それでは第三話、二日目をどうぞ♪
Aクラスへの宣戦布告、それは現状のFクラスでは不可能と呼べるほどの提案にしかFクラス一同(明久達5人を除く)は思えなかった。
「勝てるわけがない」
「これ以上設備を落とされるなんて嫌だ」
「姫路さんと麻井さん達がいたら何もいらない」
「そんなことはない。必ず勝てる。いや、俺が勝たせてみせる」
雄二は圧倒的な差を知りながらも、尚宣言する。
「何を馬鹿なことを」
「できるわけないだろう」
「何の根拠があってそんなことを」
否定的な意見が教室に響き渡る。確かに普通ならFクラスが、Aクラスに勝てる勝算など皆無に等しい。そう、普通ならばの話だ。
「根拠ならある。このクラスには試験召喚戦争で勝つことのできる
雄二はそう言って、不敵な笑みを零す。
「それを今から証明してやる」
そう言った後、とある人物を見る。
「おい、康太。畳に顔をつけて姫路と麻井姉妹のスカートを覗いてないで前に来い」
「………!!(ブンブン」
「は、はわっ!」
「土屋君、また覗いてたの?」
「………!!(ブンブン」
「仕方のない方ですの」
「………!!(ブンブン」
「因みに何色だったのかな?」
「姫路が水色、麻井長女が黒、麻井次女がスパ………なんでもない」
「あはは……、取り敢えず土屋君。前に行った方がいいと思うよ?」
因みにこの間に雄二の額に血管が浮かんだのはご愛嬌である。
「土屋康太。こいつが、あの有名な
「………!!(ブンブン」
「そんなっ! 私達のあんな写真やこんな写真を撮ったのに!? 騙されたぁ!」
『なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』
「………!!(ブンブン」
「美紗! 今は巫山戯るのをやめてくれっ!!」
「美緒ちゃん、美紗ちゃん、美沙ちゃん! ふしだらです!!」
「瑞希ちゃん。良い女になるには自分の容姿を理解してそれを武器にしなきゃダメだよ~?」
「人の話を聞きやがれぇぇぇぇぇぇ!! てめぇらぁぁぁぁ!!」
「「「あははは………」」」
Fクラス全体を巻き込んだコントに、明久、美沙、秀吉は乾いた笑いしか出なかった。余談だが、雄二はこの時半ば心が折れかけていたという。
「姫路と麻井達のことは説明する必要はないだろう。皆だってその力は知っているはずだ」
「えっ? 私ですかっ?」
「ああ。ウチの主戦力だ。期待している」
「私達は基本後方待機になるかなぁ~。前線に出たら一方的な虐殺にしかならないし」
「何を言ってるんだ。お前達は前線に出てもらうぞ?」
「私達じゃなくても良いんじゃない? 衛宮君だっているし」
「お、俺っ!?」
「ああ。衛宮だってウチの主戦力だぞ? 期待しているからな」
「お、おう。精一杯やらせてもらう」
「木下秀吉だっている」
秀吉の名前自体は有名ではないが、演劇のホープとして有名で、実際の戦場ではその演技力から敵戦力の攪乱に最適だ。
「おお………!」
「ああ。アイツ確か、木下優子の………」
「当然俺も全力を尽くす」
「確かにやってくれそうな奴だ」
「坂本って小学校の頃は神童とか呼ばれていなかったか?」
「実力はAクラスレベルが六人もいるってことだよな!」
「それに、吉井明久だっている」
順調に士気が上がっていたのにも関わらず、明久の名前が一気に下がった。
「ちょっと雄二! どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ! 全くそんな必要ないよね!」
「誰だよ、吉井明久って」
「聞いたことないぞ」
「ホラ!折角上がりかけてた士気に翳りが見えてるし! 僕は雄二たちと違って普通の人間なんだからって美緒、美紗ちゃん、美沙さん? なんで僕を見るの?」
「アキ君の何処が普通の人間なの?」
「そうだね~アキっちの能力が人間の括りに当て嵌ると思ってるの?」
「能力的には人外に入りますの」
「ああ、知らないやつに教えてやる。こいつは『観察処分者』だ」
