「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」   作:天道詩音

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※前回は長くてすみませんでした。
 今回は普段通りの2500文字程度に戻っています。
※誤字報告ありがとうございました。
※マッサージ回なので内容が……。


その10

 

「じゃあ横になるからよろしくねー」

「がんばれ俺! よし、やるぞ!」

  

 湊がマッサージをしてくれなんて言い出したから、やるしかない!理性を保たないと、もう戻れなくなるぞ俺!

 

 さっきは湊が学校に行けないかもって言っていたから、どうしたら良いかって千冬姉にメールで聞いてみたら『一夏が湊と結婚して、専業主婦にしたらいいんじゃないか? お似合いだと思うぞ』なんて言ってきたけどさぁ!そうじゃないんだって!学校に行かせる方法を聞いたんだよ!

 

 湊の事が好きなのは認める。

 でもそれは親友として好きだったんだ!

 

 小さい頃からずっと一緒に居て、他にも友人はいるけどさ、湊よりも長く一緒に居た友人は居ないから、二人で居るのが当たり前になっていた。

 湊が女の子になったけど、親友なのは変わらないし、二人で居るのはこれからも変わらないと思う。

 

 

 だから、これからも親友で居続けるためにここは耐えろ俺!

 

「あっ……そこ……あぁっ……!」

 

 だから頼むから変な声を出さないでくれ!

 

「やっぱり一夏は……はぁ……マッサージ上手いね……んんっ!」

「ありがとう! だからそんな声は出さないでくれ!」

 

 湊の背中に乗って今は肩をマッサージしているけど、なんだか良い匂いがするし、背中なのに柔らかいし!

 気持ちよくなってくれているみたいで、さっきから変な声を出しているし……かわいい声でそんな声を出されると本当にヤバいから止めてくれ!

 

「だって……声がまん……できな……んあっ……いから」

「でもがんばってください、お願いします! 肩は終わりだ! よし、もう終わろう!」

 

 やっと肩揉みは終わった!もう終わろうな……湊もまだ考えることがあるから!二人でこれからの事を話し合おう!

 

「えー……まだ足らないよ? 次は背中をお願いー。一夏が乗ってた辺りをよろしくなー」

「ああ……分かったよ! やってやるよ! 負けるな俺!」

「ん? 何に負けないの?」

 

 や、やばい……背中を上手くマッサージするには、お尻辺りに座らないといけないんだ……!

 千冬姉に何度もマッサージをしてるんだ、慣れているから大丈夫だよな!

 

 よし、座るぞ……って柔らかすぎるだろ……!

 

 いや意識をそっちに向けるのはまずい!

 今の俺はプロのマッサージ師だ。無心でマッサージを続けよう。背中のツボを無心で押していく。ここは疲労回復にいいツボだ。強く押してあげよう。

 

「そこ……もっと強く……んぁ!」

 

 ダメだ!ダメでした!無心でなんて出来るわけないだろ!

 

「なんか……男の時より気持ちよくて……癖に……なりそ……んっ!」

「変な事を言うのは止めてください湊さん!」

 

 身体が小さくなった分深くまでツボを押せるようなっただけだよな!早く終わらせるためにペースを上げよう!こことここを連打だ!

 

「んあっ! 激しい……から……いちかぁ……!」

「湊は男、湊は男、湊は男だからな俺!」

 

 だから、そんな声で俺の名前を呼ばないでくれえええ!

 

「背中も終わりだ! 今日はこれで終わりだな!」

「はぁ……はぁ……わかったよー……ありがとうね」

 

 ベッドに座り直した湊は息を切らしていて、髪も乱れていて、色っぽい……いやいやいやいや!変なことは考えるな俺!

 

 でも耐えきったぞ!本当にがんばった……!

 今の湊はめちゃくちゃ可愛いんだからさ、もっと自覚を持ってくれよ!男の時と同じようにはいかないって教えてあげないとこの先まずいよな?

