「女の子の気持ちが知りたい? なら束さんに任せてよ!」 作:天道詩音
生まれてから大きな出来事っていくつかあると思う。
姉さんが『IS』を作った事だったり。
姉さんが全世界から指名手配されたり。
その時に一家離散して、両親と箒と離れて暮らす事になってしまったり。
箒とは二卵性双生児の兄妹で、箒の方が姉だと言い張ってるけど、同じ日に産まれた訳だから姉も弟も無いと思うけどね。その箒も苗字を変えて、別の町で暮らしている。
でも、姉さんに頼んで、電話はできるようにしてもらったから元気でやっていることは確認している。ぼっちみたいだけど……。
まあ火曜と金曜の夜に毎回電話をして、俺と一夏の話をしているとすごい喜んでいるから、それを楽しみにしてがんばっているって言っているし、まあ、なんとかやれているんだろうね。
離散する日に、箒は離散の原因になってしまった姉さんの力なんか
借りないって言って、そのまま連れられて行っちゃったんだよね。箒は頑固なところもあるけど、それがなければこのマンションで一緒に暮らしていたかも知れないなぁ。
俺は、姉さんのお陰でこの町に残れることになった。
離散の日から姉さんの逃亡生活に一ヶ月くらい連れられていたけど、その後に町に戻ると出迎えてくれたのは、日本の暗部組織を名乗る人達だった。
家族を離散させた事にキレた姉さんが日本を脅したらしく、護衛してくれるようになったらしい。姉さんは俺と箒と離れることになることに怒っていたけど、父さんと母さんの事は何も言ってなかったけど、姉さんだからなぁ……。
まあ、そのおかげで今もこの町で暮らしていられるんだよね。
あと第二回目のモンド・グロッソで一夏と一緒に誘拐された事だったり。
あの時は死ぬかと思ったけど、姉さんと千冬さんが来て、助けてくれた。
千冬さんは決勝を戦わなかった責任で、その後から1年間はドイツで教官をすることになったけど、決勝より俺たちが大切だから別に構わないって言ってくれたのは一生忘れられないし、女の子だったら惚れていたね。
あとは、まあ最近と言うか、今日あった話だけどさ。
女の子になっちゃったって出来事かなー?
アホか!意味分からないと思うけど、俺もどうやってこうなったのかは分からないし、ただ姉さんが何かをして、性別が変わってしまったのは、もう変えようが無い事実で、男には戻れないらしい……。
「千冬さん……どうしようか?」
「まあ、束が無理って言ったのなら諦めろ。まあ男の時よりも綺麗になったんだ。よかったと思えば楽になるさ」
「楽になんてなれないんですけど! 千冬さんが男になったとしたら…………あまり変わら」
「殺すぞ……」
「すみませんでした!!」
世界最強の『殺すぞ』は怖すぎなんですけど……直ぐに頭を下げて許してもらわなくては死ぬ!
「痛っ! ごめんなさいー!」
頭を叩かれただけで、許してもらえた……死ぬほど痛いけど……。
「次は無いからな。それより、服を脱いでくれ」
「んなっ! 何する気ですか!?」
一夏は千冬さんが結婚できるかどうか心配していたけど、やっぱりそっちの人なん……っいたい。頭割れちゃうから叩かないでください!
「そんなサイズの合っていない服を着続けるわけにはいかないだろう。採寸を図るためだ」
「確かに服とか無いですけど、メジャーとか家にありませんよ?」
「もちろん持っているさ」
「よく持ってましたね。姉さんになんて言われたんですか?」
「束から珍しくメールが来たから見てみると可愛らしい寝顔が映っていてな、その後電話が来て話を聞くと、くくっ全部聞かせてもらったよ」
「いや、笑い事じゃないんですけどー!」
「くくっすまない。女の子の気持ちが知りたいからって女にされるとはな……災難だったな。ふふっ」
「ひどいんですけど!」
「まあ、女の気持ちは分かるんじゃないか……はははっ!」
「鬼なんですか! 千冬さんは鬼畜なんですか!」
「ははっ悪いな。まあ、ちゃんとフォローしてやるさ。とりあえず採寸を図って服を買いに行こう」
「頼みますよー!」
「ああ任せろ。服を脱いでくれるか? いや脱がせてやろうか?」
「自分で脱ぎますから-!」
寝間着に着ていた長袖のスウェットを脱ごうとするけど……いや待てよ。スウェットを脱いだら、下に何も着てないわけで、裸なんだよね?
