日常を取り戻したい主人公たちがおくる。一つの世界。(艦これ)   作:空色 輝羅李

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「ふぁ~...眠たい...
「というわけで、今回でこの世界ともおさらば、か。
「さみしいが、仕方がないな。よし、気を引き締めていこう。


第11話

第二十話~あるべき姿~

 

 

 

ついにこの日だ。陸側と海側の、対談の日。まぁ、俺がこの場を作ったと言っても問題はないが。しかし、俺としては、早く終わらせたいので、予定より早く来てほしい。ま、無理なことだとはわかっている。

今は朝の五時だ。ふむ、ご飯でも作るか...ん?

 

「あら?提督、どうかしましたか?まだ寝ていらしてもいいんですよ?」

「...いや、大丈夫だよ鳳翔さん。それより、なにか手伝えることはないかな?」

 

 

朝の鳳翔さんは、なんかこう...母性があるのに、可愛く見える。普段から可愛いけど。

割烹着にポニテ...最高じゃねーか...

 

「?私の顔に何かついてますか?」

「いや、可愛いと思って、見惚れてました。」

 

鳳翔さんは、顔を赤くして体をじゃっかんくねらせていた。どうやら照れているようだ。く、可愛すぎかよ!

 

...改めて考えてみれば、この世界に来れてよかった。おそらくこれからも、他の世界に行くことになるだろう。それでも、最初に来た世界がここでよかった。自分の好きな作品の中にいるなんて、考えてもみなかった。

だが俺は、あくまで違う世界の住人だ。いつかは帰る。それは仕方がない。名残惜しいけど、ね。

 

「あ、そうだ、提督。今日の朝ごはんはおにぎりにしようと思います。なので、握っていただけますか?」

「分かりました。任せてください。」

 

...もう炊き終わってたんだな、ご飯。

 

 

 

 

 

~戦艦棲姫side~

 

先日、ヲ級から宣言が下された。今週の土曜日、つまり今日。人間側と深海棲艦側での対談を行う。遅刻は片方がすれば世界が終わる。といった内容だった。私としては、世界が終わろうがどうでもいい。それもまた世界の在り方だ。

...と、前までなら思えただろう。でも今は、まだ世界を見ていたい。この世界で生きていたい。だって、彼が教えてくれた。世界は自分が見ているものがすべてではないと。まだ、知らないものがそこら中にあふれていると。それを、彼自身が証明してくれた。だって、彼は、他の人間とは決定的に違う価値観を持っている。こんな私にも、優しくしてくれた。だからこそ、今回の決断の結果も、彼に委ねよう、そう思える。

 

「...ねえ、カオル。これから、どうなるかしら。」

「しらないわ。それは神のみぞ...いえ、彼のみぞ知る、ね。」

 

それもそう。今回の会合も、彼がとりつけたものだった。私たちは自衛をするにも負けの方が多く、だんだんとジリ貧のような状況になっている。こちら側が完全に降伏せざるを得ない状態になる前に、こうなってよかった。

 

「...ヲ級の気持ちも、わかるかも。」

「何か言った?」

「いいえ。少しづつでも世界はよくなっていると思える日が、すぐそこに来てるのね。」

 

 

~???side~

 

私は決断を下さなければならない。どうすればより良いものになるのか。このまま向こうへ出向かず、世界を破滅の一途に向かわせることも視野に入れよう。向こうへ赴き、奇襲による蹂躙をも視野に入れよう。

 

 

しかし。

 

 

しかしだ。問題は別にある。答えをどうしようと、一端末である航空母型模造ヲ級2313145番の言うことを信じれば、私が反旗を翻す時点で、私が終わるだろう。そうやすやすと世界を終わらすというからには、それなりに実力があるとみていい。ならば、下手に出ればまずい。おとなしく出向こう。だが、我々が不利になるような条件であれば、問答無用で異議をたてよう。恐れてはならない、あいてにこちらの弱みをみせてはならない、すこしでも対等、あるいはこちらが上であるとおもわせるよう、毅然とした態度で。

 

「...で、いつ行くんですか。総司令。」

「あわてるな。もう行こうと思っていたところだ。」

 

 

~元帥side~

 

