それではどうぞ♪
美緒達のみで、Dクラスを圧勝してから1時間ほど経った。あの後雄二はDクラス代表の平賀と戦後対談を行い、Bクラスの室外機を破壊することで、Dクラスとの設備交換を無しにした。
そして戦後対談を終えた美緒達は、教室に戻った。
「それじゃ、アキ君、瑞希ちゃん。いこっか♪」
「うん」
「はいっ」
美緒そう言うと、5人は歩き出す。暫く歩いて昇降口に着き、美緒、美紗、美沙が下駄箱のとを開けるとガサガサといくつかの封筒が落ちる。
それを見た3人は『はぁ………』と溜息をついた。その封筒を全て鞄の中に入れて靴を履き替える。
「美緒ちゃん達はまた人気者ですねぇ」
歩きながら瑞希は可笑しそうにコロコロと笑い、その反対に美緒はぶすぅと如何にも不機嫌ですといった表情になり、明久、美紗、美沙は苦笑する。
「私の事を好いてくれるのは嬉しいんだけどね………。ちゃんと私を見てくれた上でなら良いんだけど、そうじゃないなら、正直言って迷惑なだけだよ」
「それは私も同感だね~」
「私もですの」
「あはは。美緒ちゃんらしい意見ですね」
「僕はそういったのもらったことがないから解らないなぁ」
「あ、小学校、中学校と去年アキ君に届いたラブレターなら私が処分したよ♪」
「はぃぃっ!? なんてことしてくれるのさ!美緒!」
「有象無象の女の子より身近に居て、アキ君を想ってくれてる女の子の方がアキ君に良いと思ったからだよ?」
「えっ!?それどういうことなの?美緒」
「ふふ♪秘密だよアキ君♪」
「み、美緒ちゃんっ! 私にもその話を詳しくっ!」
美緒は瑞希の言葉を聞いてクスリと笑い、そのまま駆け出した。それを追うように瑞希と明久も駆け出し、美紗と美沙は苦笑しながらその後に続いた。
そして翌日、いつもの如く明久、美緒、美紗、美沙は仲良くFクラスに入る。そこに居たのは雄二で、不敵な笑みを浮かべながら自分の卓袱台の前に胡坐をかいていた。
「よう、明久、麻井姉妹」
「ん、おはよう雄二」
「「「おはよ~、坂本君」」」
雄二と挨拶を交わした4人は、各々の卓袱台に座り、美緒達3人は明久の卓袱台に集まる。
「ところで雄二、皆にあの事話したの?」
「ん? 何の事だ?」
「Dクラスの設備の事だよ」
雄二はそれを聞いて頷きながら、英語の教科書を読む。
「あぁ、その事なら既に話した。みんなの了解はとってある」
「なら、良いけどね。今度はBクラスを攻め込むみたいだけど、どんな戦略を組むのさ?」
「今回は麻井姉妹は俺の近衛兵として守備に付いて貰おうと思う、まぁ、最悪麻井姉妹を出したら一方的にしかならんし、なによりそれじゃあ意味がないからな。今回は明久、お前らを前線部隊に出そうと思ってる。今の所はそのぐらいだな、後はもう少し練りこんでからだな」
「ん、解った。美緒達もそれで良い?」
「私は構わないよ」
「私も~」
「右に同じ、ですの」
4人で雑談しているうちに、担任が来て、通常授業が終わり、昼休みになる。美緒が明久を屋上に誘い、美沙が瑞希を誘うと雄二や康太、秀吉、美波もぞろぞろと付いてきた。
「あ、あの! 明久君っ! 今日
「ん? うん、姫路さんのお弁当って久し振りに食べるから楽しみだよ」
「お口に合うと良いのですけど……。感想は遠慮なく言ってくださいね?」
「うん、解ったよ。姫路さん」
明久は瑞希にそう返事をして、弁当箱の蓋を開けると、色鮮やかで栄養価的にも見た目的にもバランスが取れている内容だった。
少し大きめの男子高校生なら丁度良い位の御握り、見た目トロットロに見えるがしっかりと火が通っている出し巻き卵、サラダ風に纏められた緑黄野菜、カラっと揚げられて美味しそうな一口大の唐揚げが数個入っていた。
それを見た明久は美味しそうだと思いながら、唐揚げを一つ食べた。