 

「ふぅ……やっぱり一夏は上手いね。脚はまた今度よろしく!」

「ああ! またいつかだな!」

 

 できれば、男に戻るまではご遠慮ください!今の湊へのマッサージは本当にヤバかったんだ!

 

 

「なんか、身体がさっきより軽くなったかも? ありがとう!」

「ならよかった。俺は結構疲れたなぁ……」

 

「あれだけしてくれたら疲れるよねー、なら今度は俺がマッサージしようか?」

「な、なんだと!? い、いやーいいかなー?」

 

「遠慮しないでいいからさ、横になってくれよー」

「わ、わかりました……」

 

 言われるがままにうつ伏せになったけど、大丈夫か……?湊の天然が発動しないよな……?

 腰に柔らかな感触が乗っかってきて、背中にぺたりと両手を置かれた。でも背中で位置調節するからって、腰を動かさないでください湊さん!

 

「じゃあやるからなー! たしかここの辺りとか? えい!」

「おおー? 良いんじゃないか?」

 

 押す力が弱いから、気持ちよさはあまり無いけど、なんか一生懸命に押されている感じがして、いいな!ふう、これくらいなら大丈夫だ。

 湊がマッサージしているのは見たこと無かったけど、この調子ならなんとか無事に終われそうだな!

 

「そうー? ならここは?」

「うぉっ! くすぐったッ!」

「あわっ!」

 

 やばい!湊が床に落ちる!

 慌てて湊を抱きしめるように受け止めて、反対側に転がる。

 

 危ない。いきなり横腹を押されて、くすぐったくて身をよじったら湊が落ちそうになったから、受け止めたけど……無事でよかったってはぁ!?

 

「あぅぅ……ありがとう……」

「お……おう……」

 

 さっき受け止めるために湊を抱きしめて……今は抱きしめたままの体勢で、お互い固まっている……。

 湊が腕の中で顔を赤くして、俺を見つめてくる……!どうしたらいいんだ!?

 

「ごめん……くすぐったかったよね……」

「いや……まあ……気をつけてくれよ?」

「う、うん……」

 

 いつ離れたらいいんですか!?

 離れ時を見失って、動けない……!俺も顔が赤くなってくる……なんで見つめ合っているんだ俺たち!?

 吐息がぶつかるくらい近いところに湊の顔があって、目を合わせていて……もうゴールしていいのか……?

 

 湊は目をぎゅっとつぶって……それから……それから、どうするんだ!?いくしかないのか!?

 

「も、もうだいじょうぶだから……離していいよ?」

 

「お、おうそうだな! 悪い!」

 湊を離して、反対に転がってベッドの端に正座して気を落ち着かせる。

 危なかった……あのままいっていたら俺は何をしようとしていた!?

 

「あ、危なかったな!」

「そ、そうだね! 一夏のおかげで助かったよ!」

 

 俺も色々な意味で危なかったから、お互いに無事でよかったな!

 

「はぁ……なんだかまた一気に疲れたかも?」

「そうだよなぁ」

 

「ならまたマッサージしてくれる……?」

「また今度でお願いします!」

 

 もう、色々と限界だったから許してください!

 

「はーい。まあ冗談だったからね」

 

 

 よかった……まあ疲れたけど、湊がニコニコしてるからいいか。

 マッサージはしばらくしないけどな!




前回の簪ちゃんルートを書いて、清らかな心で臨んだマッサージ回でした。

マッサージ回で一夏視点が湊視点で迷いましたが、今回は一夏視点になりました!
湊側だともう少しまともな回だったと思いますが、読者が選ぶならこっちかなと思い一夏視点になりました(偏見ですね!)


この話を書く前は評価が白から赤になっていましたが、この内容だと下がるような……?すみませんでした!

それは置いておいて、評価、感想、お気に入りをしていただき、ありがとうございました!

これからも本編はゆっくり進んでいくと思いますが、よければお付き合いください!

Ifルートで適度に、心を清めつつ完結目指してがんばります。
読んでいただきありがとうございました!
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