約束の時間まで、およそ二時間といったところか。そろそろ準備をしなくてはならないな。

...それにしても。彼にはいろいろと世話になってしまった。この年にして子供に面倒を見てもらうのは、なんとも情けなく感じてしまう。

だが、助けられていたのも確かなことだ。感謝するほかない。

私の手もとどかない鎮守府での活躍も、今回のことも。すべて彼が解決しようとしている。私も、すこしは役に立てることをと資材を優遇したが、それだけでは足りないくらい働いてもらえた。彼は、歳に似つかわしくないほど聡明だ。私ではできないことも思いつく。

...彼もまた、才あるものだったのだろう。

 

「...さて。そろそろ行こうか。」

 

彼の出した最初の条件は...まぁ、厳密には条件としては出されていないので、私の勝手な解釈である。

それは、時間を守れ、というものだ。なにをするにしても、このくらい守れなくては話し合うつもりはない、ということだろう。

だから、どちらかが遅れた時点で、双方がつぶれる、なんていったんだろう。まさか本気で言うわけが...

まて。彼が今までこのような冗談を言ったことがあるだろうか。それは否だ。つまり、本気かもしれない。

...早急に行くことにしよう。悠長にお茶を飲んでる場合ではなかった。

 

 

~柊side~

 

 

「...双方、遅刻なしに到着できたようで何よりです。」

 

現在の時刻は09:30。つまり時間まで余裕すらある。よほどあの脅しが効いたのだろう。

...俺としては、もう少し遅く来ると、具体的には一分前に来ると思っていたんだが。だから、お茶を今から入れようと思う。

茶葉茶葉...混ぜたろ。

 

ところで、ここにいる三人...元帥一人と深海棲艦側二人を、俺がこの空間から出て残した時、元帥が殺されてしまう気がする。誰か人を呼ぼうにも、部屋を下手に出ることができない。

 

「...ところで元帥。なんで一人で来たんすか。」

「いや、必要ないかなぁと...」

 

俺が守るとでも思ってるんですか?まぁ、守るんですが。そんなことが起きるとは思えないので、しりません。

 

「...なぁ、小さきものよ。名は?」

「誰がチビだ?」

 

軽く魔力を外に出して威圧を与えるようにしたら、先程まで堂々とした態度の深海棲艦は、ヒッ、と少し驚かれた。

 

「...ごめん。そこまでビビると思わなかった。柊龍夜だ。そちらの代表はあなただろうか。」

「あ、え、その...いかにも。私が海を統べるもの。しかしすまない。私に固体名はない。呼びたいように呼んでくれ。」

「わかったよチビ。」

 

悪かった。俺が悪かったから涙目にならないでくれ。

もう一人の方にも、軽く目配せと会釈をする。向こうはこちらにしっかりと体を向けなおし、座りながらも深い礼と、キレイな笑顔を見せてくれた。俺は思わず魅入ってしまう惚れそう。

 

「...じゃあ、ミル。奥の彼女はイルと呼ばせてもらうね。」

 

理由は特に考えていない。今浮かんだ言葉を適当に切り離したり貼り付けたりしただけだ。

さてと。

 

本日の本題だ。が。俺は実は深く考えていない。どうすれば双方に不利益をもたらすことなく、停戦。もとい共生ができるのか。俺的には、二組に任せたい。俺はこの世界の住民ではない。だからこそ。

 

「俺は二組の意見をまとめ、良いものにする。それ以外は干渉する気もない。では、話し合いを始めてください。」

 

...元帥、ミル。二人とも「君は何を言ってるんだ?」といった顔でこちらを見ないでくれ。

 

「...初めまして、と断りを入れるべきだろうか。ミル殿。」

「人同士でのあいさつの礼儀がそれなら、私も言おう。初めまして、元帥とやら。」

 

なんで目線で殺そうとしあうんですか...

もう少しまともな会話をしていただきたいが。

 

 

敵同士だし無理もないな!

 

「まぁ、考えはありますけどね!」

「「なら最初から言え!」

 

oh...実は仲いいだろう二人とも。

 

とまぁ、言われてしまっては考えを伝えなければならないだろう。深くは考えていないが浅き考えはある。その問題を、さらに掘り下げて解釈、また答えを出す。それはいまからでも間に合うだろう。

 

そのまえに、この世界の現状について振り返っておこう。

皆が知っているように、この世界では艦娘を使って戦う人間側と、おそらく自力で戦う深海側。なぜ争うのか。これがわからないこと一つ目。そして、互いにつぶしあい、いつそれが終わるのか。あれ?分からないことって一つしかないか...まあいい!