「ど、どうですか? 明久君」
「……。うん、上手にできてるし、味もしっかり付いてて美味しいよ」
「ほ、本当ですか!? ……良かったぁ」
「ふふっ♪ 瑞希ちゃん、良かったね♪」
「はいっ! 美緒ちゃん達のおかげです!」
「吉井っ! 私のも食べなさいよ!」
ほんわかとした雰囲気の中、美波が手に持ったサンドイッチを無理矢理明久の口の中に入れる。
「ムゴォッ!?」
「島田!? 何してるのじゃ!!」
「その手を離しなさい!!」
美波の暴挙に逸早く気付いた秀吉と美緒は、美波を明久から引き離す。瑞希、美沙は明久の背中を叩いたり、お茶を飲ませたりして、嚥下させる。
その間に、美緒、美紗、雄二、康太は美波に詰め寄る。
「島田さん! 貴方は何を考えてやったの!!」
「そうだよ! アキっちが喉を詰まらせたら、どうするつもりだったの!?」
「五月蝿いわね!! 吉井が瑞希にデレデレしてるのが悪いのよ!!」
美波のその物言いに、雄二、康太は呆れ、何も言えなくなったが、美緒はつかつかと美波に近付くがそれを美紗は止めようとするも、それよりも早く美緒は美波の頬を拳握って殴り倒した。その出来事に雄二、康太、秀吉は予想はしていたがそれよりも上を行く事を美緒がした為に固まってしまった。その横で美紗は溜息をついた。
「何すんのよ!!」
「五月蝿い黙れ。貴様は何の権利があって明久君を殺そうとする? 貴様、何様のつもりだ? 普段から私達が警告しているにも拘らず、何度も暴力を振るおうとしたな? いいや、既に何度も振るったか、明久君は貴様の所有物か? 違うだろう? この際だから言っておこう、目障りだ。今すぐ死ね、この世から消えて貰いたい所だ。明久君に助けて貰いながらそれを仇で返すとは、恩知らずも良い所だな? それにだ、この前の自己紹介の時言っただろう? 明久君を害する者は容赦しないと、だから私は容赦しない。私達は容赦しない、そうだな………。貴様はこの学園から消えて貰うとしようか、傷害罪で起訴できるしな。微妙な所だが殺人未遂でも訴えれると思うぞ? 今までは甘く見てたがこれ以降は容赦しない、二度と明久君に近付くな不愉快だ。虫唾が走る。さっさと消えろ小娘」
美緒は美波の反論をさせる事無く言い放つと、屋上から出て行こうとしたが、明久に止められる。
「………。美緒」
「………。アキ君、大丈夫? 苦しい所はない?」
「僕は大丈夫だよ。それより、あまり島田さんに怒らないで? 僕は気にしないからさ」
「アキ君………」
そんな様子を見る美緒の顔は、何処となく子供を心配する様な母親の顔をしていた。自身の母親のそんな顔を久し振りに見る美紗と美沙は、なんとなく昔の自分を思い出していた。
「少し………、頭を冷やしてくるね」
美緒はそう言って、屋上から出て行った。
美緒が屋上を出てから数分間、無言で重い空気が流れていたが、それを打ち破ったのは意外にも秀吉だった。
「のぅ島田、お主………、明久の事をどう思ってるんじゃ?」
「な、何よ。急に………。ウチが吉井の事をどう思ってても、関係ないでしょ」
「(のぅ、雄二………)」
「(あぁ、島田は明久の事が好きなはずだ………。だが、あれを見るとなぁ)」
「(………。正直無理がある)」
雄二達3人は小声で話しながら、美波を蔑む様な疑問を抱いている眼差しを向けた。そんな中、美波は怒り心頭だった。
「(これも全部吉井が悪いのよ! 吉井!! 後で覚えてらっしゃい!!)」
美波の内心を覗いていた美紗、美沙は溜息をつく。そして、そんな重い雰囲気の中昼休みは過ぎていったのだった。
◆
そして翌日の午後、Fクラス対Bクラスの試召戦争が始まった。
