていただけませんこと……?」

 

「え?あぁ、大丈夫よ 私も元聖グロ生だしその辺は分かってるわ ……ねぇ、戦車道 楽しい?」

 

「? えぇ、もっちろんですわ!ダージリン様とご一緒に戦車道を行えることが私の一番の幸せですのよ!」

 

「そう、ふふっ 頑張んなさい……次はお酒が飲めるようになってから来なさいね」

 

「あ、はいですわ! ごちそうさまでしたですわ!」

 

 綺麗な金髪を三角巾からわずかに覗かせる女将さんに見送られてから、私は満腹になったからか身体中が幸せでいっぱいになって、思わず雨の止んだ空を見上げながら帰途につきましたの。

 

 

***

 

 

「っていう理由で……その……おゆはんは要りません、ですわ……」

 

「はぁ……全く いつもなら我先に食堂へ走っていく貴女が、突然夕食は要らないなんて言うから具合が悪いのかと思えば……」

 

「いいじゃないのアッサム、外で済ませて来るのも良い気分転換になるわ それに、ローズヒップも自分なりに聖グロリアーナの生徒としての自覚は持っているようだし、ね?」

 

「でも、本当に体調不良とかでは無くて安心しました」

 

「うぅ……皆様にご心配をおかけして申し訳ありませんですわ……」

 

「いいのよ、元気な貴女が見られれば それよりローズヒップ、貴女には他にやるべきことがあったんでは無くて?」

 

「あっ!やべぇですわ! 訓練の後からずっと整備の人を待たせてたんでしたの!あわわ……」

 

「ふふっ…… ペコ、一緒に謝りに行ってあげなさい」

 

「分かりました! じゃあローズヒップさん、行きましょうか」

 

「あ、ありがとうですわオレンジペコさん! それにダージリン様!アッサム様!」

 

「では行って参ります、ダージリン様」

 

「えぇ、行ってらっしゃい」

 

「ローズヒップ?次からはちゃんと連絡を取るか、まっすぐ帰ってくるのよ?」

 

「はいですわアッサム様!じゃあ失礼いたしますわー!」

 

 

(ガチャッ バァンッ!!)

『ろ、ローズヒップさん!扉はもう少し静かに……』

『あっ!ごめんあそばせ!』

 

 

「……ねぇ、アッサム こんな格言を知ってる?『いつかできることは、すべて今日でもできる。』……私もたまには、」

 

「ダージリン」

 

「もう つれないわねぇ、アッサム」

 

「……それにしても」

 

「やめてアッサム ……あの子、レポーターに向いているわね」



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