 

「とりあえず、お互いがなぜ争うのか、教えてもらえますか?」

 

――――――――――――

 

まず元帥の言い分はこれだ。

 

深海側が、領土に踏み入り、人々に混乱の渦を落とした。

 

ミルの言い分はこうだ。

 

人間側が、領土に踏み入り、深海側を無意味に攻撃した。

 

 

――――――――――――

 

 

「どっちも、勘違いだろ...」

 

「「なんだとっ!!」」

 

なぜ二人とも怒り気味なんだよ...

とにかく、お互いが同じ被害を受けたと証言したなら、それはどちらかに情報の齟齬がある。

 

「ミル。それは君が見たのか?」

 

ミルはうなずく。つまり。

 

「元帥。それは上に報告されたんじゃないか。」

 

そうだ、という。

 

だったらキレる相手は決まってる。と、そのまえに。

 

「ほらお前ら。握手しろ。」

 

二人ともきょとんとしている。そして、お前はなにを言ってるんだという顔をする。

まぁ、それもそうか。昨日の今日まで敵だったのに、いきなり仲良くしろと言われたんだもんな。

でも、ターゲットは同じ目的も同じ。

 

「なら、組むしかないだろ?」

「待ってくれ。私はまだ目的を告げていない。」

「それはこちらとて同じことよ。のう小さき...柊とやらよ。なぜそんなことを申す。」

 

俺は少し、目配せをする。相手はもちろん...

 

「提督。少しは役に立てたかしら。」

「最高。まじ可愛いし心読めるしもう最高。お茶も美味しくなってるのなんで?茶葉滅茶苦茶にしたのに。」

 

ヲ級は、親指を思い切り点へ突き立てたポーズをとる。無表情なのにこれは...可愛い!

 

ほんの少し、すこーーーしだけ心読みましたありがとうございましたごめんなさい。

...そのおかげで、二人の目的が双方のすれ違いから、一つの矢印となったのがわかった。

二人とも、誰が仕組んだのかわからない戦争に、終止符を打とうとしていた。俺はそこに加わるわけにもいかないし、なにかできるわけでもない。

 

「さて。俺ができるのはここまで。この世界のことは、この世界の住民がしないとな。」

「「...よろしく。」」

 

うんうん、これでいい。さてと、帰る準備でもするかな。

 

「あ、提督。終わりましたか?」

 

大淀か。丁度いいタイミングだな。

 

「よどよど。俺帰るから、あとのことよろしく。」

「あ、はい...え?あぁ、そういう...だからか...」

 

なんかぶつぶつ言ってる...なにがだからなのか...

 

「提督、まだお時間、よろしいですか?」

 

 

――――――――――――――

 

こりゃたまげた。ずらりと目の前に並んだ料理をみて一つ。このだだっ広い場所で皆が俺を笑顔で見つめるのにまたひとつ。こりゃたまげるよな。

...どうしてこんなことになっているのか聞いたら、天龍が俺のために考えたそうだ。当の本人は俺が見たとたん他の場所へ目線をやっていたが。

そうか。天龍はわかっていたんだな、俺が帰ることを。そうか。天龍は知っていたんだな。俺がどのタイミングで帰るかを。

 

目の前の壮観な風景(ほとんど豪勢なご飯)を作り出したのは、鳳翔さんと妖精さんが主体だった。飾りつけはほかのみんなで行ったらしい。この規模を隠していたなんて、相当すごいな。俺は全然気づかなかった。

 

「えっと...ありがとう、皆。」

 

これどうしろってんだまったく!