「………それって、バカの『ビッ!!(美緒達が大鉈を投げる音』『ドガァッ!!(投げた大鉈が卓袱台を壊す音』うわぁっ!」
「言ったよね~? アキ君に害する事は容赦しないって」
「それにアキっちは訳あって『観察処分者』になっただけであって、学力は貴方達に到底及ばないよ?」
「そうですの。瑞希さんが倒れたから無得点扱いになっただけで、本来ならAクラス代表になってたはずですの」
「その証明を一つしてあげる。アキ君。TNTの正式名称と化学式、形状、消防法での分類を答えて」
「解ったよ。美緒。
TNTは正式名称トリニトロトルエン、通常は2,4,6-トリニトロトルエン (2,4,6-trinitrotoluene) で、別名はトリニトロトルオールだね。化学式はC7H5N3O6。燃焼の化学式は2C7H5N3O6 →3N2 + 5H2O + 7CO + 7Cだね。
形状は黄色の個体。消防法では危険物第五類の自己反応性物質ニトロ化合物に指定されている。尚、火薬類取締法第2条により「火薬類」に指定されているため、製造、所持には法律による制限を受ける。ただし、第4条で定めるように理化学上の実験目的で経済産業省令で定める数量以下のものを製造する場合はこの限りでないので、理化学の実験の目的で極少量を製造することは可能である。こんなところでいいかな?」
「うん♪ 正解だよ」
「ほ、本当なのか………?」
雄二はそう呟いて、福原教諭を見ると、肯定を示した。
「どう? これで分かったでしょ?」
「あ、ああ」
「これ以上アキ君を馬鹿にする様だったら………」
美緒は立ち上がって周りを見渡す。
「ワタシタチニモ、カンガエガアルカラネ?」
『!?』
美緒がその言葉を言い放った瞬間に、明久、美紗、美沙を除く全員に悪寒が走った。それを見ていた美緒は無言で座った。
「あー。とにかくだ。俺達の力の証明として、まずDクラスを征服しようと思う」
雄二は気を取り直して周りを見る。
「皆、この待遇は大いに不満だろう?」
『当然だ!』
「ならば全員
『おおーっ!!』
「俺達に必要なのは卓袱台ではない! Aクラスのシステムデスクだ!」
『うおーっ!!』
「お、おー………」
瑞希は周りの勢いに乗せられる様に、だが小さく声を出しながら拳を上げた。
「明久にはDクラスへの宣戦布告の使者になってもらう。無事大役を果たせ!」
「下位勢力の死者って酷い目に会うのは知ってるからね? 雄二。僕は嫌だね」
「大丈夫だ。やつらがお前に危害を加えることはない。騙されたと思って行ってみろ」
雄二が自信満々に言うのに対して、明久はやれやれと苦笑しながらDクラスに向かった。
「あーあ、アキっち相当キてるねぇ~美緒お姉ちゃん?」
「それはもうしょうがないけど………『ガシッ(雄二の頭部を掴む音』」
「み、美緒!? 何を!!」
「お仕置きだよ? 『スッ(手を離して直ぐに太腿で雄二の頭部を固定して両脇に足を差し込む』」
「ま、前が見えねぇ!?」
「美緒ちゃん!? いくら何でもそれは破廉恥ですよぉ!!」
「せいやっ! 『ズガァンッ!(美緒が前に体を倒して雄二はそれに釣られる様に海老反りになって一回転して腹部から畳に叩きつけられる音』」
「がふぅっ!?」
「まだやられたいなら別のをやるけど、どうするの?坂本君?」
「ぐふっ。望むところだ………」
「美紗、美沙GO!」
「「はい
『タンッ(美紗と美沙がジャンプする音』
『ズダァンッ!(美紗と美沙が雄二の背骨にエルボー・ドロップをした音』
「おぉぉぉ………せ、背骨がぁぁぁぁぁ………」
「まぁ、こんなところかなぁ、それにそろそろ『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!(Dクラスからの悲鳴』っと終わったみたいだね」
美緒は畳に伏せた雄二を無視しつつ、明久の帰りはまだかな~と待っていた。
◆
「ふぅ、戻ったよ」
「
「うん。全然問題なかったけど………、なんで雄二は寝てるの?」