前日の雄二が言うとおり、美緒、美紗、美沙は雄二の近衛兵としてFクラスに居た。ちなみにだが、今回の使者は須川が向かったようで、雄二の予想通りにフルボッコの状態で戻ってきた。
「ところで坂本君」
「ん? どうしたんだ? 麻井中姉」
「今回の部隊員の配置なんだけど………。これしかなかったの?」
美紗が心配するのは今回の部隊員の配置に関することだった。雄二は前線部隊の隊長を瑞希、補佐として明久、秀吉を付け、以下Fクラス男子を19名、中堅兼後詰部隊の隊長を美波、補佐として横溝を付け、以下Fクラス男子を25名に分け、康太を斥候兼情報収集に向かわせたのだった。
美緒達4人が話をしている間に、瑞希が率いる前線部隊がBクラスの前線部隊と衝突していた。
「平田が戦死! こっちはBクラスの奴ら4人できてる! 増援を頼む!」
「4人の方は増援を6人送る! それで持ち堪えるんだ!」
「こちら山田! B小隊俺を残して壊滅! 至急応援「戦死者は補習ぅぅぅぅ!!」ギャァァァァァァ!!」
「B小隊が壊滅して開いた穴は、D小隊とR小隊で埋めるのじゃ! 急ぐのじゃ!」
『応!!』
「このままだときびしいですね、どうしたら………「えぇ!? 何で此処に姫路さんが!?」っ!?」
瑞希は戦略を立てようとしたが、運悪くBクラスの女子に見つかってしまう。
「長谷川先生! Bクラス岩下律子です。Fクラス姫路瑞希さんに数学勝負を申し込みます!」
「律子! 私も手伝う!」
「あ、長谷川先生、姫路瑞希です。よろしくお願いします!」
「「「
数学
Fクラス姫路瑞希498点
VS
Bクラス岩下律子189点&菊入真由美151点
瑞希の召喚獣はドレス風のアーマー、所謂ドレスアーマーを纏い、その背部には、処女雪の様に白く、淡く仄かに青色が混じった天使を思わせる翼があり、両腕部にはフルプレートアーマー等に使われる篭手と手甲組み合わせ、両脚部には
その瑞希の召喚獣と圧倒的な点数を見て、Bクラス女子は悲鳴をあげる。
「ちょっ! 何あの点数!? 勝てるわけがないよ!」
「私にはこうするしか………、ごめんなさい!」
瑞希はそういいながら、Bクラス女子の召喚獣2体をその手に持つ巨剣で薙ぎ払い、消滅させた。
数学
Fクラス姫路瑞希498点
VS
Bクラス岩下律子戦死&菊入真由美戦死
「い、岩下と菊入が戦死したぞ!」
とあるBクラス男子の驚愕の声と共に、Bクラスの前線部隊全員に動揺が広がる。それと同時に前線部隊を前進させ、Bクラスの部隊を後退させていく。
「明久、ワシらは教室に戻るぞ」
「ん? なんで?」
「Bクラスの代表じゃが、どうやらあの根本らしいのじゃ」
Bクラス代表の根本恭二とはおかっぱに似た髪型をしている素行が悪い男子生徒で、カンニングの常習犯、野球等の試合では相手チームに一服を盛る、喧嘩ではナイフ等の刃物は
「なるほどね、それなら戻った方が得策だね」
明久はそう言うと、瑞希に説明して数人を引き連れて部隊を離れた。その後、Fクラスに戻り、戸を開けると、そこには見るも無残に破壊された卓袱台、シャーペン、消しゴムがそこら住に転がっていた。
「これは酷い………。やってくれたね」
「たしかにのぅ、予想以上じゃ」
「ん? なんだ明久と秀吉戻って…、ってなんだこりゃあ!?」
丁度、明久と秀吉が話しているとそこに美緒達を引き連れた雄二が戻ってきて、教室の惨状に驚く。明久は雄二に何故教室を放れていたのかと聞くと、Bクラスとの協定を結ぶ為だと説明した。
「なるほどね………。でも、あの根本なら、まだ他にも罠を仕掛けてるかもしれないね」
「あぁ、あの根本ならそうするだろうな」
「なら、僕は前線に戻るよ。何かされてるかもしれないからね」
「あ、なら私もいくよ。アキ君」
「なら私と美沙はこのまま坂本の護衛をしてるね、いいよね?美沙」