 

――――――――――――――

 

うまかったです。ご馳走様でした鳳翔さん。

心で思うだけじゃダメだと思うから、

 

「うまかったです。ご馳走様でした鳳翔さん。」

 

ちゃんと伝えました。

...鳳翔の微笑みは、柔らかい。この世全ての悪を浄化してくれそうなほど。この笑顔を毎日見れる人は幸せだろうな...羨ましい。

 

「提督。本当に、元の世界...に、帰られるのでしょうか。」

 

俺はうなずく。だって、俺はこの世界の住民ではない。それに、まだすることはある。

...さみしいけれど、俺は帰らなければならない。

 

「...すみません、困らせてしまいましたね。あの、提督、これを。」

 

包丁...包丁!?

 

「...これは、君が愛用しているものじゃないか。受け取れない。」

「...提督。これは...プレゼントです。受け取ってください。それとも、私からは受け取れませんか?」

 

そんなことを言われてしまっては、断れない。なぜそんなにも悲しそうな顔が似合うのか...鳳翔さんにはもっと、笑っていてほしかった。

...こんなこと、13歳の俺が言うことでもないか。

 

「...大事に使わせてもらうよ。」

 

鳳翔さんの顔はたちまち明るくなる。そうそう、そうやって笑っていられる世界に、していってくれよ。

 

 

――――――――――――――

 

もうすぐで落ちてしまうのではという心配をしそうなほど、桟橋のふちに儚く佇んでいるのは、俺のもとに最初からいて、ずっと支えてくれていた、天龍だった。

ほっておけば涙も落ちそうな彼女の横顔は、覚悟を決めようと踏ん張っていた。話しかけるには勇気がいるので、そっとしておこうと思ったが、こちらの気配に気づいたらしく、少し目をぬぐう動作をしたのち、

 

「よう提督。どうだった?今日のサプライズは。」

「とても美味しかったし、楽しかった。ありがとう天龍。」

 

よせやい、なんて言いながら恥ずかしそうにそっぽを向く。この動作はかわいらしいが、少し悲しそうにされては、それどころではない。

 

「...天龍。俺がいなくなったあと、ここに誰かが配属されるか、君たちが異動になるかのどちらかだ。もしそのときに、つらいことがあったら、俺に言ってくれ。」

「...なにいってんだよ。帰るくせに。」

 

はは、違いない。俺はこの世界から帰れば干渉することはできなくなる。つまり。

 

「...俺は傍観することもない。この世界は、ある意味剪定される世界だからな。」

「剪定...?」

「いや、なんでもないよ。」

 

不思議そうに、そして怪訝そうに俺の顔を覗かれても、詳しくは話さねえよ。だって...悲しいじゃないか。

この世界はもとの世界から完全に切り離されていて、しばらくすれば記憶なんて一つも残らないなんて。

 

「...なあ提督。どうして、この世界?に来たんだ?」

「...そうだな。キャラ...みんなが可愛かったからかな。本当はもう少しいたかったし、もっといろんな人に出会いたかったけどね。」

「なら」

「だめだよ、それ以上は。」

 

俺は、天龍が言う言葉がわかる。だからこそ、途中で止めなければならない。

...だって、言われてしまえば決意が揺らいでしまう。

 

「俺は、俺のすることがある。だから、この世界の後のことは、君たちに任せるよ。」

 

天龍はしばらくうつむいたまま、俺の手を握っていた。少したって、嗚咽が聞こえてくる。手を握る力は、次第に強くなる。この娘もまた、一人の少女だ。別れを悲しむのも仕方がない。俺だって、つらいけれど。

 

「天龍。今までありがとう。」

 

この言葉を聞き、少女は目を上げ―ただし俺の方が身長は低いから目線は下向きであるが―俺に向かって

 

「当たり前だろ、この、馬鹿提督め。」

 

と。笑って言ってくれた。

 

...本当に、ありがとう、天龍。さようなら。

 

 

 

――――――――――――

 

次の日のあさ、俺は皆に黙って鎮守府を出た。誰かに見られて引き止められるなんて嫌だったから。

そして、この世界で最初にいた場所...元帥を見つけた場所に俺は向かう。

 

「...ここのはず...あ、あれか。」

 

よく目を凝らせばそこに、魔法陣が置いてあった。恐らく魔力を込めれば発動し、元の世界へ帰れる。

 

がしかし。先ほどから。いや昨日からずっと視線を感じる。恐らくこの世界の者ではない。

 

「俺の邪魔しようってのか。そこにいる除き魔。」

 