うわ……どうしよう……昔姉さんとお風呂に入っていた時はまじまじと見たわけじゃないし……でもこれから見慣れていくしか無いんだよなぁ。
「いつまで止まっているんだ。仕方ないな私に任せろ」
「ちょ、千冬さん! まっ!」
世界最強に逆らえるはずもなく、上下のスウェットを脱がされて、下に履いていたトランクスだけにされた。
下を向いて自分の身体を見ると、白く透明な肌がまぶしいのに、そこから目を離せない。でもなんだか、全体的に小さい?
一応出るところは出てるよ?身長は鈴よりは高そうだし、胸も手に手のひらから溢れるくらいには大きくて、思わず揉んでしまったけど……柔らかっ!これはマシュマロを超える柔らかさ!
でも自分の身体だからかもだけど欲情はしなかった。心は今も男のつもりだけど、女性に興奮できない……?いやいやまさかね。
「いつまで揉んでいるバカ者。それより私の前に立ってくれ」
「あっ、はい」
メジャーで身長からバスト、ヒップ、ウエストと図ってもらったけど、改めて身長が低くなったなぁって思った。千冬さんより身長が低くなっちゃったし。
あとサイズの測り方ってこんな感じなんだね。身長と体重くらいしか測ったことが無かったからなぁ。てか色々触られたし、千冬さんが間近にいて恥ずかしいんですけど……!
いい匂いがするし、千冬さんってめちゃくちゃ綺麗だし……!
「身長は154cm。スリーサイズはバストが76でアンダーは64……Bカップくらいか。ウエストは54、ヒップは78か……だいたい分かったな」
「うぅ……恥ずかしかった」
「女同士なんだ。恥ずかしがらなくてもいいじゃないか」
「いやいや、千冬さんめちゃくちゃ綺麗なんですから仕方ないですって!」
「……そうか」
「わっ!」
千冬さんに頭をポンとされてから髪を撫でられたんだけど、なんだか不覚にも胸の奥がドキドキして、ちょっとときめいてしまった。これは女の子にモテるわけだよね!
「取りあえず服を着ようか? 私の古着をいくつか持ってきたんだ。私が着せてやろう」
「あっはい……」
言われるがままに従ってしまったし、身を任せて服を着せられた。千冬さん男前すぎるよ……。はっ、なんだか身体に心が引っ張られている?いやいや思い出すんだ。俺は男だ!
「俺は男だ!」
「どうしたいきなり。こんな可愛いのに男な訳がないだろう? 服も似合ってあるぞ」
「あ、ありがとうございます……」
千冬さんがイケメンすぎてヤバい。男でも惚れるくらいかっこいいんだからときめくのも仕方ないよね!これは男女は関係者ないから!
「では、服を買いに行こう。私のコーデで構わないな」
「は、はい! よろしくお願いします!」
千冬さんに手を引かれながら部屋を出て、玄関では持ってきてくれたサンダルを履かせてくれて、開けてもらった扉から外へ出るとまた手を取ってくれた。
ほんとヤバいよ千冬さん。惚れちゃうから!
いやいや、俺は男だから!むしろ千冬さんを惚れさせるつもりでいかないと!がんばれ男の俺!ってうぁ!
「それでは行こう。っと、サンダルがそれでも大きかったか」
千冬さんが抱きとめてくれたおかげで転ばずにすんだ……。思わず千冬さんを見上げると、優しく笑っている千冬さんと目が合った。
「私が支えるから、安心してくれ。ショッピングモールについたら先に靴を買おうか」
「は、はぃ……」
これは、無理かもしれない……女の子になっちゃうかも……なってるけどさ!心だけは負けないから!
千冬さんにときめいてしまった湊ちゃんでした。
でも仕方ないですよね!イケメンすぎたんですから!
感想もらえたのがうれしくて続けちゃいました!
読んでいただきありがとうございます!
露骨に世界観を説明する回になっちゃいました。
篠ノ之家の湊ちゃんが一夏と同じ学校に通い続けるには、ちゃんと理由が必要になりそうだと思ったので!
登場人物紹介
湊ちゃん
身長は154cm。
バストが76でウエスト54、ヒップは78らしいです。
これは、wikiで調べた情報によると鈴以上シャル以下って感じの体系です!どうでしょう?
元は171cmで千冬さんより高かったです。
メス堕ちしないようにがんばれ湊ちゃん!
千冬さん
イケメンすぎます。
湊ちゃんの天敵その1。
自然な仕草がイケメンで、湊ちゃんは服を買いに行ったあとはどうなっているんでしょうか?
箒ちゃん
主人公との電話を楽しみにしています。
今後、女の子になった湊ちゃんと電話することになると思いますが、どうなるんでしょうね?