「それはね~、アキっちを使者に向かわせた制裁をした結果だよ」
「あはは………」
「吉井、本当に大丈夫?」
美波はそう言って、明久に近づく。
「平気だよ。心配してくれてありがとう」
「そう、良かった………。ウチが殴る余地はまだあるんだ………」
「ああっ! もうダメ! 死にそう!」
「島田さん? 私達の忠告をもう忘れたんだね?『ガシッ!(美緒が美波の頭部を掴んで持ち上げる』」
「いたたたたたたっ! 痛い痛い!! 離して!!」
「これに懲りたら二度とアキ君に暴力を加えようとしないことだね」
美緒はそう言って、美波を投げ捨てる。
「それで坂本君? いつまで寝たフリをしてるのかな?」
「そういうわけじゃない………。あ~痛かった」
雄二はそう言って、立ち上がる。
「さてと、それじゃミーティングを行うぞ」
雄二はそう言い、教室から出る。
「明久君、美緒ちゃん、美紗ちゃん、美沙ちゃん。も一緒にですよ?」
瑞希はそう言って、明久と美緒の手を掴んで教室を出た。それを見てた美紗は、苦笑をしながら秀吉と康太の手を掴んで教室を出ると、美沙も苦笑しながら教室を出て、裕次郎は美波の肩を叩いて先に行くと行った後後を追い、美波は1人とぼとぼと後を追った。
そして明久達がたどり着いた場所は屋上だった。まだ春だからか、太陽光が程よい暖かさを与え、心地良い眠りを誘いそうだった。
「明久。宣戦布告はしてきたな?」
「一応今日の午後に開戦予定って伝えたよ」
「それじゃ、先にお昼ご飯ってことね?」
美波が言うと、
「それじゃ、はい♪ アキ君」
明久に弁当箱を渡した美緒は、美紗と美沙にも同じ弁当箱を渡す。
「いつも悪いね? 美緒」
「良いの良いの♪ いつも晩御飯作って貰ってるからね」
「いつも仲が良いですね~。明久君と美緒ちゃんは」
「まぁ、家が隣だからね~。今日終わったら瑞希ちゃんもくる?」
「えっ!? 良いんですか!?」
「勿論♪良いよね? 美紗、美沙?」
「勿論
「有難うございま『ガシャンッ!(誰かの弁当箱が落ちる音』す?」
弁当箱が落ちる音のした方に美緒、美紗、美沙、瑞希が顔を向けると、そこには明久が弁当箱を落としたところであった。
「あ、アキ君!? 大丈夫!?」
「う、うん。僕は大丈夫だけどお弁当が………」
明久は落ちてしまった弁当箱と箸を拾う。
「なら、私のをあげるから。ちゃんと食べてね?」
「え、あ、うん………。美緒ごめん」
「いいから♪ 美紗、美沙ちょっとお願いね」
「解ったよ。お姉ちゃん」
「はいですの。美緒お姉様」
「坂本君、木下君、土屋君、島田さん、衛宮君ちょっと来て?」
美緒と呼ばれた5人は、明久達と少し離れた所に移動する。
「それで?一体誰がアキ君の弁当箱を落としたのかな?」
「あ、明久が手を「………雄二がやった」康太!?」
「………麻井には嘘をつけない、俺個人としても、ムッツリーニ商会としても」
「そう………坂本君がやったんだ? 懲りてないみたいだね?」
美緒がそう言うと、雄二の頭部を掴む。
「ちょっ!? 美緒!!」
「ちょ~っとO☆HA☆NA☆SHIしようか」
「あ、明久!! た、助け!!」
「………雄二」
明久は雄二に顔を向けて親指を立てる。
「自業自得だよ☆」
明久はそう言って、立てていた親指を下に向けた。
「あ、あきひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
『メコメコッ!(美緒が掴んでいる手に力を入れる音』
「あーあ………。お姉ちゃんを怒らせちゃった」
「み、美紗ちゃん!? 流石に坂本君が死んじゃいます!」
「問題無いですの瑞希さん。あのゴリラなら、あの程度では死にませんの」
「そ、そういう問題じゃないと思うんだが………」
「衛宮君も気にしない方がいいよ~?」
こうしてFクラス9人の昼休みは過ぎていった。余談だが、雄二はあの後、真っ白に燃え尽きた様に気絶をしていたと言う。
如何でしたでしょうか?
それではまた次回♪