と声をかけると、そこにいきなり現れた。いやはや、この程度の隠密魔法で尾行なんて、三流も甚だしい。

 

「お前は誰だ。」

「魔法統括管理塔のBクラス職員、とでもいえば、わかるかな?」

 

なんだBクラスか...おっと、魔法統括管理塔について説明をしなければ...いや、元の世界に戻ってからでいいか。

 

「Bクラスごときが、俺に用が?」

 

相手は分かりやすくむっとした顔を向ける。そしてこちらになにかしらの魔法陣を展開していた。

 

「貴様が現在所持しているもの、それは一般人が保持していい代物ではない。ただちにこちらに渡せ。」

「嫌だ、と言ったら?」

 

バン。と。空気が破裂するような音とともに眼前に魔法が飛ぶ。首をずらしそれをよけるが、相手はまだ展開を続けていた。なるほど、この程度の芸当はできるぐらいなのか、Bクラスは。

 

「おいおい、管理塔の職員が、法律破りかよ。笑えないな。」

 

魔法を使う際は詠唱をしなければそれこそ、バツ貰っちまうぜ。

 

「...もう一度言おう。オーブを、よこせ。」

「嫌だね。」

 

今度は無数の魔法が飛んでくる。俺はまず、この周りに被害が出ないように結界を張り、周りから見えないように術を施した。飛んでくる魔法に対し防御壁の陣を展開するが、相手は曲がりなりにもそれなりの実力者だろう。回り込むように魔法が飛んできた。

...なるほど、ホーミング効果のついた氷弾か。

 

「クラレス。」

 

俺はちゃんと詠唱してから魔法を発動する。ワーオレッテエライナー。

...あいつはどうやら、同じ魔法を使われると思っていなかったのか、間の抜けた、バツの悪そうな顔をする。

そこまでおかしくないだろうに。

 

「この...俺と同等、いや、それ以上の一般人か...?ありえない。さっさと始末してくれる。」

「まったく、意味が分からねえ。自分より強いと思いながら、挑むか?」

 

まぁそこは、年下には負けられんということだろう。それはそれでむかつくが。

 

「ま、思い知らせるしかないかもね。形態(トランス)狂人化(バーサーカー)」」

「なに?魔力の質が変化した、だと?」

 

当たり前だ馬鹿が。俺は今、狂人だぜ?質が変わってもおかしくねえわ。

 

「いきなり決めに行くのは好きじゃねえが、さっさと帰りてえからな...物事は単純な方がいいのさ、生命体と言うのは、そういうものだよ。さて、仕上げと行こうか。死をも穿て。「死の根底を知るものよ(ゲイボルグ・ワルツ)」」

 

と。槍が当たる前に男は逃げやがった。逃走用の陣は、常に展開していたのだろう。いまはこれでいいか。

 

さて、俺も帰ろう。帰るために魔法陣に手を向け、魔力を流す。

 

 

「...ありがとう皆。うまくやってくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

私の仕事は、変わらない。この世に生きる皆のために、正義を貫く。昨日まで敵だと思っていた対象は、我々の洗脳ともいえる状態が終わった今、志を同じくする仲間である。明日を夢に見て、さらなる発展を求めて、正義を、仁義を持っている。

...こうなれたのも、あの少年...少年?そんなものが、私の周りに姿を現したことはあっただろうか。いや、記憶がどうもうまく機能していない。どうやら私は、疲れているようだ。間違った記憶を思い出してしまうほどには。

だが。心に穴がある気もしている。だれか覚えていない少年に、たくさんのことを教わった気がする。しかし、本当にいただろうか。私より聡明な少年が。そもそも、十五にも満たない少年が、世界を変えようとすることができるはずがない...いや、いたのかもしれないな。だが、それはもはやどうでもいい。今私に必要なのは、もっと、世界をよくしていくことだ。争いが起きない、平和な。私一人では臨めないが、私には仲間がいる。大丈夫と、彼が...彼?

―――――――――――――




どもっす。おれです。
とうとう元の世界に帰りました...
何年かかってんだって話ですねすみません。
忘れてたわけではないっす。まじで!
というわけで次回は、元の作品になります。
デワデワ
(ちなみに下に次回となるもと作品の続きリンク貼っときます)
https://syosetu.org/novel/136245/10.html
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