「勿論ですの、秀吉さんも明久さんも前線に戻ってくださいませ、此方は私達で十分ですから」
美紗、美沙の言葉を聴いた明久、美緒、秀吉は急いで前線に戻った。
「吉井! 戻ったか!」
明久達を出迎えたのは裕次郎だった、だが、その表情はかなり険しい。
「待たせたね! 状況は?」
「かなり不味い状況になった」
「え!? どうして!?」
「島田が人質にとられた」
「「「はぁっ!?」」」
裕次郎の報告を聞いた3人は、揃って驚きの声をあげた。
「おかげで相手は残り2人なのに攻めあぐんでいる、どうする?」
「とりあえず、状況を見せて、衛宮君。状況によっては私がやるよ」
「え、美緒それなら僕が」
「ううん、私がやるよ。いい加減あの小娘には頭にきてるからね」
明久と話す美緒は静かに怒り狂っていた。もし明久に対する暴行を行うなら………。と心に決め、裕次郎の案内に従い、3人が進んでいくと報告どおり、Bクラス男子2人に捕らえられた美波とその召喚獣が居た。
「島田さん!」
「よ、吉井!」
ドラマっぽく明久と美波を呼び合うが、美緒はそれを無視して、美波に問いかける。
「それで島田さん? 貴女はなんで捕まってるのかな?」
「コイツ、吉井明久、お前が怪我をしたって偽情報を流したら、部隊を離れて1人で保健室に向かったんだよ」
「そう………。まぁいいよ。とりあえず貴方達ごと始末するよ
英語W
Fクラス麻井美緒500点(制限あり)&島田美波63点
VS
Bクラス鈴木次郎33点&吉田卓夫18点
「理由はどうあれ、部隊を任せられたんなら単独行動はするな! 軍事行動の基本だ愚か者め!!」
美緒はそう言って、人質の美波もろともBクラスの召喚獣2体を両断した。
英語W
Fクラス麻井美緒500点(制限あり)&島田美波戦死
VS
Bクラス鈴木次郎戦死&吉田卓夫戦死
喚く美波を補習講師が連れて行く中、Bクラスを教室内に押し込めた所でその日の試召戦争は幕を閉じ、その後、明久達4人は教室に戻る。そこにやや遅れて康太が戻ってくると、雄二に先程あった事を話した。
雄二はその事に関しては美波の自業自得と言う事で納得したところで、康太が戻り、雄二に耳打ちをする。
「Cクラスの様子が怪しいだと?」
「………そうだ(コクリ)」
「漁夫の利を狙うつもりか………。或いは……」
雄二の言葉から察するに、Cクラスが戦争の用意をし始めている様だ。
CとAの戦力差を察してもAクラスに戦争を起こすメリットが無い為、BクラスかFクラスどちらかに仕掛ける方がメリットが高く、尚且つ疲弊しているBクラスかFクラスを攻め落とした方が安全だからだ。
しかし、布告のタイミングを誤れば三つ巴の泥沼な状況になり、必要以上に自軍が消耗してしまう可能性がある為に、このタイミングで他クラスに悟られると言うのも可笑しいと雄二は考えたが、現状を打破する為にこの場にいる全員に言った。
「Cクラスと協定を結ぼうと思う。Dクラスを攻め込ませると脅せば攻め込むことは無いと思う」
「それが最善だと私は思うよ。私達はそれに支持する」
雄二の言葉に美緒、美紗、美沙、明久、瑞希、秀吉、康太、裕次郎は頷く。
「それに、僕達が勝つなんて思ってないだろうしね」
「浅井姉妹や姫路達が居るから可能性はあると向こうは考えてるだろうな。まぁ、今から行くか、あぁ、秀吉はここに残ってくれ」
「ワシは、行かなくても良いのかの?」
「あぁ、この後次第では秀吉に頼むことがあるからな。その為だ」
「あいわかった。ではワシは留守番でもしておくのじゃ」
秀吉がそう言った後、雄二達はFクラスを出てCクラスに向かった。
◆
雄二達8人がCクラスに着くなり、雄二がCクラスの扉を開ける。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。Cクラスの代表はいるか?」
Cクラスの教室にはまだ大分生徒が残っていて、康太の情報通り漁夫の利を狙って試召戦争の準備を行っていた。
そんな中から黒髪をベリーショートにした気の強そうな一人の女子生徒が雄二達の前に出てきた。彼女の名前は
「私がそうだけど、何か用かしら?」
「Fクラス代表としてクラス間こ「坂本君、待って」ん?美緒どうした?」
雄二の言葉を遮った美緒は、つかつかと歩き、教室の奥を睨み付ける。
「そこで隠れてる人達出ておいで? 隠れてるのは解ってるよ。出てこないなら、出ざるを得ないようにするよ」
美緒がそう言うも、奥から誰も出てこなかった。美緒は溜息をつくと両手を広げる、袖から片腕3本両手で6本の
それを見ていた美緒、美紗、美沙、明久以外全員が固まる。ちなみに明久は呆れながら頭を抱えていた。
「次は当てるよ? 早く出ておいで」
美緒の言葉で我に返った小山は、美緒に詰め寄ろうとした瞬間、慌てて出てきたのはBクラス代表の根本とその護衛の為か複数人の生徒と長谷川教諭だった。
「やっぱり居たんだ? Bクラス代表さん?」
美緒は不敵に笑い、その後ろから雄二が近づいてきた。
「良く解ったな?」
「当然、素人の気配なんて直ぐに判るよ」
雄二も美緒と同様に不敵に笑いながら言う。
「まぁ、向こうから協定違反をしたんだ。ここらで潰れてもらうか」
「……!! 長谷川先生!! Bクラス芳野が召喚を「させるか! Fクラス吉井がここにいる全Bクラスに対して数学を申し込みます!
数学
Bクラス根本恭二250点&芳野孝之161点&Bクラス生徒平均170点(4人)
VS
Fクラス吉井明久490点
『はぁっ!?!?』
明久の点数を見たBクラスとCクラス全員が、驚きの声をあげる。明久の召喚獣は黒い馬革のハーフコートを羽織り、灰色のYシャツはINにして灰色のビンテージデニムを穿き、両腕には大太刀が握られていた。ちなみに、尻尾は爬虫類系である。
「ねぇ、雄二」
「な、なんだ? 明久」
明久は雄二に声をかけながら首を少し後ろに少し向けながら笑った。だが、その眼はギラギラと輝き、まるで獲物を見定めた肉食獣の様であった。
「ここで終わらせても良いんでしょ?」
「………!! あぁ!思いっきりやってやれ! 明久!!」
『舐めんじゃねぇ!!』
明久と雄二の受け答えを聞いていたBクラス生徒達はそう言いながら突進するが、明久は地面に大太刀を突き刺して腕輪を光らせる。すると、床が不自然に盛り上がり、その直後に爆音と共に盛り上がった床が破裂し、その衝撃で先端が鋭利になった岩がBクラスの召喚獣を串刺しにしていった。
Bクラス芳野孝之戦死&Bクラス生徒8名戦死
VS
Fクラス吉井明久350点
召喚獣が戦死した生徒全員を、西村教諭が担ぎ上げて行った。
そんな西村教諭が本当に人類かと問われる様な出来事を無視して、明久は根本に接近して逆袈裟懸けに切りつけ様とする。根本の召喚獣は両手に数珠で繋がった二対の鎌を持ち、陣羽織を羽織った武将風だ。
その根本の召喚獣は、両手の鎌で明久の大太刀を受け止めようとするが、元々の得点の差が倍近くあった為受け止めきれずに、鎌が真上に弾かれる。
「これで……!!」
逆袈裟懸けの勢いと遠心力を乗せる様に回転し、真正面を向く直前に踏み込み根本の召喚獣の腹部を切断した。
Bクラス根本恭二戦死
VS
Fクラス吉井明久350点
「Bクラス代表の戦死により、この試験召喚戦争はFクラスの勝利です!」
長谷川教諭の宣言により、Fクラス対Bクラスの試召戦争はFクラスの勝利となったのだった。
如何でしたでしょうか?
次回ですが、現在執筆中なので少しお待ちくださいませ
それではまた次回♪